ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

ナノテク材料研究拠点のTIAナノグリーンのワークショップを拝聴しました

2011年10月18日 | イノベーション
 2011年10月18日午後に東京都千代田区内で開催された、世界的なナノテクノロジー材料の研究拠点である「ワークショップ ワークショップ」を拝聴しました。このTIAナノグリーンという研究開発拠点は茨城県つくば市にある独立行政法人の物質・材料研究機構の中に設けられたナノテクノロジー材料の研究開発組織です。

 世界的な研究開発拠点を築くには、ある程度の時間がかかります。2008年度から、文部科学省と経済産業省は研究開発拠点を形成する研究開発資金などの支援を始めています。少し複雑なのですが、TIAナノグリーン研究開発拠点は「つくばイノベーションアリーナ」という、産学官の組織の壁を越えて研究者や技術者などが集結・融合する場の一つです。つくば市に巨大な研究開発機関を築いている最中ということです。

 つくばイノベーションアリーナ(TIA)は、“ナノテク”というキーワードを共通して持っている、半導体やMEMS(微小電気機械システム)、ナノ的材料などの6領域で、日本にイノベーションを起こすタネをつくる巨大な組織です。欧州と米国に比べて、日本では次世代半導体の研究開発拠点を形成することで後れを取ったという反省の下に、ナノテク分野では、欧米に負けない研究開発拠点を築き、日本発のイノベーションを創成する拠点をつくりたいとの狙いで拠点が形成されています。

 そのつくばイノベーションアリーナの中の6つの研究領域の中で、TIAナノグリーンはナノテク物質・材料の研究開発を担う拠点です。産業技術総合研究所と筑波大学も参加しています。



 新しいリチウムイオン2次電池や燃料電池、太陽電池、熱電変換材料などを研究開発し、こうした新材料を基にした新事業で世界を席巻したいと考えているようです。

 今回のワークショップは、TIAナノグリーン研究開発拠点に参加を希望する企業に対して、会員になってもらう参加費案を提示するためだったようです。



 特別会員になるには、資本金1億円以上の企業は、研究運営費が1年当たり2000万円、材料開発分野ごとに設けられたテクノロジー・コミッティー(TC)に2つ以上参加する参加費が1年当たり500万円(1TCは無料で参加できる)そうです。正会員は研究運営費が1年当たり1000万円、テクノロジー・コミッティーに2つ以上参加する参加費が1年当たり500万円となっています。

 このTIAナノグリーン研究開発拠点の会員になるメリットを説明されました。



 最先端のナノテク材料を研究開発している優秀な研究開発人材に出会えることや、最先端の研究開発機器を使えるなどのメリットを力説し、参加を呼びかけました。このTIAナノグリーン研究開発拠点の利点を生かして、参加した企業が新材料を基にした新事業を起こすことを期待したいと思いました。日本にとっては、日本企業が国際競争力を会得する機会になればいいと思いました。