元気でいるということは、
非常に有難いことだ。
おはようございます。
かずこさんは、なんだかんだと元気だ。
そして、明るい。
ピャーっと笑って、プンっと怒る。
そんな様子を目の当たりにして、父は呟く。
「俺が先に逝ったら、どえらいことになるだろうな。」
ここ最近の天候のせいか、父は体調がイマイチらしい。
基礎疾患は無いにしても、88歳だ。
いつ何が起きても、可笑しくはない。
けれど私は、
「だから、頑張って」とは言えない。
頑固なクソジジィ、だったら早く逝って欲しいとも思っていない。
88歳に頑張れとは、もう言えないのだ。
だからこの際、私は、
「いつ何が起きても大丈夫。任せて!」と言ってやりたい。
そして実際、そう言ってみると、父さんは
「ん?うん。」
と答えた。
おい、ちょっと待て、ジジィ!
すごく不安がってるやんけ。
とてもじゃないが、お前になど任せられんと言わんばかりやんけ。
言ったものの、私は任せて欲しいとも思っていない。
本当に父さんが逝っちゃったらと想像すると、卒倒しそうだ。
そんな私と父の、それぞれの思惑が交錯する沈黙の中、
ゆらゆらと父の足元にやってきたチャー坊に向かって、
父は語り掛けた。
「チャー坊よ、チャーちゃん。お前、死ぬまでにはジジに触らせろよ?」
最近、チャー坊は父の近くにわざわざ来て、佇むようになってきた。
トイレや玄関へ向かうと、後追いもする。
けれど、まだ父に触らせるまでには至っていない。
「間に合うかねぇ?」
私がそう笑うと、父も、
「いやぁ、こりゃ間に合わんぞ~。」
と大笑いした。
老父とボケた母と不治の病を抱えた猫を乗せた運命の綱は、
少しずつほつれながら繋がっていく。
そんな我が家の元気娘は・・・
おたまを挑発して
ピャーっとダッシュ!
だけでは飽き足らず、次は
のん太をロックオンして
ピューっと飛んで行き
尻尾ポンポン!
あやさん、楽しかったかい?
あや「まだまだぁ。次はたれ蔵を蹴っちらかしてやるの。」
お元気で何より・・・。