
◎2017年2月18日(土)
かじか荘上駐車場(7:38)……丸石沢右岸尾根……舟石新道(10:01)……塔の峰(11:33)……舟石新道(12:42)……熊の平(13:45)……林道(14:40)……駐車場(15:10)
塔の峰の山名板のメンテナンスに行かなければと思いつつ延び延びになっていた。5日に塔の峰に行かれたふみふみぃさんからもニス塗りが必要ではとコメントいただいた。スプレーニスはいつも車の中に入れているが、今日はザックに移し替える。
この時期の塔の峰歩きは、舟石新道経由で登り、下りは丸石沢右岸尾根が無難だろう。未踏尾根なんかを絡め、雪の中を立ち往生したり未帰還者になっているわけにもいくまい。今回の目的はあくまでも山名板のメンテだ。余計なことは考えないことにしよう。
目的といえば、実はもう一つある。スノーシューに相変わらずなじめず、ワカンを裏返しにしてアイゼン装着を試してみたりしたが、今一つしっくりこない。そこにふみふみぃさんの記事を見て、モンベルのアルパインスノーポンなるものを知った。便利そうだ。これならワカンの延長ぼくっていい感じだ。ただ、そんなに金もかけたくないので、安いライトアルパインスノーポンにした。カジタのアイゼンでないとダメらしいが、今は使っていないカジタックスがあるので、これを使えばいいだろう。ということで、この使用感も今回の山行の目的に追加している。
改装工事中のかじか荘を左に見て、駐車場。車は一台もない。この先の林道凍結が恐ろしく、ここに車を置いて舟石峠の方まで歩くつもりでいたが、それは登りの林道2キロ歩きでもあるし、やっかいな作業だとは思っていた。幸いにもここまで凍結はなかった。大丈夫だろうと、道路に横たわった太い枝をどかして先に行く。
すぐに凍結が出てきた。四駆ロックにせずとも2回ほどクリア。これは楽勝かと思ったら、カーブの先に日陰ながらもテカテカに光った獰猛そうな凍結が出てきた。かなりのデコボコになっている。そのまま突っ込んでみると、途中で車が尻を振ってタイヤは空回り。ここでようやく四駆ロックにした。車は後ずさりしそうな気配。アクセルを踏むと車が泳いだ。ちょっと進むとすぐにズルっと下る。思いっきり両ブレーキを踏んで止めた。止めたままで外に出る余裕はあった。周辺を様子見でうろつく。ガードレールはなく、ヘタすれば下の沢に落ちそうだ。これはJAFかなと思ったが、ここで携帯は使えない。取りあえず先に行って、帰りは本山側に出ようかと車に戻ったが、相変わらずアクセルを踏んでも先には進まない。尻を振るだけ。もうあきらめだ。幸いにも下のカーブの手前が待避場になっている。前進から後退に。このバックもまた手こずる。ましてカーブだ。滑ってすんなりとはいかず、擁壁にぶつかりそうになった。前進し直し、ハンドルを切り替える。ハンドルはやけに軽く回り、タイヤの向きがどうなっているのかも知れぬままに、擁壁への激突は避けて退避場にようやく持って行った。ここで4、5回切り替えて下る。下り途中の凍結が気になったが、スリップもせずにかじか荘上の駐車場に車をおさめた。運転技術が巧みだったらあっさり突破もできたろうが、こちらは何十年車に乗っていてもこのレベルだ。山登りの前にぐったりし、えらくノドがカラカラになってしまった。凍結路がさらに嫌になった。これでは赤城山も中禅寺湖にも行けやしまい。
ここで、げんなりしながら準備をし、予定コースとは反対に、丸石沢右岸尾根を上りルートにすることにする。気分だけではなく身体も重くなってしまった。
(仕切り直しで駐車場から象山)

(ちょっとばかりの林道歩き)

(橋から)

こちらの林道もまた凍結している。ツララがあちこちに垂れている。滑るのをしばらくこらえたが耐えきれずにチェーンスパイクを巻く。サクサク歩きになって、いつもの丸石沢右岸尾根取り付きに着いた。沢の小滝は凍ってはいないが見るからに寒々としている。
(雪は少ないが岩場だから緊張はした)

(植林の中はこれくらいの雪)

(雪がなくとも下はガシガシになっている)

小尾根を登って沢を渡る。こちらの溜りは凍っている。昨日の高温で雪がだいぶ少なくなったのか、斜面はむき出しになっている。下は凍り付いているがチェーススパイクで問題なく登れる。岩場の登りは要注意。足元に用心しながら植林の中に入った。ここまで来れば後は淡々とした登りになる。
作業道が交差する。この作業道、左に行ったことはあるが右に行ったことはない。どこに通じているのかいつも気になっている。いつか歩いてみないと。ここはそのまま植林尾根を直登。残った雪の上に足型があった。下り向きだ。もしかしてふみふみぃさんのだろうか。だがすでに2週間前だしなぁ。この足型、塔の峰までの区間、ところどころに残っていた。その後に降雪も降雨もなかったら、窪みが残っていても不思議ではないか。
次の作業道交差。ここもまた右に続いている。左は去年、主目的にして追っかけた。途中で危険を感じて尾根に乗ったが、いずれは先を歩いてみないことには。右もまたしかりだ。ただ、林道に下るだけだったら意味もないので、下り時に確認だろう。
(1286m標高点ピークだろう)

植林をぜいぜいしながら登ると、西側が開けたところに出た。1286m標高点らしきピークが左に望む。その後ろになだらかげな小法師尾根。おそらく見た目以上にラッセルを強いられるだろう。
植林を抜け出し自然林になった。そういえば、この尾根、下り専用で使っていたが、上り使用は初めてかもしれない。それだけに景色も新鮮に映ってくる。この先はずっと自然林になる。たまに左から植林が入り込むこともあるが、自然林との間を登ることになるはずだ。
(やがてこうなった)

(東側、舟石新道が横筋に見える)

右側の視界も開け、視界といってもたいしたものではないが、斜面の間に舟石新道が山腹に筋状直線に見えている。意外に危ういところに付いているように見えるが、別に断崖絶壁の際を歩いているわけでもないし、緑もないので余計にそう感じるのかもしれない。
(ここで履き替え)

雪が締まっていて、チェーンスパイクでしばらく歩いたが、自然林も疎林になってくると次第に雪が多くなり、ヒザまでくるようになった。ここでとっておきの武器を試してみることにする。チェーンスパイクを外して、12本アイゼンに代え、例のライトアルパインスノーポンを履く。やけに軽いが、こんなちゃちな道具で大丈夫なのか。休みついでに上着のヤッケを脱いだ。気温は-5℃だが、身体は暑くて汗ばんでいる。
このスノーポン、前部は上にカーブしていて機能的だが、ワカンに比べ後部の遊びが気になる。そのためか、しばらく先に歩いていくと、かかとへの負担が大きく感じるようになった。これは登り下りともに同じだろう。下りでは脛に負担を感じるかもしれない。また、ワカンに比べてパイプが細い分、ガシガシ歩きはできず、やわらかい雪の上では安定感に欠けそうだ。すぐに、これはどんなものかなと思ったが、アイゼンを付けているからそうなのかもしれないし、単体で使ったらもっと機能的かもしれない。さらに、3千円高い「ライト」なしだったら、難点も見つからないかもしれない(もっとも、スノーシューを持っているのにわざわざライトなしを買うのもどうかとは思うが)。ただ、謳い文句が「ワカンとアイゼンの良いとこ取り」ということなら、単体使用ではワカンが優るということか。いずれにしても、今日はこれに履き慣れるしかないようだ。
(先人の足型。写真は前後している)

(丸石沢右岸尾根の終点ピーク)

先人の下り足型、この辺はワカン以外のスノーシュー系を履いていたようだ。おそらく植林手前で脱いだのだろう。塔の峰に至る間に長い足型を散発的に見かけた。それにしても、この時期にここを単独で歩く物好きは足尾のRRさん、ふみふみぃさん、そして自分以外にいるとは思えず、まして鳥獣保護区ではハンターのものでもないだろう。とすれば、ネットに関わりを持たない隠者ハイカーでない限り、やはり2週間前のふみふみぃさんの足型としか思えない。もしくは知らない間に瀑泉さん?
(舟石新道。シカの踏み跡なし)

(そのまま直登)

出発から2時間20分かけて舟石新道に合流した。雪が締まってきているとはいえ、雪の上の歩きはやはりしんどい。ここまで来る間に、塔の峰に行くのはやめにして、舟石新道に出たら、新道をそのまま下ってしまおうかと何度思ったことか。ここで休憩している間にも退散誘惑は続き、天気が悪くなってくれないかなと期待なんかしている。しかし、その気配はなく、薄日とどんよりした天気は続いていて、風もさしてない。
舟石新道を突っ切る。日ヶ窪峠まで出るつもりでいたが、新道にはシカの踏み跡すらなかった。正面の枝尾根でも問題はないだろう。ところどころに例の足型も見えるし。ここは確か歩いたことがないはずだ。
(男体山が見えてくる)

(振り返る)

(一息ついて南側)

(袈裟丸山も)

なだらかに見えていたが、結構急だった。20歩も歩かずに休む繰り返しになった。雪が硬いところを歩いているつもりだが、見た目ではわからずについ踏み抜いてしまう。これが続くとげんなりし、正面が無情な壁続きのように見えてくる。フカフカ雪でないだけまだましだ。日ヶ窪峠からの尾根に合流した時にはほっとした。傾斜も若干緩くなり、これなら何とか塔の峰まで行けるかと。
右手に男体山と半月山が見えてくる。塔の峰に続く東尾根が正面に見え、その後ろに中倉尾根がちらっと覗く。さらに後ろは中禅寺湖南岸尾根か。稜線がいくつも重なっている。それにしても男体山の存在感はあるなと改めて感じてしまう。
風が強くなってきた。次第に吹きさらしになってきたのか、踏み抜きはあまりない。足型も消えている。ふだんならヤブだろうが、別に苦もなく進んで行けそうだ。ただ、身体は追いつかないままだ。岩場が出てくる。左から巻いた。ずっと高度計を見ながら、あと200m、100m、ようやく2桁…と歩いている。気力だけでの歩きになりつつある。
(この辺はヌタ場だが、この時期は吹きさらしなのだろう)

(大平山は真っ白だ)

(たまにこんなところも)

(もう少しだ)

(もう死んでいるとは思うがプライドだけは生き残っているのか)

大平山がはっきり見えるようになると、またしても踏み抜き。それでいて足型は残っている。そちらに移動すると、多少は楽だ。着雪の薄い林に入る。もう一歩のところだ。
(塔の峰到着)

塔の峰は強風が吹き荒れている。雪は飛ばされ、周辺の地肌がむき出しになっている。これは長居は無用だがやることはやらないと。ザックを飛ばされないように倒木の前に置き、早速、スプレー缶を出して山名板に吹き付けた。
まさか山名板が真っ白になるとは思わなかった。ニスのスプレーかと思っていたら、白ラッカースプレーだった。百均で買ったスプレー。以前も白と無色ニスを間違えて使い、見た目が同じ缶だから慎重になってもいたし、昨晩もまた新聞紙に吹き付け、これは透明だと信じきっていた。ザックから慌ててペーパーを出して拭ったが、板のささくれだったところは白が定着してしまい、落とせない。全体に白っぽくなってしまった。何という失態。そんなはずはないと倒木に吹き付けたらやはり白になった。よく見ると、缶には、小さなシールが貼ってあって、「ホワイト」と記されていた。帰ってからまた新聞紙に吹き付けると、やはり白にはならずに文字がそのまま読めた。このスプレーはいったい何なのか。簡単に間違ってしまった方が悪いが。
(皇海山とオロ山)

もうこうなったらどうにもなるまい。今日の結末はこのザマだ。板を汚しただけ。板に対する愛着もあったのでとてつもなく悲しくなった。このままでは山名板もみすぼらしいものとしてさらされる。それでは気の毒だ。今度来る時は新規の山名板持参だな。次は五代目か…。もう百均で間に合わせはすまい。そもそもここの山名板、元々あったのが飛ばされ、ハイトスさん設置板も飛ばされた。こんな隠れた名山に山名板がないのはかわいそうだと、5年前から余計なお世話で付けてきた。由緒も歴史もない山名板だ。その間、手書きから手彫りにしたり、他の大きな存在感のあり過ぎる山名板が登場したりもしたが、自分の板だけは生き残った。白っぽくなってしまった山名板、春のツツジの頃まではそのままで耐えてもらいたい。ゴメンな。
何とかあきらめがつき、通常の神経に戻ると、なぜかサングラスの視界が悪いのに気付いた。メガネを外すと、左右のレンズ一面に白いブツブツが付いている。風で流されてきた細かい雪かと思ったが、手ぬぐいで拭っても取れない。よく見ると、白スプレーの飛沫だった。板に吹き付けた際、逆風であたったのだろう。さらに、着ているフリースの胸元にまでブツブツが付いている。メガネは特別に支障もないのでそのままかけた。
(下る)

吹き荒れる寒風の中、じっとして震えながら懺悔を続けるわけにもいかないので下る。風のないところで休憩して食事にしよう。自分のトレースを辿って下る。
自分のさっきまでのトレースとはいっても、下るとなるとズブズブと入り込む。登り下りの体重のかけ方でこうも違う。当初は北側の、熊の平につながる尾根を下るつもりでいたが、こうもぬかるのでは四苦八苦しそうだ。今日のところは舟石新道経由が無難だろう。さりとて、このまま来たルートを下るのでは面白くもないので、途中からそのまま東に下る尾根を使うことにする。
(東に下ってみる。なだらかに右にカーブしている)

(舟石新道に出る)

自分のトレースに別れて東に。この尾根は来る途中にも見えていて、下るには無難な尾根に思えた。おそらく、ここも初歩きの小尾根かと思う。実際にもなだらかな疎林で、しばらく行くと、ゆっくりとカーブする尾根先も見えている。下りきると舟石新道に合流するはずだ。風が止まったところで休憩。ポットの湯でスープを飲み、おにぎりを食べる。そして一服。
そろそろ舟石新道かと思えるところで急斜面になった。下には新道らしき道型のようなものが見えている。このまま尾根を下ったのでは危うい。樹に抱きついたにしても間隔が開き過ぎ。ここは無理せず、緩斜面の左手沢側に下る。見えていなかったが、新道もまた沢側に迂回して延びていた。まずはドンピシャというところか。
実は、尾根を下る際に、ちょっと転倒した。これは左足のアイゼンの後ろ歯がスノーポンのパイプを噛んだためにひっくり返ったのだが、そもそも、このカジタックスをしばらく使わなかったのは、靴に合わずにしょっちゅう緩んだり外れたりしていたためで、これはスノーポンのせいではない。トラブルが急斜面のところでなくてよかったと言えよう。
舟石新道は雪も少なく、地肌が出ているところもある。もうスノーポンも必要あるまいと外し、アイゼンバンドを改めて締め直す。結果的にはチェーンスパイクでも問題はなかったが、熊の平先の例の谷筋が凍結しているのかもしれないので、アイゼンはそのままにした。
(相変わらずの舟石新道)

(熊の平)

舟石新道もこの辺になるとシカ道となる。プレートも続くし迷うこともないはずだが、一か所、下るプレートを見失ってしばらくさまよう。関係のないシカ道を追っていた。いくら先に行ってもプレートが出てこないのでそのまま戻り、下に見えたプレートで復帰する。ここは、間違ったら、尾根にぶつかったら下れば新道に出られるものだが、新道が上にあったらやっかいなことになる。やはりプレートを律義に追うしかないだろう。こんな、しっかりしたプレートが続きながらも、プレートの脇にピンクテープがヒラヒラしていたりする。こういうのは目障り以外の何物でもない。プレートの間隔が開いたところにでも付ければいいのに。
(中倉山と男体山を樹間に見て休憩)

(谷越え)

熊の平に到着。ここまで来れば時間的にも安心だ。樹間に男体山と中倉山を見ながら休憩をとる。だが、山頂での失態がどうも頭から離れない。あ~ぁとため息をつくばかりだ。
例のところは凍結もなくあっさり通過でちょっと拍子抜け。向山と1200m級ピークの鞍部でアイゼンからチェーンスパイクに履き替える。もう雪もないに等しいが、落葉の下が凍っている可能性もあるし、林道に出てからも凍結は続いている。用心だ。
(明瞭になって)

(林道に出る)

(鳥獣観察舎)

道型が明瞭になったところで最後はあやふやになる。林道が下に見えたところで適当に下って、鳥獣観察舎の東屋の少し上に出た。ここで休憩。「かじか荘休館のお知らせ」が貼ってある。9月末まで改修工事か。山歩きと温泉がセットの方には、知らずに庚申山にでも来たらがっかりだろう。
(朝のトラブルスポット)

林道を下る。ところどころで凍結はあるが、陽があたったせいか、朝のガチンガチンはない。自分が立ち往生したところとて、デコボコも目立たず、今なら通れるかといった状態になっている。ただ、ここは日陰になっているから、素人ドライバーではしばらく朝の通行は厳しかろう。
(駐車場に着く)

駐車場に到着。車は他にない。今日は自分だけか。庚申山にもだれも入らなかったか。あちらは雪も深いのではないだろうか。
片づけをしていると、舟石峠の方からパジェロが下って来た。典型的なハンター姿のオッサンだ。歩いている間に巣神山の方から銃声が聞こえていたが、備前楯山の方にもいたようだ。
かなり疲れてしまった。7時間半とはいっても、出だし前からトラブルがあったり、目的を達せずの気落ちもあった。この時期の歩きとしては満足な山行のはずではあるが、どうも気分的にすっきりしない山行になってしまった。次に行くとすれば、ツツジの頃になってしまうだろうか。
もう一つの目的、ライトアルパインスノーポンの使い勝手だが、今回の歩きだけでは何ともいえない。別条件下では威力を感じるかもしれないし。ただ、自分はワカンの延長としてとらえているが、そういう類の道具ではないかもしれない。
かじか荘上駐車場(7:38)……丸石沢右岸尾根……舟石新道(10:01)……塔の峰(11:33)……舟石新道(12:42)……熊の平(13:45)……林道(14:40)……駐車場(15:10)
塔の峰の山名板のメンテナンスに行かなければと思いつつ延び延びになっていた。5日に塔の峰に行かれたふみふみぃさんからもニス塗りが必要ではとコメントいただいた。スプレーニスはいつも車の中に入れているが、今日はザックに移し替える。
この時期の塔の峰歩きは、舟石新道経由で登り、下りは丸石沢右岸尾根が無難だろう。未踏尾根なんかを絡め、雪の中を立ち往生したり未帰還者になっているわけにもいくまい。今回の目的はあくまでも山名板のメンテだ。余計なことは考えないことにしよう。
目的といえば、実はもう一つある。スノーシューに相変わらずなじめず、ワカンを裏返しにしてアイゼン装着を試してみたりしたが、今一つしっくりこない。そこにふみふみぃさんの記事を見て、モンベルのアルパインスノーポンなるものを知った。便利そうだ。これならワカンの延長ぼくっていい感じだ。ただ、そんなに金もかけたくないので、安いライトアルパインスノーポンにした。カジタのアイゼンでないとダメらしいが、今は使っていないカジタックスがあるので、これを使えばいいだろう。ということで、この使用感も今回の山行の目的に追加している。
改装工事中のかじか荘を左に見て、駐車場。車は一台もない。この先の林道凍結が恐ろしく、ここに車を置いて舟石峠の方まで歩くつもりでいたが、それは登りの林道2キロ歩きでもあるし、やっかいな作業だとは思っていた。幸いにもここまで凍結はなかった。大丈夫だろうと、道路に横たわった太い枝をどかして先に行く。
すぐに凍結が出てきた。四駆ロックにせずとも2回ほどクリア。これは楽勝かと思ったら、カーブの先に日陰ながらもテカテカに光った獰猛そうな凍結が出てきた。かなりのデコボコになっている。そのまま突っ込んでみると、途中で車が尻を振ってタイヤは空回り。ここでようやく四駆ロックにした。車は後ずさりしそうな気配。アクセルを踏むと車が泳いだ。ちょっと進むとすぐにズルっと下る。思いっきり両ブレーキを踏んで止めた。止めたままで外に出る余裕はあった。周辺を様子見でうろつく。ガードレールはなく、ヘタすれば下の沢に落ちそうだ。これはJAFかなと思ったが、ここで携帯は使えない。取りあえず先に行って、帰りは本山側に出ようかと車に戻ったが、相変わらずアクセルを踏んでも先には進まない。尻を振るだけ。もうあきらめだ。幸いにも下のカーブの手前が待避場になっている。前進から後退に。このバックもまた手こずる。ましてカーブだ。滑ってすんなりとはいかず、擁壁にぶつかりそうになった。前進し直し、ハンドルを切り替える。ハンドルはやけに軽く回り、タイヤの向きがどうなっているのかも知れぬままに、擁壁への激突は避けて退避場にようやく持って行った。ここで4、5回切り替えて下る。下り途中の凍結が気になったが、スリップもせずにかじか荘上の駐車場に車をおさめた。運転技術が巧みだったらあっさり突破もできたろうが、こちらは何十年車に乗っていてもこのレベルだ。山登りの前にぐったりし、えらくノドがカラカラになってしまった。凍結路がさらに嫌になった。これでは赤城山も中禅寺湖にも行けやしまい。
ここで、げんなりしながら準備をし、予定コースとは反対に、丸石沢右岸尾根を上りルートにすることにする。気分だけではなく身体も重くなってしまった。
(仕切り直しで駐車場から象山)

(ちょっとばかりの林道歩き)

(橋から)

こちらの林道もまた凍結している。ツララがあちこちに垂れている。滑るのをしばらくこらえたが耐えきれずにチェーンスパイクを巻く。サクサク歩きになって、いつもの丸石沢右岸尾根取り付きに着いた。沢の小滝は凍ってはいないが見るからに寒々としている。
(雪は少ないが岩場だから緊張はした)

(植林の中はこれくらいの雪)

(雪がなくとも下はガシガシになっている)

小尾根を登って沢を渡る。こちらの溜りは凍っている。昨日の高温で雪がだいぶ少なくなったのか、斜面はむき出しになっている。下は凍り付いているがチェーススパイクで問題なく登れる。岩場の登りは要注意。足元に用心しながら植林の中に入った。ここまで来れば後は淡々とした登りになる。
作業道が交差する。この作業道、左に行ったことはあるが右に行ったことはない。どこに通じているのかいつも気になっている。いつか歩いてみないと。ここはそのまま植林尾根を直登。残った雪の上に足型があった。下り向きだ。もしかしてふみふみぃさんのだろうか。だがすでに2週間前だしなぁ。この足型、塔の峰までの区間、ところどころに残っていた。その後に降雪も降雨もなかったら、窪みが残っていても不思議ではないか。
次の作業道交差。ここもまた右に続いている。左は去年、主目的にして追っかけた。途中で危険を感じて尾根に乗ったが、いずれは先を歩いてみないことには。右もまたしかりだ。ただ、林道に下るだけだったら意味もないので、下り時に確認だろう。
(1286m標高点ピークだろう)

植林をぜいぜいしながら登ると、西側が開けたところに出た。1286m標高点らしきピークが左に望む。その後ろになだらかげな小法師尾根。おそらく見た目以上にラッセルを強いられるだろう。
植林を抜け出し自然林になった。そういえば、この尾根、下り専用で使っていたが、上り使用は初めてかもしれない。それだけに景色も新鮮に映ってくる。この先はずっと自然林になる。たまに左から植林が入り込むこともあるが、自然林との間を登ることになるはずだ。
(やがてこうなった)

(東側、舟石新道が横筋に見える)

右側の視界も開け、視界といってもたいしたものではないが、斜面の間に舟石新道が山腹に筋状直線に見えている。意外に危ういところに付いているように見えるが、別に断崖絶壁の際を歩いているわけでもないし、緑もないので余計にそう感じるのかもしれない。
(ここで履き替え)

雪が締まっていて、チェーンスパイクでしばらく歩いたが、自然林も疎林になってくると次第に雪が多くなり、ヒザまでくるようになった。ここでとっておきの武器を試してみることにする。チェーンスパイクを外して、12本アイゼンに代え、例のライトアルパインスノーポンを履く。やけに軽いが、こんなちゃちな道具で大丈夫なのか。休みついでに上着のヤッケを脱いだ。気温は-5℃だが、身体は暑くて汗ばんでいる。
このスノーポン、前部は上にカーブしていて機能的だが、ワカンに比べ後部の遊びが気になる。そのためか、しばらく先に歩いていくと、かかとへの負担が大きく感じるようになった。これは登り下りともに同じだろう。下りでは脛に負担を感じるかもしれない。また、ワカンに比べてパイプが細い分、ガシガシ歩きはできず、やわらかい雪の上では安定感に欠けそうだ。すぐに、これはどんなものかなと思ったが、アイゼンを付けているからそうなのかもしれないし、単体で使ったらもっと機能的かもしれない。さらに、3千円高い「ライト」なしだったら、難点も見つからないかもしれない(もっとも、スノーシューを持っているのにわざわざライトなしを買うのもどうかとは思うが)。ただ、謳い文句が「ワカンとアイゼンの良いとこ取り」ということなら、単体使用ではワカンが優るということか。いずれにしても、今日はこれに履き慣れるしかないようだ。
(先人の足型。写真は前後している)

(丸石沢右岸尾根の終点ピーク)

先人の下り足型、この辺はワカン以外のスノーシュー系を履いていたようだ。おそらく植林手前で脱いだのだろう。塔の峰に至る間に長い足型を散発的に見かけた。それにしても、この時期にここを単独で歩く物好きは足尾のRRさん、ふみふみぃさん、そして自分以外にいるとは思えず、まして鳥獣保護区ではハンターのものでもないだろう。とすれば、ネットに関わりを持たない隠者ハイカーでない限り、やはり2週間前のふみふみぃさんの足型としか思えない。もしくは知らない間に瀑泉さん?
(舟石新道。シカの踏み跡なし)

(そのまま直登)

出発から2時間20分かけて舟石新道に合流した。雪が締まってきているとはいえ、雪の上の歩きはやはりしんどい。ここまで来る間に、塔の峰に行くのはやめにして、舟石新道に出たら、新道をそのまま下ってしまおうかと何度思ったことか。ここで休憩している間にも退散誘惑は続き、天気が悪くなってくれないかなと期待なんかしている。しかし、その気配はなく、薄日とどんよりした天気は続いていて、風もさしてない。
舟石新道を突っ切る。日ヶ窪峠まで出るつもりでいたが、新道にはシカの踏み跡すらなかった。正面の枝尾根でも問題はないだろう。ところどころに例の足型も見えるし。ここは確か歩いたことがないはずだ。
(男体山が見えてくる)

(振り返る)

(一息ついて南側)

(袈裟丸山も)

なだらかに見えていたが、結構急だった。20歩も歩かずに休む繰り返しになった。雪が硬いところを歩いているつもりだが、見た目ではわからずについ踏み抜いてしまう。これが続くとげんなりし、正面が無情な壁続きのように見えてくる。フカフカ雪でないだけまだましだ。日ヶ窪峠からの尾根に合流した時にはほっとした。傾斜も若干緩くなり、これなら何とか塔の峰まで行けるかと。
右手に男体山と半月山が見えてくる。塔の峰に続く東尾根が正面に見え、その後ろに中倉尾根がちらっと覗く。さらに後ろは中禅寺湖南岸尾根か。稜線がいくつも重なっている。それにしても男体山の存在感はあるなと改めて感じてしまう。
風が強くなってきた。次第に吹きさらしになってきたのか、踏み抜きはあまりない。足型も消えている。ふだんならヤブだろうが、別に苦もなく進んで行けそうだ。ただ、身体は追いつかないままだ。岩場が出てくる。左から巻いた。ずっと高度計を見ながら、あと200m、100m、ようやく2桁…と歩いている。気力だけでの歩きになりつつある。
(この辺はヌタ場だが、この時期は吹きさらしなのだろう)

(大平山は真っ白だ)

(たまにこんなところも)

(もう少しだ)

(もう死んでいるとは思うがプライドだけは生き残っているのか)

大平山がはっきり見えるようになると、またしても踏み抜き。それでいて足型は残っている。そちらに移動すると、多少は楽だ。着雪の薄い林に入る。もう一歩のところだ。
(塔の峰到着)

塔の峰は強風が吹き荒れている。雪は飛ばされ、周辺の地肌がむき出しになっている。これは長居は無用だがやることはやらないと。ザックを飛ばされないように倒木の前に置き、早速、スプレー缶を出して山名板に吹き付けた。
まさか山名板が真っ白になるとは思わなかった。ニスのスプレーかと思っていたら、白ラッカースプレーだった。百均で買ったスプレー。以前も白と無色ニスを間違えて使い、見た目が同じ缶だから慎重になってもいたし、昨晩もまた新聞紙に吹き付け、これは透明だと信じきっていた。ザックから慌ててペーパーを出して拭ったが、板のささくれだったところは白が定着してしまい、落とせない。全体に白っぽくなってしまった。何という失態。そんなはずはないと倒木に吹き付けたらやはり白になった。よく見ると、缶には、小さなシールが貼ってあって、「ホワイト」と記されていた。帰ってからまた新聞紙に吹き付けると、やはり白にはならずに文字がそのまま読めた。このスプレーはいったい何なのか。簡単に間違ってしまった方が悪いが。
(皇海山とオロ山)

もうこうなったらどうにもなるまい。今日の結末はこのザマだ。板を汚しただけ。板に対する愛着もあったのでとてつもなく悲しくなった。このままでは山名板もみすぼらしいものとしてさらされる。それでは気の毒だ。今度来る時は新規の山名板持参だな。次は五代目か…。もう百均で間に合わせはすまい。そもそもここの山名板、元々あったのが飛ばされ、ハイトスさん設置板も飛ばされた。こんな隠れた名山に山名板がないのはかわいそうだと、5年前から余計なお世話で付けてきた。由緒も歴史もない山名板だ。その間、手書きから手彫りにしたり、他の大きな存在感のあり過ぎる山名板が登場したりもしたが、自分の板だけは生き残った。白っぽくなってしまった山名板、春のツツジの頃まではそのままで耐えてもらいたい。ゴメンな。
何とかあきらめがつき、通常の神経に戻ると、なぜかサングラスの視界が悪いのに気付いた。メガネを外すと、左右のレンズ一面に白いブツブツが付いている。風で流されてきた細かい雪かと思ったが、手ぬぐいで拭っても取れない。よく見ると、白スプレーの飛沫だった。板に吹き付けた際、逆風であたったのだろう。さらに、着ているフリースの胸元にまでブツブツが付いている。メガネは特別に支障もないのでそのままかけた。
(下る)

吹き荒れる寒風の中、じっとして震えながら懺悔を続けるわけにもいかないので下る。風のないところで休憩して食事にしよう。自分のトレースを辿って下る。
自分のさっきまでのトレースとはいっても、下るとなるとズブズブと入り込む。登り下りの体重のかけ方でこうも違う。当初は北側の、熊の平につながる尾根を下るつもりでいたが、こうもぬかるのでは四苦八苦しそうだ。今日のところは舟石新道経由が無難だろう。さりとて、このまま来たルートを下るのでは面白くもないので、途中からそのまま東に下る尾根を使うことにする。
(東に下ってみる。なだらかに右にカーブしている)

(舟石新道に出る)

自分のトレースに別れて東に。この尾根は来る途中にも見えていて、下るには無難な尾根に思えた。おそらく、ここも初歩きの小尾根かと思う。実際にもなだらかな疎林で、しばらく行くと、ゆっくりとカーブする尾根先も見えている。下りきると舟石新道に合流するはずだ。風が止まったところで休憩。ポットの湯でスープを飲み、おにぎりを食べる。そして一服。
そろそろ舟石新道かと思えるところで急斜面になった。下には新道らしき道型のようなものが見えている。このまま尾根を下ったのでは危うい。樹に抱きついたにしても間隔が開き過ぎ。ここは無理せず、緩斜面の左手沢側に下る。見えていなかったが、新道もまた沢側に迂回して延びていた。まずはドンピシャというところか。
実は、尾根を下る際に、ちょっと転倒した。これは左足のアイゼンの後ろ歯がスノーポンのパイプを噛んだためにひっくり返ったのだが、そもそも、このカジタックスをしばらく使わなかったのは、靴に合わずにしょっちゅう緩んだり外れたりしていたためで、これはスノーポンのせいではない。トラブルが急斜面のところでなくてよかったと言えよう。
舟石新道は雪も少なく、地肌が出ているところもある。もうスノーポンも必要あるまいと外し、アイゼンバンドを改めて締め直す。結果的にはチェーンスパイクでも問題はなかったが、熊の平先の例の谷筋が凍結しているのかもしれないので、アイゼンはそのままにした。
(相変わらずの舟石新道)

(熊の平)

舟石新道もこの辺になるとシカ道となる。プレートも続くし迷うこともないはずだが、一か所、下るプレートを見失ってしばらくさまよう。関係のないシカ道を追っていた。いくら先に行ってもプレートが出てこないのでそのまま戻り、下に見えたプレートで復帰する。ここは、間違ったら、尾根にぶつかったら下れば新道に出られるものだが、新道が上にあったらやっかいなことになる。やはりプレートを律義に追うしかないだろう。こんな、しっかりしたプレートが続きながらも、プレートの脇にピンクテープがヒラヒラしていたりする。こういうのは目障り以外の何物でもない。プレートの間隔が開いたところにでも付ければいいのに。
(中倉山と男体山を樹間に見て休憩)

(谷越え)

熊の平に到着。ここまで来れば時間的にも安心だ。樹間に男体山と中倉山を見ながら休憩をとる。だが、山頂での失態がどうも頭から離れない。あ~ぁとため息をつくばかりだ。
例のところは凍結もなくあっさり通過でちょっと拍子抜け。向山と1200m級ピークの鞍部でアイゼンからチェーンスパイクに履き替える。もう雪もないに等しいが、落葉の下が凍っている可能性もあるし、林道に出てからも凍結は続いている。用心だ。
(明瞭になって)

(林道に出る)

(鳥獣観察舎)

道型が明瞭になったところで最後はあやふやになる。林道が下に見えたところで適当に下って、鳥獣観察舎の東屋の少し上に出た。ここで休憩。「かじか荘休館のお知らせ」が貼ってある。9月末まで改修工事か。山歩きと温泉がセットの方には、知らずに庚申山にでも来たらがっかりだろう。
(朝のトラブルスポット)

林道を下る。ところどころで凍結はあるが、陽があたったせいか、朝のガチンガチンはない。自分が立ち往生したところとて、デコボコも目立たず、今なら通れるかといった状態になっている。ただ、ここは日陰になっているから、素人ドライバーではしばらく朝の通行は厳しかろう。
(駐車場に着く)

駐車場に到着。車は他にない。今日は自分だけか。庚申山にもだれも入らなかったか。あちらは雪も深いのではないだろうか。
片づけをしていると、舟石峠の方からパジェロが下って来た。典型的なハンター姿のオッサンだ。歩いている間に巣神山の方から銃声が聞こえていたが、備前楯山の方にもいたようだ。
かなり疲れてしまった。7時間半とはいっても、出だし前からトラブルがあったり、目的を達せずの気落ちもあった。この時期の歩きとしては満足な山行のはずではあるが、どうも気分的にすっきりしない山行になってしまった。次に行くとすれば、ツツジの頃になってしまうだろうか。
もう一つの目的、ライトアルパインスノーポンの使い勝手だが、今回の歩きだけでは何ともいえない。別条件下では威力を感じるかもしれないし。ただ、自分はワカンの延長としてとらえているが、そういう類の道具ではないかもしれない。
山名板の件、ありがとうございます。レトロ調ですか…。五代目もまたその路線でまいりますよ。隠れたひっそりの名山にはそれに見合った山名板が適当ですから。前に見かけた山名板のように、それ自体を強調するような派手な板は、私には作れないどころか、黙って見ていましたけど、ここには合わないのではないのかなと思っていました。
RRさんは、私の下った小尾根でワカンを落とされたのですか。私、てっきり丸石沢尾根とばかりに思っていました。そうだったら、じっくりと見回しながら下ったのですが。今思えば、大分上の方だったのではないでしょうかね、下の方は雪も少ない状況でしたから。
やはり、庚申川側は雪が深いですか。私も、塔の峰に登って、これでは庚申山の方がもっと積雪があるんじゃないのかなと思ったりしましたよ。
それにしても、庚申山もさることながら、大平山の白さには驚きました。純白できれいですね。あれでは、雪の量も庚申山どころではないだろうなと思いながらも、歩いてみたいなと思ったりしましたよ。
冬の塔の峰堪能された様で何よりでした。庚申沢沿いはどこも冬は雪が深いですよね。ただ、塔の峰山頂はいつも地肌が見えてる位、風が強い様です。
帰路の枝尾根は前回自分が下山に使った尾根と同じですので、ワカンが出てこないか期待したんですけど出てこなかった様ですね。雪の下に埋まっちゃったみたいですね。
山頂山名板、この界隈の古い山名板と同じ位、愛着があったので残念でしたね。まあ、そのままでもレトロ感があって良いと思うのですが、5代目にも期待しております。
こんなネット記事を見つけました。
http://ngn28.blog.fc2.com/blog-entry-409.html
この方の結論としては、カーブしたワカンを選び、ワカンはひっくり返さず、ワカン先行・アイゼン後履きがいいだろうといったところですね。
ただ、考えてみれば、確かにワカンとアイゼンをどうしても併用しないといけないようなステージが頻繁にあるわけでもなく、下が硬く、その上に新雪でも付いた斜面を歩く時には有効でしょう。むしろ、それぞれ単独で使用した方が勝手が良い場合の方が多いのではないでしょうか。
私も、アイゼンとワカンを重ね合わせてみただけの感想を記しましたが、実際のところ、現場でどう動き回るかは、体験してみないことには何ともアドバイスできないところがありますね。
詳細な検証、恐れ入ります。
なるほど、ワカンのベルトとアイゼンの歯の間隔は、実際に取り付けてみないと分からないですね。ベルトを傷つけたくありませんし、やはりワカンを履いてからアイゼンを付けるのがいいのかなとも思ってもいるのですが。
その場合、フラットタイプではなく、前後が反り返ったタイプの方が歩き易いのかなとも思ったりしますが、安定性への懸念とワカンの爪の方が高くなることによる影響など、素人の私には疑問だらけです(^^;)
いずれにしましても、フラットタイプであれば試行錯誤しながら、自分なりの使い方が出来そうですね。詳細な情報参考になりました。ありがとうございます。
なるほど、そういうお歩きもあるわけですよね。やたらと道具に頼るよりも、別に腰までくるような雪でもないなら、道具の特性云々に任せるよりも、自分の足の方が信頼を裏切られたところですんなりと受けとめられもしますしね。もっとも、膝上の積雪なら、私とて、道具があったところで上までは行かずに諦めもついていたはずですから。
スキーも、先日の桝形山で利用せずに、おそらくは今季もそれでおしまいかと思いますが、足尾の山には応用できないのが残念です。舟石新道をスキーで歩くとなるとどういうことになるのやら。担ぐ結末になるのがはっきりしています。担いだとて、樹の枝にひっかかって往生したでしょう。
山名板のことですが、一瞬、真っ白になったのを見て、そのまま真っ白にしてしまおうかなと思ったのもまた事実で、やけに文字が明瞭になったりしましたからね。ただ、それではあの周辺の風景には違和感もあり過ぎる。それで、あわてて拭ったわけですが、マジックを持っていたら、しばらくそれもししかなと思ったかもしれません。どうせ次の板までの間に合わせなら、ここで花を持たせてやろうかなと思う展開になったかもしれませんが、マジックもなく頭もパニックではねぇ。
HIDEJIさんが雪山に目覚めましたか。自然の流れとしてよろしいのではないでしょうか。ということは雪山参戦ということになりますかね。
手強い強敵が現れたといった感じがいたしますけど(笑)。
ということは、HIDEJIさんは、道具揃えの段階といったところでしょうから、余計なことは記さない方がいいでしょうね。以下は参考までにということで。
ワカンとアイゼンの組み合わせ、ワカンを裏返しせずにストレートにあてがってみました。ただ、靴履きをした結果の試しではありません。
アイゼンを付けて、そろそろワカン履きをプラスかなといった状態です。アイゼンを外さずにワカンを履くと、アイゼンの歯がワカンベルトにひっかかって手こずります。うまく納めたら歩きやすい感じがしますが、アイゼンの歯の間隔とワカンのベルト位置がうまく合えばいいですが。合わなかったら使い物にならないでしょう。
続いて、アイゼンを外し、先ずはワカンを履いて、次にアイゼンにした場合です。手こずることはありませんが、アイゼンとワカンの間にワカンベルトが入り込みますから、ちょっと厚くなって、アイゼンを外側からきつく固定したとして、その厚みの隙間が果たしたて大丈夫だろうかなといった気になります。
どちらにしても、アイゼンの爪よりもワカンの爪の方が高くはなっています。
これに靴履きが加わったら、果たして、どっちが先かというよりも、うまく固定できるかなと疑問がでてきます。歯の位置を移していたら、ワカンの枠にあたって快適な歩きにもなりませんし。
裏返し履きだったら、問題もないような気もします。ただ、果たして組み合わせとして正当な使い方なのかと疑問です。
瀑泉さんがどういう履き方をされているのか、本当に気になるところで、次回のお歩きレポに、写真でも入れていただければありがたいなと思っているのですが。
五代目の山名板のことはともかく、あの辺のお歩きは、ぜひ、中倉尾根と塔の峰経由の通しをぜひやってみてくださいよ。一回で済みますから。
山名板の件は、なんとも言いようがありません。たそがれさんのガッカリ感は判るような気がしています。が、横着な自分でしたら、一気に真っ白に塗って後日、マジックで文字を書いちゃうでしょうね。
足元の件ですが、これまた自分の場合、膝下程度の潜る雪でしたら、下りでは何もつけずに重力任せにストック使用で真っ直ぐにズンズン下ってしまうのが楽です。ですから、トラバス道は使わずに下り一方の尾根コースを選択するでしょうね。膝上では、急斜面がなければ、登りを含めて圧倒的にスキーが楽だと思います。今回のように雪切れがあれば話は別ですが。などと、生意気な事を申しました。現状、雪を見るだけで怯えております。
最近、雪山に興味を覚えまして、先日、アイゼンを購入しました。あとはワカンかスノーシューあたりを揃えたいと考えておりましたので、今回の記事は参考にさせていただきました。
私も瀑泉さんがおっしゃるように、アイゼンとワカンはセットで使うものなのかなぁと、漠然と考えておりました。ワカンを付けて、その上からアイゼンを付けるのもありなのか、それとも通常はアイゼンは、先に付けるものだから、順序が逆なのか、その辺は使い勝手の問題なんでしょうか。
あと、塔の峰の山名板、機会を作って見に行きたいと思います。もちろん無積雪期にですが、その時には五代目に変わっていることでしょうか。
せっかく塔の峰まで出向いてあの結末では、何ともやるせないところがありました。そのため、強風の中とはいえ、その辺をぶらつく気持ちもなれず、何やら犯行現場にいるような気分にもなっていて、長居もせずさっさと下ったといったところですね。
おそらく、ふみふみぃさんが行かれた時は、雪ももっとやわらかく深かったかと思います。さらにその前のRRさんの時はさらにだったでしょう。4時間も5時間も、その差1時間はその程度の事情によるものでしょう。こちら帰路はかなりの安易なショートカット下りになっていましたし。
丸石沢の尾根にあった雪上の跡がふみふみぃさんのものでなかったとしたら、やはり、その後に物好きな方が登られたのでしょうね。あの跡は四角ばっていて、さーっと下ったような跡ではありませんでしたから。どう考えても、2週間も経てば、やはり消えてしまいますよね。登りの足型は見ませんでしたから、おそらく、ふみふみぃさんと同じルートだったかと思います。
ワカンもスノーポンも、ここはワカンというように定義付けできないのは当たり前のことですが、考えてみれば完全なものはないのであって、どう上手に使うかというところでしょう。当然のことながら、アイゼンとの組み合わせでどう活用するかといったところですね。
凍結路はパワー不足だったでしょうかね。確かに最初から4駆にして突っ込んでいたら尻振り程度で突破できたかもしれませんが、途中で車から降りて様子見をしているようではねぇ。まぁ、苦手なことをわざわざやって車もろともに落ちているよりも、ノドをカラカラにして戻った方が無難というものだったでしょう。
といった始末で、形の上ではあっけなく終わってしまいましたが、当人はいまだに唖然とした心境です。あのまま自分の手で板を汚してしまい、今の時期の雪化粧にフィットしているとはいってもねぇ…。そのまま放置というわけにもいかず、五代目新調の準備に入らないと。
みー猫さんお立ち会いの山名板は三代目なのですよ。あの時、みー猫さんに標高記載がないとのご指摘をいただき、その半年後に、標高付きの今の四代目に代えたのです。まあ、ころころとややこしい流れがあるですけどね。
アルパインスノーポンについては、一回きりの使用で評価は難しいし、何とも言えないですね。私のワカンはカーブのない平らなものですが、それに比べるとスノーポンのカーブは魅力だった。いざ履いてみると、爪の長さもワカンほど長くもなく、アイゼン爪の長さに見合ったものですから実際は14本で歩いているような感じです。爪の高さがほぼ一緒ですから、ワカンとアイゼンを併用したとすれば、ワカン爪が先走ってアイゼン爪が半端な固定になるような気もしますが、そんな心配はないでしょう。ただ、爪だらけの威力を感じるのもかなり硬くなった雪面だけのような気もするし、いろんな雪質を試してみませんとね。
ライト…ではなく、ただのアルパイン…の方がスノーシューのメリットを付加しているようで、今の時点ではライト無しが良いような感じも受けますね。ただライト付きもなしにしてもパイプが細いのはネックになるような気はしますよ。特に、みー猫さんのように、いろんなところをガシガシ歩く方にはねぇ。
確かにおっしゃる通りで、ここまでボケなことをやっていたら、当人にとっては笑うにも笑えず、間違って吹き付けた相手に懺悔をする始末でした。申し訳なかったと。
白が広がったのを見て、一瞬、何でそうなったのかと、自身が固まってしまいましたが、とにかく落とさなきゃと、ザックに手を入れてペーパーを出そうにも一番下に入っている。ようやく取り出すと輪ゴムで結わえてあって、それを取るのもまた歯がゆい始末。
拭った時は、あぁ何とか取れたなと思ってほっとしたのですが、加工が甘かったせいか板のヘリに白が残ってしまった。まったく無念でしたよ。
こんなことは二度としたくもないですが、これからますます鈍感ぶりが出て来るようで、まったく怖いですよ。
凍結路、パワーが足りないと登りで苦労するんですね。私が行った時もガチガチでしたがAWDの力で突破しました。下りが怖かったです。
スノーポン、後部の遊びで傾斜に対応できるから普通のスノシューよりは幅広く使えますよと店員がいっていました。まあ傾斜にはワカンの方がいいんでしょうけど。
たそがれさんが見たスノーシュー系の足跡は私ではないかもしれません。丸石沢右岸尾根の下り、下りだから多少埋まっても関係ないやと私はアイゼンのみ履いて下りて行ったので。まあ下りなのでずさーっと滑りつつ下りたので足跡が長くなった可能性もありますけど。歩いたコースは私が歩いたとこと一致してるようですし。
雪解けが進んだとは思いますが5時間近くかけて山頂に行った身としては四時間で登ったたそがれさんは早いなあと思ってしまいます(笑)。
今はどこに行ってもモンベルブランドですね。それを追いかけるダイヤモンドブラックといったところでしょうか。こちらは雪山歩きさえ、着ている物はユニクロの間に合わせといった状態が続いておりますが、やはり物欲だけはどうにもならない。アルパインスノーポンに早速飛びつきましたよ。
アルパインスノーポンとはいっても、私の場合安上がりの「ライトアルパイン…」なのですが、みつまんさんがおっしゃるように、頼りない感じがいたしました。いつもなら、小山のモンベルで手にして買うのですが、衝動買いのようなものでネットで購入したのですが、届いたのがやけに軽かった。実際に1.15kgですよ。背中に背負っている間、絶えず、飛ばされていないだろうなと後ろ手で確認した次第です。
持っているワカンに比べても軽いので、どんなものかなと思ったりしたのですが、浮力云々に関しては何にもありません。あっさりと雪に埋もれました。ただ、ワカンではどうだったのか。当たり前ですが、スノーシューではそこまでは入り込まないでしょう。ただ、スノーシューの活躍の場でもなかったことは確かです。日光と違って、足尾の山でスノーシューといったら限られます。
いずれ、あちこちで体験してみないことには、軽はずみなことも言えないでしょう。ただ、ネット情報では概して評判は良いようですね。
山名板の件、家の中でポカをしている限りはいいですが、苦戦しながら登った山でポカはどんなものかと思いましたよ。その場は笑ってやり過ごすにしても、やり直しとなると相当な負荷もかかるところですからね。
今日、帰りの電車が遅れ、乗り継ぎの電車に手間取って、熊谷駅ビルの100均で時間をつぶすことになったのですが、塗料コーナーに行ったら、同じ透明ニスのキャップに「とうめい」、白ラッカーには「しろ」のシールが貼ってありました。私のようなボケをやるのがいるのでしょう。苦笑してしまいました。
冒頭の「軽いとんでもないミス」とは、一体どっちなんだろうと読み手の好奇心をくすぐる始まりになにやらワクワク感がありましたが、車のことなのか、新しい雪グッズのことなのかと・・・なんだもう一回行くんですか?という終わりとは思いませんでした。思い出すとヤシオに彩られた4代目の板の任命式に自分は立ち会えたのでしたね。昨日のように思い出されます(笑)・・・たそがれさんの板ファンなら、雪化粧の施された4代目も今だけ!・・・自分は足回り重くしたくないので基本どっちか片方付けです。日曜に同時装着のチャンスかと思われましたが、残念ワカンの出番は無かったです。スノーポン旧型限定の話ですが買おうかと小山店に行ってみていたら、本格的にやるならアトラスが良いと言われて今のシューを買ったので、体重が重い自分にはきっとダメですが、それでも改良版は気になります。画像だとせっかくの前爪がスノーポンの爪の上になるので、うーん・・どうかな?みつまんさんと同じく選択に迷いそうです(笑)
でも、まさか透明なニスのつもりで吹き付けたら山名板が白くなったとは思いもしませんでした。
マンガのようで、たそがれさんの慌てた姿を想像して笑ってしまいました(笑)
先日、社山に行ったときに、アルパインスノーポンをはいている人がいました。「結構歩きやすいですよ」という話だったので注目していましたが、たそがれさんが飛びつくとは思いませんでした。私が見た感じでは「あんな細いパイプで浮力が付くのだろうか」という印象でした。
正直言って、スノーシュー・ワカンの選択だけで悩んでいるのにそれ以上の選択肢は勘弁願いたいと思います。
山名板の件は残念でしたね。でも、似たようなポカは私にはいつもの事です。私にはすでに日常化しているので、気にすることもなくなり、笑ってやり過ごせるようになりました。もちろん、周りの人に迷惑を及ぼすようになったらまずいのですが。
塔の峰も中倉山も風が強いですよ。むしろ北側に位置する中倉山の方が若干強いような気がします。
あれでは着雪がないのもまた納得です。山頂には何やかやと10分ほどいたのでしょうが、結末が出てから、寒くてさっさと下りました。タバコの火もつかないし、30分もいられないですよ。
五代目は、四代目路線の継承ですよ。奇抜なアイデアセンスがあるわけでもないし。実は、そろそろ交換しようかなと思ったりもしていたところだったし、時期が早まったといったところですね。
ワカンの件、そうですよね。併用は便利だろうと思っても、そんなことできるのかいなと思いながらも、ひっくり返せば併用できますとなったら、首をかしげながらも試してみたくなる。つい、専用の道具が出たりすれば、おっ、これば便利だなと飛びつくのも無理からぬ話です。
スパ長とワカンの併用ですか? 私、ワカンの時はフツーの長靴にしますよ。スパ長+ワカンでやったら、ベルトにスパイクがあたって、むしろ歩きづらかったですけど。
まぁ、こんな次第、こんな展開、こんな結末といったところです。わざわざ厳冬の塔の峰まで足を運んでこんなザマではねぇ。自分が嫌になりますよ。
五代目を早いとこ持って行かないと、今の四代目に気の毒です。
でも、どうせ行くなら未踏ルートということになりますから、雪解け水で増水している限りは無理でしょう。
下り尾根はそうです。一本南側の尾根です。あの尾根も長ければ歩きがいもあるでしょうが、ちょっとあっさりと舟石新道に合流してしまいました。
私が下りて合流した手前からシカ道になっているようでしたね。以前はずっとシカ道になっていましたけど、丸石沢右岸尾根合流付近はうろつくシカがいても、新道は歩いていませんでした。あの辺からシカがごっそりとどこかに移動したような感じがしました。もちろん、例の谷間のところにもシカ道は通っていましたけどね。
ワカンの件ですが、私、アイゼンなしの単体使用しか経験がありません。いっしょに使えればいいのになぁと思いつつ、瀑泉さんがいっしょに使っているのが不思議で、ネットで調べたのですよ。そしたら、「アイゼン併用はワカンをひっくり返して使うもの」というような記し方がされていたので、ああそういうことかと思った次第です。その時は「発想の転換」という言葉すら想起しましたよ。でも実際にやってみると、???といった感じがしていまして。そうですか。発想の転換もなしにそのまんまですか。後であてがってみますよ。
この時期の塔の峰は風が吹きさらしの事が多くきついですよね。
山頂ではとんだ災難でした。
今の山名板はこの山の雰囲気にとてもよくマッチしていて好きです。
五代目も同じ風合いのものを希望します。
ところで瀑泉さんのワカンの件ですが、自分はワカンは単独で使用することのほうが多いです。
スパ長のときはもちろんワカンとの併用にならざるを得ませんが、アイゼンとワカンは履き替えることが多いですね。
確かに言われてみれば併用する方が効果は高そうですね。
帰りは1528mの一本南側の尾根を下られたんですかネ。
下られた辺りから熊の平までの舟石新道,画像で見た感じは分かりませんが,鹿道として利用されているようでした?
ところで,たそがれオヤジさんは,ワカンにアイゼンを装着する使い方は,されていないんですか?
普通,ワカンはアイゼンと組み合わせるモノだと思い込んでいましたが。
ちなみに,自分はアイゼンを履いている状態で,ワカンを裏返すこと無く装着していますし,むしろ,ワカン単独での使い方はしたことが無いのですが・・・。
以前,コメをいただいた時にも首を傾げてしまったのですが,皆さんそういう使い方はしないんですかネェ。