2013年8月8日(木)18:30~
東京宝塚劇場にて
星組「ロミオとジュリエット」Bパターン、絶賛上演中。チケットSOLD OUTの中、なんとしてでも・・と過熱人気の星組「ロミジュリ」。
その新人公演、大劇場でも絶賛だった、こちらの舞台を幸運にも観ることができました。17列目上手サイドブロック。
上級生席が前方9,10列目で、真風氏の後ろであることに満足(笑)
A.Bパターンの感想もまだなのに順序滅茶苦茶ですが(^^;)本当に良い舞台でしたので、覚書をまず先に・・・。
休憩なしの1時間50分の短縮版とあって、始まりはひろ香神父のナレーションからいきなり舞踏会のシーンに。
そこからはほぼ本公演通り。
《主な配役》 *( )内は本役
ロミオ 礼 真琴 (柚希 礼音)
ジュリエット 城妃 美伶 ( 夢咲 ねね)
ベンヴォーリオ 夏樹 れい (礼 真琴/紅 ゆずる)
ティボルト 麻央 侑希 (紅 ゆずる/真風 涼帆)
マーキューシオ 紫藤 りゅう ( 壱城 あずさ/天寿 光希)
ロレンス神父 ひろ香 祐 (英真 なおき)
乳母 妃海 風 ( 美城 れん)
死 十碧 れいや (真風 涼帆/麻央 侑希)
愛 凰羽 みらい ( 鶴美 舞夕/礼 真琴)
ヴェローナ大公 飛河 蘭 (十輝 いりす )
モンタギュー卿 凰姿 有羽 (美稀 千種)
モンタギュー夫人 珠華 ゆふ (花愛 瑞穂)
キャピュレット卿 漣 レイラ ( 一樹 千尋)
キャピュレット夫人 夢妃 杏瑠 (音花 ゆり)
パリス 音咲 いつき (天寿 光希/壱城 あずさ)
個別に感じたことをコメント
■ ロミオ 礼真琴
期待通り。フレッシュで歌が上手くてダンスもキレイ。演技も細やか。
しかも・・・。大劇場の新公の映像で観ると、14,15歳くらいのカワイイ少年の初恋、という感じだったのが、この日はもう少し青年になってちょっとカッコいい、男らしさの増したロミオに。ジュリエットが唐突なプロポーズに即答するのがうなずけるロミオでした^^
それでいて「僕は怖い」の熱唱は、運命に絡め取られるはかなさと予感になすすべのないよるべなさを感じさせて守ってあげたくなる弱さもみせ、起伏に富んだ豊かな役作りが出来ていたと思います。
それにしても、再演の「愛」だけでも通しで舞台に存在する大きな役なのに、スター役のベンヴォーリオとの役変わりしかも新人公演のロミオのこの完成度・・・。計り知れないキャパシティ。礼真琴おそるべし。
あ、大劇場ではひよこちゃんのようだったVISUALですが、ここでは、髪も丸顔に見えないように工夫してフォワード気味に動きをつけ、メイクも素顔のタレ目を上手くカバーしたキリッとした目もとに見えるシャドウづかいが出来てました^^
お衣装は、インに着る基本のフリル付きドレスシャツがブルーの細かい豹柄で、これは琴ちゃん仕様?
マントヴァ追放の水色のシャツにベージュの衣装は初演の柚希さんのものかしら。
挨拶でもたくさんのことを教えていただいて・・と柚希さんへの感謝を惜しみなく述べていましたが、もともと柚希さんファンの彼女、嬉しかったでしょうね^^
■ ジュリエット 城妃美伶
彼女に注目が集まったのは、早乙女わかばちゃん、綺咲愛理ちゃんという路線娘役揃い踏みの「ジャン・ルイ・ファージョン」でのロザリー役。とても可愛いのにお声が・・・の両名に対して、理想的な娘役発声の彼女に食いついた^^;星組ファン。それから「ロザリーちゃん」呼びで密かにおされていた彼女にSPOTが当たって喜ばしい限り。
ただ、お顔の輪郭が丸四角いのが唯一の難点・・・。
とはいえ、表情が可愛くて、演技が良く、透き通るようなソプラノの歌は魅力。
舞台度胸もバッチリで、舞踏会での2人きりのデュエットダンスで、ふたりが仮面を床に置いて向き合うシーン、さりげなく靴のストラップがはずれたのを落ち着いて処理していたのに感心しました。
あと、特筆すべきは、追放されたロミオとの一夜を過ごした後の覚悟の決め方、落ち着き方、が、バレエなどでは重要なポイントだと思っているのに、なぜか宝塚のロミジュリではあまり感じられなかった、少女から大人の女性への変化・・・を感じさせてくれた点。
彼女も期待以上のジュリエットだったと思います。あちこちで言われてますが、舞羽みみちゃんのジュリエットに近いかな?
■ 死 十碧れいや
もう・・・びっくりしました。美しくて!
頬にタトゥーシール付き白塗りメイクにトート閣下風味の後頭部ハーフアップの白いロングの鬘、お衣装は麻央くんの方をお召しでしたが、この姿が似合うこと!
そして、死、としての演技。動きにケレン味が溢れて、表情も白目をむいたり哄笑したりでかなり作り込んでいるのにもかかわらず、COOL BEAUTYであり続ける奇跡!
真風くんの死こそが殿堂入りだと思っていましたが、ここに来て強力なライバル登場?もう、Bパターンの死はこのヒトで良いような気がしてきました^^
■ ベンヴォーリオ 夏樹れい
発表時に、やった!と声にだして喜んでしまったのが、この配役。
美しくて歌もうまくて演技も良いので、もっと使って!と思っていたので、この抜擢は嬉しい限り。
乳母とのきれいは汚いの場面でのイケメンっぷりも相当ですが、なんと言っても、ロミオ追放後の苦悩と「どうやって伝えよう」の丁寧な熱唱。言葉のひとつひとつの意味をかみしめるような、気持ちがこもっていてそれでいながら感情に振りまわされ過ぎない絶妙なバランスのとれた名唱だったかと。
そして、マントヴァで嬉しそうなロミオにジュリエットの死を告げる場面、そっと優しく、ロミオの気持ちに寄りそうように「ジュリエットは・・・亡くなったよ」と言うのですね。
繊細な心あるベンヴォーリオでした。
VISUAL的にも歌の質的にも、琴ロミオとの相性が良く、この2人は確かに小さなころから一緒に育ってきたんだなと思わせるものがありました。
あ、ぼくがロミオですと乳母をからかう場面、乳母には「こんなライオンのような男に?」と言われていました^^
■ ティボルト 麻央侑希
VISUAL的にはぴったりですね。
ただ、舞踏会のシ―ンから始まったので、まだ乗り切れていないところでの銀橋ソロだったから・・でしょうか。
「本当の俺じゃない」は 歌うま揃いのこの新公メンバーのこれから続くであろう名唱の数々に汚点を残す黒歴史になるのでは・・との不安が。やや不安定感が否めませんでしたが、ジュリエットとロミオの結婚を知ってからの「今日こそその日」は赤チームメンバー女子のアダルトな絡みの盛り上げ方の上手さも手伝ってか、ノリノリな熱唱でとても良かったです。
・・・というように、ムラがあるのが麻央くんのデフォルト^^;ですが、驚いたのが、冒頭から、漣レイラくんらの台詞が続いた時に麻央くんが出てくると、シュッと舞台が締まったことです。さすが、真風くんに続いて機会を与えられている劇団押しのスターならでは、とそこは感心。
■ キャピュレット夫人 夢妃杏瑠
上手いです。色っぽさと存在感の格の高さ、新公ばなれしているレベルを超えて、宝塚だけでなく、どこでも通用しますね。今すぐ、外部(東宝)のメンバー入りしても、大丈夫。彼女ならやっていけると思います。
■ 乳母 妃海風
「南太平洋」ヒロインを好演した後の配役発表だったので、風ちゃんのジュリエットの可能性もあるかな?と期待していたのですが・・・。初年の白華れみちゃん同様、乳母でしたね。
お衣装は美城れんさんのもので、大きく作っていましたが、お顔は素を活かし、特に年配者の演技と言うわけでもなく、持ち味を活かして、明るく若く活発で可愛げのある乳母でした。
既婚で亭主に死別しての乳母就労・・というキャリアを考えても、この頃のイタリアではまだ30代としてもおかしくはないので、こういうサザエさんみたいな乳母もありかなと^^
ジュリエットを思ってのソロは、ソウルフルな歌い上げ系。さすが、上手いです。
朗々と・・となってしまうので、この手の歌唱だと泣けないのですよね^^;
白眉は神父との2重唱。
ロミオと3人95期の同期並びなのですね。すでにTOP娘役を2人輩出しているスター候補・若手スター揃いの宝塚のタカラのようなこの95期の首席がロミオ、成績2番が神父、そして、轟理事のバウヒロインが乳母でこの場面に集結している・・・と思うと胸が高鳴ります^^;
3人とも持ち味が陽なので、この場面、なんとも素晴らしくポジティブな歌にクラクラしました。
~ここまでが特に印象に残った方々~
■ キャピュレット卿 漣レイラ
VISUAL完璧。髭も似合うし細かくウエーブしたロングソバ―ジュもお似合いな、色気たっぷりの熟年紳士。
ただ、そのアダルトな外見とはアンバランスな細い声質で損をしていますね。
歌は下手、というほどではありませんが、セリフ声が時々聞き取りにくいのが課題でしょうか。。。
■ 愛 凰羽みらい
ぱっと見、お顔が面長で目の位置が高く、小さな目をアイラインで囲んで更に埋もれて見せるメイクダウンになっているせいか、表情で「愛」かというと、本役とは大きく異なりますね。
ただ、踊り出すと、長身で体のラインがきれいなのに加え、アカデミックなクラシックバレエの素養を感じさせる質の踊りが心地よく、好感を持ちました。
筋肉質な身体でシャープに抽象的な愛を表現する鶴美舞夕さんの愛とも、どこまでもしなやかに表情も穏やかで包み込むようなまろやかな礼真琴ちゃんの愛とも違う役作りで、これはこれで良いかも・・・。
あとはメイクを要・研究ですね!
■ ロレンス神父 ひろ香祐
もともと笑顔キングで、温かな人柄がにじみ出るVISUALで、安定した好感度の高さを誇る?「みんな大好きひろ香祐くん」ですから、きっと英真さん以上にウォーム感いっぱいの神父様に違いない・・との思い込みを軽く破ってくれました。
若くてシュッとしている(笑)。
とにかく声の通りが良く、歌も安定。
ただ、ロミオが結婚したいと告げに来たシーン、2人だけのやり取りの台詞に滲ませる心、間の取り方など、行間を埋めるために、英真さんは相当演技を積み重ねて作っているのだということが良く分かりました。
優等生のひろ香くんを持ってしてもやや淡白に思えましたので・・・。
翻ってマントヴァ行きを勧める乳母との3人の場面、ここは素晴らしかったです。
若い2人にアドヴァイスする時の声がハッキリと明快で、そこはかとない威厳もあるため、神父の謀がその後あのような結果を生むとは・・・想像もつかなかったことでしょうね^^;
■ キャピュレット女 早乙女わかば
バウ公演のヒロイン経験豊富な若手娘役スターのわかばちゃん、今回はアンサンブルですが、さすがに存在感と華があって目立ちます^^
麻央くんティボルトにキャピュレットレディたちが色っぽく絡むところ、わかばちゃんはちょっとコケティッシュに作ってきていてCUTE.ティボルト落命時の嘆きも深くて・・・。
他にも若手男役でキレイなヒトが青・赤チームにそれぞれいたり、(名前はわからず)色々と発見があるのも新公の楽しみですね^^
御挨拶では、涙に崩れることもなく、しっかりと、各方面への感謝(特に本役のTOPスター柚希さんへ)を述べていた礼真琴くんでしたが、デマチのファンの方への挨拶では、明日から東京公演が始まります!と言っていたので、やはり初の新公主役の重圧はすさまじいものがあったのでしょうね・・・・。
真ん中を経験して、更に深まるであろう愛とベンヴォーリオ、あと一度ずつ観劇の機会がありますので、新公前との違いなど、楽しみにしたいと思います
■■
東京宝塚劇場にて
星組「ロミオとジュリエット」Bパターン、絶賛上演中。チケットSOLD OUTの中、なんとしてでも・・と過熱人気の星組「ロミジュリ」。
その新人公演、大劇場でも絶賛だった、こちらの舞台を幸運にも観ることができました。17列目上手サイドブロック。
上級生席が前方9,10列目で、真風氏の後ろであることに満足(笑)
A.Bパターンの感想もまだなのに順序滅茶苦茶ですが(^^;)本当に良い舞台でしたので、覚書をまず先に・・・。
休憩なしの1時間50分の短縮版とあって、始まりはひろ香神父のナレーションからいきなり舞踏会のシーンに。
そこからはほぼ本公演通り。
《主な配役》 *( )内は本役
ロミオ 礼 真琴 (柚希 礼音)
ジュリエット 城妃 美伶 ( 夢咲 ねね)
ベンヴォーリオ 夏樹 れい (礼 真琴/紅 ゆずる)
ティボルト 麻央 侑希 (紅 ゆずる/真風 涼帆)
マーキューシオ 紫藤 りゅう ( 壱城 あずさ/天寿 光希)
ロレンス神父 ひろ香 祐 (英真 なおき)
乳母 妃海 風 ( 美城 れん)
死 十碧 れいや (真風 涼帆/麻央 侑希)
愛 凰羽 みらい ( 鶴美 舞夕/礼 真琴)
ヴェローナ大公 飛河 蘭 (十輝 いりす )
モンタギュー卿 凰姿 有羽 (美稀 千種)
モンタギュー夫人 珠華 ゆふ (花愛 瑞穂)
キャピュレット卿 漣 レイラ ( 一樹 千尋)
キャピュレット夫人 夢妃 杏瑠 (音花 ゆり)
パリス 音咲 いつき (天寿 光希/壱城 あずさ)
個別に感じたことをコメント
■ ロミオ 礼真琴
期待通り。フレッシュで歌が上手くてダンスもキレイ。演技も細やか。
しかも・・・。大劇場の新公の映像で観ると、14,15歳くらいのカワイイ少年の初恋、という感じだったのが、この日はもう少し青年になってちょっとカッコいい、男らしさの増したロミオに。ジュリエットが唐突なプロポーズに即答するのがうなずけるロミオでした^^
それでいて「僕は怖い」の熱唱は、運命に絡め取られるはかなさと予感になすすべのないよるべなさを感じさせて守ってあげたくなる弱さもみせ、起伏に富んだ豊かな役作りが出来ていたと思います。
それにしても、再演の「愛」だけでも通しで舞台に存在する大きな役なのに、スター役のベンヴォーリオとの役変わりしかも新人公演のロミオのこの完成度・・・。計り知れないキャパシティ。礼真琴おそるべし。
あ、大劇場ではひよこちゃんのようだったVISUALですが、ここでは、髪も丸顔に見えないように工夫してフォワード気味に動きをつけ、メイクも素顔のタレ目を上手くカバーしたキリッとした目もとに見えるシャドウづかいが出来てました^^
お衣装は、インに着る基本のフリル付きドレスシャツがブルーの細かい豹柄で、これは琴ちゃん仕様?
マントヴァ追放の水色のシャツにベージュの衣装は初演の柚希さんのものかしら。
挨拶でもたくさんのことを教えていただいて・・と柚希さんへの感謝を惜しみなく述べていましたが、もともと柚希さんファンの彼女、嬉しかったでしょうね^^
■ ジュリエット 城妃美伶
彼女に注目が集まったのは、早乙女わかばちゃん、綺咲愛理ちゃんという路線娘役揃い踏みの「ジャン・ルイ・ファージョン」でのロザリー役。とても可愛いのにお声が・・・の両名に対して、理想的な娘役発声の彼女に食いついた^^;星組ファン。それから「ロザリーちゃん」呼びで密かにおされていた彼女にSPOTが当たって喜ばしい限り。
ただ、お顔の輪郭が丸四角いのが唯一の難点・・・。
とはいえ、表情が可愛くて、演技が良く、透き通るようなソプラノの歌は魅力。
舞台度胸もバッチリで、舞踏会での2人きりのデュエットダンスで、ふたりが仮面を床に置いて向き合うシーン、さりげなく靴のストラップがはずれたのを落ち着いて処理していたのに感心しました。
あと、特筆すべきは、追放されたロミオとの一夜を過ごした後の覚悟の決め方、落ち着き方、が、バレエなどでは重要なポイントだと思っているのに、なぜか宝塚のロミジュリではあまり感じられなかった、少女から大人の女性への変化・・・を感じさせてくれた点。
彼女も期待以上のジュリエットだったと思います。あちこちで言われてますが、舞羽みみちゃんのジュリエットに近いかな?
■ 死 十碧れいや
もう・・・びっくりしました。美しくて!
頬にタトゥーシール付き白塗りメイクにトート閣下風味の後頭部ハーフアップの白いロングの鬘、お衣装は麻央くんの方をお召しでしたが、この姿が似合うこと!
そして、死、としての演技。動きにケレン味が溢れて、表情も白目をむいたり哄笑したりでかなり作り込んでいるのにもかかわらず、COOL BEAUTYであり続ける奇跡!
真風くんの死こそが殿堂入りだと思っていましたが、ここに来て強力なライバル登場?もう、Bパターンの死はこのヒトで良いような気がしてきました^^
■ ベンヴォーリオ 夏樹れい
発表時に、やった!と声にだして喜んでしまったのが、この配役。
美しくて歌もうまくて演技も良いので、もっと使って!と思っていたので、この抜擢は嬉しい限り。
乳母とのきれいは汚いの場面でのイケメンっぷりも相当ですが、なんと言っても、ロミオ追放後の苦悩と「どうやって伝えよう」の丁寧な熱唱。言葉のひとつひとつの意味をかみしめるような、気持ちがこもっていてそれでいながら感情に振りまわされ過ぎない絶妙なバランスのとれた名唱だったかと。
そして、マントヴァで嬉しそうなロミオにジュリエットの死を告げる場面、そっと優しく、ロミオの気持ちに寄りそうように「ジュリエットは・・・亡くなったよ」と言うのですね。
繊細な心あるベンヴォーリオでした。
VISUAL的にも歌の質的にも、琴ロミオとの相性が良く、この2人は確かに小さなころから一緒に育ってきたんだなと思わせるものがありました。
あ、ぼくがロミオですと乳母をからかう場面、乳母には「こんなライオンのような男に?」と言われていました^^
■ ティボルト 麻央侑希
VISUAL的にはぴったりですね。
ただ、舞踏会のシ―ンから始まったので、まだ乗り切れていないところでの銀橋ソロだったから・・でしょうか。
「本当の俺じゃない」は 歌うま揃いのこの新公メンバーのこれから続くであろう名唱の数々に汚点を残す黒歴史になるのでは・・との不安が。やや不安定感が否めませんでしたが、ジュリエットとロミオの結婚を知ってからの「今日こそその日」は赤チームメンバー女子のアダルトな絡みの盛り上げ方の上手さも手伝ってか、ノリノリな熱唱でとても良かったです。
・・・というように、ムラがあるのが麻央くんのデフォルト^^;ですが、驚いたのが、冒頭から、漣レイラくんらの台詞が続いた時に麻央くんが出てくると、シュッと舞台が締まったことです。さすが、真風くんに続いて機会を与えられている劇団押しのスターならでは、とそこは感心。
■ キャピュレット夫人 夢妃杏瑠
上手いです。色っぽさと存在感の格の高さ、新公ばなれしているレベルを超えて、宝塚だけでなく、どこでも通用しますね。今すぐ、外部(東宝)のメンバー入りしても、大丈夫。彼女ならやっていけると思います。
■ 乳母 妃海風
「南太平洋」ヒロインを好演した後の配役発表だったので、風ちゃんのジュリエットの可能性もあるかな?と期待していたのですが・・・。初年の白華れみちゃん同様、乳母でしたね。
お衣装は美城れんさんのもので、大きく作っていましたが、お顔は素を活かし、特に年配者の演技と言うわけでもなく、持ち味を活かして、明るく若く活発で可愛げのある乳母でした。
既婚で亭主に死別しての乳母就労・・というキャリアを考えても、この頃のイタリアではまだ30代としてもおかしくはないので、こういうサザエさんみたいな乳母もありかなと^^
ジュリエットを思ってのソロは、ソウルフルな歌い上げ系。さすが、上手いです。
朗々と・・となってしまうので、この手の歌唱だと泣けないのですよね^^;
白眉は神父との2重唱。
ロミオと3人95期の同期並びなのですね。すでにTOP娘役を2人輩出しているスター候補・若手スター揃いの宝塚のタカラのようなこの95期の首席がロミオ、成績2番が神父、そして、轟理事のバウヒロインが乳母でこの場面に集結している・・・と思うと胸が高鳴ります^^;
3人とも持ち味が陽なので、この場面、なんとも素晴らしくポジティブな歌にクラクラしました。
~ここまでが特に印象に残った方々~
■ キャピュレット卿 漣レイラ
VISUAL完璧。髭も似合うし細かくウエーブしたロングソバ―ジュもお似合いな、色気たっぷりの熟年紳士。
ただ、そのアダルトな外見とはアンバランスな細い声質で損をしていますね。
歌は下手、というほどではありませんが、セリフ声が時々聞き取りにくいのが課題でしょうか。。。
■ 愛 凰羽みらい
ぱっと見、お顔が面長で目の位置が高く、小さな目をアイラインで囲んで更に埋もれて見せるメイクダウンになっているせいか、表情で「愛」かというと、本役とは大きく異なりますね。
ただ、踊り出すと、長身で体のラインがきれいなのに加え、アカデミックなクラシックバレエの素養を感じさせる質の踊りが心地よく、好感を持ちました。
筋肉質な身体でシャープに抽象的な愛を表現する鶴美舞夕さんの愛とも、どこまでもしなやかに表情も穏やかで包み込むようなまろやかな礼真琴ちゃんの愛とも違う役作りで、これはこれで良いかも・・・。
あとはメイクを要・研究ですね!
■ ロレンス神父 ひろ香祐
もともと笑顔キングで、温かな人柄がにじみ出るVISUALで、安定した好感度の高さを誇る?「みんな大好きひろ香祐くん」ですから、きっと英真さん以上にウォーム感いっぱいの神父様に違いない・・との思い込みを軽く破ってくれました。
若くてシュッとしている(笑)。
とにかく声の通りが良く、歌も安定。
ただ、ロミオが結婚したいと告げに来たシーン、2人だけのやり取りの台詞に滲ませる心、間の取り方など、行間を埋めるために、英真さんは相当演技を積み重ねて作っているのだということが良く分かりました。
優等生のひろ香くんを持ってしてもやや淡白に思えましたので・・・。
翻ってマントヴァ行きを勧める乳母との3人の場面、ここは素晴らしかったです。
若い2人にアドヴァイスする時の声がハッキリと明快で、そこはかとない威厳もあるため、神父の謀がその後あのような結果を生むとは・・・想像もつかなかったことでしょうね^^;
■ キャピュレット女 早乙女わかば
バウ公演のヒロイン経験豊富な若手娘役スターのわかばちゃん、今回はアンサンブルですが、さすがに存在感と華があって目立ちます^^
麻央くんティボルトにキャピュレットレディたちが色っぽく絡むところ、わかばちゃんはちょっとコケティッシュに作ってきていてCUTE.ティボルト落命時の嘆きも深くて・・・。
他にも若手男役でキレイなヒトが青・赤チームにそれぞれいたり、(名前はわからず)色々と発見があるのも新公の楽しみですね^^
御挨拶では、涙に崩れることもなく、しっかりと、各方面への感謝(特に本役のTOPスター柚希さんへ)を述べていた礼真琴くんでしたが、デマチのファンの方への挨拶では、明日から東京公演が始まります!と言っていたので、やはり初の新公主役の重圧はすさまじいものがあったのでしょうね・・・・。
真ん中を経験して、更に深まるであろう愛とベンヴォーリオ、あと一度ずつ観劇の機会がありますので、新公前との違いなど、楽しみにしたいと思います
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