花組が二手に分かれて2015年の公演をスタートしました。
3代のTOPスターの相手役を務めた蘭乃はなさん退団後、100周年後半からの花組を率いる若きTOPスター89期の明日海りおと、宙組で手堅く新人公演の大作のヒロインでキャリアを積んできた96期の花乃まりあの新・TOPコンビのお披露目公演、それがこちら、「アーネスト・イン・ラブ」
■主演・・・明日海 りお、花乃 まりあ
ミュージカル
『Ernest in Love』
Book and Lyrics by Music by
ANNE CROSWELL LEE POCKRISS
原作/オスカー・ワイルド 脚本・作詞/アン・クロズウエル 作曲/リー・ポクリス
日本語脚本・歌詞、演出/木村 信司 翻訳/青鹿 宏二
“ERNEST IN LOVE is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI).
All authorized performance materials are also supplied by MTI.
421 West 54th Street, New York, New York 10019 USA
Phone: 212-541-4684 Fax: 212-397-4684 www.mtishows.com”
[解 説]
オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作に、アン・クロズウエルが脚本・作詞を、リー・ポクリスが作曲を手掛け1960年にオフ・ブロードウエイで上演された、陽気でお洒落なミュージカル。
宝塚歌劇では2005年に梅田芸術劇場メインホール、および日生劇場で上演されて以来、久々の再演となります。花組新トップコンビ明日海りお・花乃まりあのお披露目公演です。
歌の多い、コミカルで軽快なミュージカル作品。
観劇後 明るく楽しい気分で帰路につくことのできる、新春らしく、また若々しいTOPのお披露目公演らしい演目です。
初演と再演がそれぞれ、
アーネスト、グウェンドレン、アルジャーノン、セシリィの順に
1)2005年月組・・・瀬奈じゅん、彩乃かなみ、霧矢大夢、城咲あい
2)2005年花組・・・樹里咲穂、遠野あすか、蘭寿とむ、桜一花
といずれも歌うまだったり芸達者だったりと、ハマり役だっただけに初演ファンの期待値は高く、色々と辛口な予測もあったようですが、わたくし、今回が初見で、作品と役者のバランスで観たところ、とても今回の花組メンバーに合っていて楽しめた舞台でした^^
ストーリーはオスカ―・ワイルド原作だけあって設定や歌詞のそこここに風刺や諧謔的なユーモアが漂っていて実に楽しい。19世紀末ロンドンの、厳格な社交界と、そこでどこかのんびりと優雅に構える貴族の若者の生態が明るいムードで描き出されていて、宝塚作品としては主要な役が2カップルの4人の他には狂言回し的な執事、牧師、家庭教師の3人くらいしかいないので、あまたなスターの居場所がない感じがしますが、、今回はスター格をことごとく同時期上演の「風の次郎吉」に充てることで、バランスのとれた舞台となっています。
ロンドン在住貴族の青年アルジャーノンは、架空の友人バンバリーが田舎で闘病生活をおくっているというストーリーをこしらえて、厄介事を回避するとともに友人想いの人物という評判を得るちゃっかり者。
その友人ジャックは亡くなった資産家の養子ゆえ財産を管理し、孫娘の後見人として謹厳実直に暮らす
カントリーの暮らしから逃げ出すために架空の弟アーネストをこしらえ、彼の不始末を収束するためにしばしばロンドンを訪れなくてはならないと真逆の設定で同様に息抜きをしている似たもの同士。
ジャックをアーネストと信じていたアルジャーノンがその孫娘セシリィからの贈り物のシガレットケースに彫られた文字からその事実を知り、セシリィに興味を感じて、田舎の家を訪問。
叔父の不良の弟アーネストに娘らしい興味と憧れを持っていたセシリィのもとにアーネストを名乗ったアルジャーノンが現れ、ふたりは恋に落ちます。
一方、ロンドンで出会った、アルジャーノンの従妹であるグウェンドレンと婚約したジャックは、彼女が偽名のアーネストという名に執着していることを知り、一度亡くなったことにして、その弟の名を継ぐために洗礼を受け直すという作戦を考え実行・・・しようと田舎に戻るとそこにはアーネストを名乗るアルジャーノンが!
グウェンドレンとセシリィが初対面で、お互いに「アーネスト」と婚約していると主張して険悪になったり、ハンドバッグに入れられ手荷物預かり所で発見されたジャックの出自に難色を示すグウェンドレンの母親ブラックネル夫人を説得するうちに意外な事実が発覚し・・・で大団円!
■アーネスト(ジャック):明日海りお
みりおくんの生真面目でありながらゆるっと可愛らしい面がいい感じに役の個性とマッチ。
歌えて若々しくて。
調子の良い友人や思いこみの激しい恋人に振りまわされて右往左往する様子が微笑ましくて、先の大劇場での黄泉の帝王トート閣下と同じヒトとは思えません。
■グウェンドレン;花乃まりあ
どんな役でもそつなく、及第点で落ち着いて出来るコ、というイメージのかのちゃん。
とてつもなく合わないxxxということがない一方で、素晴らしい!これぞ当たり役!という強い印象も残してこなかったかのちゃんが個性豊かなカワイ子ちゃん揃いの花組で満を持してのTOP就任で、これからどう自分の個性を打ち出してくるのか、興味駸々。
お歌はやや低めの声で、高音を出そうとすると喉発声になってしまって響きが固いので、どうなのかな・・と思っていましたが、お姉さん格のグウェンドレンとということもあって、お歌はOKだったかと。演技も、初日の頃は固かったという感想も聴きましたが、楽前日の観劇では、こなれたコメディエンヌっぷりを見せてくれてなかなかチャーミングでした。
ただ、素顔化粧のお写真ですとふわっとした可愛らしい美人さんなのに、舞台メイクをするとシャープな顎の線が目立ってきつく見えてしまうのは、肌の質感がもとはパウダリーでふわっとしているのが、平面的になってしまうからなのか・・・と観察。みりおちゃんがベースメイクに時間をかけて、ポイントメイクはサッと仕上げるというのをどこかで読んだことがあるので、ご指導が入ると良いなと今後に期待。
多分、ヒールのブーツ着用のみりおちゃんと、フラットシューズのかのちゃんが並んで、あまり身長差がないので、デュエットダンスの時には相当膝を折っていらっしゃいますね。
大男揃いの宙組から比較的小柄な男役の多い花組への異動で、かなりダイエット頑張った!と思うかのちゃんですが、ヒールの低い靴のせいであまりスタイルが良く見えないのが気の毒ではあります。
■アルジャーノン: 芹香斗亜
ききちゃん(芹香)のルドルフを観ていないのですが、観た友人が、華があって皇太子!という気品もあってとても良かった!と力説していた通り、とても貴族のボンボン、という暢気な鷹揚さと上品さ、ちょっとちゃっかりしているけれども憎めない個性が出ていて確かに魅力的。
観ているうちに、この役を星組時代の凰稀かなめさんが演じたら・・・と想像し始めたらとまらなくなってしまって(笑)
柚希礼音さんがアーネスト、夢咲ねねちゃんがグウェンドレン、白華れみちゃんがセシリィ?まぁぴったり!
宙組への組替がなかったり、あってももっと遅ければ、メイちゃんの執事の裏辺りで出来たのでは・・・とまで妄想してしまいました。
■セシリィ: 城妃美伶
「小さな」セシリィ、星組時代は、星男としては小柄な礼真琴くんの相手役として新公・バウのヒロインを務めていた彼女、お顔は丸く四角くて小顔ではないけれど、丁度良いサイズ感で大柄なイメージはなかったのですが、花娘ファンからごつい大きいと言われている花乃さんよりも身長が高くてびっくり。
(ヒールの高さの問題かもしれませんが・・)
ききちゃんが長身小顔な男役さんなので、並びはどうかな?と思いましたが、丸顔ですがパーツが大きくて華やかなみれいちゃん。表情が豊かで無邪気な可愛さが出ていて、問題なく可愛いセシリィに見えました。
ジュリエットでも 難役「かもめ」の二―ナでも的確な演技をみせていましたが、今回も 夢見る夢子で思いこみの激しいちょっとヘンテコだけれども可愛いセシリィになりきっていましたね。
難しいナンバーも持ち前の綺麗なソプラノで、この学年にしては上出来かと。
■ブラックネル夫人: 悠真倫
専科のまりんさんが女役で怪演。
男役が演じる女役ならではのドスのきいた(笑)迫力が出ていて良かったです。
まりんさんは2005年の花組では牧師のチャジュブルを演じていらしたのですね^^
■レイン: 高翔みずき
前半、狂言回し的な執事役。
押しかける債権者たちに貴族が借金をするから経済が回っていると説き、(このとき「さーっぱりわかんねえ!」と合いの手を入れるタバコやの舞月なぎさくんがツボ)お茶をふるまって煙に巻く上品な執事。
色々と風刺が効いている部分を担当していらっしゃいます。
2005年花組公演でも同じ役を演じてらしたそう。
■チャジュブル: 夕霧らい
ちょっと一癖も二癖もある牧師様。
その怪しいところが良く出ていました^^安定感抜群。
■ミス・プリズム: 芽吹幸奈
セシリィの家庭教師。牧師様に想いを寄せる家庭教師は、昔ロマンス小説を上中下と書き起こした過去を持つばかりでなく、その小説をXXを間違えて・・・
のキーパーソン。
芽吹さんといえば、蘭寿さんの退団公演「ラスト・タイク―ン」でイメージの中の「ストーブの女」や、あきらくん(瀬戸かずや)と並んでみりおちゃん率いる社長秘書軍団でヒッチコックヒロインさながらのプラチナブロンドの夜会巻きで上品な大人の女役がハマる歌の上手なステキな上級生娘役さんとして注目している方。
このナンバーの多いミュージカル作品の振り分けに彼女の名前を見つけてワクワクしていたのですが、本領発揮はラストのデュエットダンスシーン。
二組のカップルが踊る綺麗な正統派のフィナーレなのですが、そのカゲソロが芽吹さんの美声で、クラシカルな夢の世界を最後にしっかりと描き出してくれました。
贔屓の退団公演が東京宝塚劇場で絶賛上演中ゆえ、どうするか迷った花組2作品でしたが、やはり一度観ておいて良かったです。
3代のTOPスターの相手役を務めた蘭乃はなさん退団後、100周年後半からの花組を率いる若きTOPスター89期の明日海りおと、宙組で手堅く新人公演の大作のヒロインでキャリアを積んできた96期の花乃まりあの新・TOPコンビのお披露目公演、それがこちら、「アーネスト・イン・ラブ」
■主演・・・明日海 りお、花乃 まりあ
ミュージカル
『Ernest in Love』
Book and Lyrics by Music by
ANNE CROSWELL LEE POCKRISS
原作/オスカー・ワイルド 脚本・作詞/アン・クロズウエル 作曲/リー・ポクリス
日本語脚本・歌詞、演出/木村 信司 翻訳/青鹿 宏二
“ERNEST IN LOVE is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI).
All authorized performance materials are also supplied by MTI.
421 West 54th Street, New York, New York 10019 USA
Phone: 212-541-4684 Fax: 212-397-4684 www.mtishows.com”
[解 説]
オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作に、アン・クロズウエルが脚本・作詞を、リー・ポクリスが作曲を手掛け1960年にオフ・ブロードウエイで上演された、陽気でお洒落なミュージカル。
宝塚歌劇では2005年に梅田芸術劇場メインホール、および日生劇場で上演されて以来、久々の再演となります。花組新トップコンビ明日海りお・花乃まりあのお披露目公演です。
歌の多い、コミカルで軽快なミュージカル作品。
観劇後 明るく楽しい気分で帰路につくことのできる、新春らしく、また若々しいTOPのお披露目公演らしい演目です。
初演と再演がそれぞれ、
アーネスト、グウェンドレン、アルジャーノン、セシリィの順に
1)2005年月組・・・瀬奈じゅん、彩乃かなみ、霧矢大夢、城咲あい
2)2005年花組・・・樹里咲穂、遠野あすか、蘭寿とむ、桜一花
といずれも歌うまだったり芸達者だったりと、ハマり役だっただけに初演ファンの期待値は高く、色々と辛口な予測もあったようですが、わたくし、今回が初見で、作品と役者のバランスで観たところ、とても今回の花組メンバーに合っていて楽しめた舞台でした^^
ストーリーはオスカ―・ワイルド原作だけあって設定や歌詞のそこここに風刺や諧謔的なユーモアが漂っていて実に楽しい。19世紀末ロンドンの、厳格な社交界と、そこでどこかのんびりと優雅に構える貴族の若者の生態が明るいムードで描き出されていて、宝塚作品としては主要な役が2カップルの4人の他には狂言回し的な執事、牧師、家庭教師の3人くらいしかいないので、あまたなスターの居場所がない感じがしますが、、今回はスター格をことごとく同時期上演の「風の次郎吉」に充てることで、バランスのとれた舞台となっています。
ロンドン在住貴族の青年アルジャーノンは、架空の友人バンバリーが田舎で闘病生活をおくっているというストーリーをこしらえて、厄介事を回避するとともに友人想いの人物という評判を得るちゃっかり者。
その友人ジャックは亡くなった資産家の養子ゆえ財産を管理し、孫娘の後見人として謹厳実直に暮らす
カントリーの暮らしから逃げ出すために架空の弟アーネストをこしらえ、彼の不始末を収束するためにしばしばロンドンを訪れなくてはならないと真逆の設定で同様に息抜きをしている似たもの同士。
ジャックをアーネストと信じていたアルジャーノンがその孫娘セシリィからの贈り物のシガレットケースに彫られた文字からその事実を知り、セシリィに興味を感じて、田舎の家を訪問。
叔父の不良の弟アーネストに娘らしい興味と憧れを持っていたセシリィのもとにアーネストを名乗ったアルジャーノンが現れ、ふたりは恋に落ちます。
一方、ロンドンで出会った、アルジャーノンの従妹であるグウェンドレンと婚約したジャックは、彼女が偽名のアーネストという名に執着していることを知り、一度亡くなったことにして、その弟の名を継ぐために洗礼を受け直すという作戦を考え実行・・・しようと田舎に戻るとそこにはアーネストを名乗るアルジャーノンが!
グウェンドレンとセシリィが初対面で、お互いに「アーネスト」と婚約していると主張して険悪になったり、ハンドバッグに入れられ手荷物預かり所で発見されたジャックの出自に難色を示すグウェンドレンの母親ブラックネル夫人を説得するうちに意外な事実が発覚し・・・で大団円!
■アーネスト(ジャック):明日海りお
みりおくんの生真面目でありながらゆるっと可愛らしい面がいい感じに役の個性とマッチ。
歌えて若々しくて。
調子の良い友人や思いこみの激しい恋人に振りまわされて右往左往する様子が微笑ましくて、先の大劇場での黄泉の帝王トート閣下と同じヒトとは思えません。
■グウェンドレン;花乃まりあ
どんな役でもそつなく、及第点で落ち着いて出来るコ、というイメージのかのちゃん。
とてつもなく合わないxxxということがない一方で、素晴らしい!これぞ当たり役!という強い印象も残してこなかったかのちゃんが個性豊かなカワイ子ちゃん揃いの花組で満を持してのTOP就任で、これからどう自分の個性を打ち出してくるのか、興味駸々。
お歌はやや低めの声で、高音を出そうとすると喉発声になってしまって響きが固いので、どうなのかな・・と思っていましたが、お姉さん格のグウェンドレンとということもあって、お歌はOKだったかと。演技も、初日の頃は固かったという感想も聴きましたが、楽前日の観劇では、こなれたコメディエンヌっぷりを見せてくれてなかなかチャーミングでした。
ただ、素顔化粧のお写真ですとふわっとした可愛らしい美人さんなのに、舞台メイクをするとシャープな顎の線が目立ってきつく見えてしまうのは、肌の質感がもとはパウダリーでふわっとしているのが、平面的になってしまうからなのか・・・と観察。みりおちゃんがベースメイクに時間をかけて、ポイントメイクはサッと仕上げるというのをどこかで読んだことがあるので、ご指導が入ると良いなと今後に期待。
多分、ヒールのブーツ着用のみりおちゃんと、フラットシューズのかのちゃんが並んで、あまり身長差がないので、デュエットダンスの時には相当膝を折っていらっしゃいますね。
大男揃いの宙組から比較的小柄な男役の多い花組への異動で、かなりダイエット頑張った!と思うかのちゃんですが、ヒールの低い靴のせいであまりスタイルが良く見えないのが気の毒ではあります。
■アルジャーノン: 芹香斗亜
ききちゃん(芹香)のルドルフを観ていないのですが、観た友人が、華があって皇太子!という気品もあってとても良かった!と力説していた通り、とても貴族のボンボン、という暢気な鷹揚さと上品さ、ちょっとちゃっかりしているけれども憎めない個性が出ていて確かに魅力的。
観ているうちに、この役を星組時代の凰稀かなめさんが演じたら・・・と想像し始めたらとまらなくなってしまって(笑)
柚希礼音さんがアーネスト、夢咲ねねちゃんがグウェンドレン、白華れみちゃんがセシリィ?まぁぴったり!
宙組への組替がなかったり、あってももっと遅ければ、メイちゃんの執事の裏辺りで出来たのでは・・・とまで妄想してしまいました。
■セシリィ: 城妃美伶
「小さな」セシリィ、星組時代は、星男としては小柄な礼真琴くんの相手役として新公・バウのヒロインを務めていた彼女、お顔は丸く四角くて小顔ではないけれど、丁度良いサイズ感で大柄なイメージはなかったのですが、花娘ファンからごつい大きいと言われている花乃さんよりも身長が高くてびっくり。
(ヒールの高さの問題かもしれませんが・・)
ききちゃんが長身小顔な男役さんなので、並びはどうかな?と思いましたが、丸顔ですがパーツが大きくて華やかなみれいちゃん。表情が豊かで無邪気な可愛さが出ていて、問題なく可愛いセシリィに見えました。
ジュリエットでも 難役「かもめ」の二―ナでも的確な演技をみせていましたが、今回も 夢見る夢子で思いこみの激しいちょっとヘンテコだけれども可愛いセシリィになりきっていましたね。
難しいナンバーも持ち前の綺麗なソプラノで、この学年にしては上出来かと。
■ブラックネル夫人: 悠真倫
専科のまりんさんが女役で怪演。
男役が演じる女役ならではのドスのきいた(笑)迫力が出ていて良かったです。
まりんさんは2005年の花組では牧師のチャジュブルを演じていらしたのですね^^
■レイン: 高翔みずき
前半、狂言回し的な執事役。
押しかける債権者たちに貴族が借金をするから経済が回っていると説き、(このとき「さーっぱりわかんねえ!」と合いの手を入れるタバコやの舞月なぎさくんがツボ)お茶をふるまって煙に巻く上品な執事。
色々と風刺が効いている部分を担当していらっしゃいます。
2005年花組公演でも同じ役を演じてらしたそう。
■チャジュブル: 夕霧らい
ちょっと一癖も二癖もある牧師様。
その怪しいところが良く出ていました^^安定感抜群。
■ミス・プリズム: 芽吹幸奈
セシリィの家庭教師。牧師様に想いを寄せる家庭教師は、昔ロマンス小説を上中下と書き起こした過去を持つばかりでなく、その小説をXXを間違えて・・・
のキーパーソン。
芽吹さんといえば、蘭寿さんの退団公演「ラスト・タイク―ン」でイメージの中の「ストーブの女」や、あきらくん(瀬戸かずや)と並んでみりおちゃん率いる社長秘書軍団でヒッチコックヒロインさながらのプラチナブロンドの夜会巻きで上品な大人の女役がハマる歌の上手なステキな上級生娘役さんとして注目している方。
このナンバーの多いミュージカル作品の振り分けに彼女の名前を見つけてワクワクしていたのですが、本領発揮はラストのデュエットダンスシーン。
二組のカップルが踊る綺麗な正統派のフィナーレなのですが、そのカゲソロが芽吹さんの美声で、クラシカルな夢の世界を最後にしっかりと描き出してくれました。
贔屓の退団公演が東京宝塚劇場で絶賛上演中ゆえ、どうするか迷った花組2作品でしたが、やはり一度観ておいて良かったです。