たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

富士山づいて雁ヶ腹摺山

2008年03月01日 | 富士山見物
◎2008年3月1日(土)-1人

 塔ノ岳で富士山を見て、もっと間近に見たくなって雁ヶ腹摺山に出かけた。丹沢と違って、太田の自宅からは山梨方面へのアクセスが良い。6時に出発し、林道ゲート前に7時半に着いてしまった。大峠に至る林道は冬期通行止めにつき、当初、金山鉱泉から入り、姥子山を経由して雁ヶ腹摺山に出るつもりでいたが、何となく積雪が多そうな気がし、さらに、だれも入っていなかったら、ラッセルになるんじゃないかとつい心配してしまい、安心な林道歩きコースを選んでしまった。とはいえ、林道を歩く距離は半端じゃない。片道10km近くはあるだろう。登山靴でのアスファルト道路歩きはつらい。今日の足は鋲付きのゴム長を選んだ。これなら、アイゼンもいらないだろうが、念のため、4本アイゼンを持参。

 テニスコートの駐車場に車を入れ、7時40分に出発。ゲートをくぐる。今日から、真木川の漁解禁らしく、釣り人がかなり入っている。山歩きの格好をした人はだれもいない。ゲートの鍵を開けて、中まで入り込んでいる車もいる。関係者の特権だろうな。林道を進むに連れ、次第に釣り人の姿はなくなった。今のところ、天気は青空だが、南の方面は雲が張っている。そういえば、車で来る途中、ちらっと見えた富士山は薄ぼんやりしていた。

 退屈な林道歩きとはいえ、上りはやはりきつい。大峠までの標高差は600mぐらい。クネクネしていて、ショートカットしたいのだが、大曲になっていて、さらに林道がいくつか分岐しているから、変にショートカットして、別の林道に入り込む心配もあるので、知らない道だし、素直に車道に合わせて実直に歩く。だれの姿も見かけない。ところどころにケモノの大きめなフンが落ちているが、何の動物だろう。クマにしては小さい。左手にハマイバ丸と大蔵高丸(だと思う)、右手には雁ヶ腹摺山が見えてくるが、南方を向いても、富士山は見えない。もしかして、今日はダメじゃなかろうか。林道歩きの代償は秀麗富士の姿と思って、我慢して歩いているのだが。林道の積雪が多くなってきた。足跡はついていない。

 大峠着9時30分。2時間近くもかかってしまった。いよいよここからが本番。積雪も多くなる。今のところ、頭上はまだ青い。最初のうちは良かった。何日か前に歩いた人がいたようで、トレースのくぼみが残っている。また、登山道も広いのか、雪もその形状を残している。木の橋を渡りきったあたりから、くぼみは消えた。登山道も斜めになっているためか、どこが夏道なのか判読がつかない。積雪はまだ膝下。道の崩れを防いでいるらしい土盛りを頼りに歩くが、これも雪を被って分からなくなってしまった。GPSを見ると、姥子山に向かって歩いている気配があり軌道修正。この山塊では、雁ヶ腹摺山は独立峰に近いから、山頂への方角は分かりやすい。迷うほどのことでもない。南面から直登する。本来の登山道ではないから、積雪がすごい。膝を越え、腰まで埋まる雪だまりコースをラッセルでたどってしまった。もう、靴下はグシャグシャ。スパッツと違って、ゴム長はヒモで縛ってあるだけだから、雪の防御は弱い。恒例の右ふくらはぎの痙攣は都合3回。天気は下り坂なのか、雲が広がってきた。もう富士山の姿はあきらめかけていた。よほど、帰ろうかとも思ったところで、案内板の表示。ようやく夏道に出た。あのまま、姥子山方面にしばらく歩くのが正解だったようだ。こういうところが自分の甘さ。とはいえ、ラッセルが終わったわけではなく、「山頂まで12分」(だったかな?)表示のところで、ようやく深雪から解放された。山頂が近付き、ところどころで地面が露出してきた。積雪部も膝下に戻る。

 山頂が見える。振り向いた。富士山は薄~く、そのシルエットが見える。といっても、実際のところは見えなかったのではなかろうか。昔の五百円札の富士山の光景が脳裡に焼き付いていて、あの三ツ峠の先に、富士山がこう鎮座しているというイメージがあって、そのまま、白い空にあてはめた画像が出てきただけのことかもしれない。山頂着10時50分。夏なら、大峠から1時間だろうが、1時間15分かかった。雪が降ってきた。気温は0℃。富士山が見えないのでは長居していても仕方のない山。だれもいず、有るのは雪上の自分の足跡だけ。そそくさと下山する。登って来た道を下るよりも、姥子山経由での下山を試みる。しばらく行くと、トレースがないどころか、雪が一気に膝上まできた。素直に戻る。「12分表示」のところで、同年輩の2人の男性に出会う。しばらく話し込む。オレのつけたトレースで助かったと言っていた。彼らも姥子山経由で下山するらしいが、どうなったか。バスで来たそうだが、そういえば、テニスコートの駐車場に向かう際、しばらくバスが黒いガスを出して、真ん前を先行していた。後ろに2人の男性が乗っていたけど、あれが彼らだったようだ。バス停からだと、さらに2~3km余計に林道を歩いているだろうに。結構タフだね。

 彼らは「助かった」と言いながらも、オレのコースとは大分ずれた歩きをしていた。彼らのトレースを下ったら、すごい遠回り、ジグザグに歩いていた。大峠着11時35分。下りは30分少々。しばらく休憩し、食事をとる。雪はやんだが、冷たい風が吹き荒れている。ここからまた長いなぁ。下りだから少しは早いかなと思っていたら、下り時間は1時間40分。10分程度の短縮。今度は何か所かでショートカットを試みるものの、笹で滑って、ズボンを泥で汚してしまった。駐車場に着いたのは13時30分。釣り人は、もうほとんどがいなくなっていた。

 また雁ヶ腹摺山に来ることはあるだろうか。失礼ながら富士山が見えなきゃ面白みのない山。大月周辺には秀麗富岳12景という山シリーズがある。富士山の残雪期に、仕事休んでどこかまた出かけよう。休暇をとって山を歩き、天候に恵まれなかったことはまず無いから。

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