fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『白いガーベラ』(今人舎)

2012年10月10日 | 本の紹介

 東日本大震災後、いちはやく立ちあがった作家さんたちがいました。この本は、被災地の子どもたちを励ましたい、明るい気持ちになってほしい、という熱意で作られたものです。

            

 執筆メンバーは、内田麟太郎さん、漆原さん、高橋秀雄さん、光丘真理さん、高橋うららさん、深山さくらさんなど。小さなペンがついていて、(別売り)本の隅をタッチすると、なんと作者本人が読んだ声が聞こえるという画期的なものです。売り上げは、被災地支援に当てられたそうです。

 しかもこの中から、『わたしたち、うんこ友だち?』(高橋秀雄)と『ぽにょりぽにょり』(内田麟太郎)が、絵本としてこの秋、出版されます。「うんこともだち」……このタイトルを読んだだけで、子どもたち大騒ぎになるのが目に見えます。

 

 

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 被災地の復興に関しては、安易な発言はできません。先日岩手の家にきた郵便局員の若い方は、大船渡で被災し、前年建てた家が流されたそうです。でも、一家は全員無事、職も安定しているので、こうして転勤にはなったがやっていられるとのことでした。「よかったですよね」という言葉を言っていいものかどうか。

 一軒おいたおとなりは、一人暮らしのご老人でした。(女性)年々雪かきやゴミだしが大変で半年ほど前、駅前のマンションに引っ越されたのですが、その後の家には大槌で被災したご一家が入られました。その際、マンションに必要のない家具家財は全部置いていってくださいと頼まれたとのことで、これもとてもうまくいった例だなと感心しました。かつては大勢で暮らしていたそのお宅には、マンションにはとても持っていけない家財があり、普通ならば処分しなくてはならないのです。でもこれだって、被災前との比較ではよかったかどうかは、ご本人たちにしかわかりません。というか、よいはずがないのです。

 やはり大槌で被災して、結婚した娘さんの近くのアパートにと越されてきていた女性は、一年後、大槌の仮説住宅に入ると、もどっていかれました。

 復興支援金の使い方の問題も出ているようです。

 

 


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