fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『幽霊探偵ハル・燃える図書館の謎』(田部智子)ー角川つばさ文庫

2016年01月04日 | 本の紹介
           

 小学生のときは、ホームズ。中学高校はエラリークイーンが好きで好きでたまらなかった私、子ども向けの探偵物書きたいなあという気持ちを抱きつつ果たせていません。
 
 田部さんのこのシリーズは始まったばかり。
 ハルは時雨坂図書館の秘密の部屋に潜んでいる。という設定。(タイトルに書いてあるんだから言っていいよね)しかも、幽霊。大金持ちの長男でオレ様キャラ。
 そこに現実の世界に生きている6年生の隼と奏音が加わって、図書館で起きる連続放火事件を推理していきます。事件とともに、ハル、そして隼がおばあさんからもらったペンダントの鍵という彼らの秘密がからんできます。
 
 田部さんは、子ども達がすんなりとその世界に入ることのできる本を何冊も出されている方。何より、キャラの立て方にはいつも感心させられています。何気なくすらすらと読める文章って、読む方からしたらあたりまえなのですが、そこに情報をもれなく入れ込むということがなされていなくてはならない。いや、プロっていうのはそれができる人なのですけどね。
 もちろん子ども達はそんなことは知らず、ただ楽しめるわけです。
 私が子どものころに、こういう本はなかったなあ。あったら、きっと好きだったろうと思います。