マリアテレジアの独り言

日々の生活の中で見つける・・
  小さな感動をつづります。

京都・・その①『桜守』

2012-04-17 11:00:00 | 旅行。海外旅行。
「今は昔、京に都ありけり。」・・時のはかなさ。
「満開の桜、命は3~5日。」・・・桜のはかなさ。  京の街に桜が似合います。



  『桜守のはなし』 佐野籐右衛門  箸


  『はかなさを支える営み』

京都で16代続く造園業の当主で桜守(さくらもり)の佐野藤右衛門さんは、解説する。

『私たちが桜を眺めるのは1年のうち、満開の3~5日程度だろうか。
しかし、
残りの360日が、桜にとってはたいせつなんです。』


『円山公園しだれ桜』 佐野藤右衛門の造園業が、長年にわたり、世話を続けます。

最後の美しさ、はかなさを見せていました。  王者の貫禄です。


そして・・
佐野藤右衛門の言葉。

『桜は、300以上の品種がある。
そのうち
種から育つのは、山桜、大島桜、彼岸桜 の3種のみ。
その他は
人間が「接(つ)ぎ木」をしなければならない。
この接ぎ木の作業は簡単なことではなく、花が咲くかどうか分かるまでに約20年かかる。』 とも。


『京都府庁中庭のしだれ桜』 円山公園の初代枝垂桜の実生木を植えたもの。

繊細で妖艶な遺伝子を受け継いでいるそうです。 樹齢を重ね、新芽を育てる。世代が続きます。 美しいです


更に・・
佐野籐右衛門は続けます。

『桜は、1年中、守りをする必要がある。
日本各地には、樹齢数百年、千年以上という長寿の桜も残っているが、それらは地域の人たちの支えがあって生きてきたのだ。』


世界遺産:『仁和寺の桜』 こちらも、長年、佐野藤右衛門の造園業が、世話を続けます。

圧倒される美しさ。  桜と五重の塔。


含蓄ある言葉を綴る 桜守の佐野藤右衛門
桜守りの佐野藤右衛門さんを知り・・尋ねたくなり・・尋ねて来ました。 嵐山渡月橋からバス。山深く。


何代も造園業を続ける、桜守の佐野藤右衛門のお宅。 茅葺き屋根。
 
手入れの行き届いた、簡素なお宅。 今も薪でご飯を炊くとか・・・。

手入れの行き届いた入り口あたり。

広大な広さの敷地に、何百種の桜の木々が育ちます。 自由に拝見できました。




  『さまざまな桜の諸相』
   

 何百種の桜。 その一部です。 お見せしたくて・・お付き合い下さい


『有明』  と  『関東曙』
  
同じ白い花びら2種:  真っ白の花びら。  そして 先がほんのりピンク色。


『胡蝶』   と  『楊貴妃』
 
美人の象徴のような名前の桜2種。 『楊貴妃』は花びらの先がしぼり状。 どちらがお好みですか?


『林影金』

薄い緑色がなんとも上品です。


達筆な字で花札に書かれた桜の名前。
どなたが・・どんな時に・・どんな理由で・・命名なさったのでしょう? ロマンチックに想像してみたり・・。

私には、読みにくい達筆。 私が判読した名前。間違っているかもしれません。お許しの程を



『日吉』  そして   『御住』
 
なんとも上品で美しい。 かくありなんと・・。



『雨宿』   と   『太白』 
 
再び・・白桜の饗宴です。 『太白』はファンが多いそうです。  私はどれも好き


『永源寺』   と   『佐野』
 
同じような・・花びらの開き方。 佐野藤右衛門さんのお名前と同じ『佐野』 ご自分で命名? 美しいです



『十六夜』   そして    『南殿』
 
美しく、可憐で、芯があり、  そして  はかない桜。


佐野藤右衛門さんは、述べます。
『桜は1年中「守リ」をする必要があるが、過保護ではまたいけない。』 とも。 桜も人も同じですね。

桜の花に一生をかける・・・。
そこまで出来れば素敵です。 幸せです。
人の一生って何なのか? とても考えさせられました。桜は二の次で・・桜守の佐野藤右衛門の人生に魅かれます。



皆様!
沢山の桜の種類でした。 お楽しみいただけましたでしょうか? 
今日も、ご訪問ありがとうございました

私も!
桜を愛でて、そして人生のいろいろを学ぶ、匠の佐野藤右衛門さん宅訪問でした。 ありがたいことでした