
◎2015年2月7日(土)
大中寺駐車場(11:25)……ぐみの木峠(11:50)……晃石山(12:10)……林道(12:45)……中山取り付き(13:05)……中山143mピーク(13:30)……ふれあいの道(13:50)……大中寺(14:10)
土曜日に用事が2つばかりあった。山は日曜日の予定でいたが、日曜日の天気予報が雨になってしまった。用事の一つ、床屋は予約だから今さら変更のしようもないので、その後の用事をさっさと切り上げ、帰り路に山に寄ることにする。
その二つ目の用事の場所からのアクセスを考え、太平山あたりが無難だろうと地図を刷り出すと、「中山」なる山が目についた。Googleで「大平町 中山」で検索すると、野球親爺さんの記事が頭に出てきた。つまり、中山はそちら方面の方にしか見向きもされない山なのだろう。そういえば、みー猫さんもこの中山に行かれたことがあったのではなかったか。改めて拝見すると、自分もしっかりとコメントも入れていた。その時は登ることもない山だろうと、以降さらっと忘れ去っていた。
どんな山なのか、どうもイメージがつかめないが、この中山に行ってみようか。となると、これだけでは1時間もかからないだろうし、せめて、晃石山くらいは回ろうか。
本記事のタイトルは晃石山がメインといった感じだが、実のところ今回は中山がメインのつもりでいた。
<晃石山>
大中寺の駐車場には車が30台ほどあって、空きスペースは2~3台。スパ長を履いてすぐに出発。今日の荷物はやたらと軽く、3kgもあるのかどうか。とりあえず、大中寺を見物する。ここに来たら、そうすべきものだと思っている。
(大中寺)

(ぐみの木峠への道標)

大中寺から晃石山に行くのに、太平山を経由するような悠長な歩きはできないので、198m標高点経由の尾根で登るつもりでいたが、寺の手前に「おとら様の墓」に向かう歩道があるのに気づいた。予定尾根の方向と同じだ。これを使えば、尾根に取り付けるのではないかと、大中寺から回り込む。墓地の前を通って歩道に出ると「ぐみの木峠→」の標識があった。何だ、これを行けばいいだけじゃないのか。わざわざ、わけのわからないヤブ尾根を登るまでもない。ハイキングマップでも探して持って来ればよかった。
(あまりいい道ではない)

(ぐみの木峠)

荒れた歩道だった。倒木もかなりある。雨が降れば、この辺、脇の沢から水があふれ出るのではないのか。道に沿って登る。下って来た4~5人と出会う。息切れする前にぐみの木峠に出た。ここからは稜線伝い左で晃石山。
(晃石山に向かう)

(展望地から見た中山連山)

(これを見たのは初めてのような気がする)

ハイカーと何人も行き交う。ここも大小山と同じで人気のスポットのようだ。今日は自分が元気なのか、もしくは、ぬかるみで足をとられたハイカーがゆっくりと歩いていたからか、次々と、といっても6人ほどだが、追い抜く。この時間、晃石山に向かうハイカーよりも、太平山に向かうハイカーが多い。折り返しの帰路だろう。
ぬかるみから軽い雪道になった。下は凍て付いている。すり減ったスパ長でも歩きはサクサク。左手に展望地。真下に、本日のメインにした中山連山が見える。取り付きはどこなのか、ここからではよくわからない。まぁ、適当に行ってもいい程度の山だろう。
右手に遊歩道に沿った林道らしきものが見えた。こんな道あったかなぁ。記憶なし。その先に電波塔みたいなものが見えた。「消防救急デジタル無線整備工事」の看板があって、塔の下には作業の方が3人ほどいらした。
(凍結している)

(晃石山)

(日光連山)

正午のサイレンが聞こえ、間もなく晃石山に到着。7人くらいがくつろいでいた。ランチタイムだ。お食事中の方もいる。カップルがかすんだ日光連山をバックにして写真を撮っていた。「撮りましょうか」と声をかけたら断られた。珍しい。若い頃しか、そんな2人揃った写真なんか撮ることもないのに…。普通、子供も含めた写真を撮ったところで、夫婦は離れて立っているパターンが多いものだ。余計なお世話だったみたい。それ以上のことは想像すまい。いろいろとわけもあるだろう。
周囲の景色は霞んでいる。男体山は見えても浅間山も赤城山も見えない。ハイカーがどんどん上がってくる。菓子パンを食べて、下りにかかる。タバコを吸える雰囲気ではない。吸ったらひんしゅくだろう。
(晃石神社)

(鏡石)

(清水寺に向かう道)

(コースは右だが、ここを直進してみた)

晃石神社の方に下ったのは初めてかもしれない。いつもなら桜峠に下っている。神社の前で4人くらい休んでいらした。ここのご神体は「鏡石」なのか、鏡石にはしめ縄が巻かれている。
これから清水寺に下るつもりでいる。地形図では南東に下る破線路があるが、破線路は林道に向かっているし、清水寺はこの先の途中からの分岐だろう。意外に急な下りだ。
分岐を過ぎ、そのまま清水寺方面に向かうと、カーブ状のところ、直進方向に木が横倒しにされていた。直進するなということだろうが、気になって地図を見ると、その先は尾根伝いになっていて、末端は林道だ。ここを下ればどういうことになるのか、期待しながら倒木を跨いだ。
(最初はいい感じだったが)

(間もなくこうなった)

(ツルから足を抜くだけでも体力を費やす)

(焦げたというよりも明らかに燃えた跡)

最初は雰囲気のいい尾根だった。何でこんなところが通行止めなのか不思議なくらいだった。やがてヤブに突入。下るに連れて熾烈なヤブになった。遅々として進まない。「ヤブの大敵、ツルとトゲ」。ツルが引っかかって足を取られること4回、急斜面でつかんだ木のトゲで痛い思いが2回。背中に草木のクズがたんまりと入り込んだ。この辺はイノシシの生息地らしく、あちこちにイノシシが掘った跡があった。
途中、焦げた木を3本見つけた。何でそうなったのかは知らないが、類焼していたら山火事になっていたのではないだろうか。
(林道に出た)

(林道歩き)

ようやくヤブが緩んで林道に出た。そこに自転車乗りが休んでいて、おかしなところから出て来たためか、不審な顔をされた。上着を脱ぎ、シャツの裾を出して身体に入った木クズをはたく。汗ばんだ身体にぴったりとくっついていて、すっきりしたつもりでも、しばらくはチクチクした。ここでようやくタバコを吸えた。
林道を大中寺に向かう。探索の方もいる。破線ルートの登山口には車が5台。右手に中山も見えてくる。前をオッサンがのんびりと歩いている。
<中山>
大中寺への道を分岐で逸れ、一旦、県道(市道?)に向かう。中山連山の尾根の末端は車道に面している。前のオッサンを追い越す。オッサンは大平下の駅に向かうのだろうか。
(中山)

(ここを入ってみる)

(階段を登ると)

(神社)

車道を乗り越えると、右方向に山裾巻きの道があった。これを取りあえず行ってみると「中山八幡宮」の石柱があり、その先、階段状になって神社に至った。この中山八幡宮、創建は源義家のようだ。敷地の四隅に石祠が置かれていた。
さて、中山にはどうやって取り付くのか。最高点は164m、標高差は100m程度のもの。どこを登っても何ら問題はないだろうが、やはり、里山おそるべしで、あなどるととんでもないことになる。ヤブの少ないところを選んで登ってみる。
(踏み跡もないので、上を目指して適当に登るしかない)

どこでも歩けるといった感じで、密ヤブのところはない。周囲は雑木の疎林。さっきの晃石山からのヤブに比べたらウソのようだ。その代わり、知らずの間に、上着のフリースに粘着性のドロボウがかなりついてしまった。
(最高峰ピーク)

164mピーク付近に到着。神社から10分。連山最高点のピークには何もない。ちょっとした灌木の広場といったところ。ここからは地形図通りに下り調子になる。幅広の尾根を、障害を避けながら南東に行く。古いスズランテープを見かけた。歩く方もいるのだろう。古いし、これだけだからと、このテープは無視。麓の人家から布団を叩く音が聞こえてくる。まさにこれ、里山の醍醐味だが、こんな超マイナーの山で倒れでもしたら、見つかった時はまさに干からびているだろう。
(植林も入り込む)

(143mピーク。山名板はここにあった)

小ピークを過ぎ、若干勾配のある下りになる。植林が混じる。登り返すと143m標高点らしきところに着いた。山名板があった。栃木の山紀行氏と山部氏。ここでしばらく休んだ。菓子パンを食べて一服。車の音以外は静寂で、不気味でもある。イノシシが出てきても不思議ではないし、その跡もあった。
さてと、ここからどうするか。このまま尾根伝いに126mまで行って連山を縦走したとしてもあまり意味がないように思える。周囲の雰囲気はずっと同じで、景色を眺めながらの下りでもあるまい。見切りをつけて、ここから東の尾根を下るとするか。
(下が見えてきた)

この下り尾根、踏み跡の類はないが、歩いている人はいるらしく、テープもあった。他人様の領域とはいえ、尾根筋は明瞭。テープはしっかりと結わえているので、結びを解くのに手間がかかる。瀑泉さんのように、ナイフがあればあっさりだが、3kgの荷物の中にはナイフもハサミはない。距離もたかが知れている。下までの間に6本ほどの回収で終わった。
(梅が咲いていた)

(ふれあいの道)

中山に取り付いて下るまで45分。これだけなら、時間も余り過ぎだ。やはり、晃石山か太平山をセットにしないと歩いた気がしないだろう。山裾は「関東ふれあいの道」になっていて、大中寺まで1.3kmの道標があった。反対側は大平下駅で1.1km。この周辺はブドウ園が多いようだ。
現役ではないようだが、車が一台は通れるような道が2本ほど上に向かっているのが目に付いた。作業道なのか、追っても仕方がないのでそのままにしたが、ちょっと気になった。
(車道に面してお堂がある)

(大中寺に戻った)

駅に向かうハイカー3人ほどと出会う。ぶらぶら歩いて行くと、梅の花が咲いていた。車道の脇にはお堂があって、首欠けの地蔵さんと顔がつぶれた不動王妙の石像があった。いずれも江戸時代のようだ。
大中寺の駐車場に到着。車は半分になっていたが、こんな時間に出発するハイカーもいるようで、晃石山からの日没でも眺めるのだろうか。
(磯山)
この山、今日、来る途中に見かけた丘状の小山で、地図を見ると、標高51mで神社マークがある。気になっていたので、引き返すように車で移動。大中寺からは車で10分もかからないが、ナビのセットに手間取った。
(ここを上がると)

(すぐに磯山の山頂)

この山(と言えるかどうか)、帰ってからネットで調べると、低山過ぎるゆえの好事家の記事が結構目に付いた。山というよりも、高台にある神社といったところだろう。
駐車場は永野川沿いの「磯山桜づつみふれあい公園」。10台ほど置ける。コンクリの東屋の先に階段が見え、ここからは入ってみる。
2分ほどでピークに着いてしまった。拍子抜け。
巨大な水槽、石碑、岩礁のような塊、大きな岩があった。岩にはしめ縄が巻かれている。水槽は戦前に日立製作所がここに設置した遺物らしい。
(岩礁の上に乗る)

(太平山、晃石山、そして中山)

岩礁のような塊は溶岩とは思えず、まさに海辺にあるような岩礁で、太古の時代、ここは海であったことを物語っているかのようだ。磯山の名前はここからきたのだろうか。以前、日光の女峰山に登った時、化石探しをしている方がいて、その方の話を伺うと、ここは何百万年だか何千万年前は海だったとおっしゃっていたことを思い出した。山頂からは太平山の眺めがいい。
(諏訪神社)

(出発して10分後には戻っていた)

あまりにあっ気ない。山と思うからなおさらだ。遠回りをしながら回ってみる。下には神社。「諏訪大明神」とある。周辺には狛犬、石祠もかなりあって、それぞれの石祠にはしめ縄が飾られ、何とか社と命名されているのもある。神社は藤原秀郷が寄進したようだ。
迂回しながらゆっくりと歩いたものの、せいぜい10分で終了。
ここのところ、歩くたびに歩程時間が少なくなってきている。中山もそれなりに満足したのではあるが、何だかわびしい気がしないでもない。今日は予定もあったので仕方もないが、挽回の歩きをしないと、このままずるずるといきそうで、年間を通じて「趣味は里山歩きです」といった状態にもなりかねないのがこわいところでもある。
(晃石山~中山)

<磯山>

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
大中寺駐車場(11:25)……ぐみの木峠(11:50)……晃石山(12:10)……林道(12:45)……中山取り付き(13:05)……中山143mピーク(13:30)……ふれあいの道(13:50)……大中寺(14:10)
土曜日に用事が2つばかりあった。山は日曜日の予定でいたが、日曜日の天気予報が雨になってしまった。用事の一つ、床屋は予約だから今さら変更のしようもないので、その後の用事をさっさと切り上げ、帰り路に山に寄ることにする。
その二つ目の用事の場所からのアクセスを考え、太平山あたりが無難だろうと地図を刷り出すと、「中山」なる山が目についた。Googleで「大平町 中山」で検索すると、野球親爺さんの記事が頭に出てきた。つまり、中山はそちら方面の方にしか見向きもされない山なのだろう。そういえば、みー猫さんもこの中山に行かれたことがあったのではなかったか。改めて拝見すると、自分もしっかりとコメントも入れていた。その時は登ることもない山だろうと、以降さらっと忘れ去っていた。
どんな山なのか、どうもイメージがつかめないが、この中山に行ってみようか。となると、これだけでは1時間もかからないだろうし、せめて、晃石山くらいは回ろうか。
本記事のタイトルは晃石山がメインといった感じだが、実のところ今回は中山がメインのつもりでいた。
<晃石山>
大中寺の駐車場には車が30台ほどあって、空きスペースは2~3台。スパ長を履いてすぐに出発。今日の荷物はやたらと軽く、3kgもあるのかどうか。とりあえず、大中寺を見物する。ここに来たら、そうすべきものだと思っている。
(大中寺)

(ぐみの木峠への道標)

大中寺から晃石山に行くのに、太平山を経由するような悠長な歩きはできないので、198m標高点経由の尾根で登るつもりでいたが、寺の手前に「おとら様の墓」に向かう歩道があるのに気づいた。予定尾根の方向と同じだ。これを使えば、尾根に取り付けるのではないかと、大中寺から回り込む。墓地の前を通って歩道に出ると「ぐみの木峠→」の標識があった。何だ、これを行けばいいだけじゃないのか。わざわざ、わけのわからないヤブ尾根を登るまでもない。ハイキングマップでも探して持って来ればよかった。
(あまりいい道ではない)

(ぐみの木峠)

荒れた歩道だった。倒木もかなりある。雨が降れば、この辺、脇の沢から水があふれ出るのではないのか。道に沿って登る。下って来た4~5人と出会う。息切れする前にぐみの木峠に出た。ここからは稜線伝い左で晃石山。
(晃石山に向かう)

(展望地から見た中山連山)

(これを見たのは初めてのような気がする)

ハイカーと何人も行き交う。ここも大小山と同じで人気のスポットのようだ。今日は自分が元気なのか、もしくは、ぬかるみで足をとられたハイカーがゆっくりと歩いていたからか、次々と、といっても6人ほどだが、追い抜く。この時間、晃石山に向かうハイカーよりも、太平山に向かうハイカーが多い。折り返しの帰路だろう。
ぬかるみから軽い雪道になった。下は凍て付いている。すり減ったスパ長でも歩きはサクサク。左手に展望地。真下に、本日のメインにした中山連山が見える。取り付きはどこなのか、ここからではよくわからない。まぁ、適当に行ってもいい程度の山だろう。
右手に遊歩道に沿った林道らしきものが見えた。こんな道あったかなぁ。記憶なし。その先に電波塔みたいなものが見えた。「消防救急デジタル無線整備工事」の看板があって、塔の下には作業の方が3人ほどいらした。
(凍結している)

(晃石山)

(日光連山)

正午のサイレンが聞こえ、間もなく晃石山に到着。7人くらいがくつろいでいた。ランチタイムだ。お食事中の方もいる。カップルがかすんだ日光連山をバックにして写真を撮っていた。「撮りましょうか」と声をかけたら断られた。珍しい。若い頃しか、そんな2人揃った写真なんか撮ることもないのに…。普通、子供も含めた写真を撮ったところで、夫婦は離れて立っているパターンが多いものだ。余計なお世話だったみたい。それ以上のことは想像すまい。いろいろとわけもあるだろう。
周囲の景色は霞んでいる。男体山は見えても浅間山も赤城山も見えない。ハイカーがどんどん上がってくる。菓子パンを食べて、下りにかかる。タバコを吸える雰囲気ではない。吸ったらひんしゅくだろう。
(晃石神社)

(鏡石)

(清水寺に向かう道)

(コースは右だが、ここを直進してみた)

晃石神社の方に下ったのは初めてかもしれない。いつもなら桜峠に下っている。神社の前で4人くらい休んでいらした。ここのご神体は「鏡石」なのか、鏡石にはしめ縄が巻かれている。
これから清水寺に下るつもりでいる。地形図では南東に下る破線路があるが、破線路は林道に向かっているし、清水寺はこの先の途中からの分岐だろう。意外に急な下りだ。
分岐を過ぎ、そのまま清水寺方面に向かうと、カーブ状のところ、直進方向に木が横倒しにされていた。直進するなということだろうが、気になって地図を見ると、その先は尾根伝いになっていて、末端は林道だ。ここを下ればどういうことになるのか、期待しながら倒木を跨いだ。
(最初はいい感じだったが)

(間もなくこうなった)

(ツルから足を抜くだけでも体力を費やす)

(焦げたというよりも明らかに燃えた跡)

最初は雰囲気のいい尾根だった。何でこんなところが通行止めなのか不思議なくらいだった。やがてヤブに突入。下るに連れて熾烈なヤブになった。遅々として進まない。「ヤブの大敵、ツルとトゲ」。ツルが引っかかって足を取られること4回、急斜面でつかんだ木のトゲで痛い思いが2回。背中に草木のクズがたんまりと入り込んだ。この辺はイノシシの生息地らしく、あちこちにイノシシが掘った跡があった。
途中、焦げた木を3本見つけた。何でそうなったのかは知らないが、類焼していたら山火事になっていたのではないだろうか。
(林道に出た)

(林道歩き)

ようやくヤブが緩んで林道に出た。そこに自転車乗りが休んでいて、おかしなところから出て来たためか、不審な顔をされた。上着を脱ぎ、シャツの裾を出して身体に入った木クズをはたく。汗ばんだ身体にぴったりとくっついていて、すっきりしたつもりでも、しばらくはチクチクした。ここでようやくタバコを吸えた。
林道を大中寺に向かう。探索の方もいる。破線ルートの登山口には車が5台。右手に中山も見えてくる。前をオッサンがのんびりと歩いている。
<中山>
大中寺への道を分岐で逸れ、一旦、県道(市道?)に向かう。中山連山の尾根の末端は車道に面している。前のオッサンを追い越す。オッサンは大平下の駅に向かうのだろうか。
(中山)

(ここを入ってみる)

(階段を登ると)

(神社)

車道を乗り越えると、右方向に山裾巻きの道があった。これを取りあえず行ってみると「中山八幡宮」の石柱があり、その先、階段状になって神社に至った。この中山八幡宮、創建は源義家のようだ。敷地の四隅に石祠が置かれていた。
さて、中山にはどうやって取り付くのか。最高点は164m、標高差は100m程度のもの。どこを登っても何ら問題はないだろうが、やはり、里山おそるべしで、あなどるととんでもないことになる。ヤブの少ないところを選んで登ってみる。
(踏み跡もないので、上を目指して適当に登るしかない)

どこでも歩けるといった感じで、密ヤブのところはない。周囲は雑木の疎林。さっきの晃石山からのヤブに比べたらウソのようだ。その代わり、知らずの間に、上着のフリースに粘着性のドロボウがかなりついてしまった。
(最高峰ピーク)

164mピーク付近に到着。神社から10分。連山最高点のピークには何もない。ちょっとした灌木の広場といったところ。ここからは地形図通りに下り調子になる。幅広の尾根を、障害を避けながら南東に行く。古いスズランテープを見かけた。歩く方もいるのだろう。古いし、これだけだからと、このテープは無視。麓の人家から布団を叩く音が聞こえてくる。まさにこれ、里山の醍醐味だが、こんな超マイナーの山で倒れでもしたら、見つかった時はまさに干からびているだろう。
(植林も入り込む)

(143mピーク。山名板はここにあった)

小ピークを過ぎ、若干勾配のある下りになる。植林が混じる。登り返すと143m標高点らしきところに着いた。山名板があった。栃木の山紀行氏と山部氏。ここでしばらく休んだ。菓子パンを食べて一服。車の音以外は静寂で、不気味でもある。イノシシが出てきても不思議ではないし、その跡もあった。
さてと、ここからどうするか。このまま尾根伝いに126mまで行って連山を縦走したとしてもあまり意味がないように思える。周囲の雰囲気はずっと同じで、景色を眺めながらの下りでもあるまい。見切りをつけて、ここから東の尾根を下るとするか。
(下が見えてきた)

この下り尾根、踏み跡の類はないが、歩いている人はいるらしく、テープもあった。他人様の領域とはいえ、尾根筋は明瞭。テープはしっかりと結わえているので、結びを解くのに手間がかかる。瀑泉さんのように、ナイフがあればあっさりだが、3kgの荷物の中にはナイフもハサミはない。距離もたかが知れている。下までの間に6本ほどの回収で終わった。
(梅が咲いていた)

(ふれあいの道)

中山に取り付いて下るまで45分。これだけなら、時間も余り過ぎだ。やはり、晃石山か太平山をセットにしないと歩いた気がしないだろう。山裾は「関東ふれあいの道」になっていて、大中寺まで1.3kmの道標があった。反対側は大平下駅で1.1km。この周辺はブドウ園が多いようだ。
現役ではないようだが、車が一台は通れるような道が2本ほど上に向かっているのが目に付いた。作業道なのか、追っても仕方がないのでそのままにしたが、ちょっと気になった。
(車道に面してお堂がある)

(大中寺に戻った)

駅に向かうハイカー3人ほどと出会う。ぶらぶら歩いて行くと、梅の花が咲いていた。車道の脇にはお堂があって、首欠けの地蔵さんと顔がつぶれた不動王妙の石像があった。いずれも江戸時代のようだ。
大中寺の駐車場に到着。車は半分になっていたが、こんな時間に出発するハイカーもいるようで、晃石山からの日没でも眺めるのだろうか。
(磯山)
この山、今日、来る途中に見かけた丘状の小山で、地図を見ると、標高51mで神社マークがある。気になっていたので、引き返すように車で移動。大中寺からは車で10分もかからないが、ナビのセットに手間取った。
(ここを上がると)

(すぐに磯山の山頂)

この山(と言えるかどうか)、帰ってからネットで調べると、低山過ぎるゆえの好事家の記事が結構目に付いた。山というよりも、高台にある神社といったところだろう。
駐車場は永野川沿いの「磯山桜づつみふれあい公園」。10台ほど置ける。コンクリの東屋の先に階段が見え、ここからは入ってみる。
2分ほどでピークに着いてしまった。拍子抜け。
巨大な水槽、石碑、岩礁のような塊、大きな岩があった。岩にはしめ縄が巻かれている。水槽は戦前に日立製作所がここに設置した遺物らしい。
(岩礁の上に乗る)

(太平山、晃石山、そして中山)

岩礁のような塊は溶岩とは思えず、まさに海辺にあるような岩礁で、太古の時代、ここは海であったことを物語っているかのようだ。磯山の名前はここからきたのだろうか。以前、日光の女峰山に登った時、化石探しをしている方がいて、その方の話を伺うと、ここは何百万年だか何千万年前は海だったとおっしゃっていたことを思い出した。山頂からは太平山の眺めがいい。
(諏訪神社)

(出発して10分後には戻っていた)

あまりにあっ気ない。山と思うからなおさらだ。遠回りをしながら回ってみる。下には神社。「諏訪大明神」とある。周辺には狛犬、石祠もかなりあって、それぞれの石祠にはしめ縄が飾られ、何とか社と命名されているのもある。神社は藤原秀郷が寄進したようだ。
迂回しながらゆっくりと歩いたものの、せいぜい10分で終了。
ここのところ、歩くたびに歩程時間が少なくなってきている。中山もそれなりに満足したのではあるが、何だかわびしい気がしないでもない。今日は予定もあったので仕方もないが、挽回の歩きをしないと、このままずるずるといきそうで、年間を通じて「趣味は里山歩きです」といった状態にもなりかねないのがこわいところでもある。
(晃石山~中山)

<磯山>

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
たまたま、日光連山の画像の時間帯に山頂に居りましたが、向こうからは全くもって識別出来なかったです。逆光気味だからでしょう。里山が・・・のくだりは、もしかして次回の前フリでないかと勝手に想像しております。関係ないですけど、また大腸内視鏡検査がランクインしてますね。中山の部分、興味深く拝見しました、神社があるとは思いませんでした。その辺の直感というか感服いたしました。改めて自分が訪問したときのと比較してみまして幾分か視界も良さそうです。お疲れ様でした。ちなみに自分は会社帰りの1500円散髪で15分で完了です。
土曜日はいいお天気でしたのに、勿体なかったですね。自分は職場の屋上から日光連山を眺めておりました。
足尾はご無沙汰のようですね。先週、今年はじめて足尾へ行きましたが、雪が少なくて初冬のようでしたよ。
相変わらず、雪山のようですね。私は、相変わらずこんなところを歩いております。
「次回の前フリ」でしたらいいのですが、そうにもならないのががっかりのところで、今度の水曜日は出勤だし、近いうちに眼の手術を受けたりしなければならず、紫外線が強いようなところは当分お預けですよ。
中山ですが、結果的にみー猫さんと同じようなコースを歩いたようですね。神社はたいした神社でもなく、道型があったので行ってみたら、神社があったというところです。地図には鳥居マークがありませんね。
大腸内視鏡の記事は、ロングランですが、自分で改めて見たリもしましたから、それによるランクインじゃないですか。
きりんこさんは社山に行かれたようですね。
きりんこさんのことですから、この時期も相変わらず奥の滝やら雪山と想像していたものですから、拝見するのも遠慮しておりました。
改めて、後で読ませていただきます。
雪が少なかったですか。意外な感があります。遠くから見る松木山も、その部分だけ真っ白で、恐ろしげな感じがいたしまして、足尾方面に行くのも足がすくんでいますよ。
雪が少ないということでしたら、ちょっと考えようかなと思ったりして。
おかげさまで,自分は今期2度目の赤城山を堪能しておりましたヨ。
ところで大平山,過去2回ほど歩いてはいるのですが,あじさい坂や謙信平から晃石山・大中寺くらいで,まだ,馬不入山まで,通し歩きしたことがないんですワ。
なもんで,近々,歩こうかと考えておりましたヨ。
それにしても,中山でのテープ。こんな里山にまでですか。
短い距離に6本もあるとは,呆れてしまいますネ。
瀑泉さんは赤城でしたか。私、てっきり日光方面かなとばかりに思っておりましたが。
太平山、晃石山の周辺で面白いところといったら、個人的には馬不入山側と思っています。ちょっとしたマニアックな歩きもできますしね。
しかし、所詮は平野の中にある里山ですよ。楽しみ方もまた限られたものです。
お笑いですが、中山から下る際には、テープよりも、干した布団を叩いている音に向かって下れば、路頭に迷うことはありません。
そんな山に目印テープとは、どういう神経なのやら。
テープといえば、きりんこさんの記事で気づいたのですが、さらにホチキス留めの新手が現れたようですね。ナイフもさることながら、千枚通しのような鋭利な小道具も必要になってきているのではないですかね。先方も意地になっていますよ。
近所というよりも、みつまんさんお住まいの地に用事があって、その帰りがけの駄賃ですよ。
磯山のことはよくは知らないで行ったのですが、確かに一番の低山と言われているようですね。
コメントを拝見して、願成寺山を調べましたよ。アウトレットの南にある山ですね。機会があったら行ってみます。
中山は、俗世間たっぷりの山です。布団を叩く音が間近に聞こえるほどですからね。離脱をお考えなら、この山はふさわしくないかと思いますが。
高原の滝の情報ありがとうございます。ネットで調べる限り、枡形山からだと、烏ケ森さんの歩かれたルートしかないようですね。現地の状況もよくは知らないので、後追いになるでしょう。
短い時間を有効にお使いですね。
自分は土曜日は例のごとく二日酔いで、日曜は悪天で何処にも行けませんでした。
皆さんよくこの近辺の低山をご存じなのですね。
磯山は栃木最低山ですか。
ところで頂上のカップルの件、実は自分らも頂上で家内を立たせて証拠写真を撮っていると良く「撮りましょうか?」と声を掛けられることがありますが、丁重にお断りすることが多いですが。(笑)
我らの事情とは異なるでしょうな。