突き指は、まだ少々痛むが、
怖いものなど何も無い吾輩は、
あえて、その痛む指で、鼻をほじってやろうと思っておる。
おはようございます。
そんな吾輩の見た目は、お人好しのオカッパなのである。
悪魔感が、薄すぎる。
そうだ、まずは小物を身に付けよう。
悪魔の証となる、邪悪な小物を・・・
よって吾輩は休日に、「厳ついシルバーアクセ」の店の前へ行ったのだ。
店員らしき人間の、耳~唇に鎖が繋がっておった。
首回りに刺青が施されておった。
金髪だった。モヒカンの。
それを、ちょっと離れた店外から、大いに鑑賞した吾輩は、
小さな雑貨屋へ入ってやったのである。
店員:「いらっしゃいませ~。何かお探しでですか?」
(ちょっと、待て。吾輩のペースで観たいのだ)
店員:「春物 入荷してますよ~」
(春物など要らぬ。ドクロを出せ)
(こんな感じのを出すのだ、人間の女よ)
店員:「ちょっとした、小物ですかぁ。可愛いリングとか?」
(可愛さは要らぬ。恐ろしい悪魔をかたどったヤツを出せ)
(こんなイメージのを早く出すのだ、人間の女よ)
店員:「キラキラってした感じの春らしい小物がいいですか?」
埒があかんと苛立った吾輩は、蛇のモチーフのが・・・とだけ言ってやったのだ。
店員:「へびさんがデザインの物ですかぁ・・・」
(ようやく分かったか、人間の女よ。早く出せ)
(こういう、恐ろしい毒蛇の小物を出せ、人間の女よ)
店員:「あぁ、ありますよ~。ありますあります。」
(あるのか?見せろ)
店員:「すっごく、いい感じのストラップがあるんですよ。淡水パール付きで」
(いや違う、それはちょっとちが・・・)
店員:「ちょっとさりげなく、キラキラって感じで~派手すぎずで、それでいて」
(それでいて、なんだというのだ)
店員:「職人さんが、一つずつ手作業で作っていて」
(それはそれですごいが、吾輩が欲しいタイプではな・・・)
店員:「これ、絶対おススメです。お包み致しますね~」
(とにかくよくおしゃべりをする、人間の女だ。口が挟めぬ)
という事で、
トグロを巻いた、恐ろしい蛇のストラップが、我が手に。
お守り感が、強すぎる。
人間のお婆ちゃんが、財布に付けるタイプのヤツだ。
人間どもに、出鼻をくじかれた~!
あや:「おかっぱよ。ぼーっと つったっている場合ではないぞ!」
あやも悪魔に?
あや:「よこせ~。おまえの ち・・・」
血?私の血を?
あや:「はやく よこせよ~ ち・・・」
血?!
あや:「ち・ち・ちちちちち」
あや:「乳を よこせ~」
ちゅぱ ちゅぱ ちゅぱ
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ・・・・・
心、洗われてしまった。