たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

2020年の山納めは赤雪山と仙人ヶ岳。別に積極的に行きたかったわけでもなかったが。

2021年01月06日 | 近所の栃木県の山
◎2020年12月30日(水)

松田川ダム路肩駐車地(7:32)……491m標高点付近(8:04)……赤雪山(8:30~8:35)……585m標高点付近(9:03)……原仁田の頭(9:14)……休憩(9:41~9:46)……623m標高点・三角山(10:11)……仙人ヶ岳(10:42~10:51)……熊の分岐(11:07)……561m標高点・知ノ岳(11:18)……キャンプ場(11:54~12:01)……駐車地(12:10)

 久しぶりに足尾の山にでも行って雪の中禅寺湖南岸尾根を眺めるつもりでいたが、息子が帰って来て、赤雪山と仙人ヶ岳に行きたいと言う。だったら、注意して行ってきなで済むことだが、山が逃げるわけでもないので、赤雪山に一緒に行くことにした。息子は今、栃木百名山にこだわっている。社山あたりもいいよと方向チェンジをうながしたが、まだ雪山には自信がないとのこと。賢明だ。経験の浅い初心者が一丁前気分で雪山に行っては遭難している。さて、息子は車移動もせずにこれに石尊山と深高山も加えたがっていたが、どういう歩きをするつもりでいたのかそれは無理だとやめさせた。そのままアパートに帰って、翌日には通常勤務に就く身でそれはできまい。

 仙人ヶ岳にオーソドッスに行くには猪子峠ルートになるが、これに赤雪山を加えてコースの重複をせずに歩くとなると車道歩きが加わる。それは自分の頭の中にあるコースであって、実際には他に便利なコースがあるかもしれない。そこでごく普通に松田川ダムからの周回ルートにした。これは息子が当初から予定していたらしきコースで、自分は16年前に松田川ダムを経由して歩いたことはある。どういうルートで歩いたのかはしかと覚えていないが、その時の写真を見ると、岩切から熊の分岐を経て仙人ヶ岳。そしては赤雪山に向かい、松田川ダムに下りて車道歩きで戻ったようで、赤雪山はその場の気分で行ったらしい。

(赤雪山への登山口)


 松田川ダムから赤雪山への既成コースは二本あるようだが、沢沿いの一本は崩壊して普通には歩けないようだ。16年前はおそらく、そこを下ったのかもしれない。残っている写真の風景が今回とは違っていた。そちらは敬遠して、確実な尾根コース入口に近い路肩に車を置く。登山口に入ると、息子はさっさと登って行った。相変わらずだ。クネクネした植林のかなり先を歩く息子の姿をちらちらと見はしたが、その後に息子の姿を見たのは戻ってからの駐車地で、つまりは、息子は息子で勝手にさっさと歩くことになり、こっちも自分ペースの歩きになり、何ら単独歩きに変わりはない。携帯もつながらない中で、この先、どこに息子がいるのかずっと気にはなったが、自分の足取りからして、それはほんの頭をかすめた懸念に過ぎず、実際、赤雪山までなら登り一辺倒で済むが、その先仙人ヶ岳まではしんどい起伏の繰り返しになっていて、息子のことを考えている余裕もなかったし、登山道は明瞭で、特に心配することもなかった。息子にしてみれば、オヤジとずっと歩くのはうっとうしくてむしろ嫌なのだろう。こちらもそれは望んではいない。

(植林の中、曇り空の中、気が滅入る)


(491mから赤雪山)


 植林の中の歩き。展望も何もない。クネクネを淡々と登る。今日の天気はよろしくなかった。GPV天気予報で見る限りはこの周辺、雨つまりは雪のようで、出がけに息子がためらったほどだったが、雪が降り出したら戻ろうということで出かけたが、やはり曇り空のまま。昼過ぎには晴れるはずの天気予報。今だけ我慢だ。植林帯の中の歩きでは余計に気が滅入る。491m標高点の小高いところでようやく植林帯は終わった。そこに標識が置かれ、赤雪山までは0.7kmとあった。<まつだ湖1.0km>とあるから、赤雪山までの半分は過ぎたようで、前に見えているピークがおそらくは赤雪山だろう。ただ、仙人ヶ岳までどれくらい歩くのかは皆目わからない。四年近く前に桐生側から入って、赤雪山と623m標高点の三角山区間はアカヤシオ目当てで歩いたことはあったが、かなり長かった感覚だけは残っている。その時、仙人ヶ岳には寄っていない。16年前の記憶は、むしろ長い距離感もない。その頃は苦痛でも何でもなかったようだ。きつかったら、それなりの山行メモに残すはずだが、そんな記載はなかった。

(赤雪山に向かっている)


(朽ちた階段。普通は脇を登るが、階段の役になっていないから、道の感覚で歩いている。すでに植林は終わっている)


 天気がいつ崩れても不思議ではないような中を赤雪山に向かう。右の谷越しに反射板のようなものを乗せた山が見えている。残念ながら、そちらのエリアが入り込んだ地図は持参していないので、どういう位置関係にあるかはわからないが、そちらに送電線が続いてはいるようだ。

(赤雪山山頂)


(展望は薄暗くてこんなもの)


 赤雪山まで0.2kmの標識を見て、ほどなく東屋のある赤雪山山頂に着いた。ここに来たのは3度目になる。出発から一時間。予想通りに息子が待っていることはなかった。閑散とした風景の中、寒くなって身体が震えた。周囲の景色は雲もあって遠望はない。晴天なら、ここから袈裟丸山が見える。16年前に、周囲にいたハイカーに、袈裟丸山を教えてやった思い出がある。次から次へと他の山の名前を聞かれた。山頂には仙人ヶ岳まで4.2kmの標識があった。松田ダムまでは1.7km。都合5.9km。仙人ヶ岳まで行けば×2として12km近い歩きになる(実際は9.1kmだったが)。考えただけでもうんざりする。平地歩きなら残り何とか2時間で歩ける。山道ならそんなわけにはいかず、早くて3時間半か。

(仙人ヶ岳へ。登山道というよりもハイキング道だ)


(仙人ヶ岳は中央かと思う。いや、三角山かも。どれが仙人ヶ岳でもまだまだ)


(たまに陽があたったりする)


 少し休んで下る。薄暗くて、とにかくうっとうしい。こういう天気の中の歩きはとてつもなく嫌だ。この先、間違うべく道もないが、登っては下るの繰り返しになり、天気は一瞬だけ晴れたもののすぐに曇り、歩いている楽しみがまったくない。歩きに集中できるといえばそれまでだが、そんな健脚でもない。そして、仙人ヶ岳まで3.5kmの標識。反対側には手書きで「皆沢→」とある。距離は1.7kmとあったような気がするが、できれば、ここから皆沢に下りたいくらいだ。下ったらまともには駐車地に帰れない。息子が先にいなけりゃ、すでに離脱して戻りたい。

(585m標高点付近かと思う)


 標高点585mあたりを通過。この先のピークは確か<原仁田の頭>のはずで、ここで小休止。そこに山名板はないが、地図を見ると、赤雪山、仙人ヶ岳の間のまだ1/3の距離。仙人ヶ岳までは2.9km。菓子パンを食べた。シャリバテ気味になっていた。風が出てきている。ここまで来て雨やら雪だと、戻るも半端だが、南下すれば林道に出られるようだが、また晴れ出したりしてどうにもはっきりしないので、先に行くしかない。息子も先を歩いている。風はすぐにやんだが、頭にポツリと雨が落ちてきた。ポツリ一回だけで済んだが。
 登っては下りの繰り返しで、ようやく一部区間を歩いた四年前のことを思い出した。その時は確かにきつかった。それよりも、問題は、天気のこともあって、仙人ヶ岳に何時ごろに着くだろうかということ。この間に、栃木で震度4の地震があったようで、まったく感じていない。

(赤雪山方面だったような気がするが)


(先のことを考えると、結構な下りなんだよな)


(そして、待っていましたとばかりに登り上げ。その先にはすぐに下り)


(半分を過ぎたところでザックを放り出す)


 距離付きの標識は続く。見てはがっかりするだけ。ようやく、赤雪と仙人の間の半分を過ぎた。<仙人ヶ岳1.8km 赤雪山2.4km>になってほっとして、気持ちも幾分楽になった。もう、ここまで来たら居直って仙人ヶ岳に向かうしかない。すでに息切れどうこうの状態ではないが、これでいくらか余裕ができたのか、一服吸いつける。ただ、623m標高点の三角山に至るまではまだまだ安堵とまではいかない。

(三角山だろう)


(唯一、今回見た石祠)


 下っては登りの傾斜がきつくなる。巻き道を探してもないから律義に登っては下る。繰り返しになってきた。目の前に見える越えざるをえないピークは次第に壁のように見えてくる。その間、県境付近の手前で石祠が一基。西を向いている。西は菱町や穴切の方になる。文字はかすれて読めないものの、当時はこの辺、下野領だったわけで、その方面の人たちが祀ったのだろう。勝手な推測だ。

(これは壁だった。左には巻き道があった。標識があったので無理して登った)


(これがその巻き道。みんな、これも含めて、大騒ぎして歩いてはいないはず。みんな、この間を歩く人は何ともなく歩いているのだろう)


(この時は、ここが三角山ピークと思っているが、どうもはっきりしない)


(振り返ると、やはり三角山だった)


 三角山らしきピークの手前には巻き道があったが、ピーク上に標識が見えたので無理に登った。仙人ヶ岳まで1.3kmとあった。もしかして、これが三角山なのかもしれない。GPSを見ると623m標高点と重なっている。

(ここで、もう逃げて)


(こっちの巻き道を行った)


 岩がゴツゴツと出てくる。振り返ると三角形の山が見える。やはり、あれが三角山だったか。どうもあやふやだ。この次のピーク越えは厳しかった。見上げると岩も混じっている。普段なら簡単だが、ここまでアップダウンの繰り返しではさすがにつらい。左に巻き道があったのでちゃっかりと使わせてもらった。ロープの設置された巻き道だった。

(松田川ダムへの近道案内)


(我慢して登った)


 単調な歩きが続き、もうこんな状況をダラダラと書くのも飽きてきた。今となってはすでに去年の歩きだし、歩いていても楽しくも何ともない。一気に飛ばす。しかしながら、登り下りを相変わらず繰り返してうんざりしたところで、松田ダムまで600m、林道2.6kmの標識が目に入った。植林の中を下るらしい。誘惑にかれられた。思うに、息子はすでに仙人ヶ岳からの下りに入っているはずだ。いつもなら、下山途中の息子に車のカギを預けるが、それが今回はままならない。だが、せっかくここまで来たのなら、仙人ヶ岳まで行くのが当たりまえ。ここもまた壁の直登で、巻き道はない、

(左から通常の仙人ヶ岳ルートに合流)


(間もなく仙人ヶ岳)


(仙人ヶ岳山頂)


(だーれもいないし、寒々としている)


 猪子峠ルートからの道に合流して仙人ヶ岳に到着、だれもいない。いるわけもないだろう。ここに至っても天気は曇り。雪が落ちてきてもおかしくはない。ここまで来られたなら、これから天気が崩れても問題にはならない。どうにでも下れる。乾いた石に腰かけ、おにぎりを食べ、タバコを一本吸って退散だ。寒気でぞくぞくする。しかし、息子には、ここにいたくらいの証でも残して行けよと言いたいくらいで、せめい、メールくらい送れば、気まぐれ電波で届く。気が利かないヤツだ。ここに至って、しっかりと予定コースを下っているのか気になってくる。そんなこともあって、仙人ヶ岳で10分も休まなかった。もっとも、天気がどんよりでは、桐生側の展望地に行ってもたかが知れた景色しか見られない。

(とっとと下る)


(熊の分岐あたりで)


(石尊山尾根)


 下る。この先は一部の岩稜帯歩きがあってもたいしたものでもない。確か、知ノ岳の先で左に、ダムへの分岐があったはず。熊の分岐で荷物整理をしているハイカーがいた。太り気味の体型ではあったが、ここまでだれにも会っていない。てっきり息子と思い。「まだそこにいたのか」と声をかけてしまった。着ている物の色が同じでメガネをかけ、腹の太さだけは違っていた。別人のオニイチャンはキョトンと顔している。これはそうだろう。見ず知らずのジジイから文句めいたことをいきなり言われている。こっちも失礼に気づき、何喰わぬ言葉をつくろって聞くと、猪子峠から登って仙人ヶ岳、帰路は熊の分岐から戻るといったオーソドックスなコースだった。ちょっと立ち話をしたが、やはり雨が顔にあったと言っていた。後で息子から聞くと、この青年とは会ったと言っていたから、この時点で息子との距離はかなり縮まっていたようだ。おそらくは10分程度だろう。

(知ノ岳)


(知ノ岳から赤雪山)


(少し下ると松田川ダム)


 その後、知ノ岳で3人組、単独氏と会う。実は、この先、ダム湖への分岐がどこにあるのか記憶がなかった。まさか過ぎてしまったわけではあるまいと思っていたところで、左に向けた標識があってほっとした。ダム湖が見えていた。

(ダムへの道は明瞭だが急で)


(ダムもすぐ近くになる)


(電光型の下りを見上げて)


 嫌らしい感じの道だった。急で滑りそう。道型はしっかりしているものの、クネクネしている。展望は、途中から雑然とした林に入るのであまり良くはないが、たまに見えるダム湖はどんどん近づき、赤雪山らしき山も見える。
 道はいきなり電光型の急斜面になり、トラロープが結わえられている。これが終わると、傾斜の緩い作業道風の登山道。キャンプ場まで570mの標識が置かれている。ここに至って、相変わらずの曇天も気にならなくなった。

(もう平らになって、ダムの手前のキャンプ場へ)


(沢があったが、濡れることはない。これを渉る)


(キャンプ場。今はシーズンオフ)


 キャンプ場は無人だった。東屋に腰かけて一服。陽も出ている。おそらく、息子は車の側で適当にオヤジが来るのを待ちながらスマホでもいじっているのだろう。寒かったら別だが、それは車のキィを受け取りもしなかった息子の落ち度で、こちらに責任はないし、どうしているのか心配をする立場でもない。ゆっくりとタバコを二本吸った。

(壮大な法面だった。よほどにキャンプ場とダムを開発したのだろうが、ダム湖や沢はたいした水量もなく、必要だったのだろうかと思ってしまう)


(赤雪山?)


(駐車地。短時間ながら、気分的には長かった)


 キャンプ場をグルリとして車道を駐車地に向かう。あれっ、息子の姿が見えない。オレが先に着くわけもなく、反対側が歩いて来る息子の姿が見えた。なんということはない。自販機を探していたそうだ。スマホ情報で探しに行ったらしいが、ここにそんなのがあるわけないことは孤立したダム湖の状況からして期待するのがおかしい。
 息子に、これから石尊山にでも行くか? 行くなら、オレは車で待っていると聞くと、もういいとの返事があった。たかが4時間半少々の歩きだったが、かなり疲れた。だが、先日、荒山を歩いたせいか、肉体的には心地良い疲れで済んだ。何とか、前の山歩きスタイルに戻れそうだ。だが、翌日はやはり大腿部が痛かった。

 期待した荒山は雪山歩きにならず、富士山見物も相変わらずに真っ白とまではいっていないのでその気になれない。これで2020年の歩き納めになってしまった。いずれ、年明けには両方ともに楽しまないとなぁ。

(今回の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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