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第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作です。
作者の五十嵐美怜さんは、すでに児童文庫で何冊も本を出されているプロの作家さん。でも、児童文学を書きたいという夢を追い続けていたとのこと。講談社児童文学新人賞は、プロアマ問わず応募できる賞なのです。では私が今応募したからといって(応募資格はある)、入選できるか? とんでもない。そんな甘いものではありません。新人として、これから書いていけるかどうか、という基準もまたあると小耳にはさんだことがあります。
文章力はもちろん、内容にオリジナリティがなければ、受賞は難しいでしょう。
この『15歳の昆虫図鑑』でいえば、虫好きな転校生とからむことで、ぎくしゃくしていた4人の中学生達をつなげ、それぞれ本来の魅力、力を引き出しています。王道の児童文学であり、児童文庫で培った筆力もいかんなく発揮されています。それは、読みやすい! ということ。それぞれのキャラがしっかりと立っていることなど。
短編連作でありながら、全体がつながっているというこの形式、好きです。
五十嵐さん、きっと虫好きなのでしょうね。「好き」は作家にとって強みです。もちろん、それだけではなくしっかりと調べてもいらっしゃる。
2作目3作目が楽しみです。