たまには、お酒でも飲みたいなぁ。
そういえば、ビールがあったっけ。
冷蔵庫から取り出して確かめてみたら、そのビールは期限切れだった。
どうしたものかと、その缶を眺めていたら、
昔の懐かしい思い出が胸をよぎった。
おはようございます。
17歳の夏休み、私は変わりたかった。
ただ漠然と、大人に成りたかった。
「母さん、髪を染めるにはどうしたらいいの?」
そう問うと、母は言った。
「ほらお前、ビールやろ~が!」と。
私は、まずは顔回りだけ染髪しようと決め、
おちょこにビールを注いて、そこに横髪を漬け込んで、
両耳辺りに、タオルで固定したのだ。
どこへ出しても恥ずかしくない、
工夫を凝らした、ひょっとこだった。
そして20分ごとに、髪の色を確認した。
まだか?
まだかな?
まだ?まだなの?
こうして私は、不動で堪えた。
口を動かすだけで、振動でおちょこがずれた。
何もしてなくとも、おちょこがずれた。
ビールを溢すたびに、おちょこに注ぎ足した。
家族に笑われた。
さすがに8時間後、私はしびれを切らして
全然染まらないと母に文句を言ったところ、
「ふーん」って言われた。
ふーんってなんだ!
どんだけ頑張ったと思ってんだ!
こんな感じで、頑張ったのに・・・
そんな我が家の、大人の女「きく」
きく:「おい、そこの ひょっとこ!」
きく:「これ なんとかしろ」
きく:「ずれておる おまえぐらい ずれておる」
許容範囲じゃない?
きく:「そもそも あんな画像に 編集を加えて・・・」
きく:「綺麗に見えるように してんじゃねーよ 変態メスゴリラめ!」
やっぱり、ゴリラは無いと思うわぁ、酷いわぁ~。