マリアテレジアの独り言

日々の生活の中で見つける・・
  小さな感動をつづります。

青春18切符春の旅・・『ちりとてちん』 の焼鯖を求めて

2008-03-24 20:38:57 | 父の日。母の日。結婚記念日。
   『ちりとてちん』朝ドラを半年間楽しみ、いよいよ最終となりました

『ちりとてちん』は、小浜が舞台でした。そこは、塗り箸と鯖の名産地。
旅人の私としては、春一番の青春18旅行は、小浜の焼鯖を食べに行きましょうと決めました。

7:44 明石駅で、18切符に相棒と私分の2個のスタンプを押してもらい、西舞鶴目指して旅の始まりです。  京都、園部、綾部で乗り換え、11:14西舞鶴着。
太平洋の見える明石から、日本海の見える西舞鶴まで、最短時間で3時間半でした。そこには、静かな日本海の街が開けています。

電車を乗り換えて西舞鶴から小浜に行くのですが、電車は2時間に一本しか出ていません。 更に、小浜に着いて、『焼鯖』を40分間で大急ぎで食べて、西舞鶴にもどる電車に飛び乗って、どこにも寄らないで明石にもどったとしても、夜中の11時過ぎになってしまいます。
明るく暖かい太平洋側と、まだ道に積み上げられた雪があちこちにみられる日本海側とでは、様子が大きく違います。
舞鶴の辺りは、、電車の本数も少ないし、町中に人影があまりみられないのにも、非常に驚きました。

『小浜で焼鯖を食べる旅』 は諦めることにして、『舞鶴で焼鯖と海の幸を食べる旅』に、変更です。
目的の『焼鯖』を食べられる店を舞鶴で探しましたが、店が見つかりません。
『とれとれセンター』をみつけ、ここなら新鮮な若狭湾の魚があるでしょうと思い、期待に胸ふくらませました。 
中の小さな店が一軒だけ、焼鯖を焼いていました。「若狭湾の鯖は美味しいでしょうね?」の私の質問。「いいえ。この鯖は、ノルウエー産です。」と、店員さんの答。 
若狭の焼鯖そのものを諦めるしかありませんでした。
とれとれセンターの沢山の店が、店頭で売っている甘エビは、ロシア産でした。
楽しみにしていた「へしこ」の鯖も、ノルウエー産です。
地元の『とれとれセンター』での、この実体に、2度目の大きな驚きでした。

地元の人が話されました。「西舞鶴も宮津も、過疎地化がすすみ、若い人が少なくなり、人口も少なくなってしまいました。高齢化した町は、収入が減り、市の借金も莫大です。贅沢なんて全然出来ません。若狭湾で捕れた鯖や甘エビ等は、京都や大阪で高く買ってくれるので、そちらに売って大切な収入にしています。 私達地の者は、外国産の鯖や海老を食べるのです。 町全体が貧しく食べに行く人もいないし、魚も地元にに残らないので、人気のあった三軒の鮨屋もつぶれたよ。」との話しでした。

美しい若狭湾全ぼうを眺められる五老ヶ岳に、車で登りました。
美しい景色を眺めながら、その美しさの中に寂しさを感じざるをえませんでした。
どの世界にも浮き彫りにされてきて大問題となっている、格差の現実を、今日の旅でもしっかりと私の目で見ました。 どう考え、変えていけば良いのでしょう? 

とれとれセンターで、目の前で焼いてくれる「ずわい蟹と帆立や海老咽の海鮮焼と、刺身の盛り合わせに、舌鼓を打つことは出来ました。
焼鯖の味探険の旅が、格差社会の現実を見て深く考えさせられる旅となりました。

朝7:44明石駅出発・・・夜7:44明石駅帰着・・・ピッタリ12時間の、チョッピリさびしさの残る旅でした。