fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

お知らせ・防備録。
記事および画像の無断転用はお断りいたします

Information

『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

第一回かわせみ句会&「季節風」二次会短冊廻し

2018年04月22日 | 俳句
 私を含めて14名。場所は、国分寺、おばあさんの知恵袋。

入り口は、こんな感じ。

 5句出しで行いました。

 秋近き心の寄るや四畳半   という芭蕉の句のような句座でした。

 中は、こんな感じ。
 このお店は、絵本屋さんですが、ギャラリーでもあり、読み聞かせ、英語教室、童話の会、ミニコンサートなど多様な利用ができます。駅からも近く、いい雰囲気です。句会は15人までならできるかな。
 マンションの地下通りですが、古本屋、アンティークショップ、ギャラリーなど、おもしろい空間が広がっています。そこのケーキを買って、おばあさんの知恵袋で食べるというのもありだとか。

 さて、句会ですが、所属の会のまちまちな児童文学作家&作家の卵が集まり、なかなかバラエティに富んだ、個性のある句が集まったと思います。
 私的には、何か言葉をひとつでも覚えていただければ、それでOKという気持ちで臨みました。
 それから先は、言葉を生業になさっている皆さんですから、きっとご自身で咀嚼されるでしょう。

 私が特選に選んだのは、

 桜蘂踏みて戦う十四歳   耕実
 しあわせになれるだろうか花吹雪  こみち
 そういえばわたし春つて苦手だつた  朋

 もちろん、他にもたくさんいい句がありました。

 ワイシャツのポケットにペン春惜しむ  むつみ
 老犬はあくびかみしめ花の宴   福音
 満員のバスから見えた君の春   まちこ
 青き踏む足甲高で幅広で   成美
 若鮎や水面切り裂きのぼりゆく   あこ
 啓蟄の朝隣家からジャズ流れ  真理
 風光る鉄路の先にオホーツク  お遊
 病院の窓ごしに見る花ふぶき  結
 涼麺の汁をとばして本の町   不埒
 花の刻あれよあれよと駆けゆけり  湖魂
 
 花過ぎの地下へ地下へと上野駅  あぶみ


 
 そして、翌日「季節風」春研の二次会で、短冊廻しを。

 春の宵ブランコのりたいきぶんです   そうや     これが、秀逸でした。ブランコも春の季語とわかって作られたかどうか、確認しないでしまいましたが、この季重ねは、問題ないというか、逆に効いていると思います。昼ではなく、夜にブランコにのりたい気分になる。
 とても平易な句ですが、類句もなく、そしてちょっとその気持ちがわかり、かつほのかな恋も感じられます。
 その場で、これを出せるのだから、たいしたものです。普段、俳句やってない方ですよ。

 文学をやるからには、手垢のついていない言葉での表現をめざしたいものです。

 「季節風」の春研はどうだったかというと、それはもう、もちろん、商業出版する、つまりプロとして書いていくことの厳しさ、文学への向かい方など、甘さの入る余地はないのだと肝に銘じました。