やはりこの話題にも触れておこう:
勿論、順当に野球国ではないイタリアに勝って、アメリカに行ってもらいたいのだが、例によって例のごときマスコミの騒ぎすぎが気になって仕方がない。気にする理由は再三述べてきたことで、彼らの騒ぎすぎと持ち上げすぎが、ろくな結果にならないとの先例が度々あったからだ。大谷翔平君は多少持ち上げられても舞い上がってしまうこともないだろうが、若き三冠王と持て囃されすぎた村上宗隆を見ろということ。大谷の後の4番とは途轍もない重圧で自滅(潰れる)寸前ではないか。
それらにも増して気にしていることがある。それは「指揮官・栗山英樹監督の憔悴しきった、急に20歳も老けたのか」とでも形容したくなる表情である。それでなくとも、前任者でNPBの監督経験がない稲葉篤紀がオリンピックで優勝との輝かしき実績を残したので、栗山監督は大谷を始めとする最強の布陣が整ったWBCで優勝しないことには、鼎の軽重を問われることになりかねないだろう。
しかも順調に予選リーグは全勝だった。ヌートバーは期待以上の大活躍だし、MLBの大スター大谷君もその抜きん出た実力を発揮してくれている。優勝への期待はいやが上にも盛り上がっただろう。これ即ち、栗山監督の上には連日連夜重圧がのしかかってきていると察している。今夜のイタリアにはMLBのバリバリの一本目が8名もいるし、勝ち上がってぶつかるキューバの主力にはNPBでの強力なスターがぞろぞろいるのだ。監督さんが緊張に押しつぶされそうになるのも解る気がする。
私は野球でもサッカーでも何でも国際試合の観戦では、何も期待することなく、ただひたすら日頃の練習の成果が発揮できるように平常心で臨み、持てる力と磨いてきた技術を遺憾なく発揮してくれることだけに期待している。言い換えれば「過剰な期待は禁物」なのである。今夜は黙って大谷翔平が80球でイタリアを抑え、ヌートバー、近藤健介、吉田正尚が打ってくれることに望みを託したい。村上には好機に単打でも打ってくれれば十分だという程度の期待しかできまい。
代表選手よ、最善の力を発揮して栗山英樹監督を少しでも重圧から解放してあげて欲しい。