Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(118)

2015-04-15 06:03:03 | コラム
たいたにっ「く」→「く」りやまちあき(栗山千明)

好きな女優のベストテンなどを展開する場合、入りそうで入らないひとって沢山居る。

そのひとりが栗山千明、かな。

好きなんだけどね。
厳密にいえば、2000年前後の彼女が・・・って、それは女子高生役が多かったから、、、なのかもしれないので、それは単に女子高生が好きということなのか。

いやでも、あのころの彼女はたしかに魅力的だった。
もちろん、いまでも魅力的ですよ。
ただ、当時の「あぁ、こういう子になら、ちょっといじめられてもいいかも…」という思いが、現在の彼女には持ち難い。

柴咲コウがいい放った「死ねよ、ブス!」には負けるが、それでも鮮烈な印象を残した『バトル・ロワイアル』(2000)、
「あたしと、ヤリたいの?」といい、男を殺していくゴーゴー夕張を演じた『キル・ビル Vol.1』(2003)。



栗山千明といえばこのふたつで、あれから10年以上を経過しているのに、これを超える作品に出会っていない。


現在30歳、ジュニアモデルとして小学生のころから活躍。

観直して気づいたが、95年の『GONIN』では竹中直人の娘を演じていた。
あの、殺されてしまう女の子ね。
当時は10歳、面影があるといえばあるともいえるし・・・でも、こんなに美人になるとは思わなかった。

99年、ホラー映画『死国』で本格デビューを飾る。

殺しかたがプロレス技みたいだったし、同時上映(=『リング2』)がクソつまらなかったので、まあまあ楽しめた。

じつはこのころに、映画スタッフをやっている友人から「インタビューしてみる? 大女優じゃないし、駆け出しライターでも相手してくれると思うよ」と誘いを受けたのに、その日はデートの約束が入っていたので断ってしまったのだった。

くそっ! 自分のバカヤロウ! 想像力なさ過ぎだろう!? と、その数年後に後悔したのはいうまでもない。
(そのデートも、うまくいかなかったしよ~)


そして前述したふたつの快作で海外デビューを果たすのだが、

『あずみ2』(2005)の、こずえ役は衣装は素敵だったけど内容がペケ、
『GSワンダーランド』(2008)だって悪くはないけれど、彼女じゃなくてもよかったような気がする。
『ハゲタカ』(2009)は、主演の大森南朋が巧過ぎて彼女が少々気の毒になる・・・という具合に、どうもついていない。

テレビドラマではそこそこ活躍しているみたいだけれど、そこまで追えていないのでなんともいえない。

(しつこいが)あのころの「挑発した感じ」はなくなったものの、なんというか、面構えは映画向きのような気がするのだけれどもな。

だから、まもなく公開される『種まく旅人 くにうみの郷』に期待してみたい。
篠原哲雄、久々の長編作品だし。


※歌もやります。作詞作曲は、林檎ちゃん。

それにしても・・・ともさかりえといい、林檎ちゃんが作った曲を他者が歌うと、なんか林檎調の歌いかたになるのは、どうしてなんでしょう。

悪くはないけどね。





次回のしりとりは・・・
くりやまちあ「き」→「き」ぐるいぴえろ。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『洗濯機は俺にまかせろ』

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シネマしりとり「薀蓄篇」(117)

2015-04-14 06:02:35 | コラム
ずっとすきだっ「た」→「た」いたにっく(タイタニック)

映画小僧、映画狂、映画マニア―自称しているならなんでもいいが、自分を含めたこの人種の悪しきところは、特大ヒットを記録するようなビッグバジェットの映画を「素直に、好き。」といえないところ。

アナ雪?

ふん! みたいな。

ハリポタ?

ふん、ふん!! みたいな。

『タイタニック』もその例に漏れない。
しかし『スターウォーズ』シリーズ(77~)と宮崎爺の映画だけはベツモノとしてワクワクしてしまえるのだから、都合がいいというか、いやいや、それだけルーカスと爺がすごいってことなのだろう。

97年、東京国際映画祭―。
日本びいきとしても知られるジェームズ・キャメロンの新作、『タイタニック』が世界初披露された。

自分のように「キャメロンの新作として」会場に向う映画小僧、映画狂、映画マニアが・・・えっ、こんなに多いの?
キャメロンって、(当時)こんなにメジャー級のひとだった?

否。

人気の絶頂期にあったレオくんこと、レオナルド・ディカプリオも来日しているからこその長蛇の列なのだろう。
だって会場を囲むひとびとは、映画小僧、映画狂、映画マニアが放つ独特なニオイがしない。

かといって無臭でもない。
よい香りなんだ。

・・・って、そういうニオイのことではなく。

つまり、若い女子でいっぱい。
レオくん人気を実感した日であった。


1912年に起きたタイタニック沈没事故を、ラブストーリーにからめて描く大作。
実際に起こった事故については他所のサイトを参照すればいいし、
この映画がどれだけヒットし、主題歌も売れ、パロディが生まれたかについて・・・は、自分が解説するまでもないでしょう、だから本稿はタイトルとは矛盾するが薀蓄は語らない。

この映画のアレヤコレヤについて、映画小僧が思っていたことを軽く綴ることにする。


ほぼ原寸大のタイタニックを創っただけでなく、画面に登場しない調度品の数々まで用意して撮影に臨んだ194分の大作は、ふつうに面白かった。

こりゃ敵わんな。

小津は『風と共に去りぬ』(39)を観て「こんな映画を創る国と戦っているのか」と慄いたというが、その感覚にちかいかもしれない。

やってられねぇ。

とも思ったが、当のレオくんは「安っぽい台詞を吐くのが苦痛だった」と回想している。

そうでしょう、そうでしょう。
レオくんは少年のころから作家性の強い監督と組むことが多かった。
女子とイチャイチャしながら「ほら、飛んでいるみたいだろう」なんてことばを放つ映画に出演したことがなかったのだもの。

「俺は世界の王様だ!」は、とくにイヤだったようで、レオくんに最終編集権があればカットされていたかもしれない。
本作がオスカーに輝いた夜、キャメロンは壇上で同じ台詞を叫んだわけだが、あれはさすがにきつかった笑

第一、貧乏画家と令嬢の身分を越えた愛・・・なんてベタ過ぎやしないか?

って、いまでも思うが、じゃあどうすればよいのかと問われた場合、ナイスアイデアは浮かばない。

いや、もっと凝ったキャラクターにすることは出来るよ。
その逆に、リアリティを重視する方向だって可能。

でもそれが万人のこころをつかむのか―というと、ちょっと自信ない。

いろいろ考えた結果、キャメロン版が「たぶん、すべてにおいて」正しかったんだと思う。


さらにいえば、当時抱いていたはずの気恥ずかしさも、いまは「ほとんど」なくなってしまった。

「生きろ。」といって海に沈んでいったジャックに応えるため、笛を鳴らすローズの物語。
劇場では「すすり泣き」が聞こえ、そういえば自分だって泣いていたじゃん!!

当時は「あれは、もらい泣き」と弁明? していたが、いや、そうじゃなかった気がする―と素直にいえるようになるまでに、10年以上を要してしまったよ苦笑






あすのしりとりは・・・
たいたにっ「く」→「く」りやまちあき。

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定番の強さ

2015-04-13 05:44:37 | コラム
帰省の話を書いたので、お土産の話でも。

それを「食べるもの」とした場合、やっぱり強いのは定番と呼ばれるお土産だ。

しかし―地元のひとには申し訳ないが、沖縄の「ちんすこう」や京都の「八橋」は、どうも苦手。
食べられないこともないけれど、ひとつで充分、、、って感じかな。

食べられないこともない―ではなく、ほんとうに食べられないのが、北海道の「マルセイバターサンド」。

きゃー。



こんなにレーズン入っているし、拷問だわ!!


そんな自分による、定番お土産の5傑は、以下のとおり。


(1)赤福…三重



画像貼るだけで、腹が減ってきた。

あんな騒動があったのに、よく復活したと思う。

(2)うなぎパイ…静岡

たしか抹茶味があったはずなんだけど、いまは発売中止?

(3)ままどおる…福島

一箱いける。



その昔、福島出身で「がめつい」ことで有名だったバイト仲間がお土産で買ってきたんだけど、そいつ、箱を開けて「どうぞ」といっていたのに、自分でパクパクと食べ始め、結局、全員に行き渡らなかったことがあった。

呆れて、笑っちゃったよ。

(4)白い恋人…北海道

関西のほうのパロディ版も食べてみたい。

(5)ジェリービーンズ…米国

昔は「レーガン大統領も好きな…」という説明だったが、いまは「ハリーポッターでお馴染みの…」だろうね。

どれもこれも、けっして美味いものではないが、色で味を想像していく過程は楽しい。


帰省の度に、お土産はなににしようかなと悩んできた。

群馬の名産といえば、ねぎとこんにゃくでしょう、あとキャベツ。
家庭持ちには有難がられるかもしれないが、なんかちがうし。
それに、すっげかさばるし。

こんにゃくゼリーは「あり」だと思うけど。

地元・館林の「うどん」は、そこそこ有名なので、それもよし。

でも、料理しない友人も多いし。
「茹でるだけじゃん!」というなかれ、料理しない人間は、徹底的にしないのだ。

そんなときに出現したのが、トップ画像の「蚕のチョコ」。

もっと分かり易くいえば「イモムシ型のチョコ」で、これは世界遺産登録された富岡製糸場が満を持して? 発表したものであり、数年前から馬鹿売れしているようで。

ちょいとユニークで、まあまあ美味しい。

前回の帰省時にこれをお土産にしたら、みんな、とっても喜んでくれた。


こういうのを待っていたんだよ、やっと群馬の定番の? お土産が誕生したという感慨深さがある。

誰だか知らんが発案したひと、その企画を通したひと、あんがとね!!


※群馬のスターといえば彼らなので、自分がいちばん好きな曲を




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初体験 リッジモント・ハイ(123)

2015-04-12 05:46:04 | コラム
92年の3月12日、映画小僧が上京―。

東京に着いてやりたかったこと・・・は、20も30もあったが、実際に1週間以内にやったことといえば、

(1)マクドナルドでビッグマックを食べる

芥川の『芋粥』じゃないけどね、食べたくて食べたくて、夢にまで出てきたんだ。

そう、館林にはマクドナルドがなかったから、生まれて初めてのマックだった。

テイクアウトで3000円分くらい注文したんじゃなかったっけな。

(2)風俗に行く

かーちゃん、ごめ!!

これまた、生まれて初めての風俗である。

『ピンクサファイア』という店の「momoちゃん」を指名したことは覚えているが、群馬の片田舎に住んでいたガキにとっては刺激が強過ぎて、プレイの内容は、そこだけ記憶喪失になったかのように「まるで」覚えていない。

(3)ミニシアターに行く

やっぱり、生まれて初めてのミニシアター。

場所はテアトル新宿で、コーエン兄弟の傑作『バートン・フィンク』(91)を観た。

(4)茶髪にする

懸命に東京に染まろうとしているあたりが、涙ぐましいね。

でもそれが「髪を染めること」というのが、いかにも田舎者じゃないか。


似合っていたかどうかはともかく、自分を改造しようとしていた。

そして初めての帰省が、その年の8月。
それがトップ画像だが、まだ半年も経っていないから・・・というのがイイワケになるかどうか分からないが、改造は未完成で、なんか妙だよね?

でもまぁ、(なぜか)顔は自信に満ち溢れている、、、ように見える。

ちなみにその翌年―今度は、とーちゃんとかーちゃんが自分のアパートに来てくれて、そのときに撮った写真がこれ。




少~しだけ、東京に馴染んできた感じかな。


さらに。
その年の夏に帰省し、高校の同級生と呑み会を開いたときの1枚。



髪を黒く戻し、今度は服装に気を使い始めたころかな。


現在のアンチャンネーチャンは、たとえ地方に住んでいようとも、東京に対する憧憬なんて抱かないだろう。

中島みゆきの『ファイト!』には、

♪ 滲んだ文字、東京行き ♪

という歌詞があったし、

長渕も東京への愛憎を歌ったし、

『自虐の詩』でも、

「あんたのようなひとが生きるところ」と、東京を表現していた。


そういうのは、自分の世代で最後だといわれている。
だから映画の世界でも、地方都市を舞台とした映画が増えたのだろうね。


帰省の話に戻る。

数ヶ月で地元や実家の様子が変わるわけもないが、それでもちょっと感慨深いところはあった。
だいぶ背伸びをしていたものだから「こっちは変わらないが、俺は変わったっしょ?」みたいに思っていたのだろう、実際はどうだったのかは他者に聞くほかはないが、なんとなく気分はよかった。

どこかに行ったとか、親とこんな話をしたとか、そういう特別なことがあったわけではないので、これ以上記すエピソードもないのだが、
このころはかーちゃんも元気だったし、もちろん生家もあるわけだ。

「このあとのこと」を見通せる想像力というものがあればね、自分の改造なんか二の次として「やるべきこと」が分かったとは思うのだが、
そういうことに頭が回らないことを「青春」というのかもしれないよね・・・と、ここへきて自己弁護してしまう自分大好き人間なのだった。


おわり。


※そのころに聴いていたのが、ソニックユースだったなぁ




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『定番の強さ』

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初体験 リッジモント・ハイ(122)

2015-04-11 05:14:56 | コラム
20日より、ちょっとばかり帰省する。

いつもは法事であったり同窓会であったり、それなりの理由があるのだが、今回は「とくになし」。
強いていえば、「久し振りだから」になるのだろう。

東京で独り暮らしを始めて22年、とうとう生まれ故郷で暮らした年月を越えてしまった。

そりゃトシも取るわな。

ほんとうは、帰省の時期をずらして先週あたりに帰りたかった。
というのも、自分が18歳まで暮らした実家が取り壊されることになり、それに立ち会いたかったから。


(現在、父親はその横に建てられた家のほうに住んでいる)

もう、あの家はないのだものなぁ―と思うと、やっぱりセンチな気分になるものだねぇ。


2年に1度くらいの頻度で帰省しているのだが・・・
当然のこととして、年々「ヨソモノ感」が強くなる。

身内も自分のことを客人のように扱うし、自分もなんとなく旅行者の気分で数日を過ごす。

同窓会に出席しても同様である。
もちろん楽しいので皆勤賞だが、隣組の会合の話をされてもね、ついていけないわけで笑
(7割程度の同級生が地元に留まっているため、自分を除く参加者は「きのうも一緒に遊んでいた」というケースが多く、自分にとっては「数年ぶり」でも、彼ら彼女らにとっては、同窓会も日常の延長線上に位置するのだった)


帰省の初日は、深夜に外に出て、空を仰ぎながら煙草を「連続して何本も」吸うのが恒例である。

しん、と静まり返っている―という時間の感覚が東京にはないため、ひじょうに新鮮なのだ。

しかし。
空気も水も美味いし星もキレイだが、時間の流れが「ゆったりに過ぎて」せかせかしている東京のほうが性にあっているなぁ、、、なんて思ったりするのも事実。

だから、2年に1度くらいの帰省がちょうどいいのだろう。
(周りには10年帰っていないひとも居るし、その逆に年に4~5回も帰っているひとも居る。意外と、自分の回数が平均的になるのかもしれない)


映画と帰省といえば、王道は「帰還兵」か「出所する主人公」だろう。

真っ先に思い浮かべるのはジョン・ランボー(トップ画像)だが、いやいや、あの格好だから里帰りと勘違いしてしまうが、彼は戦友の故郷を訪れているだけだった。

「あいつが帰ってきた」―物語の軸をそこに置いたのが、デ・パルマ×アル・パチーノの『カリートの道』(93)。

伝説のギャングは悪徳弁護士のおかげで獄中生活を終え、シャバに戻ってくる。



年配者や同世代のものは彼の凄さと仁義を重んじる性格を知って一目置くが、彼を使ってのし上がりたいヤンチャな若造も居て・・・という展開だった。

自分はどうかって?

べつの意味で、「あいつが帰ってきた」となるだろうね。

「牧野さんちの子とは、遊んじゃいけないよ」といわれていた同級生が多かったというし、自分を見かけたというだけで家の鍵をかける近隣住民も居る。(半分は嘘だ、半分はね)


というわけで、今回の初体験テーマは「初めての帰省」でいく。

初めての帰省は上京して4ヵ月後の夏・・・のことだから、92年の8月だったと記憶する―。


つづく。


※同窓会を描いた映画といえば、これで決まり。
ラストの小林薫の男泣き、グッときたなぁ。




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