先日も、森埜こみちさんの本をご紹介しましたが、こちらも、同じ「おはなしSDGsシリーズ」の一冊です。赤羽さんが書かれたのは、8番目の「働きがいも 経済成長も」。
このシリーズは、そのテーマごとに、主人公を設定し、お話として、SDGsを伝えています。
主人公の奏(かなで)は、チアダンスをしています。仲良し3人組はチームを作って、公民館の新緑祭りに出ようと張り切っているのですが、奏は、他の二人とちがって目立つことは得意ではありません。ダンスは好きで、きらきら楽しそうな描写が続きますが、ふっと奏の不安が顔をのぞかせるのです。こういう展開、とてもいいなと思いました。きらきらしているダンスには、やっぱり心ひかれます。でも、うまくできない場合を考えたときの不安って、きっとだれにでもありますよね。
Cジャンプというのは、足を後ろに折り曲げるようにして、Cの形になるジャンプなんですね(カバーの絵の二人がやっているのがそれ)。
さて、このチアダンス、Cジャンプから、どう働きがいも経済成長も! につなげていくのか。うまいなあと思いました。
でも安心して見て楽しめるダンスの裏には、、いろんな努力があるように、すらすら滞りなく読めて理解できるお話の裏には、作者が調べて、それを咀嚼して物語にする努力があるのだと思います。
働きすぎて、倒れてしまった友人のお父さん。ダンスの動画をSNSにアップしてと言われ、つい引き受けてしまう奏。車いすのダンスチームといっしょに踊ることになる展開。いろんな要素がしっかりと絡み合っています。
このシリーズ、大成功ですね。
きっとたくさんの小学生に読まれると思います。