土曜に、義父のお誕生日のお祝いをした。
義父は痴呆症にかかっている。義母が毎日面倒を見ている。
夫、夫の姉、嫁である私 そして義父、義母。大人5人だけの静かなお誕生日は結構盛り上がった。
秘策があった。耳がとっても遠くて、皆なとの話に入ることができず、いつも孤独な様子で食事をしている義父。
その、義父のために、私たちは昔のビデをを用意した。パソコンからテレビに繋ぎ、義父は視覚で参加することができた。昔の自分をみて、「これは誰だ?」と自分に問いかけている義父。若い時の夫を見て、「これは私の子供かもしれない」と発言。それから、怪訝そうな顔で、隣に座っている、アフター状態の今の夫を見る。「あんたか?」。全員から歓声が上がる。「当たり!!」
これは、だれ? あれはだれ? 続々と懐かしい顔が出てくる。若い自分、若い妻、幼い孫たち。娘、息子。息子の結婚式で挨拶する自分。
大盛り上がりの中で、父は昔の自分を取り戻したのか、「お母さんのことは私が守る。息子に何かあった時は、息子の家族は私が守る。」と断言する。
義母は、一年に何度か、義父から感謝の言葉を聞く。感動的な「守る発言」を聞く。それだけに支えられて、身もすっかり痩せてしまうほどの介護をしている。義父のせいではないのかもしれないが、私は思わず「おじいちゃん、ずるいよ。有言実行してよ。」と、言いたくなる。
誰のせいでもないかもしれないけど、認知症は辛い。自分が一番つらいだろうけど、妻は辛いよ、おじいちゃん。
真剣に認知症にならない努力をする必要があると思う。泣かせてしまうのは、最愛の家族なんだから。