Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

ひまつ

2015-08-06 05:52:26 | コラム
・・・いや、火まつり、じゃなくってね。

ひまつぶし、でも、もちろん、ひつまぶし、でもなく。

べつに、火まつり、、、でもいいのだけれども。


きょうは、「飛沫」についてのお話。

「飛沫」と書いて「ひまつ」と読んでもいいし「しぶき」と読んでもいい。

意味は同じ・・・って、こういうところが日本語の難しいところなのでしょうなぁ。


飛沫といえば、キッタネー男子が考えることは同じ。
アイドルのグラビア写真みたいな、水しぶきね。(トップ画像)

プールに太めの男子が思いっきりダイブする―そんな風に水しぶきを作り出していることが多く、えぇ! 写真の世界って意外と原始的だなぁと。

毎日暑いしね~、
水しぶきと水着美女の写真を眺めるのもいいし、その水しぶきを作り出すほうになってもいい。

ともかく涼みたいぞと。


そんなわけできょうは、映画のなかで印象に残る「飛沫の10傑」を展開してみたぞ。


(1)『椿三十郎』(62)

血しぶきでは、この描写を超えるものはない。



(2)『ブレインデッド』(92)

ゾンビたちを芝刈り機で一気に退治。

これだけ血まみれなのに、なぜか笑える奇跡の映画。

(3)『羊たちの沈黙』(91)

少し飛沫とはちがうと思うが・・・

精子を顔に引っかけられる、クラリスの悲鳴。

(4)『トレインスポッティング』(96)

恋人の家に泊まり、漏らしてしまったスパッド。

シーツを洗濯しようとしたのだが・・・。

この10傑のなかで、最も浴びたくない飛沫である。

(5)『アメリカン・サイコ』(2000)

血しぶきさえも、アートにしちまうんだぜ!!



(6)『愛しのローズマリー』(2001)

巨漢のヒロインが、プールにダイブ。

(7)『シャイニング』(80)

飛沫ではなく、血の海だけれども。。。




(8)『レイジング・ブル』(80)

ファイターの血が、観客のほうまで飛んでくる。

(9)『バートン・フィンク』(91)

東海岸から西海岸にやってきた作家の道程を、飛行機の移動ショットではなく、海のショットで表現しているところがコーエン兄弟らしい。

(10)『孕み 白い恐怖』(2005)

なんてことない、安いホラー映画なのだが、前田亜季が好きなもので。



美女は水着だけでなく、水しぶきも血しぶきも精子も、なんだって似合うのだ。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(131)』
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The Rolling Stones

2015-08-05 05:48:16 | コラム
バンド名から連想する映画を挙げていくシリーズの、きょうは最後。

トリはやっぱり、自分が最も愛するバンド「The Rolling Stones」に登場してもらいましょう。

ジイサンになっても不良をやっている。
映画との相性もバツグン。
ミック・ジャガーの声が好き。

自分がこのバンドを愛する3つの理由だが、まずバンド名がいかしているじゃない。

直訳すれば「転がる石」。
ボブ・ディランの代表曲でもあるが、ヒトの一生を端的に表現していて素晴らしい。

強固な意志・意思を持つものも含めて、みんなが転がる石なんじゃないかと。

映画は、モノガタリではなくヒトガタリ。
ということは、「すべての映画が転がる石を見つめたものだ」と極論を述べることだって出来る。

きょうは、そのなかでも転がる石であろうことを「強調したかのような」映画を10本選んでみた。


(1)『ミラーズ・クロッシング』(90)

転がる石を、風に舞う帽子で表現して秀逸。



ここに流れる、カーター・バーウェルのテーマ曲も素晴らしい。

(2)『西鶴一代女』(52)

仏像たちの顔が、これまで関わってきた男たちとオーバーラップしていく。

ある娼婦の、哀しくて美しい物語。

(3)『ガープの世界』(82)

波乱に満ちた生涯を「なんてこと、ない」ように描く。

これがジョン・アービングの世界。

(4)『用心棒』(61)

宿場町を、ほとんどゴーストタウンのように荒らして去っていく。

三十郎は、悪党を斬るのが好きなのか、あるいは、シャッター商店街を作り出す悪魔なのか。

(5)『ブギーナイツ』(97)

デカチンであったがために、ポルノ業界の隆盛と衰退を目の当たりにする青年。



でも青春って、そんなものだろう。

(6)『クライング・ゲーム』(92)

基本、受動の主人公が、最後の最後に能動の役割を果たす。

愛のためなら、なんだってするのさ!!

(7)『モダン・タイムス』(36)

ただ喰うために働きたいだけなのに、彼の人生はなぜ、これほどまでに騒々しくなってしまうのだろうか。



(8)『ランボー』シリーズ(82~)

かつての上司、トラウトマンが「なにもかも」悪い。

ランボーは、ぜんぜん悪くないのだよ!!笑

(9)『インファナル・アフェア』(2002)

精神をすり減らす、潜入捜査官という仕事。

格好いいが、やりたいとは思わないよね。

(10)『アンダーグラウンド』(95)

国家に翻弄されるひとびとを描き、胸をえぐられるような思い。

それでもヒトは、生きていくんだ。





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明日のコラムは・・・

『ひまつ』
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Silent Siren

2015-08-04 05:51:15 | コラム
バンド名から連想する映画を挙げていくシリーズの、きょうは第二弾。

読者モデルの女子たちが組んだバンド「Silent Siren」は、まぁ想像に難くないが批判されることも多い。

歌唱力はアレだしパフォーマンスも「…」だし、ということなのだろうが、ラジオ局NACK5の取材をしていた関係で、自分は、好きでもないが嫌いにもなれない。

バンドとして、という意味ね。
女子としてなら、4人とも大好きだ。

とくに、あいにゃん(山内あいな・ベース担当、トップ画像の左)がね。

バンド名の由来は「サイレンとサイレント、が、正反対のことば」というのが面白かったことから、、、らしい。


サイレンといえば、パトカーか救急車のそれだ。

自分は中からも外からも聞いたことがあるが、同じ音でも随分とちがうように聞こえるところが不思議だなぁと。

靭帯をやってしまったとき、痛みはあるが意識ははっきりしているので、隊員のひとに話しかけてみた。

「けっこう大きな音のはずなのに、車内には響いてこないんですね」
「あぁ、そうかもしれません」
「なんか面白いですね」
「毎日聞いていると、あまり疑問には思わなくなりますけど」
「・・・あの、うるさいですか、自分(笑う)」
「そんなことないですよ、それで落ち着くのであれば、どんどん話しかけてください」

・・・落ち着きたかったのかなぁ、自分。


以下、個人的に印象に残る「映画のなかのサイレン音」。


※広義の意味におけるサイレンとした


(1)『ダイハード』(88)

妻ホリーの同僚で、犯人グループに殺されてしまうエリスが、大挙してやってきたパトカーのサイレンを聞いてヒトコト。

「あの音も、悪くないねぇ」

それは、そのとおり。

(2)『救命士』(99)



眠れない救命士が鳴らすサイレンは、過剰なほどにけたたましい。

(3)『テルマ&ルイーズ』(91)



女ふたりを追うのは、軍隊レベルの警官隊たちだ。

(4)『ヤッターマン』(2009)

上位3つに比べれば、なんて穏やかなサイレンだろう。

(5)『キャノンボール』(81)

清々しいサイレン。




(6)『セブン』(95)

異様な映像美ばかりが注目されたが、音作りも素晴らしい。

とくにサイレンと、ヘリコプターの音。

(7)『眠らない街 新宿鮫』(93)

この映画で聞くサイレンこそ、我々が日常で触れるサイレン。

(8)『プロジェクトA』(83)

海軍警備隊たちが吹く、笛。

(9)『太陽を盗んだ男』(79)

日本のパトカー、大集結!! みたいな。

(10)『火垂るの墓』(88)

空襲警報。

最も聞きたくないサイレンだろう、たぶん。
『ダイハード』のエリスだって、それに異を唱えないはずである。

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明日のコラムは・・・

『The Rolling Stones』

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SEKAI NO OWARI

2015-08-03 05:56:24 | コラム
・・・いや、バンドの話じゃなくってね。

といいつつ、最初はそこから始めましょうか。

先日の「美女100選」には漏れたが、「SEKAI NO OWARI」のピアノ担当SAORIちゃんも悪くないなぁと。

やや暗い感じがそそるというか、こういう子はエッチのときは意外と積極的になるものだ。

なんの話だ?

まぁいいや。

彼らのバンド名は一見「後ろ向き」だが、そんなことはなく「前向き」な意味をこめているのだそうだ。


世界の終わりといえば、連想するものはふたつ。
ひとつが、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』。
もうひとつが、終末論。

未来は明るいものではなく、絶望的な暗さが支配している―なぜか物語の世界には、そういうものが多い。

「なぜか」ってことはないのか、そのほうが物語としては動き出し易いから。
その暗い世界のなかで、主人公たちがどう生きていくかっていうのがテーマになるわけだし。

そこできょうは、終末観「濃厚」な映画の10傑を展開してみよう。

あなたの想像する50年後は、どんな世界ですか―。

ん、自分?

そうだなぁ、、、ヒトがどうなっているかは分からんが、少なくとも、いまの3~4度は気温が上昇していることはたしかだろうねぇ。


※広義の意味における「終末」とする
※※意外とベタなセレクトとなったが、つまりクラシックというのは「やっぱり」すごいということ、なのだろう


(1)『ブレードランナー』(82)

映像表現としては見事だが、この世界に生きるひとびとが、ちっとも幸福に見えないのが気になる。



(2)『クラッシュ』(96)

オスカー受賞作ではなく、クローネンバーグのほうね。

自動車事故の衝撃でしか性的快楽を得られなくなった「イタい」ひとたちを描く。

性交描写が「すべて」後背位というのも奇妙だった。

(3)『マッドマックス』(2015)

オリジナルではなく、現在公開中のバージョンを敢えて。

やり過ぎ感が極まっているが、中途半端に不幸なら、ここまで狂った世界のほうが「ひょっとすると」生き易いのかも。

(4)『12モンキーズ』(95)

SFだが、「あり得なくもない」と思わせる物語の力強さがある。

(5)『風の谷のナウシカ』(84)

「最終戦争」後の世界を描く。



腐海の放つ瘴気毒こそ、終末の象徴だ。

(6)『博士の異常な愛情』(64)

世界の終わりかたとしては、これが最もリアリティがある。

(7)『ターミネーター2』(91)

ヒトが原因で起こる世界の危機を、ヒトが造ったロボットが救う。

キャメロンもスピルバーグも、核の部分では同じ考えの持ち主だと思った。

(8)『アイ・アム・レジェンド』(2007)

主人公と、ワンちゃんだけの世界。

生き残るっていうのは、寂しいことなのだよ。

(9)『ブラインドネス』(2008)

視界が失われたことによる混乱を描く。

綻びが散見される映画だが、その恐怖だけは伝わってくる。

(10)『ウォーリー』(2008)

登場するヒトが、みんな極度の肥満体になっているところがゾッとする。

でもほんとうに、そうなる可能性が大きいよね。




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明日のコラムは・・・

『Silent Siren』

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自販機下から、トカレフ

2015-08-02 05:44:47 | コラム
先日の深夜―。
酔って帰還した自分は家で淹れるコーヒーではなく缶コーヒーを飲みたくなって、団地のそばにある自販機までふらふらと歩いていった。

BOSSのコーヒーを買い、取り出し口に手をやると、BOSSのほかに2本の缶ジュースが入っていた。

先客の、取り忘れ?

1本なら分かるが、2本も?

怪しい。
毒入りドリンクかもしれない。

・・・と一瞬だけ考えてみたが、酔っているから思考能力が落ちているし・・・というのはイイワケか、持ち前の? 貧乏根性が最大限に働いてしまい、次の瞬間にはプルタブを開けて口につけてしまったのだった。

・・・・・。

うん、なんともない。

こりゃラッキーだ、残り1本はあとで飲もうと部屋に戻った。

こういうヤツが、いろんなことに簡単に騙されてしまうのだろうね~。


約20年前のことを記してみる。
時効だと勝手に決めて明かすことだから、みんな、どうか責め? ないでね。

そのころ自分は『マカロニほうれん荘』みたいなアパートに住んでいた。

アパートの前に、サントリーの自販機があって。
深夜2時ころ、煙草を吸いながらその前で缶コーヒーを飲んだものである。

その日も同じように煙草をくわえて缶コーヒーを買おうとしたら、取り出し口からコントローラーのようなものが顔を出していた。

なんだこれ?

と思ってボタンのひとつを押してみると、ペプシが出てきた。

!!!

ちがうボタンを押してみたら、こんどは缶コーヒーが。

なるほどそういうことか。
悪いヤツが居て、取り出し口の奥を探り、コントローラーを引っ張り出したのだろう。
ソイツの目的は飲料にはなく、金にあったにちがいない。
(だから現在の自販機は、2ドアになったのだ)


周囲を見回してみる。

町田の山の奥だから、しんと静まり返っている。

自分は部屋に戻って、洗濯用に使っていたスーパーの買い物カゴを持ち、再び自販機前に。

ここまで書けば、もう分かるだろう。
自分はあらゆるボタンを押しまくり、約50本の飲料水をネコババしたのであった。

ん?

買い物カゴに、50本も入る?

馬鹿め、2往復したのだワハハ。

時間にして5分程度の犯行。
その後、キレイに指紋を拭き取っているのだから抜かりないといえば、抜かりない。

けれども基本がビビリ屋気質である、どこかで誰かが見ていたかもしれないし、これは罠かもしれない。
冷蔵庫に50本の缶ジュースは、いかにも怪しい。

証拠隠滅だ!!

と、喉も渇いていないのに一気飲みを繰り返し、その日だけでほとんどを飲んでしまったバカチンなのであった。

もちろん何日経っても何ヶ月経っても警察は現れなかった。
現れなかったが、その代わり、その自販機の取り出し口は2ドアになった。


冒頭で記した「2本の缶ジュース」の件でこのことを思い出したのだが、自販機文化の隆盛がつづく日本ならではのエピソードなのかもね、ふたつとも。

自販機の下からトカレフが出てきた―という嘘みたいな設定から面白い物語を紡いだのは、阪本順治の『トカレフ』(94)だった。

海外ウケのいい阪本映画、しかしこれは評価されなかったというが、この文化を解さないと、なかなか入り込めない物語だったのかもしれない。





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明日のコラムは・・・

『SEKAI NO OWARI』

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