maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

「美女と野獣」バーミンガム・ロイヤル・バレエ

2008-01-11 05:15:20 | BALLET
6日の日曜日、今年最初のバレエ鑑賞として赴いたのは東京文化会館。
吉田都さん出演で話題の「コッペリア」とともに2003年の新作「美女と野獣」を引っさげての1995年以来13年ぶりの来日公演、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団です。



遡れば第2次世界大戦前、イギリスにバレエ団がなかった時代にニネット・ド・ヴァロワが設立した、ロイヤル・バレエ団とは姉妹のような関係にある”サドラーズ・ウェルズ”が1990年に改称したもの。
都さんがロイヤルに移籍する前に活躍し、今でも日本人ダンサーが多く活躍しており、古典に加え、芸術監督のデヴィット・ビントリーの魅力ある新作を有する気鋭のバレエ団として知られています。

この日の演目「美女と野獣」もビントリーが2003年に振付けた新作。
古くはジャン・マレー主演の耽美的なコクトーの映画、最近ではディズニーアニメでも知られているお話。
意地悪な2人のコミカルなシーンは「シンデレラ」、野獣の姿を脱ぎ捨てて最後に美しい王子が主人公と踊るGPDDなどは「くるみわり人形」と、古典バレエを髣髴をさせる場面のつなぎ合わせ・・・と言えなくはないのですが、ストーリーをしっかりととらえた演劇性の高さと解釈で、見ごたえのある舞台作品として楽しめました。

配役は以下の通り

音楽: グレン・ビュアー
振付: デヴィッド・ビントリー
装置・衣裳: フィリップ・プロウズ
照明: マーク・ジョナサン

ベル: 佐久間奈緒
野獣: イアン・マッケイ
ベルの父親(商人): デヴィッド・モース
ベルの姉 フィエール: ヴィクトリア・マール
ベルの姉 ヴァニテ: シルヴィア・ヒメネス
ムッシュー・コション: ドミニク・アントヌッチ
ワイルド・ガール: アンブラ・ヴァッロ
雌狐: 平田桃子
カラス: 山本康介
木こり: ジョナサン・ペイン
差し押さえ執行官: ジェームズ・グランディ
収税吏: ジョナサン・ペイン
祖母: マリオン・テイト
狩人、鳥、城の獣たち、結婚式の招待客: 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

指揮: バリー・ワーズワース
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ベルはエリシャ・ウィリスで見たかったのですが、足の怪我で降板。
佐久間さんははっきりとした顔立ちの演技力のあるダンサーで、強靭な脚をもつ安定したテクニックの持ち主。
わたくしのイメージの中のベルは読書好きの夢想家なのでもっとフワフワした雰囲気のダンサーで観たかったのですが、佐久間さんもとても良かったです。

続きは今夜・・・



Felice Anno Nuovo!

2008-01-05 02:32:43 | インポート
遅ればせながら・・・

新年おめでとうございます

お正月はエキサイティングに?のんびりと?
いかがお過ごしでしたでしょうか?

mariaは、元旦は午前はギリシャ文明の栄光と衰退の歴史をテーマにしたイギリスのドキュメンタリー、午後はNHK衛星のドキュメンタリー2007年受賞作品特集、夜は恒例のウィーンフィル、ニューイヤーコンサート、とTV尽くし。
2日は甥っ子と遊び、3日は京都の伏見稲荷へ。
4日はお着物整理(!)と読書(ニジンスキーの妹BronislavaNijinskaの「Early Memoirs」を年末神田のBooksBrothersで発見)であっという間のお正月でした。

元旦のTVは見ごたえがあったので、ちょっとご紹介。

<シリーズ地中海歴史紀行>
「民主主義誕生の地 アテネ 前編: 丘に集う市民パワー」
「民主主義誕生の地 アテネ 後編: 民主政治の腐敗とソクラテスの死」

2006年夏に放送、好評だったイギリスの歴史学者ベタ二ー・ヒュー女史が案内役を務めるシリーズ第3弾。
パルテノン神殿の復元や遺跡の発掘が進むアテネで、明らかになった、民主主義の原型をはぐくんだアテネがその都市国家を発展させ、没落に至るまでの100年を最新の学説を踏まえて検証する番組。
市民が参加するアテネの直接民主制は人口の3分の一を占める奴隷が労働を受け持つことによって生まれた市民の余暇によって実現したものであること、アテネが地中海の覇者となった理由である銀山発見による富と最新式の3段廻船による海戦での対ペルシャ戦略の詳細など、興味深い内容。

面白かったのが、人間の肉体美をリアルに表現するギリシャ彫刻の作り方として、直接人体を石膏で型取りして作成したのでは、という説。足の裏を見ると、指に実際の人間の体重の重みによる変形が見られることから、そのまま型を取ったのでは?という説が浮上したとか・・・。
素晴らしい技術、と信じられてきたことが意外な製作過程を経ていたという説には驚かされました・・・。