昨夕は、行き慣れないスーパーへ行きました。
商品をいくつかカゴに入れ、レジに並ぶと、
そこでは、レジ係の女性がお客さんに、
楽しそうに話しかけていた。
レジ係の女性は、
「ほんと、暑いわよね~。
もうね、198円。この肉を脱ぎたいわ~、278円。
なんとかして~、380円の1割引きです。
お客さんはいいわぁ、93円。スリムですもの、93円。
そんな細いと寒くない?大丈夫?198円をお2つ。
この店寒くない?大丈夫?398円。
私は、汗だく~ほんと肉の脱ぎ方教えて~5000円お預かりします。
でも、こんなでしょ、私。おつり3,063円ね。ありがとうございました。」
といった具合に、おしゃべりとレジを同時にそして完璧に、こなす、女性。
出た、パートの匠!
感心しながら、次は私の番なので、カゴをレジに乗せた。
「ねっ、こんなでしょ?198円。だから最近、店長に、398円。
叱られてばっかりなのぉ、278円。」
おっと、
さっきの話の続きを、私が引き継いだのね?そうなのね?
「しゃべり過ぎだって、110円。
しーかーらーれーてーひゃっひゃっひゃっ合計1,060円でございます。」
こうして、レジを後にした私の次にも、
やはり話を引き継いだお客さんがいたのであった。
そういえば、我が家のおじさんの職場にも、御年75歳パートの匠がいる。
今の支店に配属された初日、
「店長しゃん?エプロンの紐、結んで!」
という、匠の言葉で始まった。
手が後ろに回らぬ匠に、店長は不安を覚えた。
このお婆さんに、どんな仕事なら出来るのだろうか?
厄介な支店に来てしまったと途方に暮れた。
そんな中、始まりのゴングが鳴った。
匠はまず、恐ろしいスピードで、定規で測ったような正確さで、
小鉢を50個並べる。
そして、次の瞬間、
匠は、蝶のように舞い、蜂のように刺す。
右手で持たれた長い箸は、精密機械のように、
寸分違わぬ量の和え物を摘まみ摂り、
小鉢の中央へジャブ!
あれよあれよと、
小鉢が和え物で埋め尽くされるジャブの応酬の最中、
匠の黄金の左手も遊んではいない。
絶妙なタイミングで、後ろの棚に詰まれた小鉢を、
振り向きもせず、左手で掴み、そのまま一気に、
小鉢追加の左ストレート~!
店長は、怯えながら、
「ぼく、手伝う事ありますか?」とそっと声を掛けた。
すると匠は、こう言い放った。
「ん?なんだって?」
打ちのめされた店長は、
家に帰って、
匠の職人技の凄さの一部始終を興奮しながら語った。
私は、その武勇伝を聞きながら、安堵した。
「匠、手、後ろに回るんや。」と。
我が家の匠といえば・・・
うんこの「痩せ見えテクニック」
うんこ:「すっぽり はいって みえるでしょ?」
うんこ:「すりむな こ なんだなって みえるでしょ?」
うんこ:「そう みえたでしょ?」
出た、匠!
いっそ、このまま爪切りしましょう。
おじさん、撮影してちょうだい。
おじさん?
おじさんめ~!
匠になるには、色々と努力が必要なのでしょうね?
私も、いつかは、何がしかの匠になりたいなぁと、
漠然と思う、おかっぱなのでした。