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宝塚雪組新人公演「星逢一夜」東京宝塚劇場

2015-09-18 09:04:57 | TAKARAZUKA
2015年9月17日(木)18:30~
東京宝塚劇場にて、95期月城かなと主演の新人公演、「星逢一夜」を観て参りました。



主な配役
太字が新人公演

天野晴興[紀之介](三日月藩藩主の次男) 早霧 せいな 月城 かなと
泉(三日月藩の娘) 咲妃 みゆ 彩 みちる
源太(泉の幼なじみであり、晴興の親友) 望海 風斗 永久輝 せあ

《江戸城》
徳川吉宗(徳川幕府第8代将軍) 英真 なおき 真條 まから
猪飼秋定(幕府天文方筆頭の青年) 彩凪 翔 橘 幸
細川慶勝(熊本藩藩主、晴興のライバル) 月城 かなと 叶 ゆうり
久世正行(幕府老中) 奏乃 はると 和城 るな
貴姫(吉宗の姪) 大湖 せしる 有沙 瞳
豊姫(大名家の姫)/やまめ(夜鷹) 桃花 ひな 妃桜 ほのり
井上重之(幕府奏者番) 朝風 れい 瀬南海 はや
珠姫(大名家の姫)/かじか(夜鷹) 此花 いの莉 白峰 ゆり
寿姫(大名家の姫)/こがら(夜鷹) 雛月 乙葉 沙羅 アンナ
福姫(大名家の姫) 杏野 このみ 希良々 うみ
ゆり(夜鷹) 杏野 このみ 夢乃花 舞
鍋島直実(佐賀藩藩主) 桜路 薫 ゆめ 真音
寧姫(大名家の姫) 白峰 ゆり 琴羽 りり
かのこ(夜鷹) 蒼井 美樹 水沙 瑠流
嘉姫(大名家の姫) 沙羅 アンナ 美華 もなみ
立ち売り 妃桜 ほのり 咲妃 みゆ
藤堂高親(津藩藩主) 叶 ゆうり 汐聖 風美

《三日月藩・藩主方》
天野照興(三日月藩藩主、晴興の父) 久城 あす 鳳華 はるな
美和(晴興の母、三日月藩藩主の側室)/あおさぎ(夜鷹) 早花 まこ 星乃 あんり
鈴虫膳右衛門(晴興の養育係) 香綾 しずる 天月 翼
吉乃(美和の侍女)/あざみ(夜鷹) 千風 カレン 華蓮 エミリ
佐々甚五郎(三日月藩国元家老) 透真 かずき 叶 ゆうり
渡瀬義一郎(三日月藩家臣) 央雅 光希 璃央 じゅん
奥平玄二郎(三日月藩家臣) 悠斗 イリヤ *
瓜田彦三郎(三日月藩家臣) 橘 幸 碧月 れん
稲次勘四郎(三日月藩家臣) 真條 まから 麻斗 海伶

《三日月藩・民衆方》
浩(三日月藩の民、源太の母) 梨花 ますみ 愛 すみれ
氷太(三日月藩の民、晴興の友) 鳳翔 大 真地 佑果
汀(三日月藩の民、ちょび康の姉) 沙月 愛奈 花瑛 ちほ
泰三(三日月藩の民、晴興の友) 蓮城 まこと 諏訪 さき
湧(三日月藩の民、晴興の友) 透水 さらさ 妃華 ゆきの
雨吉(三日月藩の民、晴興の友) 真那 春人 桜路 薫
雲太(三日月藩の子供) 笙乃 茅桜 野々花 ひまり
ちょび康(三日月藩の民、晴興の友) 彩風 咲奈 陽向 春輝
江太(三日月藩の民、晴興の友) 煌羽 レオ 鳳華 はるな
悪童1(熊本藩の悪童) 煌羽 レオ 叶 ゆうり
滝(三日月藩の民、晴興の友) 愛 すみれ 月華 雪乃
清(三日月藩の民、晴興の友) 星乃 あんり 彩月 つくし
悪童2(熊本藩の悪童) 桜路 薫 叶海 世奈
染一(三日月藩の民、晴興の友) 天月 翼 星加 梨杏
悪童3(熊本藩の悪童) 天月 翼 彩波 けいと
雷太(三日月藩の子供) 花瑛 ちほ ゆめ 真音
悪童4(熊本藩の悪童) 和城 るな 眞ノ宮 るい
澪(三日月藩の民、晴興の友) 妃華 ゆきの 蒼井 美樹
永二(三日月藩の民、晴興の友) 真地 佑果 日和 春磨
汐太<青年>(泉の弟) 永久輝 せあ 縣 千
涼(三日月藩の民、晴興の友) 有沙 瞳 星南 のぞみ
凛(三日月藩の子供) 星南 のぞみ 羽織 夕夏
悪童6(熊本藩の悪童) 陽向 春輝 望月 篤乃
悪童5(熊本藩の悪童) 諏訪 さき 朝澄 希
汐太<幼年>(泉の弟) 月華 雪乃 羽織 夕夏
浪(三日月藩の民、晴興の友) 彩 みちる 桜庭 舞

今回が最後!の月城かなと新人公演主役。
本役の早霧さんが鋭くハイトーンのセリフと少年らしい爽やかさを生涯持ち続ける中で社会的役割に自由を絡め取られていく切なさをだしているとすれば、月城さんは、もとより落ち付いた雰囲気の美貌に寂しさを漂わせる少年時代から、切れ者のエリートだが人に弱みを見せない仮面をつけた江戸城での老中姿に風格すら漂わせ。
泉だけに見せる優しい思いがしみじみとシミ渡る芝居。
月城さんの和物のラブシーンは細やかな優しさと切なさが表情と手元やちょっとしたしぐさに現れ、品もあり、とても好きです。今回の作品でラストの櫓での泉との別れでそれが堪能できて嬉しかった。
11月バウホール初主演が決まっている「銀二貫」も楽しみです。

月城かなと主演といえば・・の2番手どころを務めてきた永久輝せあの成長ぶりも。
前回の「ルパン3世」の新公主役で男役としての強さと華と押し出しがグッと出てきた気がする本公演同様、意外にも男臭い源太でした。
本役望海さんの源太は果てしない優しさの中に深い強さと思いを秘めた子供の頃からどこか成熟している人物
と見えますが、永久輝源太はもっと若い男らしさが随所にほとばしって、それが子供の頃の隔ても屈託もない様から立場が変って再会した時の微妙な感じ(立派になった紀之介と主従関係にあることを受け入れづらい気持ち)や泉を間に挟んだ時の自分のものであると主張したいオスのサガのようなものがにじみ出て、より対立が鮮明になったような。故に、お互い言葉を尽くして解り合おうとする場面、どうしようもなく立場に縛られた晴興と自然の理から導かれた解決策を提示する源太の互いの主張は理解できてでも相いれないこともわかるという切なさの構図が鮮明になっていたような・・・。
丸太で死闘を尽くし、なおかつあきらめない源太が命がけで来ていることを察する背中合わせの場面の緊迫感、互いに良く理解し仲むつまじく幼少期を過ごした時間と同じ女性を愛した男達の真剣勝負、という全てが凝縮されたその一瞬の後、晴興は真剣を手に決着をつける決意をするのですね。
れいこひとこと二個イチで雪組若手スター街道を驀進中の2人の関係と時間全てが、電光が走るようなこの瞬間に煌めいて見えました。新人公演はまさに「時分の花」をみるものと実感した舞台でした。

本役咲妃さんの泉は、前回の「ルパン」新公でコケティッシュな錬金術師の助手の娘役(本役有沙瞳)を表情豊かに演じたチャーミングな彩みちるちゃん。
子供時代の勝気な様と母となってからのしみじみと落ち付いた風情がしっかりとセリフで演じ分けられていて咲妃さん同様、とても上手。ちょっと残念だったのが、晴興に抱きしめられての表情が、もともと和顔の童顔なこともあるかとは思うのですが、能面のように味気なかったこと・・・。まぁ、れいこちゃん(月城)が濃くて美しいお顔で心のままに表情を変えてくるのでそれとの対比では・・ということもありますし、まだ研3、99期生と若くての初主演なのでそれは求めすぎというものでしょう。

その有紗瞳ちゃんは大湖せしるさんのお役、美貌の才女、エキセントリックなところもありつつ、理知的に夫 晴興を支える高貴な姫、貴姫ですが、持ち前の愛嬌がほの見える、才女といっても冷徹なそれではなく、人々を驚かせて楽しむいたずらっ子のようなユーモアを解する女性かな、とも思え。
それだけに晴興を助けるために申し出た縁談、と言う流れ、田舎育ちながらも独自の視点で心のままに発言する晴興にただその美貌に興味をもっただけでなく、心の通じるものを感じて・・の本気での申し出だったように思えました。
それなのに夫となった晴興は泉を思って貴姫を避け続けるのですから気の毒ですね。

この公演の影のMVPは2人。
1人は多分満場一致で英真さん役徳川吉宗を立派に務めたウマすぎる研4、98期生真條まからくん。
良く通る声で位の高さ、厳しさ、人としての大きさ、晴興への期待と愛情全てを現して見事の一言。
「心中恋の大和路」の蜆売り役でその一声であの子ダレ?と客席を沸かせただけのことはありますね。
今すぐ専科入りしても大丈夫なレベルです。

後1人は研5、97期叶ゆうりくん。幕臣から悪童までどこにでもいる七面六脾の大活躍。
で、どの場面でもしっくりとそれらしくみえ、なおかつモブに沈みきらない絶妙のポジションで存在感もあるという。
彼女も今後が楽しみな人です。

他にも表情がくるくると変り、お芝居が好きなんだな~と思わせる、桜路薫くんにも注目。

あと、場面では夜鷹の場面の娘役が、ここ、本役でも豪華な面々なのですが、ほっそりとした美女ぞろいで芝居も上手く、惹きこまれした。TOP娘役咲妃みゆちゃんはここで出ていましたね。眼福な場面でした。




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