![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/6a/32b0a4fc647cd347d09d8ca47a54d3a6.jpg)
◎2013年10月27日(日)
無料駐車場(6:52)……北西尾根への取り付き(7:34)……1201.3m三角点(8:25)……赤倉山(9:15~9:25)……1446m大畑山(9:57)……1514m茨倉山(10:15~10:25)……神子内林道(10:34)……林道終点(10:39~10:49)……旧道入口(11:12)……深沢雨量観測局(12:08)……深沢渡渉点(12:36)……林道起点(12:39~13:04)……車道(13:20)……駐車場(13:38)
半端なままの仁田元沢を遡行する予定でいたが、台風通過の直後だ。素人には、水量が多いときついなと思ってはいた。やはり、途中で草木ダム情報の電光掲示が出てきた。「ダム水位上昇。放水中」。ダムを過ぎても、渡良瀬川の水量はいつもよりも多い。沢に入るのはやめておいた方が無難だろう。家を出る時間も遅かったので、稜線に出てからは、確実な庚申山経由の帰路にするつもりでいたのだが、これでは、その前に流される可能性もありだ。
別案として考えていたのが赤倉山の北西尾根歩き。これは、一年前の烏ケ森さんの後追いである。少し趣向を変えて、尾根末端から登るとしようか。赤倉山から神子内林道に出て、その先は半月山には行かず、久しぶりに深沢沿いの古道を下ることにする。途中に、ちょっと見ておきたいところがあった。
(虹がかかっている)
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足尾に入ると、晴れてはいたが小雨がぱらついてきた。間藤駅あたりからは虹が見えている。この虹はしばらく消えなかった。散歩帰りの人たちを何人か見かける。確かに、歩き始めるには遅い時間になっている。予定コースのアクセスを考え「無料駐車場」に車を置く。他に車はない。キャン沢の先を眺め、銅親水公園。駐車場には7台。その中に、見覚えのある赤い車が1台。これはみー猫さんの車に違いない。そして、一台置いてスバルの車。これはもしかしてNさんの車ではないのか。どこに行かれたか知らないが、尋常なコースでないことは確かだろう。やはり、ダムの水はいつもよりも多い。
久蔵沢林道を行く。シカが騒がしい。何か所かで、道路を水流が横切る。これもまた水が多い。靴の中を少しばかり濡らしてしまった。やがて、左手に「久蔵雨量局順路」の標識。先々週、S男さんから、いろは坂は混むので、足尾から社山に登ることを検討中だという話を聞き、余計なことかとは思ったが、やめた方がいいとアドバイスした。南尾根のオーソドックスな取り付きはここからなのだが、山慣れしていていないと、こんなルートでも、一人で歩いていたら苦難の歩きになってしまう。やはりねぇとはおっしゃっていたが、あの方なら、いずれやるでしょう。
(あの手前の尾根末端から取り付くつもりでいたのだが)
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(結局、見逃して、バラクラ沢に下りて、向こう側の斜面を登る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c2/d38eb0dbe16add19a648422d5cc4861c.jpg)
右前方に赤倉山の北西尾根らしき尾根を確認し、そろそろ末端の取り付きかと思っていたら、何だかおかしい。「バラクラ沢」の看板が出てきてしまった。目的の取り付きポイントを通り過ぎていた。仕方がない。戻るのも何だし、ここから入るか。バラクラ沢に続く作業道はあるが、それを無視し、すぐに真下の沢を渡り、北西尾根に向かう斜面に取り付く。沢の水は、さほど冷たくはない。末端からの予定だったとはいえ、途中、北側に崖マークがあるから、果たしてすんなりと登れたかどうかは怪しいところだ。
(こんな斜面)
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(石垣が上まで3段ほどあった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/51/220438ddad711790d1e589c247a7837f.jpg)
わりに急な斜面であった。植林帯ではない、きわめてまばらな灌木だから、上は見渡せる。取りあえずは上を目指す。斜面は雨水を含み、滑る。下の沢がどんどん遠くになっていく。石垣を見た。上にもある。これは、古い治山工事の跡だろう。あちこちにある踏み跡。道型のようなものが続いている。シカ道とも思っていたが、ズブッと入り込んだ人間の足跡らしきものもある。あまり意識にとめもせずに上に向かう。踏み跡のわけがわかった。先で、木にナンバー札が付き、ネットが巻かれている。植林関係だろう。その踏み跡かと思う。
(北西尾根に乗る)
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(尾根が広がり)
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(やがてはこんな感じに)
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社山らしき山が見え、手前に、さっき見かけた虹がかかっている。まだ、霧雨のようなものが降ってはいるが、身体やメガネを濡らすほどのものでもない。紅葉はさっぱりだ。色づきが弱い。北西尾根に乗った。自分には、いい感じの、好みの尾根の風情だ。幅が広がりはじめたが、一本調子で迷うところはない。傾斜も緩くなる。木の葉を見てみる。枯れていた。やはり、ここも紅葉を期待はできないか。
(反対の南側には中倉尾根)
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(こちら、北側には男体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/4a/2658848a8f94cf5d59e8d40ccb303f6a.jpg)
男体山が顔を出す。陽があたりはじめたものの、山の斜面はくすんでいる。松木沢の先はガスがかかり、バラクラ沢は、意外にも赤倉山の北側の稜線まで切れ込みが続き、上の水流も確認できる。滝がいくつかありそうだ。いつか歩いてみようか。そして、西側は、まさにこの時期に至っては寒そうにも見える中倉尾根をオロ山まで見渡せる。しばらく景色を楽しみながら歩く。
(この小広場の隅に三角点があった)
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尾根の南側、陽があたる斜面の色づきを感じるようになった。黄色がきらきらしている。せめて、これくらいはないと、歩いていても楽しくない。ワイヤーの束を見て、6m四方くらいの平坦地に出た。ここならテン場にいいかなと思ったものだが、この辺に三角点があるのではと探す。あった。1201.3m三角点。四等三角点「久蔵」。
(北峰手前のピーク。大して厳しくはないが、左は切れている)
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(松木川方面。虹がまだある。皇海山は隠れている)
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ちょっとしたヤセの岩場になり、赤倉山の北峰が正面に見えてきた。朝陽の逆光で、写真がうまく撮れない。光の加減からなのだろうか、色づきが感じられる。鮮やかな赤も見える。北峰の山肌はカラフル。ただ、全体としては、どうもくすんだ感じだ。一旦下って、登り返す。ヤブじみたところが出てくるも、通行に支障はまったくない。下部の取り付きを除けば、自分には歩きやすいいい尾根だと思うが。
(間もなく北峰)
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(そして北峰)
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低いササが出てくる。露がたっぷりついている。シカ道は隠れてしまった。少しばかり急になり北峰に上がった。相変わらずのヤブ山だ。ササの丈が一気に高くなり、密になる。来る都度に感じるが、ササの間の踏み跡は、北峰と赤倉山との間に関して言えば、どんどん分からなくなりつつある。目標がはっきりしているから何ら問題はないが、かきわけて進むのが難である。下には倒木が横たわる。
最近は、展望の中倉山がメジャーになり、眺望の乏しい赤倉山なんぞにハイカーは見向きもしなくなった。これは、後で、赤倉山の裾野を歩いて来たオッサンに「赤倉山ってどこ?」と聞かれてたじろいでしまったことにもよく表れている。ハイカーが少ないから余計にヤブ化する。ヘソ曲がりの自分は、そういう赤倉山への思いが増し、その分、多くのハイカーで騒がしい中倉山の魅力が薄くなっていく。
(赤倉山山頂。三角点は藪の中に隠れていた)
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(南峰の方に向かってみたら、きれいなモミジが)
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ここから見る夕日岳から地蔵岳にかけての山並みの景色は絶品だ。ヤブをこいで山頂に向かう。運悪く、ササには露がたっぷりだ。山頂には何もない。ちょっと南峰に行ってみるかと下りかけた。去年見た山肌の紅葉はきれいだった。しかし、さっきまでの紅葉の様子では、見ても意味無しかと、すぐに戻る。山頂でウイダーインを含み、タバコを1本吸って出発。取りあえず、北に向かって尾根を辿る。お馴染みのコースだ。
(少しばかりのハイライト区間。薬師も見えているのだろうか)
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(年間を通じて同じ光景だ。色があればいいのだが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/5d/c54b96d5f559dbee2f108fd1a958b644.jpg)
(本峰と北峰)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/4a/c1d266b63452d4fc4b6f16f6c1d75566.jpg)
(北東に向かうと、出てきました)
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(このあたり踏み跡は明瞭。右に引き込まれなければ問題なし)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/d7/e7eb0a1c341f2347f9bb0eacf9fd4609.jpg)
北峰に戻り、ここから北東に向かう。ササが低くなった分、踏み跡も明瞭。右手の景色を眺めながら歩く。飽きない。やがて、神子内林道側の風景が覗く。褪せた色ではあるが、なかなかきれいじゃないの。こちらの斜面の色づきも濃くなる。退屈のしない尾根歩きになった。今年はダメだと言っていても栓のない話だ。今日は与えられた自然環境に満足することにしよう。
(神子内林道方面の斜面)
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(こんなのや)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/69/deef01f3be0372a86b8dfbc98364881d.jpg)
(あんなのが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/29/64777593d65b95a8e6138fea321d35d9.jpg)
(同じく神子内林道側)
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(ようやく皇海山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/ca/ee536099be5f37efce1926014a924c5e.jpg)
(こちら男体山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/56/ab15a94e1a8cc9760b5e60a26c53856b.jpg)
1446mの大畑山を通過し、1514m茨倉山に着いた。山名板はいずれもない。今度来る時は山名板でも作って来ようか。この間、小ピークがいくつか続いたが、各ピーク、東側に下る尾根には踏み跡が続いている。この山域、旧道を利用して、どこからでも登って来られるようだ。反対側、茨倉山の北西尾根にも踏み跡はあったが、ここはどうやって登って来るのだろう。足倉沢?それとも1413mから西?どっちから登っても崖マーク付きなのだが。ちなみに「茨倉山」は「イバクラ山」ではなく「バラクラ山」と読む。「バラクラ沢」はこれに由来する。
風が出てきた。強くて冷たい。やはり今日は寒い。出発時、手袋を履いたが、今日はそのままだ。帽子も飛ばされそうで、強く縛っている。皇海山も顔を出してきた。虹はもう消えた。2本目を吸って、林道に下る。
(林道に出る手前で。足倉沢上部の崩壊地。何ともすさまじい。こんなところを登って来た方に出くわした)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/29/b8e2a0c4beb8b730e5b3149b581aace9.jpg)
下って登って神子内林道に出る。真ん前に茶ロン毛の青年(やや中年気味かなあ。以降は「彼」としておこう)が座り込んで、タバコをふかしながら携帯をいじっていた。びっくりした。その姿を見て、山歩きとも思えなかったが、半月山?と尋ねた。彼の返事は意外なものであった。足倉沢からここまで登って来たのだそうだ。あの崩壊地をである。何とも恐ろしげな話だ。沢には堰堤があり、8m滝もあるが、難なく巻かずに登れた。上の崩壊地はザレまくりで、本人もまた怖かったそうだ。それにしても、ヘルメットやザイルなぞ持っている様子もない。ザックもハイキング程度のもの。履物はトレッキングシューズ。足尾のRRさんと同類の方とお見受けする。足尾の不遇な沢筋、尾根筋には、こんな不気味な方がわんさといるんじゃないのか。
彼も、昨年の紅葉情報で楽しみにして来たが、がっかりだったと言っていた。彼には、やはり疲れた気配があった。そりゃそうだろう。傾斜の並ではない崩壊地を登って来たのだから。もう赤倉山の方に下るとおっしゃっていた。
(後日追記:実はこの方が足尾のRRさんであった。コメントをいただきびっくりです。以前お会いした時とはイメージがかなり違っていたため、まったく気づきませんでした。ご本人には大変失礼いたしました。実は、翌日、みー猫さんから、「当日、RRさんを目撃した方がいるが、赤倉山方面で見かけなかったか?」という問い合わせをもらい、「違うでしょう。足倉沢から上がって来たとんでもない人はいたけど…」と返信した経緯がありました。もう、指名手配者並みの扱いになっているようです)
(林道終点。向かいに半月山。色無し)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/eb/45be3f9e7bdf1faf4df6d52b1daded43.jpg)
(こちらは社山なのだが、南東尾根のV字状の亀裂が何か気になるのである。さらに崩れたような…)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/25/1d1805eb36724e75228760a985e195af.jpg)
(林道終点から。天空の回廊からの景色なのだが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/eb/ac2fcf8cb37cf3209436b1fccbd75155.jpg)
(恐る恐る足倉沢を覗いてみる。これが限界)
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まずは林道終点まで行き、左側の展望を楽しむ。去年並みのきれいさはないが、ほぼ満足としておこう。日光白根の頭は白くなっている。恐々と足倉沢を覗く。M氏本には足倉沢は「1級」とあるが、その節は崩壊がどの程度のものだったのだろう(家に帰ってから改めて読み直ししたが1987年とあった。ちなみにO氏本では「2級」。1982年。源頭部はすでにガレていたようだ。しかし、沢そのものよりも、上のザレの通行はとんでもないように思えるが。30年の間にかなり進行したのは想像に難くない)。
さて、ちょっと場所を変えて、茨倉山への足倉沢ルートを見ておこう。うーむ、これはちと無理だわ。岩場が見えている。やはり、西から巻き込むしかないか。それもどんなものかは確認していないが。
今日は、ここから半月山方面に用事はないが、半月山や社山の色づきはむしろ無に等しい。今日の2つ目の用事、それは、旧道沿いの深沢にある大滝の見物である。上から眺めたことはあるが、この機に滝壺から拝んでおきたい。
(さっきまで歩いていた尾根)
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(林道沿いは赤がきれいだ)
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(旧道に入ったら、出口で林道に下りるのに手こずった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/66/ddae8cc526ad354dd976a4c609b5b68d.jpg)
林道を下る。ここは赤がきれいだ。旧道が分かれるも、いずれは合流になるから、そのまま林道を歩く。軽トラからハイカー姿の方が出てきて、旧道を登って行った。ここまで一般車は入れないはずだが。ましてや他県ナンバーだ。途中から、旧道に迂回したが、その先でやはり林道に合流した。危なっかしく林道に降りることになった。右手に、歩いて来た茨倉山に続く尾根が見えている。ここから見る限りはきれいな紅葉だ。
(あのカーブを右手前に入ると旧道歩きになる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/36/857da21878c2f84023963de048bc17d2.jpg)
(旧道。七曲り。マークはここを含めて数か所のみ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/29/6b93e5d12b785fc748839310aeb5b93c.jpg)
古道に入る。入口には、何も目印はないが、道路に赤ペンキで矢印が記されている。ヤブになっている。すぐに黄赤のマークが目に付き、踏み跡も出てくる。ここが「七曲り」。本当に7回のカーブだった。下に動くものが見えた。まさかとは思ったが白い。白いジャージを着たオッサンが上がって来た。
オッサンは旧道巡りだった。ここから半月山に出て、阿世潟峠経由で戻るそうだ。上に林道があることは知らず、林道をそのまま歩いた方がいいよとアドバイス。実はこの方、赤倉山を知らなかった。地図を広げたので、ここですよと指さしたら、そこにははっきりと赤倉山と記されていた。こんなことは珍しくもない。下は紅葉がきれいだったとか。楽しみにして旧道を歩く。紅葉のかかる大滝なんていいだろうな。
(今や渡れない橋)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/b8/47ff2bac6a451819d6bf8269d1e94fc4.jpg)
(お出ましです。ようやく本格的な紅葉に出会う)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/92/6a53cb3a3dc5fc0b8a41301ffa39cefe.jpg)
(いい感じ。こういうのもいい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/65/8b23d7205e99c082dbb45f79c4665e55.jpg)
(この辺りはヤブになっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/e4/f4bcad2a54c95604617bae75413437c6.jpg)
(北。赤倉山側)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/20/83de49117c9c8a7fb19551513ed00a22.jpg)
(まったく飽きることはなかった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/22/b1c5664755b0af5b8876c642ad15bee6.jpg)
(これに赤が入ればなあ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/a3/960002a0a2740901b95f7982e8df2f1d.jpg)
この旧道もまた道型が不明瞭。ヤブ化している。ずっと先を見ながら歩かないと迷ってしまう。朽ちた橋や、錆びた一斗缶、石積みで、かろうじて旧道のイメージをつかめる。崩壊した所もある。ここは高巻く。オッサンの言うように、確かに紅葉がきれいになってきた。群れている感じがしないでもない。今日は旧道を下って正解だったなと感じる。飽きずに眺めながら下る。
(この案内板に2回出会う)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/f3/ab2e68a027b4acef61f6e37168142ee3.jpg)
(真上から大滝。これは滝口付近。落差は25mくらいらしい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/fa/abeb10b12cbc5f095e2d9c6aae9433f9.jpg)
(雨量観測局)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/58/775ea1534ac8673d79a6f93dced38577.jpg)
(お元気そうで…。これに気づかない方が多い。ちょっと上がった大岩の下)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/49/4959fa2bcf13ce7bbe712a4cf66194b7.jpg)
やがて、次第に紅葉は淡くなっていく。下の方はこれからだ。しばらく楽しんだから十分だ。渡渉点。ここは難なくクリア。そしてもう一回クリア。左下に大滝が見えてくる。さて、どこから下りるんだ。様子を見ながら歩いて行くと、ポイントを見つけられぬままに深沢雨量観測局に出てしまった。とにかく、沢床までは50m以上はあるんじゃないか。そして、途中まではほぼ垂直といった感じ。ロープも何も持っていない。まさか、滝の頭に降りても仕方がない。観瀑できそうな、ちょっとした高みが下に目に付いたが、そこまで行くのもやっかいそうだ。ただの斜面ならいいが、下が沢になっている斜面の降下は厳しい。あっさりとあきらめた。瀑泉さんの訪問記を事前に読んではきたが、沢まで下りるとは、すごいことをされている。こちらは、そこまで、身体も軽くはない。
未練がましく、沢を見下ろしながら下る。しばらくは高い位置にあった。沢にすんなりと下りられそうなところは大分先であった。そこから滝見に向かったら、今日の水量や装備では無理だろう。いずれ、改めて、沢歩きスタイルで下から見に行くことにしよう。来年以降の話だな。しかし、今日は水量もあるから、滝は見応えがあったろうな。
観測局の手前あたりから薄暗いヒノキ林の中を歩いている。以前、ここを歩いていて、シカの死骸を目にしてびっくりしたことがある。相変わらず不気味なところだ。
(ここの渡渉はジャボジャボだった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/47/b11010d2f20a6eedc60a56b58ff95d4e.jpg)
(林道終点広場。食事にする)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/ce/6f9f362569d40a0605b5a3724e9e7b39.jpg)
堰堤が見える。手前の水量が気になった。青く深い淀みが池のようになっている。これでは、最後の渡渉がやばいんじゃないか。やはりそうだった。いつもなら、渡渉と呼べるほどのものでもないが、今日はまさにそれ。靴を脱ぐか迷ったが、後はしっかりした道を歩いて帰るだけだ。意を決して、そのまま沢に入る。膝まで入った。靴の中はガボガボ。林道終点の広場で靴下しぼり。ついでに昼食タイムにした。湯を沸かしてラーメン。ここも風がある。それにしても、なかなかおいしい袋ラーメンに出会わないものだなあ。
(門構えの右の家、空き家である。手前の猫にやけになつかれた。身体に染みついた犬の匂いが好きなのかなあ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/d5/c9a50fb4acd74b9becf51c970074336d.jpg)
(無料駐車場。タイトルそのものが無料駐車場だ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/69/83d713266d4260477971dcc1c6fb3c8d.jpg)
車道に出て駐車場に向かう。左に精錬所跡。ざっと6時間の歩きか。物足りない気がしないでもないが、疲れもせず、自分にはちょうどいい歩きだった。これ以上の歩きになったら、明日からの仕事に支障を来たす。ボリュームありも、腹いっぱいも、今日はこれで十分。日曜日歩きは腹六分目で結構。今日は初めての尾根も歩いたし、後半の紅葉もまた良かった。これに大滝見物が加わっていたら、申し分のない歩きだった。そこが残念なところ。汗はほとんどかかず、着替えも不要。ラーメン時以外に水も取らなかった。
時間も早い。早い場合は、大間々の病院にケガで入院している友人を見舞うつもりでいた。キノコ名人の森山というヤツ。うまいキノコ汁を接待してもらう予定でいたが、このザマだ。代わりに、お宝のある場所の地図を渡すから採ってきてくれという話だ。キノコ採りに行けるかどうかは分からないが、コンビニに寄って、見舞い袋を買って行くことにする。
無料駐車場(6:52)……北西尾根への取り付き(7:34)……1201.3m三角点(8:25)……赤倉山(9:15~9:25)……1446m大畑山(9:57)……1514m茨倉山(10:15~10:25)……神子内林道(10:34)……林道終点(10:39~10:49)……旧道入口(11:12)……深沢雨量観測局(12:08)……深沢渡渉点(12:36)……林道起点(12:39~13:04)……車道(13:20)……駐車場(13:38)
半端なままの仁田元沢を遡行する予定でいたが、台風通過の直後だ。素人には、水量が多いときついなと思ってはいた。やはり、途中で草木ダム情報の電光掲示が出てきた。「ダム水位上昇。放水中」。ダムを過ぎても、渡良瀬川の水量はいつもよりも多い。沢に入るのはやめておいた方が無難だろう。家を出る時間も遅かったので、稜線に出てからは、確実な庚申山経由の帰路にするつもりでいたのだが、これでは、その前に流される可能性もありだ。
別案として考えていたのが赤倉山の北西尾根歩き。これは、一年前の烏ケ森さんの後追いである。少し趣向を変えて、尾根末端から登るとしようか。赤倉山から神子内林道に出て、その先は半月山には行かず、久しぶりに深沢沿いの古道を下ることにする。途中に、ちょっと見ておきたいところがあった。
(虹がかかっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/db/91ff4e3b47aa6974ef6a3827d7af4efe.jpg)
足尾に入ると、晴れてはいたが小雨がぱらついてきた。間藤駅あたりからは虹が見えている。この虹はしばらく消えなかった。散歩帰りの人たちを何人か見かける。確かに、歩き始めるには遅い時間になっている。予定コースのアクセスを考え「無料駐車場」に車を置く。他に車はない。キャン沢の先を眺め、銅親水公園。駐車場には7台。その中に、見覚えのある赤い車が1台。これはみー猫さんの車に違いない。そして、一台置いてスバルの車。これはもしかしてNさんの車ではないのか。どこに行かれたか知らないが、尋常なコースでないことは確かだろう。やはり、ダムの水はいつもよりも多い。
久蔵沢林道を行く。シカが騒がしい。何か所かで、道路を水流が横切る。これもまた水が多い。靴の中を少しばかり濡らしてしまった。やがて、左手に「久蔵雨量局順路」の標識。先々週、S男さんから、いろは坂は混むので、足尾から社山に登ることを検討中だという話を聞き、余計なことかとは思ったが、やめた方がいいとアドバイスした。南尾根のオーソドックスな取り付きはここからなのだが、山慣れしていていないと、こんなルートでも、一人で歩いていたら苦難の歩きになってしまう。やはりねぇとはおっしゃっていたが、あの方なら、いずれやるでしょう。
(あの手前の尾根末端から取り付くつもりでいたのだが)
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(結局、見逃して、バラクラ沢に下りて、向こう側の斜面を登る)
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右前方に赤倉山の北西尾根らしき尾根を確認し、そろそろ末端の取り付きかと思っていたら、何だかおかしい。「バラクラ沢」の看板が出てきてしまった。目的の取り付きポイントを通り過ぎていた。仕方がない。戻るのも何だし、ここから入るか。バラクラ沢に続く作業道はあるが、それを無視し、すぐに真下の沢を渡り、北西尾根に向かう斜面に取り付く。沢の水は、さほど冷たくはない。末端からの予定だったとはいえ、途中、北側に崖マークがあるから、果たしてすんなりと登れたかどうかは怪しいところだ。
(こんな斜面)
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(石垣が上まで3段ほどあった)
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わりに急な斜面であった。植林帯ではない、きわめてまばらな灌木だから、上は見渡せる。取りあえずは上を目指す。斜面は雨水を含み、滑る。下の沢がどんどん遠くになっていく。石垣を見た。上にもある。これは、古い治山工事の跡だろう。あちこちにある踏み跡。道型のようなものが続いている。シカ道とも思っていたが、ズブッと入り込んだ人間の足跡らしきものもある。あまり意識にとめもせずに上に向かう。踏み跡のわけがわかった。先で、木にナンバー札が付き、ネットが巻かれている。植林関係だろう。その踏み跡かと思う。
(北西尾根に乗る)
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(尾根が広がり)
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(やがてはこんな感じに)
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社山らしき山が見え、手前に、さっき見かけた虹がかかっている。まだ、霧雨のようなものが降ってはいるが、身体やメガネを濡らすほどのものでもない。紅葉はさっぱりだ。色づきが弱い。北西尾根に乗った。自分には、いい感じの、好みの尾根の風情だ。幅が広がりはじめたが、一本調子で迷うところはない。傾斜も緩くなる。木の葉を見てみる。枯れていた。やはり、ここも紅葉を期待はできないか。
(反対の南側には中倉尾根)
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(こちら、北側には男体山)
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男体山が顔を出す。陽があたりはじめたものの、山の斜面はくすんでいる。松木沢の先はガスがかかり、バラクラ沢は、意外にも赤倉山の北側の稜線まで切れ込みが続き、上の水流も確認できる。滝がいくつかありそうだ。いつか歩いてみようか。そして、西側は、まさにこの時期に至っては寒そうにも見える中倉尾根をオロ山まで見渡せる。しばらく景色を楽しみながら歩く。
(この小広場の隅に三角点があった)
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尾根の南側、陽があたる斜面の色づきを感じるようになった。黄色がきらきらしている。せめて、これくらいはないと、歩いていても楽しくない。ワイヤーの束を見て、6m四方くらいの平坦地に出た。ここならテン場にいいかなと思ったものだが、この辺に三角点があるのではと探す。あった。1201.3m三角点。四等三角点「久蔵」。
(北峰手前のピーク。大して厳しくはないが、左は切れている)
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(松木川方面。虹がまだある。皇海山は隠れている)
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ちょっとしたヤセの岩場になり、赤倉山の北峰が正面に見えてきた。朝陽の逆光で、写真がうまく撮れない。光の加減からなのだろうか、色づきが感じられる。鮮やかな赤も見える。北峰の山肌はカラフル。ただ、全体としては、どうもくすんだ感じだ。一旦下って、登り返す。ヤブじみたところが出てくるも、通行に支障はまったくない。下部の取り付きを除けば、自分には歩きやすいいい尾根だと思うが。
(間もなく北峰)
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(そして北峰)
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低いササが出てくる。露がたっぷりついている。シカ道は隠れてしまった。少しばかり急になり北峰に上がった。相変わらずのヤブ山だ。ササの丈が一気に高くなり、密になる。来る都度に感じるが、ササの間の踏み跡は、北峰と赤倉山との間に関して言えば、どんどん分からなくなりつつある。目標がはっきりしているから何ら問題はないが、かきわけて進むのが難である。下には倒木が横たわる。
最近は、展望の中倉山がメジャーになり、眺望の乏しい赤倉山なんぞにハイカーは見向きもしなくなった。これは、後で、赤倉山の裾野を歩いて来たオッサンに「赤倉山ってどこ?」と聞かれてたじろいでしまったことにもよく表れている。ハイカーが少ないから余計にヤブ化する。ヘソ曲がりの自分は、そういう赤倉山への思いが増し、その分、多くのハイカーで騒がしい中倉山の魅力が薄くなっていく。
(赤倉山山頂。三角点は藪の中に隠れていた)
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(南峰の方に向かってみたら、きれいなモミジが)
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ここから見る夕日岳から地蔵岳にかけての山並みの景色は絶品だ。ヤブをこいで山頂に向かう。運悪く、ササには露がたっぷりだ。山頂には何もない。ちょっと南峰に行ってみるかと下りかけた。去年見た山肌の紅葉はきれいだった。しかし、さっきまでの紅葉の様子では、見ても意味無しかと、すぐに戻る。山頂でウイダーインを含み、タバコを1本吸って出発。取りあえず、北に向かって尾根を辿る。お馴染みのコースだ。
(少しばかりのハイライト区間。薬師も見えているのだろうか)
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(年間を通じて同じ光景だ。色があればいいのだが)
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(本峰と北峰)
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(北東に向かうと、出てきました)
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(このあたり踏み跡は明瞭。右に引き込まれなければ問題なし)
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北峰に戻り、ここから北東に向かう。ササが低くなった分、踏み跡も明瞭。右手の景色を眺めながら歩く。飽きない。やがて、神子内林道側の風景が覗く。褪せた色ではあるが、なかなかきれいじゃないの。こちらの斜面の色づきも濃くなる。退屈のしない尾根歩きになった。今年はダメだと言っていても栓のない話だ。今日は与えられた自然環境に満足することにしよう。
(神子内林道方面の斜面)
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(こんなのや)
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(あんなのが)
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(同じく神子内林道側)
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(ようやく皇海山)
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(こちら男体山)
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1446mの大畑山を通過し、1514m茨倉山に着いた。山名板はいずれもない。今度来る時は山名板でも作って来ようか。この間、小ピークがいくつか続いたが、各ピーク、東側に下る尾根には踏み跡が続いている。この山域、旧道を利用して、どこからでも登って来られるようだ。反対側、茨倉山の北西尾根にも踏み跡はあったが、ここはどうやって登って来るのだろう。足倉沢?それとも1413mから西?どっちから登っても崖マーク付きなのだが。ちなみに「茨倉山」は「イバクラ山」ではなく「バラクラ山」と読む。「バラクラ沢」はこれに由来する。
風が出てきた。強くて冷たい。やはり今日は寒い。出発時、手袋を履いたが、今日はそのままだ。帽子も飛ばされそうで、強く縛っている。皇海山も顔を出してきた。虹はもう消えた。2本目を吸って、林道に下る。
(林道に出る手前で。足倉沢上部の崩壊地。何ともすさまじい。こんなところを登って来た方に出くわした)
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下って登って神子内林道に出る。真ん前に茶ロン毛の青年(やや中年気味かなあ。以降は「彼」としておこう)が座り込んで、タバコをふかしながら携帯をいじっていた。びっくりした。その姿を見て、山歩きとも思えなかったが、半月山?と尋ねた。彼の返事は意外なものであった。足倉沢からここまで登って来たのだそうだ。あの崩壊地をである。何とも恐ろしげな話だ。沢には堰堤があり、8m滝もあるが、難なく巻かずに登れた。上の崩壊地はザレまくりで、本人もまた怖かったそうだ。それにしても、ヘルメットやザイルなぞ持っている様子もない。ザックもハイキング程度のもの。履物はトレッキングシューズ。足尾のRRさんと同類の方とお見受けする。足尾の不遇な沢筋、尾根筋には、こんな不気味な方がわんさといるんじゃないのか。
彼も、昨年の紅葉情報で楽しみにして来たが、がっかりだったと言っていた。彼には、やはり疲れた気配があった。そりゃそうだろう。傾斜の並ではない崩壊地を登って来たのだから。もう赤倉山の方に下るとおっしゃっていた。
(後日追記:実はこの方が足尾のRRさんであった。コメントをいただきびっくりです。以前お会いした時とはイメージがかなり違っていたため、まったく気づきませんでした。ご本人には大変失礼いたしました。実は、翌日、みー猫さんから、「当日、RRさんを目撃した方がいるが、赤倉山方面で見かけなかったか?」という問い合わせをもらい、「違うでしょう。足倉沢から上がって来たとんでもない人はいたけど…」と返信した経緯がありました。もう、指名手配者並みの扱いになっているようです)
(林道終点。向かいに半月山。色無し)
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(こちらは社山なのだが、南東尾根のV字状の亀裂が何か気になるのである。さらに崩れたような…)
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(林道終点から。天空の回廊からの景色なのだが)
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(恐る恐る足倉沢を覗いてみる。これが限界)
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まずは林道終点まで行き、左側の展望を楽しむ。去年並みのきれいさはないが、ほぼ満足としておこう。日光白根の頭は白くなっている。恐々と足倉沢を覗く。M氏本には足倉沢は「1級」とあるが、その節は崩壊がどの程度のものだったのだろう(家に帰ってから改めて読み直ししたが1987年とあった。ちなみにO氏本では「2級」。1982年。源頭部はすでにガレていたようだ。しかし、沢そのものよりも、上のザレの通行はとんでもないように思えるが。30年の間にかなり進行したのは想像に難くない)。
さて、ちょっと場所を変えて、茨倉山への足倉沢ルートを見ておこう。うーむ、これはちと無理だわ。岩場が見えている。やはり、西から巻き込むしかないか。それもどんなものかは確認していないが。
今日は、ここから半月山方面に用事はないが、半月山や社山の色づきはむしろ無に等しい。今日の2つ目の用事、それは、旧道沿いの深沢にある大滝の見物である。上から眺めたことはあるが、この機に滝壺から拝んでおきたい。
(さっきまで歩いていた尾根)
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(林道沿いは赤がきれいだ)
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(旧道に入ったら、出口で林道に下りるのに手こずった)
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林道を下る。ここは赤がきれいだ。旧道が分かれるも、いずれは合流になるから、そのまま林道を歩く。軽トラからハイカー姿の方が出てきて、旧道を登って行った。ここまで一般車は入れないはずだが。ましてや他県ナンバーだ。途中から、旧道に迂回したが、その先でやはり林道に合流した。危なっかしく林道に降りることになった。右手に、歩いて来た茨倉山に続く尾根が見えている。ここから見る限りはきれいな紅葉だ。
(あのカーブを右手前に入ると旧道歩きになる)
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(旧道。七曲り。マークはここを含めて数か所のみ)
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古道に入る。入口には、何も目印はないが、道路に赤ペンキで矢印が記されている。ヤブになっている。すぐに黄赤のマークが目に付き、踏み跡も出てくる。ここが「七曲り」。本当に7回のカーブだった。下に動くものが見えた。まさかとは思ったが白い。白いジャージを着たオッサンが上がって来た。
オッサンは旧道巡りだった。ここから半月山に出て、阿世潟峠経由で戻るそうだ。上に林道があることは知らず、林道をそのまま歩いた方がいいよとアドバイス。実はこの方、赤倉山を知らなかった。地図を広げたので、ここですよと指さしたら、そこにははっきりと赤倉山と記されていた。こんなことは珍しくもない。下は紅葉がきれいだったとか。楽しみにして旧道を歩く。紅葉のかかる大滝なんていいだろうな。
(今や渡れない橋)
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(お出ましです。ようやく本格的な紅葉に出会う)
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(いい感じ。こういうのもいい)
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(この辺りはヤブになっている)
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(北。赤倉山側)
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(まったく飽きることはなかった)
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(これに赤が入ればなあ)
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この旧道もまた道型が不明瞭。ヤブ化している。ずっと先を見ながら歩かないと迷ってしまう。朽ちた橋や、錆びた一斗缶、石積みで、かろうじて旧道のイメージをつかめる。崩壊した所もある。ここは高巻く。オッサンの言うように、確かに紅葉がきれいになってきた。群れている感じがしないでもない。今日は旧道を下って正解だったなと感じる。飽きずに眺めながら下る。
(この案内板に2回出会う)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/f3/ab2e68a027b4acef61f6e37168142ee3.jpg)
(真上から大滝。これは滝口付近。落差は25mくらいらしい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/fa/abeb10b12cbc5f095e2d9c6aae9433f9.jpg)
(雨量観測局)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/58/775ea1534ac8673d79a6f93dced38577.jpg)
(お元気そうで…。これに気づかない方が多い。ちょっと上がった大岩の下)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/49/4959fa2bcf13ce7bbe712a4cf66194b7.jpg)
やがて、次第に紅葉は淡くなっていく。下の方はこれからだ。しばらく楽しんだから十分だ。渡渉点。ここは難なくクリア。そしてもう一回クリア。左下に大滝が見えてくる。さて、どこから下りるんだ。様子を見ながら歩いて行くと、ポイントを見つけられぬままに深沢雨量観測局に出てしまった。とにかく、沢床までは50m以上はあるんじゃないか。そして、途中まではほぼ垂直といった感じ。ロープも何も持っていない。まさか、滝の頭に降りても仕方がない。観瀑できそうな、ちょっとした高みが下に目に付いたが、そこまで行くのもやっかいそうだ。ただの斜面ならいいが、下が沢になっている斜面の降下は厳しい。あっさりとあきらめた。瀑泉さんの訪問記を事前に読んではきたが、沢まで下りるとは、すごいことをされている。こちらは、そこまで、身体も軽くはない。
未練がましく、沢を見下ろしながら下る。しばらくは高い位置にあった。沢にすんなりと下りられそうなところは大分先であった。そこから滝見に向かったら、今日の水量や装備では無理だろう。いずれ、改めて、沢歩きスタイルで下から見に行くことにしよう。来年以降の話だな。しかし、今日は水量もあるから、滝は見応えがあったろうな。
観測局の手前あたりから薄暗いヒノキ林の中を歩いている。以前、ここを歩いていて、シカの死骸を目にしてびっくりしたことがある。相変わらず不気味なところだ。
(ここの渡渉はジャボジャボだった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/47/b11010d2f20a6eedc60a56b58ff95d4e.jpg)
(林道終点広場。食事にする)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/ce/6f9f362569d40a0605b5a3724e9e7b39.jpg)
堰堤が見える。手前の水量が気になった。青く深い淀みが池のようになっている。これでは、最後の渡渉がやばいんじゃないか。やはりそうだった。いつもなら、渡渉と呼べるほどのものでもないが、今日はまさにそれ。靴を脱ぐか迷ったが、後はしっかりした道を歩いて帰るだけだ。意を決して、そのまま沢に入る。膝まで入った。靴の中はガボガボ。林道終点の広場で靴下しぼり。ついでに昼食タイムにした。湯を沸かしてラーメン。ここも風がある。それにしても、なかなかおいしい袋ラーメンに出会わないものだなあ。
(門構えの右の家、空き家である。手前の猫にやけになつかれた。身体に染みついた犬の匂いが好きなのかなあ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/d5/c9a50fb4acd74b9becf51c970074336d.jpg)
(無料駐車場。タイトルそのものが無料駐車場だ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/69/83d713266d4260477971dcc1c6fb3c8d.jpg)
車道に出て駐車場に向かう。左に精錬所跡。ざっと6時間の歩きか。物足りない気がしないでもないが、疲れもせず、自分にはちょうどいい歩きだった。これ以上の歩きになったら、明日からの仕事に支障を来たす。ボリュームありも、腹いっぱいも、今日はこれで十分。日曜日歩きは腹六分目で結構。今日は初めての尾根も歩いたし、後半の紅葉もまた良かった。これに大滝見物が加わっていたら、申し分のない歩きだった。そこが残念なところ。汗はほとんどかかず、着替えも不要。ラーメン時以外に水も取らなかった。
時間も早い。早い場合は、大間々の病院にケガで入院している友人を見舞うつもりでいた。キノコ名人の森山というヤツ。うまいキノコ汁を接待してもらう予定でいたが、このザマだ。代わりに、お宝のある場所の地図を渡すから採ってきてくれという話だ。キノコ採りに行けるかどうかは分からないが、コンビニに寄って、見舞い袋を買って行くことにする。
ついに赤倉北西尾根を辿られたのですね。
しかしRRさんと同じ様な方がおられるのですね。
ちょっと驚きです。
足尾山塊はMさんをはじめたそがれさんしかり、RRさんといい、一筋縄ではいかない人たちの興味をそそり、そして参集する場所なのですね。
奥が深い訳ですよ。(なんのこっちゃですが。)
あと、紅葉が結構綺麗ですね。
画像がとても綺麗です。自分ではなかなかこうはいかない。
カメラと腕の差かなぁ。
こちらも、天候不良やら休日出勤とかもあってね。そう、マメに毎週外回りに出かけるのも無理というものでね。
この間、魁から出している「ぐるっと森吉山」という本、というか写真集だね、買いましたよ。
いろいろと見どころがあるもんだね。いずれゆっくりと時間をかけて回ってみたいと思っているんだけど、いつの日になることやら。
あの北西尾根は、植林帯や密な雑木帯と違い、からっとして、展望もよく、なかなかお薦めですよ。ただ、ハイトスさんには、ちょっと距離が短くて物足りないかもしれません。
こんな、地味な尾根を探してはコツコツと歩くのが、自分には似合っているようです。
しかし、足倉沢の彼にはびっくりしましたよ。あんな崩壊地、沢登りの類ではありませんからね。それも素手で。
ネットには出さないけど、あんな方がわんさといそうな気がします。こうやって初めて、そんな人もいるんだと気づくわけですからね。出会いがなければ、知る術もなしです。
写真の腕なんてものはありませんわ。撮っておきたいものをカメラが黙ってでも撮ってくれるといった程度のものです。
林道でお会いしたのはたそがれオヤジさんでしたか!?
話て直ぐ足尾の精通者とは解ったのですが、社山でお会いした時はもう少し大柄でオッカナイ顔したイメージがありましたので気がつきませんでした。あのカッコは自分の冬の制服でして、一年中あんな感じです。このところ体調不良が治らずあの日も何度も途中で引き返そうと思っている内に林道に着いたという感じです。明日辺り病院に行ってきます。
たそがれオヤジさんが眺めてた足倉沢左岸尾根は見た目通りの岩稜ですのでお止めになった方がよろしいかと。バラクラ沢右岸尾根は終始急斜面の単調な尾根です。バラクラ沢と利根倉沢の間の尾根は石塔尾根に似たような岩稜が続きます。(キレットはありませんが)上部に多少岩場があったかも。
それではまた足尾で見かけましたら一声かけて下さい。次回のレポート楽しみにしております。
P.S.自分の事若く見られて光栄です。
何だ、RRさんでしたか。いつぞや社山でお会いした際、黒い髪モジャで、どうもイメージが違っておりましたから、まったく気づきませんでしたよ。大変失礼いたしました。
ましてや、ヘアカラーが違っておりましたので、えらくお若く見えましたよ。少なくとも20~30代と言っても通じます。そうでなかったら、ここでは「オッサン」扱いでした。
ブログの方、後で訂正追記しておきますよ。
そうですよね。あんな足倉沢を歩くのはRRさん以外にはいるわけがない。そう複数いたのでは、尾根歩き専門でもたまったものではありませんよ。
やはり、ご体調よろしくなかったですか。季節の変わり目ですから養生ください。一気に年が上がってしまいましたかね。
いろいろと参考になるアドバイスありがとうございます。早速、バラクラ沢周辺の尾根を探索してみることにいたします。
それから、今回は、社山と違って、お話する機会にも恵まれましたので、もっとも、そうと知っていたら、具合の悪いRRさんに質問攻めにしたかもしれませんけどね、足尾でお見かけしましたら、声かけさせていただきます。よろしく。
赤倉山は歩いてないですが天空回廊は歩いてみたいものです。
落葉松も期待できますか?
やはり足尾へは行かねばなりませぬ(笑)
秋田では、そんな便利ものないの?
天空回廊からの紅葉ですが、昨年に比べたら、燃えている感じはなかったですね。林道の紅葉もまた密ではないのですよ。
でも、周囲の紅葉情報に比べたら、これでもきれいなところだと思いますよ。
落葉松もそれなりに色づいておりました。
紅葉はかなり下ってきています。私が歩いて、きれいだと思ったのは標高1,100~1,200mあたりです。旧道の下部はこれからです。
でんさんは、赤倉山も天空回廊も未経験でしたか。でしたら、この機会にぜひ、旧道(「半月峠道」と呼ぶらしいですが)を辿り、回廊に出て、赤倉山経由で戻るコースもいいですよ。こちらは楽チンです。
元気でしたら、半月峠に出て、阿世潟峠道を下るという手もあります。