今年の正月休みは暦の関係で、例年よりも長く取らせて頂きました。
かなりリラックスできましたが、作業は溜まりますので目下大奮闘中です。
1月に入り、だいぶコアな作業依頼や問い合わせが連続してますので、
いよいよ本気モードで仕事に集中している仕事初めと言ったところでしょうか。
2018年も幾つかの新商品や新コーナーを企画しています。
開発は決して簡単ではありませんので、何年も企画を温め、試作やテストを繰り返してようやく発売になります。
一方で今まで多くの方々にお使いいただいてるアイテムは、大事に・且つ必要であればさらにバージョンアップを図りなら定着維持を目指します。
今年1回目のこのブログでは、MARUHAオリジナルのフライホイールを改めてクローズアップしてみます。
クラッチ交換の際にフライホイールまで取り外したところ。
クランクテールの部分に錆が少し見られます。
この錆は↓
純正フライホイールに圧入されているパイロットベアリングからです。
指を入れて確認。
当然、ゴリゴリとして、ベアリングの機能を失っています。
外したミッション側は↓
メインシャフトの先端が錆?
そうなんです。
シャフト先端が錆て、かつ段付き偏摩耗しています。
パロットベアリングが綺麗に回転できないので、振動・摩耗が発生してその粉が錆びているのです。
実際、ミッションを外そうとしても、簡単に抜けてこない。そして当然このままでは装着も苦労しますので、シャフト先端を滑らかに修正してからの取り付けとなります。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
それは、この純正フライホイールにパイロットベアリングがきつく圧入されているためです。
単純な丸穴に抜けない様に、穴径よりも大きな外径のベアリングが圧入されているので、その外圧がベアリング機能を低下させます。
酷い時には、新品ベアリングを圧入した時点ですでにゴリゴリ感があります。
つまり、設計に無理があるのです。
そして、全てのNA/NB純正フライホイールに起こりえる現象です。
パイロットベアリング単価: @1090円(今日現在)
たった1000円程度のパーツの不具合で、クラッチから異音が発生するのです。そしてそのケアに何万円も掛かるのです。
MARUHAのフライホールが何故こんなに市場に定着しているのかと言えば、このパイロットの部分に工夫があることも理由の一つです。
圧入公差を純正に比べ、和らげています。
従い、比較的軽い力でベアリングが圧入できますので、ベアリングに掛かる外圧が大きく低減できています。
結果、パイロットベアリングのライフが飛躍的に伸びます。
そのままでは抜け出してしまいますので、抜け防止の淵を設けてあります。
反対側はクランクテールと接合しますので、フライホイールを取り付けてしまえばべリングは抜けることはありません。
数年、数万キロ後に他メンテでミッションを取り外した際に、いまだクルクルと調子良く回るパイロットベアリングに思わずニヤリと
した経験は数知れず。
嬉しい一瞬です。
だからこそ、NA・NBの泣き所だったパイロットベアリング不良トラブルが圧倒的に抑止できる構造です。
このほかにも、国産ならではの高精度の機械加工、2回に分けた手間の掛かる表面処理、そして穴開けのない美しい形状での軽量化による高次元バランス。
などなど、この辺は、また機会を改めて紹介します。
*NA6/NA8/NB6/NB8のフライホールのページ
*NCフライホイールのページ
*ND1.5Lフライホイールのページ
*ND2.0Lフライホイールのページ
是非、今後もご利用いただければ幸いです。