「リーズの結婚」の原題は「ラ・フィーユ・マル・ガルデ La fille mal gardee」
監督不行き届きな娘さん、といったところ。
お話はシンプルで、舞台はイギリスの田園地方。
年頃の娘リーズを、金持ちの葡萄園主トーマスの息子、アランに嫁がせようとする裕福な農家の女主人シモーヌ。
でもリーズにはもう素敵な恋人コーラスが。さてさて、どうなるのでしょう?
<第一幕>
左に大きな女神像、上にはタイトル、広がるのどかな田園風景・・・の洒脱なイラストの幕が上がると、農家の中庭。
朝です。上手に鶏小屋。
雄鶏が時を告げ、小屋から出ると、4羽の雌鶏がそれにつき従います。
鶏たちの朝の体操(?)
ロイヤルお得意?の着ぐるみで、ダンサーは大変でしょうが真っすぐな脚とときどきブルブルと身を震わせて膨らませる羽がとても愛らしい。
そこにリーズが小走りに現れます。均整のとれた容姿のマリアネラ、白いスカートの上にたくしあげたブルーのオーバースカート、白い刺繍の施された小さなエプロン、コルセットベストでウエストをフィットさせ、デコルテにギャザーが寄せられた袖なしの白いぺザントブラウスで登場。結いあげた髪の襟足近くにピンクのサテンをリボン結びにして飾っているのも可愛らしい。
もう、このあたりから、ほのぼのアシュトンワールドにどっぷりつかっています
コーラスのことを考えて踊る彼女ですが、彼は現れず。残念。手にしたピンクのリボン
を愛のしるしに結び付けておくと、後から現れた彼が見つけて嬉しそうにそれを手にした棒に結び付けます。
このピンクのリボン、後から、二人のパ・ド・ドゥでも、仲間たちとの田園の踊りでも大活躍。
パ・ド・ドゥではリボンを彼女のウエストに巻きつけながら、ピルエットで近づいたり離れたり・・で、二人がひとしきり踊るとあやとりのような形にリボンが出来上がっている、という趣向や、リーズがセンターでアティテュ―ドのままゆっくりと回るそのあげた手を起点に何本ものリボンが放射線状に広がり、その先端を男性群舞が持つ・・・など、美しいけれども失敗は許されない難易度Cのテクニックが満載。
これもまたアシュトンらしい・・・
コーラスのティアゴ・ソアレス、長身ダイナミック、コワモテのイケ面・・・な彼がコーラス?
イメージとしては往年のブルース・サンソムのような、繊細なテクニックを持ち、ちょっと少年っぽく優しげな風情のやや小柄なダンサーが合う役どころだと思っていたのですが、ソアレスは真逆。
でも、恐ろしく細かいステップやコミカルな小芝居、きれいなジュテなど踊りは合格。
全編に漂う、リーズとの微笑ましいラブラブ度も実生活でのパートナーだけあって、とてもイイ感じ。
次第にアイボリーに赤いバラ
の織のベストの衣装から違和感が薄れていくのを感じました(笑)
二人の逢瀬を見つけたシモーヌ、悪い虫はさっさと追い払い、リーズにバター作りを言いつけます。
でも、母親が立ち去るとすぐに戻ってくる彼。
農家の娘たちが現れてリーズを誘いますが上の空。
母に見つかり、お仕置き(お尻ペンペン!)を受けんとするそのとき、お客様。
アランを連れたトーマスです。
緊張しまくりのアラン。彼はちょっとオツムが弱く、いつもお気に入りの赤い傘を携えている男の子。
リーズのことは好きみたいでぎこちないながらも一生懸命アピールしようとするのがいじらしい。
リーズは面白がって観ていますが^^;
場面変わって農家の手伝いの若い男女が収穫に出かけます。
この場面、照明が実に美しい。イングランドのもっとも美しい季節、夏。
青い空、緑豊かな田園、実りの時、ミツバチの羽音が聞こえ爽やかな風が頬をなでる・・・コンスタブルの絵画の世界ですね。
収穫にリーズとアランも同行しますが、二人の間にコーラスが割って入ります。
リーズははっきりとそこで自分の心が誰にあるのかを示します。
アランは体面をつぶされて、シモーヌはそんなリーズに機嫌を損ねますが、あの踊りを踊ってよ!との皆のリクエストに応えて、んもう、仕方がないわねぇと木靴を取り出し、踊ります。
そう、シモーヌは男性ダンサーがオバサンキャラで踊るコミカルな役どころ。
男性ダンサーのオバキャラ、というのもイギリス好み?アラステア・マリオットはちょっとした女らしいしぐさが実に達者。
品が悪くない程度にコミカル、という節度のある笑いを熟知しています。
木靴の踊りはタップダンス。
すると空が暗くなり・・・。
突然の嵐!激しい風雨に皆逃げ惑います。
ここぞとばかり、ニッコリと赤い傘をさすアランが可愛い。
散り散りになった一行ですが、突然また陽が射しはじめ、世界は色彩を取り戻します。
この太陽の有無で自然が息づきまた、灰色一色の世界に沈むさまを湖水地方への旅で経験しているので、それを見事に再現した舞台には感動しました。
リーズとコーラスが出会い、二人だけで、まるで世界から祝福されているかのように、踊ります。
するとまた突如雨が・・・
突風でアラン(と傘)が宙に舞い、幕(笑)
あ、もちろん、第2幕に続きます!
監督不行き届きな娘さん、といったところ。
お話はシンプルで、舞台はイギリスの田園地方。
年頃の娘リーズを、金持ちの葡萄園主トーマスの息子、アランに嫁がせようとする裕福な農家の女主人シモーヌ。
でもリーズにはもう素敵な恋人コーラスが。さてさて、どうなるのでしょう?
<第一幕>
左に大きな女神像、上にはタイトル、広がるのどかな田園風景・・・の洒脱なイラストの幕が上がると、農家の中庭。
朝です。上手に鶏小屋。
雄鶏が時を告げ、小屋から出ると、4羽の雌鶏がそれにつき従います。
鶏たちの朝の体操(?)
ロイヤルお得意?の着ぐるみで、ダンサーは大変でしょうが真っすぐな脚とときどきブルブルと身を震わせて膨らませる羽がとても愛らしい。
そこにリーズが小走りに現れます。均整のとれた容姿のマリアネラ、白いスカートの上にたくしあげたブルーのオーバースカート、白い刺繍の施された小さなエプロン、コルセットベストでウエストをフィットさせ、デコルテにギャザーが寄せられた袖なしの白いぺザントブラウスで登場。結いあげた髪の襟足近くにピンクのサテンをリボン結びにして飾っているのも可愛らしい。
もう、このあたりから、ほのぼのアシュトンワールドにどっぷりつかっています

コーラスのことを考えて踊る彼女ですが、彼は現れず。残念。手にしたピンクのリボン

このピンクのリボン、後から、二人のパ・ド・ドゥでも、仲間たちとの田園の踊りでも大活躍。
パ・ド・ドゥではリボンを彼女のウエストに巻きつけながら、ピルエットで近づいたり離れたり・・で、二人がひとしきり踊るとあやとりのような形にリボンが出来上がっている、という趣向や、リーズがセンターでアティテュ―ドのままゆっくりと回るそのあげた手を起点に何本ものリボンが放射線状に広がり、その先端を男性群舞が持つ・・・など、美しいけれども失敗は許されない難易度Cのテクニックが満載。
これもまたアシュトンらしい・・・

コーラスのティアゴ・ソアレス、長身ダイナミック、コワモテのイケ面・・・な彼がコーラス?
イメージとしては往年のブルース・サンソムのような、繊細なテクニックを持ち、ちょっと少年っぽく優しげな風情のやや小柄なダンサーが合う役どころだと思っていたのですが、ソアレスは真逆。
でも、恐ろしく細かいステップやコミカルな小芝居、きれいなジュテなど踊りは合格。
全編に漂う、リーズとの微笑ましいラブラブ度も実生活でのパートナーだけあって、とてもイイ感じ。
次第にアイボリーに赤いバラ

二人の逢瀬を見つけたシモーヌ、悪い虫はさっさと追い払い、リーズにバター作りを言いつけます。
でも、母親が立ち去るとすぐに戻ってくる彼。
農家の娘たちが現れてリーズを誘いますが上の空。
母に見つかり、お仕置き(お尻ペンペン!)を受けんとするそのとき、お客様。
アランを連れたトーマスです。
緊張しまくりのアラン。彼はちょっとオツムが弱く、いつもお気に入りの赤い傘を携えている男の子。
リーズのことは好きみたいでぎこちないながらも一生懸命アピールしようとするのがいじらしい。
リーズは面白がって観ていますが^^;
場面変わって農家の手伝いの若い男女が収穫に出かけます。
この場面、照明が実に美しい。イングランドのもっとも美しい季節、夏。
青い空、緑豊かな田園、実りの時、ミツバチの羽音が聞こえ爽やかな風が頬をなでる・・・コンスタブルの絵画の世界ですね。
収穫にリーズとアランも同行しますが、二人の間にコーラスが割って入ります。
リーズははっきりとそこで自分の心が誰にあるのかを示します。
アランは体面をつぶされて、シモーヌはそんなリーズに機嫌を損ねますが、あの踊りを踊ってよ!との皆のリクエストに応えて、んもう、仕方がないわねぇと木靴を取り出し、踊ります。
そう、シモーヌは男性ダンサーがオバサンキャラで踊るコミカルな役どころ。
男性ダンサーのオバキャラ、というのもイギリス好み?アラステア・マリオットはちょっとした女らしいしぐさが実に達者。
品が悪くない程度にコミカル、という節度のある笑いを熟知しています。
木靴の踊りはタップダンス。
すると空が暗くなり・・・。
突然の嵐!激しい風雨に皆逃げ惑います。
ここぞとばかり、ニッコリと赤い傘をさすアランが可愛い。
散り散りになった一行ですが、突然また陽が射しはじめ、世界は色彩を取り戻します。
この太陽の有無で自然が息づきまた、灰色一色の世界に沈むさまを湖水地方への旅で経験しているので、それを見事に再現した舞台には感動しました。
リーズとコーラスが出会い、二人だけで、まるで世界から祝福されているかのように、踊ります。
するとまた突如雨が・・・
突風でアラン(と傘)が宙に舞い、幕(笑)
あ、もちろん、第2幕に続きます!