うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

遅い更新

2016年10月23日 | 真面目な日記

私は、昨日、動物病院へ猫のサプリを貰いに行ったんです。

待合室の空いている席に座って待つことにしました。

隣にジャーマン・シェパードさんが居て、

ちょっと離れた所にアメリカン・コッカースパニエルちゃんが居た。

犬が好きな私としては、本来ならば、ヘブンだ。

本来ならば・・・

 

しかし、

スパニエルちゃんが、厳つい男に何度も頭を叩かれている。

大人しく座っているのに、ほんの僅かに動くだけで、

かなりの力で叩いているんだ。

この子、以前も見た。

その時も、同じように叩かれていた。

 

私は何も言えず、せめて男を睨んでいたら、

シェパードさんと共に居る女性が、口を開いた。

「私、元ドックトレーナーなんだけどね。

犬に体罰、それが、最悪なバカ飼い主の典型なの。」

おっと、ばっさりだ。

しかも、厳つい男にではなく、私に言ってる。

 

私はすぐ男を見たが、男は私を睨んでいた。

いやいや、私じゃねーよ。

やばい、何でもいいから声を出そう。

声を出せば、私の発言では無い事が判明するだろう。

焦った私は、シェパードさんの方の女性に対して、

 大人しいシェパードさんですね、ウフフ。

今日は、待ち時間が掛かりそうですね~、ね~。

と、結構大きな声で、言った。

 

私は、その光景を前に、

昔、結婚していた時の、嫁ぎ先の庭で飼われていたチロを思い出した。

大きなオスの和犬だった。

すごいバカ犬で、お義父さんにしか懐かないから、

他の人間は決して近付いてはいけないと言われた。

お義父さんが、ご飯をあげに行く様子を見ていたら、

チロは凄く喜んでいて、でもそのチロを、お義父さんは、何度も殴っていた。

殴られても、喜ぶ姿勢を崩さないチロを見て、なんだか切なくなって、

その次の日から、私は、チロの世話係を買って出た。

咬まれてながらの、デンジャラス生活が始まったが、

知らない土地に嫁いだ私には、孤独を癒すには丁度良かった。

そうして半年が経った頃には、チロは私の唯一の友になっていた。

散歩で迷子になると、チロが家まで誘導してくれた。

怪しい男が話しかけてきた時なんて、吠えて守ってくれたのだ。

 

そんなある時、久しぶりに、もう1年振り程だろうか。

お義父さんがチロの方へ歩いて行くのを見つけた。

しまったと思ったが、これ見よがしに走って行き、

チロを守る勇気は、私には無かった。

 

しかしチロは、以前のように、お義父さんを見つけて、

鼻を鳴らしながら、狂おしい程に喜んだのだ。

殴られるかもしれないのに、それでもチロは喜んで見せた。

あまりに健気なその姿は、初めて見た時よりも

この眼に更に切なく映った。

 

チロは、バカ犬だから、殴られても喜んでいたのでしょうか?

違うと思うんです・・・

彼は、最期までお義父さんに忠誠を誓った、素晴らしい犬でした。

 

そこで、女性の声がして、ハッと気づいた。

「で、お義父さんは、その時やっぱ殴ったの?」という声に。

 

と、まぁ、そんな訳で、

私は待合室で、ついチロの事を、女性に話してしまっていたのです。

こんな所で、余計な事を話してしまったと猛省しながらも、

女性に応えるため、首を横に振りつつ、

さり気なく厳つい男を横目で見たら、

男はスパニエルちゃんの頭を優しく撫ぜていた。

 

きく「そんなヤツ、私だったら咬み付いてやるけどね。」

 

きく「バッチこ~い!手本を見せてやるよ」

 

きっと、大丈夫だよ。

 

きっと。

 

きく「あたしは、そろそろ、コイツを咬むけどな」

なんで?

しつこいから?

勘弁してやって~。