大久保りん句集『薔薇一輪』より(1) 2022年03月13日 | 俳句 余生とて青野に風の吹いてをり 鬼灯やさだかな記憶唇に あめんぼのけんくわ見てをり商学部 (一橋大学にて) 木下闇その濃き方はさけて行く 万歳をせし日もありし敗戦日 暖房車このほのめきは恋に似て 足指の鶏のやうなる更衣 夢なのだゆたんぽ足で引きよせて 107才の天寿を全うされたとのこと。謹んでお悔やみを申し上げます。 「童子」主宰辻桃子のご母堂様。この方が俳句をやっていて、先生が家に来られて句会をするとき、人数が足らず、娘を座らせたことが、今につながっています。 90代から100才にかけて作られた句が載っている、この句集。天晴れです。 本日は、前半分から、抜粋しました。 陽炎のそのゆらめきの凜として あぶみ 東日本大震災で、陸前高田市の流された松で作った数珠。