体調が悪い。
右の頬が腫れ、首筋のリンパあたりまで腫れている。頸は熱を持ち、恥ずかしながら顔に湿布を貼っている。
症状は忘れもしない、昨年春、霞ヶ浦のマラソンの当日から始まった。ハチに刺されたのだと思った。皮膚の下が、痛いような痒いような・・・。熱も出てきて(の、ような気がした)、走り終わった後は、車に乗せてもらった帰宅したが、起き上がれないほどに具合が悪かった。
何が誘引になるのかわからないが、同じようなことが年に数回起きた。意を決して、病院に行った。友達からそこは耳下腺だと教えてもらっていたが、もしかして大病かもしれないと思い・・・・念のために内科に行った。
先生は、エコーで見てみましょうとおっしゃる。エコーを操作する人は、なんと本を抱えている。そうか、ここは専門じゃないから慣れてないんだ・・。
結果は、内科ではわからないではないか・・・なんてね。専門医に行くことを薦められる。紹介状を書いていただいた。気分はどんどん落ち込んでいく。きっと大病に違いない。
翌日、万事を切り捨てて病院に向かった。R病院は朝から患者でこった返している。耳鼻科に行ってみると・・・すぐにお呼びがかかった。そこで言われたことは、待ち時間が相当かかります。9時に開始された診察時間だが・・・なんと、私の番は11時過ぎになるという。仕方がない。それでも、自分の番の前に携帯でお知らせ下さるという。まあ。それなら・・・・と、仕事を始めるべく、机のある場所をさがした。
広い待合室の休憩所のようなところに、テーブルやいすがある。そこで、仕事を始めることにする。
その前に、友達に今の私の大変な状況をメールしておく。すると、天気がいいから近くの公園にでも行った見たら・・・・などとメールが返ってきた。
まったく、自分じゃない人はのんきでいいよな。コンナ気持ちで公園を散歩? とんでもない。私は、仕事を始める。30分もすると疲れてきた。ふと、外を見るととってもいい天気。そっか・・・・それもありかもしれない。 私は友達の素敵な助言を取りいれて、散歩をしてみることにした。
木がすきな 私は とりわけこの新緑の季節が大好きだ。紅葉も美しいが、どこか終わりの寂しさがある。それに比べ新緑は脈々とした生命力を感じる。風もここちよい。日差しも明るい・・・・。
待合室に戻ってくる。あらためて待合室を眺めていると、お年寄りが多い。そして、介護をされている娘さんたち、お嫁さんたち。みんな、決して明るいとはいえない。そうか、病気になる、どこか加減が悪いということは・・・・つらいなあ。
それからも私は待ち続け、お呼びがかかったのはもう、お昼も過ぎていた。先生は、ゆっくり私の話を聞いてくださり、丁寧に診察をしてくださった。
そして、腫れてもないようだし、病気だとは認められません とおっっしゃった。
は? と、私。腫れてます。ここは腫れてます。 先生は、いいえ腫れてません。
は? 痛いような痒いような違和感があります。 それは認められないなあ と先生。
つまり、当人にしか自覚できないものではあるが、病気の症状としてのチェック項目をクリアしていないので、症状としては認められないということらしい。そんなことがあるんだ。
私はちょっと肩透かしにあったような、敗北感があった。が、考えてみると、病気であること、治療しなくてはならないことは、それほど請うて望むようなものでもない。
そっか健康とはいえないが、病気じゃないんだからいいじゃないの。
先生、病気ではないということは、いいことですね? そりゃあ、それが一番です。
私はそこで、にっこり笑えた。よかったんだ。
結果 5時間あまりを使い、初診料800円を安心料として払い、私は病気ではない と証明してもらって帰ってきた。
ははは・・・・・としか、表現のしようがない。