maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

BOSTON浮世絵名品展

2008-11-30 08:57:45 | ART
29日の土曜日、両国の江戸東京博物館に行って参りました。



NYでコンサルタントとしてお仕事をしている友人が婚約者と一緒に一時帰国中・・・ゆえ、基本は外国人にザッと江戸から東京への歴史を見ていただくのにちょうど良い展示のある常設目当て。
全てではありませんが英語での説明文があったり、わたくしたちの補足説明でかなり彼にも興味を持っていただけたよう。

ご実家がBOSTON近郊ゆえ、地元で見るからいい、という彼を残して(笑)土曜日だけ19:30まで夜間開館の利点を活かして、連日混雑と伝えられる人気の企画展も比較的ゆっくりと見ることが出来ました。



大好きな鈴木春信の、これは没年である1770年の作品「寄菊」
4年あまりとあまりに短い天才の活躍期間ではありましたが、その情緒的でエレガントな作風と美しさは一大春信ブームを巻き起こしたとか・・・。
線の美しさ、調和のとれた構図、黒の効かせ方など、後のフランスのアールデコの時代のイラストレーターにも影響が見られる(バルビエにも通じるものを感じます)春信の作品が展示の最初の部分でたっぷり見られてこれだけでも足を運んだ甲斐があったというもの。



あまりに有名な葛飾北斎の「富嶽三十六景 山下白雨」
空の暈し、山の点描など技術的にも新しい試みを織り込んだ感覚の面白さ、端正な構図など、やはり実物は見ごたえがありますね。



北斎同様、幕末に活躍した歌川国芳の「讃岐院眷属をして為朝を救ふ図」
ドラマチックな構図と装飾的な波の表現が見事。

版画は、その前に常設展で、江戸時代の印刷業、の説明で、浮世絵の版木、刷り上がりまでの工程などを観ていたこともあり、絵師のみならず、その彫り師、摺り師の技の確かさが相まってこれほどの完成度の作品に集約されているのだなぁと感慨深いものがありました。

それにしても、今回の展示は日本初公開、とのことではありますが、ボストンでも5万点に及ぶコレクションを保管のためにほとんどが一般公開されることなく、研究材料としてのみ活用されてきた・・・と聞くと勿体無いように思う反面、保存状態の良さに、内心感謝したり・・・。

厳選137点、いずれも見ごたえのある作品ばかり。
今日が最終日ですがお時間のある方は是非ごらんになってみてください・・・