9日土曜日、ソワレで、行って参りました。
Corpo di Ballo del Teatro alla Scala, ミラノスカラ座バレエ団による「DON QUIXOTE」
今回の公演の主役は3組。
ロイヤルのタマラ・ロホとABTのホセ・カレーニョが初日とこの日のソワレ、
東バの上野水香さんとマリインスキーのレオニード・サラファーノフが2日目と最終日の日曜日。
そして、スカラ座のプリンシパル・ペアは土曜のマチネ一回のみで、マルタ・ロマーニャとミック・ゼーニが務めます。
スカラ座ペアも見てみたい気がしたのですが、今回はヌレエフ版と聞き、ワシーリエフ版で去年のバレフェス全幕特別プロで観たロホ、カレーニョのテクニシャン・ラテン・ペアがこの難易度の高い振付をどうこなすかに興味を惹かれ(カレーニョファンですし)手堅く(?)行ってみました。
MILANOスカラ座、と言えばオペラの殿堂、でもバレエでは・・・?
世界中の名バレリーナから相手役として引っ張りだこのアポロン的な長身・美男のロベルト・ボッレ、ギエムの相手役として呼ばれることもある成長著しいマッシモ・ムッルなどが籍を置いてはいますが、バレエ団としての実力ではそれほど話題になることもなく、来日もなんと今回が通算で3回目という少なさ。お手並み拝見、これはこれで楽しみです。
気持ちテンポ早めの前奏曲の後、幕が開くと・・・。
まずはドン・キホーテが諸国漫遊の旅を思いつく書斎のシーンですが、3人もの小間使いにサンチョ・パンサが絡んで大騒ぎ。ゼスチャーの大きさと表情の豊かさがさすがイタリア人。コミカルな素早い動きでこの祝祭的バレエがコメディデラルテの伝統に乗っ取って物語られるのであろうことを予測させます。
そして、主役2人、街一番の美女、気の強いキトリと伊達男、床屋のバジルを待ち受けるスペインの街の広場。華やかな赤い3段フリルのドレスに手にアバニコ(扇子)を持った女性たち、オレンジ系の衣装の男性たちでパッと明るく、細面で中高の顔立ち、表情豊かなイタリア顔が勢ぞろいすると、まるでナポリの喧騒を思い起こさせるよう・・・。
ロシアのバレエ団とも勿論英仏のカンパニーとも異なる趣。
群舞は・・・。
一人ひとりの動き、表情のつけ方を見ている分には心楽しく観ていられるのですが、なぜ?どうして?腕の角度、回転の速さなど、見事なまでにマイペース。
それぞれが音楽に遅れたりしているわけではないようですが・・・。
群舞としての振りが、輪郭を持たないバレエというものも珍しく、それはそれで興味深い・・・のでしょうかしらね(笑)?
キトリとバジルがそれぞれ、相手の気を惹くために浮気心を起こしてみせる応酬のような場面でキトリを称える男たち、バジルにうっとりしてみせる女性たちの呼吸はピッタリ。役者揃いで舞台を盛り立てます。
森の中での夢の場面は・・・。
キトリのタマラが、ここではドン・キホーテの夢の中の理想の姫、ドゥルシネア姫として登場。
おきゃんな街娘キトリとは打って変わって淑やかな佇まい。
ただ、踊り的な見せ場は少なく、群舞が揃っていないので残念ながらインパクトに欠けあまり印象に残るシーンにはなりえていなかった感が。
対照的に、最後、2人の結婚式の場面で踊られるファンダンゴは女性が黒に赤のアクセントがついたロングのフラメンコドレスに高い位置から黒のレースのスカーフと赤い薔薇をつけたスペイン風の髪飾りで何ともいえない壮麗な迫力があり、男性の黒に赤紫の海賊風なエレガントな衣装ともども、素晴らしいものでした。
ファンダンゴでリードを取るのは、美人で、一幕では街の踊り子を好演していたベアトリーチェ・カルボーネ(アレッシオのお姉さん)と、マチネでバジルを踊っていたミック・ゼーニ。
長身美形の2人がこのゴージャスな一団を率いて踊る様は一幅の絵のよう。
アンナ・アンニの衣装は、黒に様々な色調の赤、深みのある褪めたオレンジ、艶やかな赤紫からグレーに近い鳩羽色までの紫のバリエーション、抹茶色のニュアンスのあるゴールドなど色彩感覚がデリケートで豊か。フリルの取り方などにスペインらしさを出したラインもきれいで見事なものでした
Corpo di Ballo del Teatro alla Scala, ミラノスカラ座バレエ団による「DON QUIXOTE」
今回の公演の主役は3組。
ロイヤルのタマラ・ロホとABTのホセ・カレーニョが初日とこの日のソワレ、
東バの上野水香さんとマリインスキーのレオニード・サラファーノフが2日目と最終日の日曜日。
そして、スカラ座のプリンシパル・ペアは土曜のマチネ一回のみで、マルタ・ロマーニャとミック・ゼーニが務めます。
スカラ座ペアも見てみたい気がしたのですが、今回はヌレエフ版と聞き、ワシーリエフ版で去年のバレフェス全幕特別プロで観たロホ、カレーニョのテクニシャン・ラテン・ペアがこの難易度の高い振付をどうこなすかに興味を惹かれ(カレーニョファンですし)手堅く(?)行ってみました。
MILANOスカラ座、と言えばオペラの殿堂、でもバレエでは・・・?
世界中の名バレリーナから相手役として引っ張りだこのアポロン的な長身・美男のロベルト・ボッレ、ギエムの相手役として呼ばれることもある成長著しいマッシモ・ムッルなどが籍を置いてはいますが、バレエ団としての実力ではそれほど話題になることもなく、来日もなんと今回が通算で3回目という少なさ。お手並み拝見、これはこれで楽しみです。
気持ちテンポ早めの前奏曲の後、幕が開くと・・・。
まずはドン・キホーテが諸国漫遊の旅を思いつく書斎のシーンですが、3人もの小間使いにサンチョ・パンサが絡んで大騒ぎ。ゼスチャーの大きさと表情の豊かさがさすがイタリア人。コミカルな素早い動きでこの祝祭的バレエがコメディデラルテの伝統に乗っ取って物語られるのであろうことを予測させます。
そして、主役2人、街一番の美女、気の強いキトリと伊達男、床屋のバジルを待ち受けるスペインの街の広場。華やかな赤い3段フリルのドレスに手にアバニコ(扇子)を持った女性たち、オレンジ系の衣装の男性たちでパッと明るく、細面で中高の顔立ち、表情豊かなイタリア顔が勢ぞろいすると、まるでナポリの喧騒を思い起こさせるよう・・・。
ロシアのバレエ団とも勿論英仏のカンパニーとも異なる趣。
群舞は・・・。
一人ひとりの動き、表情のつけ方を見ている分には心楽しく観ていられるのですが、なぜ?どうして?腕の角度、回転の速さなど、見事なまでにマイペース。
それぞれが音楽に遅れたりしているわけではないようですが・・・。
群舞としての振りが、輪郭を持たないバレエというものも珍しく、それはそれで興味深い・・・のでしょうかしらね(笑)?
キトリとバジルがそれぞれ、相手の気を惹くために浮気心を起こしてみせる応酬のような場面でキトリを称える男たち、バジルにうっとりしてみせる女性たちの呼吸はピッタリ。役者揃いで舞台を盛り立てます。
森の中での夢の場面は・・・。
キトリのタマラが、ここではドン・キホーテの夢の中の理想の姫、ドゥルシネア姫として登場。
おきゃんな街娘キトリとは打って変わって淑やかな佇まい。
ただ、踊り的な見せ場は少なく、群舞が揃っていないので残念ながらインパクトに欠けあまり印象に残るシーンにはなりえていなかった感が。
対照的に、最後、2人の結婚式の場面で踊られるファンダンゴは女性が黒に赤のアクセントがついたロングのフラメンコドレスに高い位置から黒のレースのスカーフと赤い薔薇をつけたスペイン風の髪飾りで何ともいえない壮麗な迫力があり、男性の黒に赤紫の海賊風なエレガントな衣装ともども、素晴らしいものでした。
ファンダンゴでリードを取るのは、美人で、一幕では街の踊り子を好演していたベアトリーチェ・カルボーネ(アレッシオのお姉さん)と、マチネでバジルを踊っていたミック・ゼーニ。
長身美形の2人がこのゴージャスな一団を率いて踊る様は一幅の絵のよう。
アンナ・アンニの衣装は、黒に様々な色調の赤、深みのある褪めたオレンジ、艶やかな赤紫からグレーに近い鳩羽色までの紫のバリエーション、抹茶色のニュアンスのあるゴールドなど色彩感覚がデリケートで豊か。フリルの取り方などにスペインらしさを出したラインもきれいで見事なものでした
ここはナポリか??と思いました!(^o^)
細やかな色彩の衣装も見どころでしたよね。
バレエ団のレベルの割にはあちこち面白くて退屈はしませんでした。
明るさと華やかさは魅力でした♪
普段見慣れている(?)パリオペ、ロシアものとは全く異なるワ-ルド(笑)で、広場のシーンになったとたん、わたくしの頭の中では一瞬「タラタリララランララーン♪」と白鳥の湖の「ナポリ」のディベルティスマンの音楽が!
VISUAL的には大変満足の出来る舞台でしたが
夢のシーンのクラシック全開の場面では、ヌレエフ版ならもっと幾何学的にコールドの隊形が展開していく面白さが見えてきてもいいんじゃないかしら・・・などとせん無きことをつらつら考えてみたりして(^^;)
まぁこの辺りが、バレエ団の限界といえばそうなのかもしれませんが、ゲストとの絡みも絶妙で、舞台としての一体感、雰囲気の良さは一流バレエ団に(という比べ方も失礼かもしれませんが{汗})比肩していましたね{ルンルン}