気温の変動が怖いのである:
昨日、ジムのエレベーターの中で高齢のご婦人に「温度が上下するのが辛い」と言われたばかりだ。私は80歳を超えた辺りから、外に出てもあまり気温の上下動というか季節的な暑さと寒さの変動を感じなくなっていた。
どうやら、この鈍感さ即ち「高齢化現象」らしいのだが、どちらかと言えば感じない方が好都合なので、さして、気にも止めていなかった。だが、愚息には繰り返して「家の内と外の気温の変化に注意せよ」と警告されても、軽く聞き流していた。
ところが、この聞き流しがとんでもない誤りだったと、昨日痛感させられた。それは、昨日の朝の天気予報では17度と暑くなると知らされたので、それに備えようとユニクロの極暖の下着を上下とも薄い物に変え、おそらく今年初めてのことだっただろうダウンジャケットではなく普通のジャンパーに着替えて、意気揚々とジムに出かけた。帰りも湯上がりの火照りを冷まそうと、バスの停留所のベンチに5~10分ほど座って「心地よい陽気なったな」と寛いでいた。
ところが、である。8分ほどのバスの旅を終えて歩き出すと妙にフラつくのだったが、無事に13階の我が家に帰った。そして、昼食に体が温まるだろう喜多方ラーメンを食べた後から体に力が入らなくなった。ソファーに横になってみたが、効果がないのでベッドに横になってみた。だが、脱力感が抜けないままにウツラウツラして、気がつけば4時近くになっていた。愚かにも「これは何であるか」の見当もつかなかった。食欲もなかった。心拍数は正常だったし、熱もなかった。
5時に近くなって漸く気がついたことがあった。それが「気温の上下動に、体がついて行けていなかったのではないか」という愚息の警告だった。暖かくなるからと聞いて、外の気温の変動から体を守っただろう「極暖」の下着を止めダウンジャケットも着用していなかったので、17度の高温の影響をまともに高齢化した体に受けさせてしまったことが敗因だっただろうと思い当たったのだった。警告はエレベーターに乗り合わせたご婦人からも発せられていたではないか。
そこで思い出したことがあった。それは、製紙工場の中での話。ご存じの方もおられるかと思うが、抄紙機の数多いドライヤーのロールの辺りは異常に暑いのだ。その高温から体を防御しようと、その場ではダウンジャケットを着ている工員もいるということ。ダウンジャケットは寒さだけではなく暑さも防ぐ効果があるのだと、管理職が教えてくれた。
この理屈を応用すれば、昨日は極暖の下着とダウンジャケットを着て外出していれば良かったということになる。故に、今は極暖に戻してある”better late than never”だと思って。でも、遺憾ながら未だ体調は完全に戻ってはいない。本日の予報は11度だ。極暖が守ってくれると良いのだが。