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27モータースポーツ&マルハモータースが送るチューニング情報ブログ。

ピストンクリアランス

2006年11月05日 | Weblog
NEWS:
●バッテリーSALE 11月10日まで。絶対お勧めです。
●11月25日 マルハ走行会。数名枠あり!!
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ハーイ。エブリバーディー!!
イッツ、ブログタイーム。
ヒァウィ・ゴー!

欧米か?

はい。マルハブログの時間です。
今日のゲストは隅谷高の谷口タカオです。
ポジションはサードとピッチャーで、父ちゃんの職業は大工です。

こーれ分かる方、あなたはおじさんです。
1970年代、読みふけた野球漫画で、実は最近また読み返して充実しております。
弱小チームが努力の末に、名門シード高を次々打破する痛快野球ストーリーで、まだ読んだことのない方は、是非キャプテンから初めて、そしてプレイボールまでの完全読破をお勧めいたします。
漫画喫茶では既に取り置きもないでしょうから、中古本店でお探し下さい。
昔の下町の風情も出ていて、いいー感じ。

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さて、今日の話はピストンクリアランス。
ちょっと難しいぞ!

ピストンクリアランスとは、ピストンの外径とシリンダーブロックの内径の差。
これを指します。

先ず、純正ピストンを使ってエンジンを組む場合、何を参考にしますか?
当然のことながら、メーカー発行のエンジン整備書の数値。
ピストンの外径測定ポイントが指定され、そこを忠実に測定して、後は指定通りのクリアランスになる様に内燃機関屋に指示をする。
この流れは正解???

実は、人任せ過ぎて、Xです。

人任せでエンジンを組んでは駄目なんです。
ここでの”人任せ”とは、ピストンの測定箇所とクリアラスの指定が整備所通りで行えば間違いがないっと言った意識に駄目出しをしています。

例えば、N1用にエンジンを組むとします。
指定通りでは、競技用には向かないと多くの方が思うはずです。

どうしてでしょう。

それは高回転で回すから、もっとクリアランスを広めに取ってピストンの動きをスムースにする方がいいのでは?
あるいは、レースはハードに使って、エンジンの温度も高いから熱膨張を考えて広めに取る??

様々な考え方がありながらも、競技用は少し広めに取るべきと考えると思います。

私なりの答え方しますと、
やはり広めに取ります。これがとても面白く、徐々に広目に取って組んで行くと、最も性能が発揮される箇所が見つかります。
また、一度組んだエンジンは最初のレースを終えて、再度O/Hをするとまたパワーが上がります。(上がる事が多い)

エンジンが金属同士で構成されている以上、精度、適切なクリアランス、そして馴染みは必要で、上手くバランスが取れれば性能は向上します。

一方でストリート向けのSTDエンジンだから、やはり初心に返り整備書通りに組上げればよいのか?
これも実は駄目出しなんです。

エンジンを組む際に、マイクロメーターは絶対必要です。
これはプライベーターでも、無理をしてでも買う。

そして、テーブルの上に鎮座するピストンを丁寧に上から下まで段階を追って測定する。
そこからスタートなんです。

そうすると、純正ピストンの場合、メーカー指定の測定箇所が必ずしも最大ボア箇所ではないことに容易に気がつきます。
大抵の場合は、最大ボアはスカート最下部から5-10mm上です。

そして上に行くほどに直径は小さくなります。
このテーパー度もピストンを取り扱う点でとても重要なことです。

これをデーターで残す。
そして、全体のプロフィールを測定数値を元に決め手行くのです。
これを繰り返しながら、色々なピストンを取り扱って行くと、それが経験となり、自分なりのやり方が見えてきます。
ここまで来ると整備書のデーターは単なる参考値に過ぎないことが分かるはずです。

最後に。
ピストンクリアランスは通常100分の4mmとか5mmとかで表します。
0.01mm単位ですね。
机の上の定規で1mmの長さを見てください。
その僅か1mmを100等分したものが0.01mmなんですね。

ところが、マイクロメーターは0.001mmで管理します。
実に1000分の1mmを最小単位とするのです。
1/100mmと10/1000mmは同じクリアランスですが、意識が違います。
1/100mmで考えるよりも1/1000mmで考えるほうが精度が上がります。

だからマイクロメーターが必要になるのですね。

キャプテンの谷口は徹底した基本を軸に練習と実践を重ね、やがて名実共に強豪チームを作り出しました。
見ていれば、同じパターンの繰り返しで話しは構成されています。
油断が生まれ、それを幾度も引き締め、基本を大事に最後まで諦めない執念で強豪を倒す。
車の整備もチューニングも同じで、何度も同じ事を繰り返す、そして丁寧にデーターを取っておくと、必ず次に繋がるのですね。
そして、いつか早いエンジンやパワーの出るエンジンが作れる様になるのです。

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