立春を迎えたところで、
私1人では、春を感じる器官がすっかり鈍っている。
おはようございます。
分厚いコートで全身を覆い、
下を向いて、そそくさと歩いているのだから無理もない。
その足を止めさせたのは、野良猫同士の喧嘩の声だった。
ただひたすらに寒さを凌いでいた野良猫たちが、動き出したようだ。
辺りを見回しても、姿は見えない。
その代わりに、
顔が黄みがかったハクセキレイが近づいてきた。
顔が黄色いから、すぐに見分けがつく。
よく出くわす、人懐っこいキイロちゃんだ。
先日の雪の日以来、見かけなかったが、無事だったようだ。
「キイロちゃん、もうすぐ春が来るよ。」
そう声を掛けると、キイロちゃんは黄色い顔を右に傾けた。
まるで、
「そんな事、知ってるよ」と、けろっと笑っているようだった。
生き物たちは、厳しい冬を乗り越えた悲壮感など微塵も感じず、
冬に一切の未練も残さず、
潔く軽やかに、春を知らせる風に乗って生きている。
その時、分厚いコートにしがみ付く私に、吹き付ける冷たい風が、
「もうすぐ春が来るよ」と歌っているように聞こえてきた。
それにしても、最近は眠い。
やたら、眠い。
あれ?
これって、春眠を先取りしてないるのではないか?
だったら、眠くっても仕方ないな。
春のせいだ!
私のどこかしらの器官が、春を感じているんだ・・・きっと。
そんな我が家の、のん太は、
年中、よく眠る。
猫の中でも、よく眠るタイプなんだ。
そして・・・
やっと起きてきたかい?
のんちゃん?
まだ寝ぼけとるんか?
その、顔!
のん太は、寝起きの顔が、凄まじい!