最初の一冊~松村比呂美

自著の宣伝のために始めたブログですが、今では、風景や食べ物の写真が主になっています。

『フルコースな女たち』 新津きよみ(著)

2015-03-25 | 小説
長編『彼女の遺言』(ハルキ文庫)に続いて、25日に発売になった新津きよみさんの最新刊 『フルコースな女たち』(角川ホラー文庫)。


『意地悪な食卓』 『最後の晩餐』に続く「食のホラー」第三弾は、フルコース仕立ての短編集です。
そのメニュー(目次)の、お洒落で豪華なこと。
美味しく読んでいただくためにも、感想は短くしますね。

*食前酒の「転落」  思いがけないラストに、心地よく酔いました。
*前菜の「ゼンサイのような女」  あるシーンで思わず声が出ました。展開も好みです。
*スープの「散骨」  ざわざわと気持ちがざわつきます。ラストは……そういうことなのですね。
*魚料理(メインディッシュその1)の「水難の相」  どの料理も美味しかったけれど、胸にずしんときて、一番好きな作品でした。
*お口直しの「薬」  そうか、お口直しだものね、と納得。余韻の残るお口直しでした。
*肉料理(メインディッシュその2)の「男狩り」  さすがにボリュームたっぷり。食べごたえ、読みごたえあり。女はこわいです。
*デザートの「スイーツ・バイキング」  スイーツからとても遠い人物が、くっきりと浮かびあがってきます。
*特別料理の「マタニティ・メニュー」  干し柿入りのカステラ、こわいけど食べてみたいです。
*あとがきは、プチフール。

最後の最後まで美味しくいただけました。
自信をもっておすすめします。
食のホラーの第一人者、新津きよみさんの、極上の短編集を、ぜひ味わってください。

写真は、以前、新津さんとご一緒した、「アンジェロコート東京」のフルコースの一品です。
柚子のヴィネグレットソースでいただく和牛サーロインのグリルは絶品でした。


新津さんと初めてお会いしたのは、私が書籍デビュー前で、新津さんの小説の大ファンという関係のとき。
通っていた小説教室(山村教室)の師である故・山村正夫先生の作家生活50周年記念パーティーの席でした。

なんと今から18年前の写真です。初めて会った日の写真があるのが嬉しいです。
あの頃ふたりは若かった(笑)。
でも、私の老け方に比べて、新津さんは驚くほど変わっていません。
何より、真摯に書き続ける姿勢が変わっていないのがすごいと思います。

昨年、友達から分けてもらって、シマトネリコの根元に植えていたスノーフレークが、かわいい花を咲かせてくれました。

私も、しおれる前に花が咲かないかな。
ジョルダン乗換案内「読書の時間」で連載されていた『律子の事件簿』が、
『ママさん探偵・律子の事件簿』として、電子書籍で発売されることになりました。
大幅な加筆修正中ですが、それももうすぐ終わります。
発売日が決まったら、またお知らせしますね。


2月4日に発売された電子書籍オリジナル短篇集『果実の誤解』(アドレナライズ)は、心理
サスペンスの短編集です

アマゾンkindle版はこちらから。
既刊本等はサイドバーにまとめています。

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