童話を書く前、いっときテンペラ画をがんばっていました。(以前数点の絵をアップしたことがありました)
多くは群馬直美さんという画家さんが好きだったので(今でもですが)、葉っぱがモチーフですが、この一枚もありました。
散らばっているのは、金箔です。
お正月、テレビで金沢が特集されていて、金沢といえば金箔。で、それを見ていて、(あれ、うちにもあったような・・・)と思ったのですよ。それでゴソゴソ探したところ、出てきました。これ、何十年も前に買ったのですよ。なぜなら、包み紙が秋田の彩画堂という、学生時代に画材を買っていたお店のもの。そういえば・・・、銀箔で覆って、座面に球体を置いた「座ることのできない椅子」というヘンテコなものを制作したことがありました。そのとき、金も欲しくて買ったのだと思います。でも、使えずにただ持っていた。
日本画で金箔を使うとき、きれいに貼るのはとても技術のいることです。竹のピンセットのようなものも持っておらず、上の絵を描いたときには、無駄な使い方しかできなかったでした。(*日本画は三千本という植物性の膠を使い、テンペラ画はウサギ膠という動物性の膠を使います)
テンペラ画は、油絵が性に合わない私が、とてもしっくりとくる技法でした。でも、膠を溶かしたり、卵で溶剤を作ったり、板に下塗りをしたりという行程を今するエネルギーはありません。ということで、ちりぽり集めた顔料も(これ、きれいで見ているだけでも嬉しかった)数年前にイラストレーターの方に差し上げてしまいました。
今でも画材屋さんに行くと、チューブに入った絵の具より、フィルムケースのような容器に入った顔料を見るのが好き。あ、また行きたくなった。(そもそも画材屋さんが好き)