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◎2017年6月10日(土)
庚申ダム駐車場(6:42)……滝沢入渓(7:06)……1090m二俣分岐(9:13)……巣神山分岐(10:11)……1425m標高点(10:34)……1526m標高点(11:08)……小法師岳(11:40~12:07)……巣神山分岐(12:50)……1326m標高点(13:00)……夜半沢(13:30)……車道(14:25)……駐車場(15:01)
梅雨の時期とはいってもここのところの暑さ、長い尾根歩きには抵抗もある。さりとて本格的な沢歩きやら滝見となると本業でもなく、お仲間がいない限りは満喫の沢歩きは無理な話で、地味な沢の探索が無難といったところに落ち着く。その地味沢だが、以前から目を付けていた沢がある。<滝沢>。地形図にもしっかりと名前が記されている沢だ。名前だけは立派だが、沢歩きの方や、釣り人には見向きもされない沢のようで、典型的なショボい沢の類いだろう。ネットでの遡行記録は皆無。それでいて庚申川にそそぐ一連の沢として名前だけは登場する。
3月に庚申川西側の未踏尾根(ここでは以下「滝沢左岸尾根」とする)を使って小法師岳に向かった際に記したブログに、足尾のRRさんから「滝沢にも明瞭な作業道が源頭迄続いていますが…」とのコメントをいただいた。以来、その作業道が気になっていた。きりんこさんも同様のようで、足尾優先歩きの自分としては興味津々で、差し出がましくはあるが早々に歩いてみるつもりでいた。
この辺の地味な沢、今倉沢、畑沢、巣神沢と一通り触れてはいるが、あたり前ながら、滝見以外で「充実」、「満足」に似た気分を味わったことはない。巣神沢に至っては小滝すら目にすることもなかった。この滝沢とて同じだろう。しかし、巣神山の南東部側、歩きのネタがないのもまた然りで、滝沢左岸尾根すら苦肉の策といった感がある。この滝沢遡行も何とか見つかったネタといったところだ。
庚申ダムの駐車場で準備をしていると、3台ほど車が上がって行った。庚申山とは限らない。かじか荘工事で入る人もいる。コウシンソウはまだ早いか。いつものように地下タビを履きかけたが、考えてみれば、これ、まずくはないか。ショボい沢とはいえ水の中を歩くこともあるだろう。ラッキーにいきなり作業道にめぐり会えるとも思えない。布の地下タビではあっという間に足もふやける。登山靴に履きなおした。この登山靴とて布製だが、少しはマシか。
(浄水場に向かう道に入る)
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(「足尾町南部簡易水道浄水場)とある)
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(パイプとトラロープを伝って渡る)
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滝沢にかかる橋の下からすぐに入渓するつもりはない。ましてすぐ上に堰堤が見えてもいる。左岸側にある浄水場に向かう道を利用し、沢の様子を窺ってからの入渓とする。実はこの道、立入り禁止になっている。
浄水場の前を通過。舗装から未舗装になり、道幅も狭くなったがまだ先まで行ける。これが上まで続く作業道かなといった淡い思いになったりしているが、やがて斜めの踏み跡になる。右手(沢の左岸側)は急斜面になり、石がゴロゴロとしたところになっていて、前回歩いたところもそうだったが、かなり広い範囲の石ゴロ地帯になっているようだ。
これは浄水の施設か、鉄の階段、そして網状の渡しが出てくる。階段はともかく、渡しが鉄とはいえ怖い。いつ足がすっぽ抜けるか気が気ではない。4mもないものだが、手すりロープと太い水管に信頼をおいて必死に渡った。真下の沢からは3mほど上になっている。渡りきって沢に出ると、正面に堰堤が見えてくる。まだあったか。
(堰堤があった)
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(ふんばって降りる)
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(ショボい沢にふさわしく、何だかきたなそうな沢だ)
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(上の写真に覗いていた小滝というか流れ)
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沢に下りて、右岸側の作業道を行く。この時点で左岸側はすでに石ゴロ帯から垂直の岩壁続きに変貌している。
この堰堤、その先の沢が見えていたので、ただの障害物程度に思っていたが、堰堤上に立つと、その先には階段も鉄のステップもない。段差2m以上はある。飛び降りは厳しい。巻くしかないかと、左手の草付き岩場を登ってみたが、どうも足元が悪く、先には行けそうもなくさっさと退却。この時点で、必要もないだろうとヘルメットもしっかりしたロープも持ってこなかったことを後悔した。
この堰堤を越えたら、元には戻れまい。躊躇したが先に行く。覚悟を決め、ザックを下に落とし、両足を左右に突っ張って下りる。両手はヘリにかけていたから、実際に飛び降りた落差は40~50cm程度のものか。ザックを回収し、さらに滑りながら沢に出た。見上げると、あのままトラバースして越えられたかなと思ったりしている。
早々にノドカラになり、この沢、舐めてかかったなと後悔なんかしたが、まだほんのさわり部分だ。この先の沢の様子はどうもきれいとは思えぬ荒んだ風景になっている。倒木が目の前にある。ぬるめながらも水量はありそうだ。このまま登山靴では行けまいと、使うことはないと思っていた沢靴に履き替える。この先、適当なところで滝沢を切り上げ、右岸か左岸の尾根に逃げた方が無難か。さりとて、左岸が断崖続きではなぁ。両岸ともになだらかに思っていたが、地図を改めて確認すると、左岸側、等高線が50m分そっくり消えているところもある。しばらく左岸側に期待はかけられない。
(下段の滝)
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(上段部)
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(見下ろして。8mもないか)
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沢靴になっても、ヌメリがやけに滑る。苔付きを拾って歩くことにする。先に行くと4mほどの滝が現れた。だが近づくと、その上にも滝があり、2段8mといった感じで、さながら滝沢大滝といったところか。
ここは右岸側から越えられそうだが、いざ取り付くと、ズルズルと滑る、こりゃやっかいだなと一旦下に戻って眺めると、何やらトラロープのようなものが上に垂れているのが見える。魚がいそうな沢にも思えず、おそらく作業用のものだろうが、これを使わない手はない。何とかズルズルをこらえてロープの先っぽをつかんだ。ちょっと不安の残るロープだった。信頼1/3にして一段目の滝をクリア。続いて二段目越えにかかる。ここにもロープが用意されていて、頼らずにクリアしかけたが、やはり滑ってロープでの小巻きとなった。
(それなりの景色)
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(ボケ撮りで残念)
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ヤレヤレ。この先もこんな滝が頻発するのではと不安にかられたが、あとは小滝の連続で、あるいは小滝と呼ぶほどのものでもなかったか。いつしか左岸の断崖も消え、急な斜面ながらも、左岸側にも逃げ場は見い出せる状況になった。ちなみに、左岸側はスギの植林、右岸側は自然林になっている。
(左岸側の踏み跡)
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(何の目的か、今は役立ってもいないのだろう)
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(左岸側の植林)
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(振り返って明瞭な道)
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(たまに小滝も出てくる)
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その間、今回の目的の一つ、滝沢歩道の探索を進めたが、自分にじっくり追うという姿勢が欠けているため、左岸側にそれらしき踏み跡を見つけて追いかけたが、崩壊やら沢に消えては右岸側に移ったりと、右往左往の歩きになっている。そのうちに右岸側にブルーのネットを見かけ、行ってみると、踏み跡はないといったパターンが続く。基本はやはり植林帯の左岸側だろうとは思うが、中には上に向かうものもあって、これでは3月に歩いた尾根に出てしまいそうだ。結局、沢に戻っての遡行となる。たまにナメのところがあったりし、そこで遊んでみたくもなるが、足をかけるとやはりヌメリで滑ってしまう。
(地図上の水線切れのあたり)
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(大石ゴロゴロ)
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8時4分、地図上の水線切れのところに差しかかる。水は依然として続いている。そして大石がゴロゴロしてくる。せまっ苦しい沢ではないので、適当に水のない岸に上がって難なく先に進むことはできる。
(これはしばらく続いた)
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(コケも付き出した)
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(古い一斗缶)
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どこから現れたのか、これまでとは違う明瞭な道型が左岸側に出てくる。990m付近。右後ろ上から下って来る作業道を吸収したりしている。もしかして、RRさんのおっしゃる作業道はこれか? 左岸尾根を歩いた際、急登を避けるべくテープに導かれ、結果的に危うい思いをすることになった時に見た作業道は、案外、他の細かい作業道も含め、ここに至っているのかも知れない。
ここからしばらくは左下すぐに沢を眺めながらの歩きになる。きれいそうな流れがあれば、沢に下りてパチっといったところだ。沢の水は水量を減らすことなくダラダラと続いている。ところで、この作業道周辺、普通なら作業用のテープで賑やかなと所だろうが、たまに赤ペンキを見かける程度のもので、整然とした静けさが漂っている。間伐もまたさしてない。それでいて、真新しい大型のフンや皮ハギを見ると、やはりここにはいるんだなと、つい「タカギー、オメェ、ドコニイルンダヨ。グズグズシテンジャネェヨ!」と一人大声を出さずにはいられなくなる。スズを2個鳴らしているとはいえ、その音は沢の音でかき消されている。ふと気づいたが、谷間のハルゼミの鳴きがすさまじい。これが小法師岳山頂まで続く。沢を離れてもスズの音は出番のない状態だった。
(左岸側の崩壊地)
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(しつこく)
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(また復活)
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右手に崩れた斜面を見ると、明瞭な道型も消える。あとは気まぐれに道型が復活したり、残置ワイヤーが出てきたり、ピンクテープを見たりする。ただしテープはこれきり。他に薬莢、茶碗のカケラ、捨てられた古いペットボトルといったところか。真新しい足型も見つけた。クマかと訝しんだが、靴型になっている。間もないものだ。ハイカーとは考えづらい。これはすぐに消えた。こんなのを目にしながら登っている。また明瞭な道型が復活しては消える。
(沢の二俣。上が本流。下を辿る)
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沢は1090mで二俣になった。休憩を入れて地図を見ながらこの先を検討する。左俣が本流のようで、右俣は水が滲んでいるレベルだ。ここまで来たら、滝沢歩道の探索はもういいか。あまり意味のあることをやっているようにも思えなくなってきている。左俣を進めば、巣神山歩道合流近くで道型が復活し、やがてきりんこさんが見られた赤ペンキに至るのかもしれない。自分としては、むしろ右俣から左岸尾根の防火線に出たい気分になっている。右俣を選択するか。余談だが、ここで休む際、腰かける手頃な石や倒木がなく、たまに乾いた石を見ると、いずれにもシカフンが載っていて、結局は苔付きの石の上に座ったが、たちまちのうちにズボンはぐっしょりになってしまった。ヒザ下はすでに濡れているので気にするまでもなかったが。
(こんな感じ。すでに植林帯ではなくなっている)
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(徐々に沢型が消えかかる)
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(右俣部はこれで終了)
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1125mあたりで水は消え、沢型もしだいに両サイドの高さに同化しつつある。ここでまた足型を見る。そして、また、薬莢と、ここでシカをさばいたらしき跡。古い骨と毛の塊。臭いすらない。道型がすーっと通っている。これはシカ道かもしれないが、沢型を辿っている方が歩きやすい。いつの間にか左岸側の植林は消え、全体が自然林になっている。
傾斜がなだらかになり、1300mあたりで沢型も消えた。そこはちょっとした広い空間になっていて、手頃な幕営適地に思えるが、水場はかなり下らないといけない。
(シカ道を辿る)
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(すでにアップでは堪えられなくなっている)
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(防火線に出る)
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ここまで来れば、左岸尾根延長の防火線もすぐそこだが、意識的にその先に出ようとする。おそらく、自然林から抜け出せば日が照って暑いことだろう。少しでも長く日陰の中を歩きたい。地形はすでに尾根も沢も区別がつかなくなっていて、方向だけを合わせて歩くが、ちょうど、先ほど見かけた道型が先に続いていて、これを辿ると、左岸尾根上の防火線に出た。10時6分。出発から3時間半近くかかってしまった。遅いのか並みなのか、ここを歩いた記録を見ることはないのでどんなものなのか。
余計なことだが、防火線に出るまでは平らな斜面が続いていて、逆にここから沢に下ろうとすると、かなりやっかいなことになるかもしれない。GPSを見っぱなしの歩きが無難だろう。
(巣神山分岐)
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ハルゼミの鳴き声が一段と高まり、やはり尾根は暑いなと感じながら歩いて行くと巣神山からの歩道に合流。ヤマツツジが残っている。かなりの色あせ状態。ここに来るまでにもいくつか見てはいたが、残っている花よりも落ちている花の方が多い。足尾のひっそり山も、もう花よりも新緑の時を迎えている。
小法師岳に向かう。林の中から飛び出し、一気に暑くなったせいか、何だか身体がだるくなり、足が重くなってしまった。このまま巣神山経由で帰ろうかとまで考えたが、それでは3月の二の舞になってしまう。ここは我慢のしどころで、ノロノロ歩きになっても仕方ない。とにかく小法師岳まで行こう。今日のメインの目的は小法師岳に行かない限りは達せられない。
(ここは好きな所だ)
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(踏み跡を忠実に)
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ヤブこぎはせずに忠実に踏み跡を辿った。すでに休み休み状態の歩きになっている。ストックも出した。カラマツが続く。てっきり自然林とばかりに思っていたが、先で古い杭が目に入り、それを見ると、昭和46年、カラマツ苗4千本と記されている。4千本といったら半端な数ではないだろう。ということは、それ以前はだだっ広い防火線だったのか、それとも針葉樹かの植林だったのだろうか。
1425mを経由して1526m(雨降り沢の頭)に登り返す。何とも嫌らしい登りだ。ツツジでも目に入れば少しは気も休まるだろうが、たまに見かけるツツジは大方が花を落としている。時すでに遅しで、当初から期待はせずに来ているからいいが、期待の気持ちがわずか数パーセントあったことは確かだ。
(1526mの標識)
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(上の標識の矢印が差す方向に続く尾根)
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1526mに出る。ここに白ペンキブリキに黒文字の「小法師岳へ⇒」の古い標識が置かれているが、この矢印の向きが、反対側の北東を向いている。つい、深慮もせぬままにそのまま行きかけたが、こんなにヤブだっけ? の思いが出てき、コンパスを確認すると正反対。誤ったまま行ったら庚申川に下ってしまう(こんなところを歩くハイカーが間違うこともないだろうが)。標識を正しい向きに置いたが、風に飛ばされてしまうかもしれない。この標識とて、以前は樹に釘打ちされていたものだ。
(小法師岳が見えてくる)
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(盟主様。この時点ではすっきりしているが、一時間も経たずに消えてしまった)
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(みっしりと小ピークを覆っている感じだった)
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下ると、どこから来たのか、はっきりした踏み跡が現れた。これを辿る。マダニがヒザの上を歩いていた。指ではじいたらかなり遠くまで飛んで行った。小法師岳が近づく。小ピークに出た。ワラビがみっしりと生い茂っている。ただ、もうこうなると食べられない。収穫が一か月は遅い。ワラビを採るなら、ここに来れば一回で済むだろう。ワラビを好むわけでもないが、自分としてはちょっと残念だ。ただ、足尾界隈の放射線量はもう問題なしなのだろうか。釣りも普通に解禁されているようだが。
(手前の主三角点)
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(そして主三角点側の山名板)
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主三角点の石標が埋まっているところは素通りして先に行く。地図上の三角点に到着。山名板がないことを確認して、山名板の取り付けにかかる。本日のメインの目的は小法師岳の山名板の取り付けだ。
ここの山頂、過去に5回ほど訪れている。その際の写真を見る限り、2005年の5月には山部さんと「栃木の山紀行」氏の山名板が2枚取り付けられていた。そして2007年、山部さんの板のみ立てかけ。2008年、山名板なし。2013年、山部さん板が復活し、新たに「日光山紀行」氏の板。後者は抑えなしの立てかけ。昨年も寄ったが、写真には写っていないので、これまでの3種ともになくなっていたのだろう。
それでいて、主三角点側の2枚は健在で、先ほど雨降り沢の頭で見た「小法師岳⇒」やら、随所にある白地に黒文字の標識と同じ手による山名板が半分に千切れながらも残っている。余談だが、この方の標識、草刈スキー場やら、県境稜線の小法師尾根分岐、さらに法師岳まで続いている。2005年のこの標識に「ここは主三角点。三角点峰はこの先80m」といった書き込みもあったが、今はきれいに消されている。
(地理院三角点に山名板を設置する)
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(まぁこんな感じだが)
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何やかやと記したが、ここに山名板がないのは自分には幸いで、早速取り付ける。いつまで持つかは知らないが、主三角点側の山名板だけが残っているのが不思議な話だ。山名板の取り付け、自分にとっては、これまでのお歴々に対して「僭越ながら。差し出がましく」といった思いはある。実のところ、主三角点側の2枚を勝手にここに移動したいところだった。
山名板を取り付けてほっとする。まずは休憩して腹をちょっと満たす。ふと、取り付けに集中していたあまり、落ち着くと、これまでの雰囲気と違うことに気づいた。セミの鳴き声がぴたりと消えている。こういう場合は天候悪化の兆し。見上げると、薄い青空の中に黒い雲が漂っている。さっきまで見えていた皇海山の姿は隠れ、庚申山も薄くなっている。これは確実に雨になる。ちなみに、この頃に国境平付近にいたふみふみぃさんは激しい雨に見舞われていたようだ。
「実は何々するつもりでいたのだが…」という表現は、実行の伴わない後付けの飾りのような感じで好きではない。それでいて自分の場合はどうしても多用してしまう。つまりは無理な計画を立てるということにもつながることだろうが、今回も使うことになる。実は、帰路は庚申川に下るつもりでいた。具体的には、さっき、雨降り沢の頭から誤って足を踏み入れた尾根を下り、笹ミキ沢出合いあたりへ。しかし、これも地図上で行けんじゃないか程度のもので、庚申川沿いの林道を何度も歩いたことはありながら、対岸の様子をじっくりと眺めたことは一度もない。天気も悪くなりそうだし、今日はやめておこう。雨はおろか、ガスに巻かれでもしたら最悪の状態になる。まずは逆歩きをしてからだろう。いざ庚申川が真下に見えてから下れないではどうにもならない。
となると、さっさと下れるルートは夜半沢ルートか。車道歩きが入り込むが、山中で雨に降られるよりはまだ安心だ。
急いで靴下を交換し、登山靴に履き替えて下りにかかる。
(巻き道に入る)
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先ほどのはっきりした踏み跡を辿って下ると、鞍部で1526mではなく東に向かい出した。これまで気づかずにいたが、もしかしてこれは巻き道か。やはり、すんなりと1526mからの下りに合流したが、そこに付けられたテープは古い目立たないものだった。この分では1425mの巻きもありかなと期待したが、さすがにその踏み跡は見あたらず、しっかりと登りコースに導かれた。
この1425mへの登りで、やはり天候は崩れだし、霧雨になってきた。この程度ならまだいいが、次第に雨粒が大きくなり、本降りの気配。ザックから合羽の上とザックカバーを取り出し、着込んだ途端に雨はやんだ。取りあえずザックに戻す。
(巣神山分岐を突っ切り)
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(1326m標高点付近)
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急ぎ足で下り、巣神山分岐。防火線をそのまま下る。また降り出した。これは本降りだなと改めて合羽を着込む。幸いガスが出てきていないのが救い。ただ、方向を変える1326mで地図を出すと、地図はすでに濡れていて、パソコン刷り出しの地図、所々でインクが滲み、見えなくなっていた。それでも何とか使える。これ以上は濡らすまい。
(夜半沢に下って行く)
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(白いのが)
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この夜半沢ルート、過去に下りで使ったことはある。しっかりした踏み跡と目印が夜半沢まで続いていた記憶があるが、その時とは違ったルートを歩いてしまったのか、今回は黄色のテープを1本目にするだけだった。ちなみに、夜半沢ルートを先月の20日に烏ケ森の住人さん、翌21日にtaka0129さんが歩かれていた。お二方が歩かれたのでは、これから後追いする人もいるだろう。個人的には、象山と1167.3m三角点、隧道体験を含めない限りは面白味のないコースと思っている。
夜半沢に下りかけて白いツツジを見かけたが、これもまた終わりかけの段階に入っていて、見られるほどのものではなかった。
(夜半沢に出る)
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(自分の記憶時よりも荒れている)
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(ルートもはっきりしない)
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沢型が現れ、夜半沢に出た。一服つける。雨はすでに気まぐれ降りになっていたが、これから強まる気配もなく、まして沢沿いの薄暗い中の歩きになるので、合羽は脱いだ。着ている間、結構な汗をかき、沢通しに流れる風が心地よい。
左岸側基調に下った。ここもまた踏み跡は消えたり復活したりだ。以前に比べてかなり荒れている。ルートを失い、左岸の尾根の高台に出てしまった。その先は急斜面になっているようで、ここを2~3回歩いたことはあるが、そもそもこんなところを歩いた記憶はない。沢に戻り、崩れかけを先に行くと、道型が復活した。
(実はこれを見かけてほっとした)
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(門があるから役宅か何かの施設だったのか)
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(こんなのが続き)
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(階段を下ると)
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(車道の上に出た)
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そのうちに塩ビのホースが目に入ると、あちこちに石垣が出てくる。かつての社宅跡に出たようだ。ここは典型的な廃墟となっている。そして定番の茶碗のカケラ。自分がその昔に住んでいた通洞の社宅周辺は足尾銅山観光になっているが、半世紀以上前にここで暮らしていた方々は、この苔むした石垣を見て何をどう思うだろうか。
社宅跡のあちこちからやって来る踏み跡を集めながら車道の上に出た。ここからは階段で下りられる。
(小滝の里を通り)
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(駐車場に到着)
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車道歩きはほぼ30分。また雨が降ってきたりしたが、もう濡れてもかまわないとそのまま歩く。雨はすぐに上がった。途中で古足尾橋、梅橋を渡る。
駐車場に到着。着くまでの間に車が3台ほど下って行った。
駐車場に他の車はない。これで巣神山の南東部側に歩きのネタはなくなった。今回の滝沢は先で右俣に入ったが、改めて左俣を試すまでもないだろう。しばらく間を取ることにしよう。
※記事をアップしてから気になって岡田敏夫氏の『足尾山塊の沢』を読むと、「滝沢」は「滝ノ沢」として登場する。ここで自分が記した「さながら滝沢大滝」だが、岡田氏は「4m+8m」の2段12mとしている。自分は当初「5m+5m」の10mとしたが、これでは大き過ぎやしないかと、記事中の「4m+4m」に訂正した。2段目は8mもなかったと思う。ただ、GPSの標高差のデータでは、この区間12mの標高差になってはいた。素人判断につき、実際にどの程度の落差なのかはわからない。なお、岡田氏は二俣を左に向かい、イラストによれば、草刈スキー場経由で巣神山歩道に出ている。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
庚申ダム駐車場(6:42)……滝沢入渓(7:06)……1090m二俣分岐(9:13)……巣神山分岐(10:11)……1425m標高点(10:34)……1526m標高点(11:08)……小法師岳(11:40~12:07)……巣神山分岐(12:50)……1326m標高点(13:00)……夜半沢(13:30)……車道(14:25)……駐車場(15:01)
梅雨の時期とはいってもここのところの暑さ、長い尾根歩きには抵抗もある。さりとて本格的な沢歩きやら滝見となると本業でもなく、お仲間がいない限りは満喫の沢歩きは無理な話で、地味な沢の探索が無難といったところに落ち着く。その地味沢だが、以前から目を付けていた沢がある。<滝沢>。地形図にもしっかりと名前が記されている沢だ。名前だけは立派だが、沢歩きの方や、釣り人には見向きもされない沢のようで、典型的なショボい沢の類いだろう。ネットでの遡行記録は皆無。それでいて庚申川にそそぐ一連の沢として名前だけは登場する。
3月に庚申川西側の未踏尾根(ここでは以下「滝沢左岸尾根」とする)を使って小法師岳に向かった際に記したブログに、足尾のRRさんから「滝沢にも明瞭な作業道が源頭迄続いていますが…」とのコメントをいただいた。以来、その作業道が気になっていた。きりんこさんも同様のようで、足尾優先歩きの自分としては興味津々で、差し出がましくはあるが早々に歩いてみるつもりでいた。
この辺の地味な沢、今倉沢、畑沢、巣神沢と一通り触れてはいるが、あたり前ながら、滝見以外で「充実」、「満足」に似た気分を味わったことはない。巣神沢に至っては小滝すら目にすることもなかった。この滝沢とて同じだろう。しかし、巣神山の南東部側、歩きのネタがないのもまた然りで、滝沢左岸尾根すら苦肉の策といった感がある。この滝沢遡行も何とか見つかったネタといったところだ。
庚申ダムの駐車場で準備をしていると、3台ほど車が上がって行った。庚申山とは限らない。かじか荘工事で入る人もいる。コウシンソウはまだ早いか。いつものように地下タビを履きかけたが、考えてみれば、これ、まずくはないか。ショボい沢とはいえ水の中を歩くこともあるだろう。ラッキーにいきなり作業道にめぐり会えるとも思えない。布の地下タビではあっという間に足もふやける。登山靴に履きなおした。この登山靴とて布製だが、少しはマシか。
(浄水場に向かう道に入る)
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(「足尾町南部簡易水道浄水場)とある)
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(パイプとトラロープを伝って渡る)
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滝沢にかかる橋の下からすぐに入渓するつもりはない。ましてすぐ上に堰堤が見えてもいる。左岸側にある浄水場に向かう道を利用し、沢の様子を窺ってからの入渓とする。実はこの道、立入り禁止になっている。
浄水場の前を通過。舗装から未舗装になり、道幅も狭くなったがまだ先まで行ける。これが上まで続く作業道かなといった淡い思いになったりしているが、やがて斜めの踏み跡になる。右手(沢の左岸側)は急斜面になり、石がゴロゴロとしたところになっていて、前回歩いたところもそうだったが、かなり広い範囲の石ゴロ地帯になっているようだ。
これは浄水の施設か、鉄の階段、そして網状の渡しが出てくる。階段はともかく、渡しが鉄とはいえ怖い。いつ足がすっぽ抜けるか気が気ではない。4mもないものだが、手すりロープと太い水管に信頼をおいて必死に渡った。真下の沢からは3mほど上になっている。渡りきって沢に出ると、正面に堰堤が見えてくる。まだあったか。
(堰堤があった)
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(ふんばって降りる)
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(ショボい沢にふさわしく、何だかきたなそうな沢だ)
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(上の写真に覗いていた小滝というか流れ)
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沢に下りて、右岸側の作業道を行く。この時点で左岸側はすでに石ゴロ帯から垂直の岩壁続きに変貌している。
この堰堤、その先の沢が見えていたので、ただの障害物程度に思っていたが、堰堤上に立つと、その先には階段も鉄のステップもない。段差2m以上はある。飛び降りは厳しい。巻くしかないかと、左手の草付き岩場を登ってみたが、どうも足元が悪く、先には行けそうもなくさっさと退却。この時点で、必要もないだろうとヘルメットもしっかりしたロープも持ってこなかったことを後悔した。
この堰堤を越えたら、元には戻れまい。躊躇したが先に行く。覚悟を決め、ザックを下に落とし、両足を左右に突っ張って下りる。両手はヘリにかけていたから、実際に飛び降りた落差は40~50cm程度のものか。ザックを回収し、さらに滑りながら沢に出た。見上げると、あのままトラバースして越えられたかなと思ったりしている。
早々にノドカラになり、この沢、舐めてかかったなと後悔なんかしたが、まだほんのさわり部分だ。この先の沢の様子はどうもきれいとは思えぬ荒んだ風景になっている。倒木が目の前にある。ぬるめながらも水量はありそうだ。このまま登山靴では行けまいと、使うことはないと思っていた沢靴に履き替える。この先、適当なところで滝沢を切り上げ、右岸か左岸の尾根に逃げた方が無難か。さりとて、左岸が断崖続きではなぁ。両岸ともになだらかに思っていたが、地図を改めて確認すると、左岸側、等高線が50m分そっくり消えているところもある。しばらく左岸側に期待はかけられない。
(下段の滝)
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(上段部)
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(見下ろして。8mもないか)
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沢靴になっても、ヌメリがやけに滑る。苔付きを拾って歩くことにする。先に行くと4mほどの滝が現れた。だが近づくと、その上にも滝があり、2段8mといった感じで、さながら滝沢大滝といったところか。
ここは右岸側から越えられそうだが、いざ取り付くと、ズルズルと滑る、こりゃやっかいだなと一旦下に戻って眺めると、何やらトラロープのようなものが上に垂れているのが見える。魚がいそうな沢にも思えず、おそらく作業用のものだろうが、これを使わない手はない。何とかズルズルをこらえてロープの先っぽをつかんだ。ちょっと不安の残るロープだった。信頼1/3にして一段目の滝をクリア。続いて二段目越えにかかる。ここにもロープが用意されていて、頼らずにクリアしかけたが、やはり滑ってロープでの小巻きとなった。
(それなりの景色)
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(ボケ撮りで残念)
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ヤレヤレ。この先もこんな滝が頻発するのではと不安にかられたが、あとは小滝の連続で、あるいは小滝と呼ぶほどのものでもなかったか。いつしか左岸の断崖も消え、急な斜面ながらも、左岸側にも逃げ場は見い出せる状況になった。ちなみに、左岸側はスギの植林、右岸側は自然林になっている。
(左岸側の踏み跡)
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(何の目的か、今は役立ってもいないのだろう)
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(左岸側の植林)
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(振り返って明瞭な道)
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(たまに小滝も出てくる)
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その間、今回の目的の一つ、滝沢歩道の探索を進めたが、自分にじっくり追うという姿勢が欠けているため、左岸側にそれらしき踏み跡を見つけて追いかけたが、崩壊やら沢に消えては右岸側に移ったりと、右往左往の歩きになっている。そのうちに右岸側にブルーのネットを見かけ、行ってみると、踏み跡はないといったパターンが続く。基本はやはり植林帯の左岸側だろうとは思うが、中には上に向かうものもあって、これでは3月に歩いた尾根に出てしまいそうだ。結局、沢に戻っての遡行となる。たまにナメのところがあったりし、そこで遊んでみたくもなるが、足をかけるとやはりヌメリで滑ってしまう。
(地図上の水線切れのあたり)
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(大石ゴロゴロ)
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8時4分、地図上の水線切れのところに差しかかる。水は依然として続いている。そして大石がゴロゴロしてくる。せまっ苦しい沢ではないので、適当に水のない岸に上がって難なく先に進むことはできる。
(これはしばらく続いた)
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(コケも付き出した)
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(古い一斗缶)
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どこから現れたのか、これまでとは違う明瞭な道型が左岸側に出てくる。990m付近。右後ろ上から下って来る作業道を吸収したりしている。もしかして、RRさんのおっしゃる作業道はこれか? 左岸尾根を歩いた際、急登を避けるべくテープに導かれ、結果的に危うい思いをすることになった時に見た作業道は、案外、他の細かい作業道も含め、ここに至っているのかも知れない。
ここからしばらくは左下すぐに沢を眺めながらの歩きになる。きれいそうな流れがあれば、沢に下りてパチっといったところだ。沢の水は水量を減らすことなくダラダラと続いている。ところで、この作業道周辺、普通なら作業用のテープで賑やかなと所だろうが、たまに赤ペンキを見かける程度のもので、整然とした静けさが漂っている。間伐もまたさしてない。それでいて、真新しい大型のフンや皮ハギを見ると、やはりここにはいるんだなと、つい「タカギー、オメェ、ドコニイルンダヨ。グズグズシテンジャネェヨ!」と一人大声を出さずにはいられなくなる。スズを2個鳴らしているとはいえ、その音は沢の音でかき消されている。ふと気づいたが、谷間のハルゼミの鳴きがすさまじい。これが小法師岳山頂まで続く。沢を離れてもスズの音は出番のない状態だった。
(左岸側の崩壊地)
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(しつこく)
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(また復活)
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右手に崩れた斜面を見ると、明瞭な道型も消える。あとは気まぐれに道型が復活したり、残置ワイヤーが出てきたり、ピンクテープを見たりする。ただしテープはこれきり。他に薬莢、茶碗のカケラ、捨てられた古いペットボトルといったところか。真新しい足型も見つけた。クマかと訝しんだが、靴型になっている。間もないものだ。ハイカーとは考えづらい。これはすぐに消えた。こんなのを目にしながら登っている。また明瞭な道型が復活しては消える。
(沢の二俣。上が本流。下を辿る)
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沢は1090mで二俣になった。休憩を入れて地図を見ながらこの先を検討する。左俣が本流のようで、右俣は水が滲んでいるレベルだ。ここまで来たら、滝沢歩道の探索はもういいか。あまり意味のあることをやっているようにも思えなくなってきている。左俣を進めば、巣神山歩道合流近くで道型が復活し、やがてきりんこさんが見られた赤ペンキに至るのかもしれない。自分としては、むしろ右俣から左岸尾根の防火線に出たい気分になっている。右俣を選択するか。余談だが、ここで休む際、腰かける手頃な石や倒木がなく、たまに乾いた石を見ると、いずれにもシカフンが載っていて、結局は苔付きの石の上に座ったが、たちまちのうちにズボンはぐっしょりになってしまった。ヒザ下はすでに濡れているので気にするまでもなかったが。
(こんな感じ。すでに植林帯ではなくなっている)
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(徐々に沢型が消えかかる)
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(右俣部はこれで終了)
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1125mあたりで水は消え、沢型もしだいに両サイドの高さに同化しつつある。ここでまた足型を見る。そして、また、薬莢と、ここでシカをさばいたらしき跡。古い骨と毛の塊。臭いすらない。道型がすーっと通っている。これはシカ道かもしれないが、沢型を辿っている方が歩きやすい。いつの間にか左岸側の植林は消え、全体が自然林になっている。
傾斜がなだらかになり、1300mあたりで沢型も消えた。そこはちょっとした広い空間になっていて、手頃な幕営適地に思えるが、水場はかなり下らないといけない。
(シカ道を辿る)
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(すでにアップでは堪えられなくなっている)
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(防火線に出る)
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ここまで来れば、左岸尾根延長の防火線もすぐそこだが、意識的にその先に出ようとする。おそらく、自然林から抜け出せば日が照って暑いことだろう。少しでも長く日陰の中を歩きたい。地形はすでに尾根も沢も区別がつかなくなっていて、方向だけを合わせて歩くが、ちょうど、先ほど見かけた道型が先に続いていて、これを辿ると、左岸尾根上の防火線に出た。10時6分。出発から3時間半近くかかってしまった。遅いのか並みなのか、ここを歩いた記録を見ることはないのでどんなものなのか。
余計なことだが、防火線に出るまでは平らな斜面が続いていて、逆にここから沢に下ろうとすると、かなりやっかいなことになるかもしれない。GPSを見っぱなしの歩きが無難だろう。
(巣神山分岐)
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ハルゼミの鳴き声が一段と高まり、やはり尾根は暑いなと感じながら歩いて行くと巣神山からの歩道に合流。ヤマツツジが残っている。かなりの色あせ状態。ここに来るまでにもいくつか見てはいたが、残っている花よりも落ちている花の方が多い。足尾のひっそり山も、もう花よりも新緑の時を迎えている。
小法師岳に向かう。林の中から飛び出し、一気に暑くなったせいか、何だか身体がだるくなり、足が重くなってしまった。このまま巣神山経由で帰ろうかとまで考えたが、それでは3月の二の舞になってしまう。ここは我慢のしどころで、ノロノロ歩きになっても仕方ない。とにかく小法師岳まで行こう。今日のメインの目的は小法師岳に行かない限りは達せられない。
(ここは好きな所だ)
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(踏み跡を忠実に)
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ヤブこぎはせずに忠実に踏み跡を辿った。すでに休み休み状態の歩きになっている。ストックも出した。カラマツが続く。てっきり自然林とばかりに思っていたが、先で古い杭が目に入り、それを見ると、昭和46年、カラマツ苗4千本と記されている。4千本といったら半端な数ではないだろう。ということは、それ以前はだだっ広い防火線だったのか、それとも針葉樹かの植林だったのだろうか。
1425mを経由して1526m(雨降り沢の頭)に登り返す。何とも嫌らしい登りだ。ツツジでも目に入れば少しは気も休まるだろうが、たまに見かけるツツジは大方が花を落としている。時すでに遅しで、当初から期待はせずに来ているからいいが、期待の気持ちがわずか数パーセントあったことは確かだ。
(1526mの標識)
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(上の標識の矢印が差す方向に続く尾根)
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1526mに出る。ここに白ペンキブリキに黒文字の「小法師岳へ⇒」の古い標識が置かれているが、この矢印の向きが、反対側の北東を向いている。つい、深慮もせぬままにそのまま行きかけたが、こんなにヤブだっけ? の思いが出てき、コンパスを確認すると正反対。誤ったまま行ったら庚申川に下ってしまう(こんなところを歩くハイカーが間違うこともないだろうが)。標識を正しい向きに置いたが、風に飛ばされてしまうかもしれない。この標識とて、以前は樹に釘打ちされていたものだ。
(小法師岳が見えてくる)
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(盟主様。この時点ではすっきりしているが、一時間も経たずに消えてしまった)
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(みっしりと小ピークを覆っている感じだった)
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下ると、どこから来たのか、はっきりした踏み跡が現れた。これを辿る。マダニがヒザの上を歩いていた。指ではじいたらかなり遠くまで飛んで行った。小法師岳が近づく。小ピークに出た。ワラビがみっしりと生い茂っている。ただ、もうこうなると食べられない。収穫が一か月は遅い。ワラビを採るなら、ここに来れば一回で済むだろう。ワラビを好むわけでもないが、自分としてはちょっと残念だ。ただ、足尾界隈の放射線量はもう問題なしなのだろうか。釣りも普通に解禁されているようだが。
(手前の主三角点)
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(そして主三角点側の山名板)
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主三角点の石標が埋まっているところは素通りして先に行く。地図上の三角点に到着。山名板がないことを確認して、山名板の取り付けにかかる。本日のメインの目的は小法師岳の山名板の取り付けだ。
ここの山頂、過去に5回ほど訪れている。その際の写真を見る限り、2005年の5月には山部さんと「栃木の山紀行」氏の山名板が2枚取り付けられていた。そして2007年、山部さんの板のみ立てかけ。2008年、山名板なし。2013年、山部さん板が復活し、新たに「日光山紀行」氏の板。後者は抑えなしの立てかけ。昨年も寄ったが、写真には写っていないので、これまでの3種ともになくなっていたのだろう。
それでいて、主三角点側の2枚は健在で、先ほど雨降り沢の頭で見た「小法師岳⇒」やら、随所にある白地に黒文字の標識と同じ手による山名板が半分に千切れながらも残っている。余談だが、この方の標識、草刈スキー場やら、県境稜線の小法師尾根分岐、さらに法師岳まで続いている。2005年のこの標識に「ここは主三角点。三角点峰はこの先80m」といった書き込みもあったが、今はきれいに消されている。
(地理院三角点に山名板を設置する)
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(まぁこんな感じだが)
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何やかやと記したが、ここに山名板がないのは自分には幸いで、早速取り付ける。いつまで持つかは知らないが、主三角点側の山名板だけが残っているのが不思議な話だ。山名板の取り付け、自分にとっては、これまでのお歴々に対して「僭越ながら。差し出がましく」といった思いはある。実のところ、主三角点側の2枚を勝手にここに移動したいところだった。
山名板を取り付けてほっとする。まずは休憩して腹をちょっと満たす。ふと、取り付けに集中していたあまり、落ち着くと、これまでの雰囲気と違うことに気づいた。セミの鳴き声がぴたりと消えている。こういう場合は天候悪化の兆し。見上げると、薄い青空の中に黒い雲が漂っている。さっきまで見えていた皇海山の姿は隠れ、庚申山も薄くなっている。これは確実に雨になる。ちなみに、この頃に国境平付近にいたふみふみぃさんは激しい雨に見舞われていたようだ。
「実は何々するつもりでいたのだが…」という表現は、実行の伴わない後付けの飾りのような感じで好きではない。それでいて自分の場合はどうしても多用してしまう。つまりは無理な計画を立てるということにもつながることだろうが、今回も使うことになる。実は、帰路は庚申川に下るつもりでいた。具体的には、さっき、雨降り沢の頭から誤って足を踏み入れた尾根を下り、笹ミキ沢出合いあたりへ。しかし、これも地図上で行けんじゃないか程度のもので、庚申川沿いの林道を何度も歩いたことはありながら、対岸の様子をじっくりと眺めたことは一度もない。天気も悪くなりそうだし、今日はやめておこう。雨はおろか、ガスに巻かれでもしたら最悪の状態になる。まずは逆歩きをしてからだろう。いざ庚申川が真下に見えてから下れないではどうにもならない。
となると、さっさと下れるルートは夜半沢ルートか。車道歩きが入り込むが、山中で雨に降られるよりはまだ安心だ。
急いで靴下を交換し、登山靴に履き替えて下りにかかる。
(巻き道に入る)
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先ほどのはっきりした踏み跡を辿って下ると、鞍部で1526mではなく東に向かい出した。これまで気づかずにいたが、もしかしてこれは巻き道か。やはり、すんなりと1526mからの下りに合流したが、そこに付けられたテープは古い目立たないものだった。この分では1425mの巻きもありかなと期待したが、さすがにその踏み跡は見あたらず、しっかりと登りコースに導かれた。
この1425mへの登りで、やはり天候は崩れだし、霧雨になってきた。この程度ならまだいいが、次第に雨粒が大きくなり、本降りの気配。ザックから合羽の上とザックカバーを取り出し、着込んだ途端に雨はやんだ。取りあえずザックに戻す。
(巣神山分岐を突っ切り)
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(1326m標高点付近)
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急ぎ足で下り、巣神山分岐。防火線をそのまま下る。また降り出した。これは本降りだなと改めて合羽を着込む。幸いガスが出てきていないのが救い。ただ、方向を変える1326mで地図を出すと、地図はすでに濡れていて、パソコン刷り出しの地図、所々でインクが滲み、見えなくなっていた。それでも何とか使える。これ以上は濡らすまい。
(夜半沢に下って行く)
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(白いのが)
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この夜半沢ルート、過去に下りで使ったことはある。しっかりした踏み跡と目印が夜半沢まで続いていた記憶があるが、その時とは違ったルートを歩いてしまったのか、今回は黄色のテープを1本目にするだけだった。ちなみに、夜半沢ルートを先月の20日に烏ケ森の住人さん、翌21日にtaka0129さんが歩かれていた。お二方が歩かれたのでは、これから後追いする人もいるだろう。個人的には、象山と1167.3m三角点、隧道体験を含めない限りは面白味のないコースと思っている。
夜半沢に下りかけて白いツツジを見かけたが、これもまた終わりかけの段階に入っていて、見られるほどのものではなかった。
(夜半沢に出る)
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(自分の記憶時よりも荒れている)
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(ルートもはっきりしない)
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沢型が現れ、夜半沢に出た。一服つける。雨はすでに気まぐれ降りになっていたが、これから強まる気配もなく、まして沢沿いの薄暗い中の歩きになるので、合羽は脱いだ。着ている間、結構な汗をかき、沢通しに流れる風が心地よい。
左岸側基調に下った。ここもまた踏み跡は消えたり復活したりだ。以前に比べてかなり荒れている。ルートを失い、左岸の尾根の高台に出てしまった。その先は急斜面になっているようで、ここを2~3回歩いたことはあるが、そもそもこんなところを歩いた記憶はない。沢に戻り、崩れかけを先に行くと、道型が復活した。
(実はこれを見かけてほっとした)
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(門があるから役宅か何かの施設だったのか)
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(こんなのが続き)
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(階段を下ると)
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(車道の上に出た)
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そのうちに塩ビのホースが目に入ると、あちこちに石垣が出てくる。かつての社宅跡に出たようだ。ここは典型的な廃墟となっている。そして定番の茶碗のカケラ。自分がその昔に住んでいた通洞の社宅周辺は足尾銅山観光になっているが、半世紀以上前にここで暮らしていた方々は、この苔むした石垣を見て何をどう思うだろうか。
社宅跡のあちこちからやって来る踏み跡を集めながら車道の上に出た。ここからは階段で下りられる。
(小滝の里を通り)
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(駐車場に到着)
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車道歩きはほぼ30分。また雨が降ってきたりしたが、もう濡れてもかまわないとそのまま歩く。雨はすぐに上がった。途中で古足尾橋、梅橋を渡る。
駐車場に到着。着くまでの間に車が3台ほど下って行った。
駐車場に他の車はない。これで巣神山の南東部側に歩きのネタはなくなった。今回の滝沢は先で右俣に入ったが、改めて左俣を試すまでもないだろう。しばらく間を取ることにしよう。
※記事をアップしてから気になって岡田敏夫氏の『足尾山塊の沢』を読むと、「滝沢」は「滝ノ沢」として登場する。ここで自分が記した「さながら滝沢大滝」だが、岡田氏は「4m+8m」の2段12mとしている。自分は当初「5m+5m」の10mとしたが、これでは大き過ぎやしないかと、記事中の「4m+4m」に訂正した。2段目は8mもなかったと思う。ただ、GPSの標高差のデータでは、この区間12mの標高差になってはいた。素人判断につき、実際にどの程度の落差なのかはわからない。なお、岡田氏は二俣を左に向かい、イラストによれば、草刈スキー場経由で巣神山歩道に出ている。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
ただ,このクラスの滝が連続しているようなら,嫌でも食指も動くんですケドねェ・・・ここは,たそがれオヤジさんの記事で満足しておきますかネ(笑)。
「小法師岳に行かない限りは達せられない」ということでピンときましたが,やはり山名板の取り付けでしたか。確かに,あそこに一枚も無いのは寂しいですからネ。主三角点側の山名板の標高は間違っているんだケド,あの板を移したら賑やか過ぎるから,たそがれオヤジさんの板だけで十分でしょう。
帰りは雨降り沢の頭から笹ミキ沢出会いへの下降を考えてましたか。ナルホド,雨降沢では庚申川本流の渡渉が厳しいですしネ。
ただ,果たして其方側はどうだったでしょうネ。確かに下ったは良いが渡れなかったでは,洒落にならないからなぁ~。。。
塔の峰の山名板をみに行ったのですが・・・見られずでした(T。T) ここはまた難しそうなところですね。
ワラビの適期はよくしらないのですが柔らかい若芽がいいんですかね。放射線はもう気にしないで良いんじゃないですか。沢ジャブしてるし私は奥地ですけど湧き水ガブ飲みしてきましたし。
小法師岳へのメインの用は山名板でしたか。また一つ小法師岳に行く理由ができました。県境稜線歩く際はルートに組み込まないと。
笹ミキ沢出合いあたりへのルートはやはり想定されていたんですね。私もそこから登る計画はありました。たそがれさんがしばらく行かないのであれば様子見にでも行こうかと。
雨に降られたのはやはり同時刻辺りですね。朝方はすごくいい天気だったのに。山の天気は変わりだすと早いですね。
まぁ、滝の高さについては経験の浅い立場での目測ですからご容赦を。でも岡田氏の上段が8mというのはどんなものかと思いますよ。下段よりも低いと思いましたし。この滝沢大滝ですが、そうおっしゃらずに、滝だけでも見に行って来てくださいよ。食指を動かさずとも、駐車場から往復40分もあれば行けます。ただ、その前の堰堤越えがねぇ。私のようにジャンプせずとも、右岸上を慎重に行けばあっさり越えられと思いますけど。
山名板については、先日の瀑泉さん記事のコメントで確認させていただいたので、これなら大丈夫とのことで行ってきたわけです。その前に山名板は出来てはいたのですけど。
主三角点にある山名板に記された標高ですが、今の地図では小法師岳の高さが1593.2mとなっていますが、古い地図では1593.1mになっていて、やはり移動というのはタイムスリップと同じ感じでよろしくなかったでしょうかね。確かに、混ぜたら、私の山名板が目立たなくなるでしょう。
笹ミキ沢出合いへの下降の件ですが、実は雨降沢遡行をしてみたかったのですが、先日、下見に行った際に、庚申川の渡渉が自分にはかなり重荷になりそうで、半ばあきらめ、その代替えで考えたルートですが、林道側がどうなっているのか、いずれ下見に行かないといけないですね。ただ、コース設定をうまくやらないと、林道を長々と歩く始末になりかねないし、難しいところです。ふみふみぃさんの結果待ちにしようかなとも思ったりしています。
周回記事を拝見いたしました。こちらとしては、女性一人ですごいなと思いましたよ。
しかし、塔の峰は残念でしたが、あの辺でルートミスしながらもうまく舟石新道に出会い、さらに鳥獣観察舎に出られるとは、正直のところ驚きですね。私ならきっと引き返していたか、庚申山から下りますね。それにしても、よく庚申山まで行かれたものですよ。
ところで、山名板を見に行かれたとはありがとうございます。今度は、この小法師岳の山名板の方もよろしくお願いいたします。この山なら尾根を間違えることもないかと思いますから。
期待をかけさせてしまい失礼いたしました。
笹ミキ沢出合いは、地図を見る限り、やはりここしかないなと思ってしまいます。まして、雨降沢あたりは下見の時点で放棄したりしていますから。等高線にトリックがないかと拡大して眺めましたが、しっかりと10m単位で続いていますね。
この出合いについては、ふみふみぃさんの結果待ちにするつもりでいます。私も、その前に、眺めるぐらいはしてきますけど。
ところで、今回の滝沢、地味沢であることは間違いありませんが、私にはまだ釜ノ沢左俣の方が変化があって面白そうな気がしますね。よほどネタに困った時にでも歩いてみてください。その節は分岐を左俣でお願いします。
ワラビも、私、さして詳しいわけでもないですが、出て間もなく、ニョロッとした時が採り時ではないでしょうか。葉を広げてしまってはもうダメですね。先日、バラ沢峠で出会ったオジサンの話では、山桜が咲く頃が採り時だというようなことを言っていましたね。
暦の上では夏ですからね。
堰堤を飛び降りるともう戻れないのくだりはちょっとっした勇気というか思いきりが必要ですよね。
特に一人だと。
やはりチョイ沢でもお助けロープは持つようにしなくてはなりませんね」。
このチョイ沢、源頭付近に幕営適地ありとの事ですが、3つ4つ張れそうですか?
皆での山名板を見に行くのも一興かと。
でも、たそがれさんはつまらないか。w
周回記事を拝見しました。
足尾の奥深さと静かな山歩きが余すことなく記して有り感服しました。
また、の山名板の履歴の正確さには驚きです。
これからも足尾の山の情報発信に期待しています。
現在、足尾の「主三角點」「次三角點」「補點」などの測量標石を探しています。また、庚申信仰に伴う「丁目石」なども探しています。
・誠に勝手なお願いですが、ご存じの標石がありましたら、ご紹介をお願い申し上げます。
山部薮人
最近はFBに発信中、
FB : https://www.facebook.com/hiroshi.nakamura.31392410
ハイトスさんをお誘いした二つのうち一つがこれでした。元々は、二つともに、自分には山名板、もしくは標高板の取り付けといった目的もあったのですがね。ちなみに、まだ一つ残っておりますよ。
私が幕営適地と思ったところは5~6張りのテントは楽に張れそうな平らなところでした。ただ、自分がそう思っただけのことで、いざ、朝起きたら、皆さんの顔が蚊に刺されてむくんでいたということにもなりかねないし、後で後悔されても対応のしようもないので、自分から積極的にはお薦めはいたしません。私が今回歩いたコースの中で、幕営となると、むしろ空が開けている巣神山コース合流部の防火線かなとは思うのですが、水場を考慮すると、やはり無理かもしれませんね。
チョイ沢のお助けロープですが、お助けロープはいつも持って歩いていますけど、堰堤越えにはひっかけの樹もありませんでしたよ。
コメント、恐れ入ります。
私がこの世界(笑)に入りましたのも、もとはといえば山部さんの記事の後追いから始まるわけですが、いまだに山部さんには及ばず、足尾の山塊でグズグズやっている自分にあせりを覚えている始末です。
変な話ですが、山部さんの3D山名板、あれはコレクター的にも人気あるんじゃないですかね。あれっ、ここに山部さんの山名板があったはずなの、あるはずなのに見あたらない。大方が飛ばされるわけでもない。さりとて、目ざわりだとクマが片付けるはずもない。となると、意識的に持ち去りということも想定されるのですが。こちらとしては、おかげさまで、そのフォローがてら山名板も置けるといった具合になるのですが。
三角點の件ですが、今すぐに浮かんだのは小足沢南の1269m標高点。ここには次三角點がありましたね。こういうのにあまりごだわらずに歩いていますから、以前の写真やら、これから歩くところも含めて、少なくとも足尾エリアについては、思い出したり、わかり次第、山部さんにお知らせいたします。
私のブログ仲間のふみふみぃさんのブログに、神子内の小保木沢林道先の尾根上で赤ペンキの標石を見たりしているようですが、こんなのは果たして補點なのかどうか。
https://blogs.yahoo.co.jp/fu32miffy/37597978.html
庚申山の丁石ですが、私も山部さんの記事を拝見して、遠下の磐裂神社から歩き出し、一丁と八丁だけは確認しているのですが、その後は半端に終わっています。
http://blog.goo.ne.jp/mailaddress-1234/e/27cf44f8ee65ec8208be4963ee7d62c6
興味はかなりありますので、追々ということにしていますが。
あの丁石のルートが庚申古道ですから調べたいですが、中々歩けずにいます。
足尾の良さは歴史を散りばめた地域で光が輝いたり、渋く光ったりで源氏物語の世界があるように思えます。
どうか足尾の魅力をこれからも発信続けてください。
私も標石はじっくりと探して行こうと考えています。
今後ともよろしく、お願いいたします。
ご丁寧な返信ありがとうございます。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
足尾の山の魅力、最近は一本のブナの木に魅かれて大型バスが乗り入れる状況になっているようですが、あんなものが足尾の山の象徴であるわけもなく、自分は自分で人通りのないところを地道に歩いて行くつもりでおります。
1日の中に色んな要素が出てくる密な歩きでしたね。
足尾の独特な雰囲気は他の場所にはなく、躰道などの
あたりは入り過ぎると戻れくなるような
そんな錯覚感じます。
ついに庚申川を渡るようになりそうですかね(笑)
沢もちょっとマイブームから離れてしまったので、
イベント兼ねて出来ると良いです。6月の間は
明確な梅雨にならないような予報やってましたし。
山名板、せっかくなので見に行かなくては
なりません(笑)
どこの山にも言えることでしょうが、上っ面部分だけを歩いている限りは何も心配もないでしょうが、奥まで入り込んでみたら、とんでもない崩壊に出会ったり、このまま行けば戻れなくなるんじゃないかとえらく心配になることってありますよね。しかし、それも県境近くの奥部ならともかく、この辺はまださわりのエリアで、ただ、魅力なさそうだから人も入らないというだけのことでしょう。その点、安易な安心感はありますね。
今回の小法師岳の山名板もさることながら、もう一つ、標高板を用意しておりますので、むしろ、そちらの方を見に行ってください。ただ、その取り付けも、無事に行ければといった話になるのですが。
今季の梅雨は不明瞭な梅雨ということですか。これまで、雨だから山には行けないといった適当な理由付けができたのですが、これではその理由付けも難しいところですね。
庚申川の件ですが、もはやネタ切れから来ていますよ。その前に、庚申林道から果たして川まですんなりと下れるのかいなといったと肝心なところを調査しておかないことにはねぇ。ロープを使って下っているのでは先が思いやられるし。