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◎2011年1月22日(土)
一昨日までは三床山に行くつもりでいたが、昨日になって、舟石新道の残り半分がやけに気になってどうしようもない状態になった。どうも、春までは待てない。まるで幼い子供のようなもの。行ってみるか。2週間前に比べ、雪も大分深いだろう。完全装備で歩くことにする。とはいっても、ゴム長はやめにして皮靴。そして、ワカン、軽アイゼン、杖だけのこと。ピッケルと12本爪アイゼンはちと大げさだろう。下着はぶなじろうさんに倣い、上下ともに2枚重ねとした。今回はヒートテックと西友ブランドのエコヒートのミックス。ただ、これでは暑過ぎのような気がして、ヒートテックは半袖、七分とした。
(林道ゲート、冬は解放?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/12/48362a3545557307c58a71046ed1250b.jpg)
かじか荘の上の駐車場には車が1台もなかった。オレ1人かと少々落胆。7時32分出発。ところが、林道ゲートはオープン状態。その先に車の轍がずっと続いている。それも複数台。「車両の通行を禁止します」の看板が裏返しになっている。どういうこっちゃ。路面は凍結。滑る。慎重にならざるを得ないが、凍結した轍を避けると、雪が20cmくらいになっていて、この上もまた歩きづらい。いきなり汗をかいた。下着は1枚で十分だったかな。久しぶりに革靴なんか履いちゃったものだから、どうも、身体が重く感じ、足取りものろい。今日は荷物も重い。昼はラーメンでも作って食べようかなんて余計な計画を立ててしまい、その道具も水も追加されている。だが、身体の重さは荷物の重さだけのせいではないようだ。天気はいい。ちらちらと雪が飛んでくる。
20分ほど歩くと、次のゲートの手前に車が2台駐まっていた。ハンターの車ではないようだ。ということは、先行ハイカー有りか。良かった。心配していたことがある。もし、だれも歩いていなけりゃ、場合によってはラッセルじゃないのかと懸念していた。登山靴の足跡もここから加わっている。追いつかないようにしないと。姿を見られたらアウトだ。おそらく、先様はさっさと休憩に入るだろう。このゲートもオープン。まだ車の轍が続いている。天狗の投石を過ぎると、軽トラが2台、道の真ん中に止まっていた。荷台にケージを積んでいるから、おそらくハンターだろう。ジイさんが3人、車の前で、派手にたき火をしている。これも道の真ん中で。どういうシチュエーションなのか、皆目理解できない。車を避けながら脇を通って前に出る。「こんにちは」「先に3人行ったよ。30分前だから、追いつかねぇやな」と、聞きもしない返答があった。そうか、先行は3人か。さっきの2台の車だろうから、1人と2人組か。
(一の鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/bc/6e6f507430f529212bc2dbdc5856d51e.jpg)
(先行者のありがたきトレース)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/09/96921faa53310956437e70794654cd1a.jpg)
一の鳥居8時32分。ここまで1時間かかった。10月に来た時よりもかなり遅い。雪の影響か。それにしても、今日は身体が重いなぁ。体調が良くないわけでもないが。飲酒が解禁になってからもバカ呑みをしているわけでもない。ここでようやくスパッツを付ける。手間取って10分もかけてしまった。先行者は、ここでワカンやらアイゼンを付けたようだ。ワカンの後を12本爪がトレースに忠実に踏まれている。雪も深くなったが、オレもワカンの跡を歩く。助かる。歩幅が少々狭いようだが、文句を言う立場にはない。それから、余計なことをもう1つ。ご三方とも体重が軽いのだろうか。オレが歩くと、時たま踏み抜いてしまう。積雪は膝を越えている。絶えず、前方に注意する。先行者の姿を見つけたら岩陰で休憩にしよう。幸いにも、これはなかった。
(そしてポイント着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/08/bf93de617e703e36ffd06f8da2f4a92a.jpg)
遅々として進まない。一の鳥居から勝道上人・大忍坊碑まで10月の時は1時間もかからなかったが。もう1時間はあっさりと過ぎ、まだまだ先のようだ。夫婦蛙岩の先でトレースが2手に分かれた。シャレにもならない。すぐにまた合体はするが、その間、ぬかって大変だった。股まできた。雪山では、気まま歩きは危険ですよ。ようやく「一の鳥居2.0K 庚申山荘0.3K」の標示に到着。10時5分。ここまでツボ足で来た。杖を出し、ワカンを付ける。ここから、舟石新道の入口を探し回ることになるだろうなと覚悟はしていたが、あっけなくも、すんなりと正解が出ていた。例のブリキマークが正面の木に付いていた。一度でも歩いたことがなければ、あの古ぼけたブリキマークが何なのか、さして、意味のないものだろうが、オレには大変重要な印。天啓の如し。さながら、宝島に向かって船出する心境。しかし、何とまあ、あっさりと発見したことか。
(宝島に向かう)
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(ここで進退窮まった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/c6/25c581cccf8b8c0703b05ba96b6a625b.jpg)
早速、追ってみる。気持ちが高ぶっている。ワカンを付けているのに、いきなり腰まできた。抜け出しに苦労する。トレジャーアイランドへの旅立ちも厳しいものがある。先の木々にはマークが続いている。必死だ。あわよくば、このまま、舟石峠はおろか、塔の峰までをも想定している。ところが、そう簡単にいかないのが世の慣わし。若干、上に向かう。そして、岩場の下を通る。この先、目の前の沢を下り、上るようだ。ここまで、ずっとトラバース。ワカン歩きではかなり不安定。舟石側と違って、鹿道にはなっていない。鹿も避けるような道なのか。少なからず、雪の様相ではかなり荒れている。倒木もある。マークを付けた木が横倒しになっている。この沢を上ったところに、道型らしき、幅広の窪みがある。あれを目指せばいいのだろうが、まず、この雪では沢に下れない。迂回も不可。たいした下降でもないが二進も三進もいかない。そのうち、そこいら中を動き回っていたためか、足下から、雪が転がりだした。こんなことをしていたらやばいんじゃないの。とうとう、「進退窮まる」、「断念」という言葉が浮かんだ。もはや、あきらめるしかない。戻ることにする。戻りもかなり不安定な態勢での歩きになってしまった。思えば、ハイトスさんに声をかけないでよかった。実は、昨日、誘ってみようかなと考えもしたがやめた。一緒に歩いていたら、これでは気分を害されたろうし、二度とご免だと言われかねなかったかも。
(庚申山荘)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/be/8dd7d43fac8898df7975afbd96f7c478.jpg)
都合、50分のあっけないバトルだった。やはり、春まで待つしかないということか。体力もかなり消耗してしまった。庚申山荘に寄って、ラーメンを作って食べて、帰るとするか。元々、庚申山を登るつもりでいたわけでもない。庚申山荘は無人だった。休憩料は300円。玄関に入ったら、中は土足厳禁。どうしよう。ワカンはともかく、靴とスパッツが面倒だ。結局、やめた。菓子パン食べて我慢する。外に出たところで、こう、一面の雪では、ラーメンを作る場所を確保しても、腰掛けするところもない。
(ツララが林立)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/99/485a6c35ca0c5c756d92d22be4ffde6c.jpg)
(見事なツララ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/61/f8a2d2bb6de31a42a83e563a1e56d7be.jpg)
(なかなか幻想的)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/4c/d8ba666d666d680a762f5460dcc9bcff.jpg)
さて、これからどうするか。まだ11時を過ぎたばかりだ。この雪では庚申山までは無理だろう。先行の3人のトレースが上に続いている。すごいパワーだねぇ。あるいは、バトルを展開している間に、他の方が登って来ているかもしれない。ちょっと様子見で、軽く、行けるところまで行ってみるか。雪はさらに深くなった。ワカンも全然効かない。しばらく登って、そろそろ下ろうかなと思っている時、上から1人下りてきた。トレースのないところを歩き、雪をこいでいる。最初、登っているのか、下っているのか識別できないほど、往生しているかのように見えた。聞けば、途中で戻って来たそうだ。上に2人歩いているとのこと。「滝のあるところで戻った」とおっしゃっていたが、滝なんかあったっけ?これで、戻るタイミングを逸してしまい、しばらくまた上がる。すごいツララの景観が岩棚にあった。確かに、言われると滝だねぇ。袋田の滝ほどにもないけど。
(猿田彦神社跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/bd/bef539b361dbc2acf6c9ef1d486e56d9.jpg)
もうこれ以上、上に行くつもりはないし、体力もない。ワカンの跡がなくなり、アイゼン跡だけになった。さっきの彼はワカンではなかった。2人組が岩棚で外したようだ。もうちょっと上に行き、袈裟丸山くらいは眺めたかったが、もう一歩が拒絶する。下りはワカンのまま。意外に大胆になり、トレース無しのところを腰までつかりながら歩いてみたりした。山荘には寄らず、そのまま下る。近くで銃声が聞こえる。断続的で、銃撃戦をやっているかのようだ。週刊大衆の世界だねぇ。あのたき火ジイさん達、一発で仕留められなかったようだ。下から1人上がって来た。もう12時を回っている。泊まりだろうか。先行の彼から聞いたのか、「急ですって?」と聞かれた。庚申山は初めてなのだろうか。急は急だが、まれに見るような急ではない。自分にとっては、むしろ、問題は積雪量だったのだが。「いやぁ、雪が多くて」とは答えたが。オレも雪の庚申山は別に初めてではない。何度かある。15~16年前の元旦に木兄弟とラッセルしたことを思い出す。今日よりも積雪は多かったような気がする。あの時、前日の大晦日の夜、一升瓶と鍋料理の具材を持って出かけ、夜の8時に庚申山荘に着いて年越しの宴会をした。外のテントにも山荘にも、20人くらいはいただろうか。元日の朝、白々とした中、だれも外に出ず、だれかが先行して歩くのを虎視眈々で待っていた。勇んで我々が歩き出した。後で、ぞろぞろと続いて来た。そんな無茶も今はできない。ここまで来て、山頂に行けなかったのは初めてだ。
林道をとぼとぼ歩いていると、先行の彼が車に着いたようで、帰りの準備をしていた。やはり、2番目のゲート前に駐めていた車だった。じきに、後ろから車が来て、彼に乗って行かないかと声をかけられたが、かじか荘まではたいした距離でもないし、凍結もなくなっていたので断った。丸石沢の出会いで地形図を見ながらちょっと山容を観察。沢の左側の尾根、多少急だが、登れないほどでもない。ここから上がれば、そのまま塔の峰にも行けそうな感じがする。ネット記事で読んだような記憶もある。13時50分、駐車場着。他に1台。途中で出会った方の車だろう。彼が今日戻ったかどうか知らないが、少なくとも、9人分のトレースができたはず。雪が降らなきゃ、明日の歩きは楽だろう。ようやく、ラーメンを車の荷台で作って食べる。だが、相変わらず、腰を掛ける場がなく、そのまま立ち食いになってしまった。
一昨日までは三床山に行くつもりでいたが、昨日になって、舟石新道の残り半分がやけに気になってどうしようもない状態になった。どうも、春までは待てない。まるで幼い子供のようなもの。行ってみるか。2週間前に比べ、雪も大分深いだろう。完全装備で歩くことにする。とはいっても、ゴム長はやめにして皮靴。そして、ワカン、軽アイゼン、杖だけのこと。ピッケルと12本爪アイゼンはちと大げさだろう。下着はぶなじろうさんに倣い、上下ともに2枚重ねとした。今回はヒートテックと西友ブランドのエコヒートのミックス。ただ、これでは暑過ぎのような気がして、ヒートテックは半袖、七分とした。
(林道ゲート、冬は解放?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/12/48362a3545557307c58a71046ed1250b.jpg)
かじか荘の上の駐車場には車が1台もなかった。オレ1人かと少々落胆。7時32分出発。ところが、林道ゲートはオープン状態。その先に車の轍がずっと続いている。それも複数台。「車両の通行を禁止します」の看板が裏返しになっている。どういうこっちゃ。路面は凍結。滑る。慎重にならざるを得ないが、凍結した轍を避けると、雪が20cmくらいになっていて、この上もまた歩きづらい。いきなり汗をかいた。下着は1枚で十分だったかな。久しぶりに革靴なんか履いちゃったものだから、どうも、身体が重く感じ、足取りものろい。今日は荷物も重い。昼はラーメンでも作って食べようかなんて余計な計画を立ててしまい、その道具も水も追加されている。だが、身体の重さは荷物の重さだけのせいではないようだ。天気はいい。ちらちらと雪が飛んでくる。
20分ほど歩くと、次のゲートの手前に車が2台駐まっていた。ハンターの車ではないようだ。ということは、先行ハイカー有りか。良かった。心配していたことがある。もし、だれも歩いていなけりゃ、場合によってはラッセルじゃないのかと懸念していた。登山靴の足跡もここから加わっている。追いつかないようにしないと。姿を見られたらアウトだ。おそらく、先様はさっさと休憩に入るだろう。このゲートもオープン。まだ車の轍が続いている。天狗の投石を過ぎると、軽トラが2台、道の真ん中に止まっていた。荷台にケージを積んでいるから、おそらくハンターだろう。ジイさんが3人、車の前で、派手にたき火をしている。これも道の真ん中で。どういうシチュエーションなのか、皆目理解できない。車を避けながら脇を通って前に出る。「こんにちは」「先に3人行ったよ。30分前だから、追いつかねぇやな」と、聞きもしない返答があった。そうか、先行は3人か。さっきの2台の車だろうから、1人と2人組か。
(一の鳥居)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/bc/6e6f507430f529212bc2dbdc5856d51e.jpg)
(先行者のありがたきトレース)
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一の鳥居8時32分。ここまで1時間かかった。10月に来た時よりもかなり遅い。雪の影響か。それにしても、今日は身体が重いなぁ。体調が良くないわけでもないが。飲酒が解禁になってからもバカ呑みをしているわけでもない。ここでようやくスパッツを付ける。手間取って10分もかけてしまった。先行者は、ここでワカンやらアイゼンを付けたようだ。ワカンの後を12本爪がトレースに忠実に踏まれている。雪も深くなったが、オレもワカンの跡を歩く。助かる。歩幅が少々狭いようだが、文句を言う立場にはない。それから、余計なことをもう1つ。ご三方とも体重が軽いのだろうか。オレが歩くと、時たま踏み抜いてしまう。積雪は膝を越えている。絶えず、前方に注意する。先行者の姿を見つけたら岩陰で休憩にしよう。幸いにも、これはなかった。
(そしてポイント着)
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遅々として進まない。一の鳥居から勝道上人・大忍坊碑まで10月の時は1時間もかからなかったが。もう1時間はあっさりと過ぎ、まだまだ先のようだ。夫婦蛙岩の先でトレースが2手に分かれた。シャレにもならない。すぐにまた合体はするが、その間、ぬかって大変だった。股まできた。雪山では、気まま歩きは危険ですよ。ようやく「一の鳥居2.0K 庚申山荘0.3K」の標示に到着。10時5分。ここまでツボ足で来た。杖を出し、ワカンを付ける。ここから、舟石新道の入口を探し回ることになるだろうなと覚悟はしていたが、あっけなくも、すんなりと正解が出ていた。例のブリキマークが正面の木に付いていた。一度でも歩いたことがなければ、あの古ぼけたブリキマークが何なのか、さして、意味のないものだろうが、オレには大変重要な印。天啓の如し。さながら、宝島に向かって船出する心境。しかし、何とまあ、あっさりと発見したことか。
(宝島に向かう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/8a/d611440a126aca997905d6544de9a3d2.jpg)
(ここで進退窮まった)
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早速、追ってみる。気持ちが高ぶっている。ワカンを付けているのに、いきなり腰まできた。抜け出しに苦労する。トレジャーアイランドへの旅立ちも厳しいものがある。先の木々にはマークが続いている。必死だ。あわよくば、このまま、舟石峠はおろか、塔の峰までをも想定している。ところが、そう簡単にいかないのが世の慣わし。若干、上に向かう。そして、岩場の下を通る。この先、目の前の沢を下り、上るようだ。ここまで、ずっとトラバース。ワカン歩きではかなり不安定。舟石側と違って、鹿道にはなっていない。鹿も避けるような道なのか。少なからず、雪の様相ではかなり荒れている。倒木もある。マークを付けた木が横倒しになっている。この沢を上ったところに、道型らしき、幅広の窪みがある。あれを目指せばいいのだろうが、まず、この雪では沢に下れない。迂回も不可。たいした下降でもないが二進も三進もいかない。そのうち、そこいら中を動き回っていたためか、足下から、雪が転がりだした。こんなことをしていたらやばいんじゃないの。とうとう、「進退窮まる」、「断念」という言葉が浮かんだ。もはや、あきらめるしかない。戻ることにする。戻りもかなり不安定な態勢での歩きになってしまった。思えば、ハイトスさんに声をかけないでよかった。実は、昨日、誘ってみようかなと考えもしたがやめた。一緒に歩いていたら、これでは気分を害されたろうし、二度とご免だと言われかねなかったかも。
(庚申山荘)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/be/8dd7d43fac8898df7975afbd96f7c478.jpg)
都合、50分のあっけないバトルだった。やはり、春まで待つしかないということか。体力もかなり消耗してしまった。庚申山荘に寄って、ラーメンを作って食べて、帰るとするか。元々、庚申山を登るつもりでいたわけでもない。庚申山荘は無人だった。休憩料は300円。玄関に入ったら、中は土足厳禁。どうしよう。ワカンはともかく、靴とスパッツが面倒だ。結局、やめた。菓子パン食べて我慢する。外に出たところで、こう、一面の雪では、ラーメンを作る場所を確保しても、腰掛けするところもない。
(ツララが林立)
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(見事なツララ)
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(なかなか幻想的)
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さて、これからどうするか。まだ11時を過ぎたばかりだ。この雪では庚申山までは無理だろう。先行の3人のトレースが上に続いている。すごいパワーだねぇ。あるいは、バトルを展開している間に、他の方が登って来ているかもしれない。ちょっと様子見で、軽く、行けるところまで行ってみるか。雪はさらに深くなった。ワカンも全然効かない。しばらく登って、そろそろ下ろうかなと思っている時、上から1人下りてきた。トレースのないところを歩き、雪をこいでいる。最初、登っているのか、下っているのか識別できないほど、往生しているかのように見えた。聞けば、途中で戻って来たそうだ。上に2人歩いているとのこと。「滝のあるところで戻った」とおっしゃっていたが、滝なんかあったっけ?これで、戻るタイミングを逸してしまい、しばらくまた上がる。すごいツララの景観が岩棚にあった。確かに、言われると滝だねぇ。袋田の滝ほどにもないけど。
(猿田彦神社跡)
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もうこれ以上、上に行くつもりはないし、体力もない。ワカンの跡がなくなり、アイゼン跡だけになった。さっきの彼はワカンではなかった。2人組が岩棚で外したようだ。もうちょっと上に行き、袈裟丸山くらいは眺めたかったが、もう一歩が拒絶する。下りはワカンのまま。意外に大胆になり、トレース無しのところを腰までつかりながら歩いてみたりした。山荘には寄らず、そのまま下る。近くで銃声が聞こえる。断続的で、銃撃戦をやっているかのようだ。週刊大衆の世界だねぇ。あのたき火ジイさん達、一発で仕留められなかったようだ。下から1人上がって来た。もう12時を回っている。泊まりだろうか。先行の彼から聞いたのか、「急ですって?」と聞かれた。庚申山は初めてなのだろうか。急は急だが、まれに見るような急ではない。自分にとっては、むしろ、問題は積雪量だったのだが。「いやぁ、雪が多くて」とは答えたが。オレも雪の庚申山は別に初めてではない。何度かある。15~16年前の元旦に木兄弟とラッセルしたことを思い出す。今日よりも積雪は多かったような気がする。あの時、前日の大晦日の夜、一升瓶と鍋料理の具材を持って出かけ、夜の8時に庚申山荘に着いて年越しの宴会をした。外のテントにも山荘にも、20人くらいはいただろうか。元日の朝、白々とした中、だれも外に出ず、だれかが先行して歩くのを虎視眈々で待っていた。勇んで我々が歩き出した。後で、ぞろぞろと続いて来た。そんな無茶も今はできない。ここまで来て、山頂に行けなかったのは初めてだ。
林道をとぼとぼ歩いていると、先行の彼が車に着いたようで、帰りの準備をしていた。やはり、2番目のゲート前に駐めていた車だった。じきに、後ろから車が来て、彼に乗って行かないかと声をかけられたが、かじか荘まではたいした距離でもないし、凍結もなくなっていたので断った。丸石沢の出会いで地形図を見ながらちょっと山容を観察。沢の左側の尾根、多少急だが、登れないほどでもない。ここから上がれば、そのまま塔の峰にも行けそうな感じがする。ネット記事で読んだような記憶もある。13時50分、駐車場着。他に1台。途中で出会った方の車だろう。彼が今日戻ったかどうか知らないが、少なくとも、9人分のトレースができたはず。雪が降らなきゃ、明日の歩きは楽だろう。ようやく、ラーメンを車の荷台で作って食べる。だが、相変わらず、腰を掛ける場がなく、そのまま立ち食いになってしまった。
今回は、ニヤニヤしながら読んでしまいました。
意外に多い積雪。足跡があってホットする。新しい足跡ならば、そこでチョット一服。追いついてはならない。全くもって、同じ心境ですよ。
人数が揃い交代で先頭をやらないと、なかなか登頂は厳しいですね。一人歩きの気楽さと引き換えに、雪山の登頂確率は大幅ダウンですね。
それにしても、毎度早い行動ですね。とりあえず、目的ははたされたのですから、めでたしと云った所でしょうか。たそがれオヤジさんにしたら、入り口を見つけておいて、春までオアズケは、チト厳しいか・・・。
ありがたきトレース。一人歩きならどなたも考えることなのですねぇ。なぜか、多少の罪悪感を抱くのが不思議です。雪がなければ何も感じないことなのですが。
まあ、目的は果たしましたけど。見つけたら歩き通すつもりでもいましたから、入口付近でシャットアウトはかなり残念ものでしたよ。
この雪では、足尾の山もしばらくはお預けになりそうです。
ぶなじろうさんと同様にやにやしながら読んでました。
追いついちゃうと、その後もずっと後ろをと云うわけにはいきませんものね。
舟石新道、今回撤退にしてもその心意気やよし・・素晴らしいですね。
たぶん想像ですが、斜面のトラバースと沢の渡渉を何度も繰り返すと思われますので一定以上の積雪のある状況では難易度が急上昇だと思います。
ワカンだとすごく歩きづらそうです。
例の目印のブリキ片を見つけられたようですので入り口確認は間違いないですね。
やっぱり春になってからでしょうか。
それともたそがれさんは気になったら放っておけない性分の様ですので残雪期で雪が締まったら行っちゃいそうですか?
先週は我々は家内の故郷であります駿河へ行っておりまして、時間を見つけて日本平山頂(駐車場から徒歩5分)から富士山を眺めてきました。
そういうわけで今週は山はお休みでした。
今回、ハイトスさんのHPにアップがないものだから、珍しく歩かれなかったのかと気になっていましたよ。そうですか。静岡に行かれていたのですか。富士山は見事だったでしょうね。
奥さんが静岡、ハイトスさんが富山では、百名山だらけですね。
話は足尾に戻りますが、しばらくは無理ですね。残雪期もどうでしょうか。やはり、雪解け後の道型を追ってみるのも一興のような感じになってしまいましたよ。