秋のお彼岸に咲いていたヒガンバナの根元では、葉が伸び始めています

　10月上旬になって、ヒガンバナの根元から葉の芽が顔をのぞかせています。来年の秋にも立派な花を咲かせるために、葉が伸びようとしています。

　9月23日の秋分の日のお彼岸の日の前後では、深紅の鮮やかなヒガンバナの花が立派に咲いていました。10月上旬に入って、そのヒガンバナの花はしおれ始めています。



　色があせて、しぼんだヒガンバナの花の茎近くでは、新芽が元気よく出始めています。



　彼岸ごろに咲き誇っていたヒガンバナの花は、茎の先端に花がついているだけけでした。よく見ると葉が見当たりません。ヒガンバナの葉は秋から春まで伸びて、光合成を受けて栄養を球根に蓄えます。寒い冬を少し厚肉の葉は耐えるのです。

　そして春には葉は枯れて、いったん地面にはヒガンバナの痕跡は無くなります。秋から冬にかけて、周囲の草が枯れて日がよく当たる時に陽光（太陽エネルギー）を独占し、周囲の草が葉を茂らせて、陽光を遮るようになると、ヒガンバナの葉は枯れるそうです。そして夏は“休眠”し、秋になると球根に蓄えた栄養で一気に花の芽がついた茎を伸ばして、花を咲かせるのです。

　一般の草とは異なる不思議な習性です。自然は時として人間の想像を超えた動きをみせるものです。