先日、実家に立ち寄ると、
両親が、古いアルバムを整理していた。
母は、そこに収まる、若く美しい自分に見惚れていて、
父は、ずれている写真を整える作業をしていた。
おはようございます。
母は、気に入った自分の写真を見せながら、
「お前のアルバムもあるぞ」と言う。
いいです。
見んでいいです。
封印したいです。
というか、お焚き上げしたいです。
そう思いながら、アルバムに手を伸ばさぬ私に、
「お前の写真、食ってばっかりやぞ。ひゃっひゃっひゃ」
母さんはそう言って、追い打ちを掛けてくるもんだから、
開いちゃった、パンドラの箱を・・・・
たとえば
忘れてしまいたい記憶があるとするならば・・・
長い時の中で、
その記憶は幾度も甦り、
苦しむこともあるだろう。
悔いることもあるだろう。
さらに、傷つくこともあるだろう。
けれど・・・
その記憶は幾度も甦り、
深い知恵を得るのかもしれない。
しなやかな強さを身に付けるのかもしれない。
溶けゆくような許しを知るのかもしれない。
「手だよね、やっぱ」
まだ、闇雲に手掴みだった、こいつは・・・
「棒が付いてるよ」
棒を握り締めて、取られまいと眼を光らせる、こいつは・・・
「2本になった」
ついに、知恵を身に付けた、こいつったら・・・
「じゃんじゃん 持ってこーい」
無敵の強さを身に付けて、調子に乗った、こいつだけど・・・
許してあげて~~!!
そんな中、母さんが
「おい、この写真は唯一、ちょっと可愛いやないかぁ?」
と言ってくれたが
母さん?
これはねぇ、究極の厚化粧のおかげだよ。
そうして・・・
どんな記憶も、忘れる必要など無いのだと
思うようになるのかもしれない。
「小さな、うめ」
うめさんとの記憶には、
忘れたいと思うような記憶は、ひとつも無い。
今更、そう気付いたのでした。
うんこ:「これ見て。母さん、けっこうお腹出てるでしょ。」
お焚き上げ~
これこそ、お焚き上げ~~!!