Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん女優列伝(78)片桐はいり

2018-09-20 04:04:28 | コラム
63年1月18日生まれ・55歳。
東京出身。

公式プロフィール


顔面力。

ちょっとしか出てこないのにビッグインパクトを残す、
それでいて映画の雰囲気を壊すことがないという、奇跡の存在感を放つ女優、片桐はいり(かたぎり・はいり)さん。

スコセッシ念願の企画『沈黙 サイレンス』(2016)にもチョイ役で顔を出していて、やっぱり? 場をさらっていました。
向こうからオファーがあったのか、それともオーディションで勝ち取ったのか、気になるところですが、どちらにせよ、はいりさんの顔を見た瞬間に「合格!」のサインが出たんじゃないでしょうかね、

正直、バカにされそうな顔面だと思うのです、笑いもそっちの方向―ヘンな顔に対する笑い―に流れそうですし。

しかし、そうはならなかった。
観客がはいりさんを見て笑うのは顔面ではなく、その演技からでした。

そういうところが、すっごく格好いいと思います。


※珍しい主演作



<経歴>

成蹊大学・文学部日本文学科卒。

元々が映画少女だったことから、映画に関わることならなんでもやりたいと劇場のチケットもぎりのアルバイトを始める。

はいりさんは売店に立つことよりも「もぎり」のほうが好きだったようで、なんと、現在でも無償で「もぎり」をやることがあるそうです。




アルバイトと並行して劇団『ブリキの自発団』に入団、女優の道をスタートさせました。


映画俳優デビュー作は、85年の『血風ロック The Bloody Afternoon』。

デビュー初期なら「そういうこともあるだろう」と解釈出来ますが、しかし、はいりさんはこれ以降、
ずぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っと、
ちょっとしか出てこないキャラクターを演じつづけました。

それでいて、ほとんどの映画ファンに顔と名前をきちんと覚えてもらえた―なぜって顔面力があるから、演技に味わいがあるから。

すっばらしいことですよね。


『コミック雑誌なんかいらない!』(86)、『刑事物語5 やまびこの詩』(87)、『いとしのエリー』(87)、『ハチ公物語』(87)、『クレージーボーイズ』(88)、『・ふ・た・り・ぼ・っ・ち』(88)、『文学賞殺人事件 大いなる助走』(89)、『二十世紀少年読本』(89)、『砂の上のロビンソン』(89)。
『のぞみ・ウィッチィズ』(90)、『グッバイ・ママ』(91)、『J・MOVIE・WARS』(93)、
『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』(2000)、『連弾』(2001)、『恋に唄えば♪』(2002)、『キューティーハニー』(2003)、『サヨナラCOLOR』(2005)、『恋の門』(2004)、『ベロニカは死ぬことにした』(2005)、『太陽の見える場所まで』(2005)、『ダメジン』(2006)、『かもめ食堂』(2006)、『図鑑に載ってない虫』(2007)、『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(2008)、『なくもんか』(2009)。

『劇場版 怪談レストラン』(2010)、『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』(2011)、『R100』(2013)、『薔薇色のブー子』(2014)、
予告編をリンクした主演作『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014)、
『繕い裁つ人』(2015)、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(2015)、『シン・ゴジラ』(2016)、『僕らのごはんは明日で待ってる』(2017)、そして最新作が快作『勝手にふるえてろ』(2017)。


特異なキャリアから、控えめな印象を受けますが、意外とガツガツしているところもあったりして。

それはそうか、そうでなければ、この業界で生き残っているわけがないですものねぇ。。。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(79)片瀬那奈』
コメント (2)
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