新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月8日 その2 貴方は有能か

2017-07-08 08:27:30 | コラム
貴方の英語の品格の落とし方:

これは言わば昨日の「英語の品格」の補完である。英語の「会話」とやらの勉強を始める時に「“you know”という「句」(=phrase)を挟んではいけない」と教えられていないままにアメリカ人なり何なりの外国人の中に入って行くと、その人たちが属する階層によっては“you know”のシャワーを浴びせかけられることが多い。そこでは、その人物のお里が知れたと思うべきなのだ。品格のほどが解ったと思って欲しい。

これが何であるかを知らずにいると「何となく格好が良い」か「気取っているのか」と感じてしまうことが多いようだ。そして、真似てしまう結果となった例を数多く見て(聞いて)来た。とんでもない誤解である。私はこれを「you knowを多用されることは、貴方が有能であることを証明しないのです。使えば有能ではないことになります」と解説してきた。そういうことで、先ず絶対に真似てはならないことなのだ。

例文を作ってみれば“Yesterday, you know, I went to see my old friend at the Tokyo Dome, you know.”といった具合である。”you know”を言わなくても意味は通じるのだし、これが貴方は「私は知識階級ではありません」と自己申告したような結果になると知って貰いたい。また、my old friendも好ましくないのだ。ここでは”one of my old friends“と言わないと、貴方には旧友が一人しかいないことになるのだ。この辺りが英語の理屈っぽさだと承知して欲しい。

実は、私が1945年に初めてGHQの秘書の方に英語で話すことを教えて頂くようになった時に言われた心得のその1は「英語のままで考える。日本語に訳そうなどとしない」、「何か話そうとする時に先ず日本語でを考えてからそれを英訳しようとせずに、覚えている限りの英語を思い出してそれを使って話す」に加えて、

「何か表現が思いつかない時などには絶対に“you know”などと言ってはならない。精々“let me see“くらいにして、それが出てこなければエーでもアーも良い」と厳しく言われた。要するに”you know“を挟まないようにという教えだった。その頃には、この意味は解らなかったが、後年アメリカ人の世界に入って初めてその価値が解ってきた。

昨日例に挙げたMBAの夫妻の奥方にこの教えのことを話した時に「その秘書方の教えは素晴らしい」と言われた。他の例を挙げれば、やや後難を恐れるがMLB等から我が国にやってくるアメリカ人の選手たちが話すのを聞いて見てごらん。立派な“you know”な選手たちばかりだと解るから。

ここでは私を信じて、今日からでも如何にして自分が「有能」であるかを示すよう英語乃至はその会話の勉強に励んで頂きたい。

北朝鮮への制裁の空しさ

2017-07-08 07:50:27 | コラム
何故DPRKが核保有国になってはいけないのか:

DPRKがmissile(カタカナ語排斥論者としては「ミサイル」は奇々怪々な表記だと思うので認めていない)を発射し核実験を繰り返す度に、我が国とUNは「経済制裁を」と叫んできた。だが、何年経っても何回制裁してもDPRKの勢いが衰えたことがない。これは当たり前のことで、私にすら解るのだが、中国やロシアが本気で制裁を加えるはずもないどころか援助し続けているのだから。

それでも、今回はG20を前にして、またもや安倍総理も制裁の強化を呼びかけ、産経までも社説で説いていた。また、文在寅大統領は当然のように自説を曲げずに「対話」、「対話」を何処の首脳と会談しても連呼している。私はトランプ大統領とは全く別な意味で、世界の困った大統領の1人に数えている。

7日夜のPrime Newsでは「ジャーナリスト」という肩書きを付けられた、日頃面白いというか誰しもの意表を突くことを言われる西部邁氏は珍しくも正論としか思えない「国会は森友だの加計だのということを論じていただけで、最重要課題なはずの北朝鮮のmissile野鶴のことを一向に採り上げないのは怪しからん」と主張していた。私に言わせても、まとも過ぎて面白くも何ともなかった。

当初はあれほど勢い良く習近平を信じているかの如くに、DPRK制裁の強化を実行するものと思っていたらしいトランプ大統領ですら中国に対して懐疑的に変わってきている。トランプ大統領は日米韓首脳会談の後の記者会見でこの件を問われて(私の聞き違いでなければ)“Never give up.”と叫んで見せた。習近平がそう容易くDPRKを制裁して追い込む訳がないとお解りになったようだと思って見ていた。

ところで、このPrime Newsだが、ナショナリズムを西部邁氏と京都大学の教授だった佐伯啓思氏が語られるというので、読売対阪神の野球などを放棄するだけの価値があると思っていた。だが、前半をDPRK問題に費やした感があって少し遺憾に思った。しかし、両氏が如何に民主主義が意味がないかをを強調された辺りは大変勉強になったし、ナショナリズムとは如何なることをいうかも有り難く拝聴した。

私は西部氏の主張で最も興味深く、またごく当たり前のことだと思って聞いたのが「何故DPRKが核保有国になり核武装することがそれほど悪いと言うのか。彼らはNPTから脱退している。アメリカは言うに及ばずインドもパキスタンも核武装しているのに、何故DPRKは止めさせて空母まで送り込んで圧力をかけるのか」だった。私には国際的な核の事情は解らないので、不思議な圧力のかけ方だなと思ってきた。これ以外にも「国際人とは何か」を酷評されたのも面白かった。と言うのも、私はこんな無意味なものはないと思っているからだ。

話をDPRKへの制裁に戻せば、私はここまで来れば中国に期待すること自体が無意味であるし、ロシアも決して有形無形の援助を止めないだろうから、机上の空論の如き制裁の強化を連呼することを諦めて、何か別の方向を考える時ではないかとすら考えている。だが、その「別の方向」が何かが簡単に出てこないのか問題だろう。