私は普段、
今日は何日かなど気に掛けない。
何曜日かが大事であって、何日かなんてどうでもいいんだ。
おはようございます。
火曜と金曜は、燃えるゴミの日で、
第一水曜日は金属ゴミを出し、第三水曜日には埋めるゴミを出す。
それさえ覚えていれば、我が家の平和は保てる。
けれど、昨日は特別な日だった。
曜日がではなく、日にちが特別な並びを示していた。
とはいえ、待ちわびていた訳じゃない。
仕事をしている最中、出納帳に日付を書き込んだ時、
「あっ、今日はうめさんの命日だ。」
と気付いた次第だ。
11月10日は、うめの命日だ。
待ちわびていた訳じゃないから、特別なことはしない。
うめとの日々を思い出す時間も設けずに過ごした。
むしろ、思い出そうにも記憶が遠すぎて、
脳内であっても、うめは蘇らない。
もう、恋しいという感情も見つからない。
その訳は、うめとよく似た猫が、我が家にやってきたせいかもしれない。
私はうめの生前、うめに伝えたことがある。
「うめさん、私はあんたが死んでも、もう一度会いたいとは言わない。
この世に生まれ変わってきて欲しいとは思わない。
もう一度、うめとの別れの儀式をするのは嫌だから。
ただ、もし生まれ変わって、ここへ来るなら、
お願い、まっすぐ来てちょうだいよ。
産まれたら、すぐに私のところへ来なさい。
親とはぐれて辛い思いをしたり、餓えに苦しんだり、怖い思いをせず、
私の所へ、真っすぐに来るんだよ。
もちろん、分かりやすい派手な外見でないと、ダメだ。
うめらしいインパクトのある姿でないと、私は気づけないから。
分かった?それが条件だ。」
と。
この条件に、ぴったり合っているのが、のん太だ。
のん太は産まれて数時間で、私の手の中に来た。
6兄妹がゆえ、熟女さんと手分けして育てようとなり、
その時、私はのん太を選ばなかった。
あの時もしかすると、うめさんは、
「おーい、おいおいおーい!」と叫んでいた?
しかし、だからなのかもしれないが、5日後に、
「この子だけ元気がないの」
と熟女さんが心配したのが、のん太だった。
当時は『からし』という仮名だったが、
「じゃ、こっちで世話してみるわね。」
と言って、私はのん太を連れて帰った。
その後順調に育ったから、
私は張り切って、のん太の里親さんを探したわけだが、
のん太は、そうなると体調を崩したり、
持ち直したから、再度プロフィール写真を撮ろうとすると、
もはや自ら、マヨネーズの中へ突っ込んで顔中をベタベタに汚した。
今考えると、
どんな手を使ってでも、この家に残ってやるという執念のようだった。
ねえ、うめさん?
のん太はうめの生まれ変わりだなんて、
私のバカバカしい空想物語だと思うかい?
まあ、それでもいい。
ただ、いずれにせよ、
のん太と出会えたのは、うめのおかげだと、私は勝手に感謝している。
のん太大好きっ子のあやさん?
あや「可愛いわね、コロンちゃんしてて」
あやは、知ってる?
あや「うふふふ、のんちゃん。」
ねえ、聞いて!
のん太ってさぁ・・・
あや「お手々コロンちゃんしてるわ~可愛いわ~」
ねえ、あやさん?
あや「あら、寝ちゃったわ。可愛いわ~」
もう、ええわい!
あやは、うめさんも大好きだったよね。
とにかく、うめさん、ありがとう。
うめ「今度こそ、ちゃんとしてってことじゃ!」
今度こそって?
前回はダメだったってこと?
そゆこと?