新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

WBC野球の準々決勝戦から勝ち上がった

2023-03-17 07:54:14 | コラム
国際試合で勝ち抜くことがどれ程大変なのか:

今回は良かったと評価した点だけを、冷静なる評論家独自の見方から取り上げていこうと思う。昨夜のイタリア戦を勝ち抜いた実力は、正当に高く評価しなければならないとあらためて認識している。9対3と点差は開いたが、必ずしも簡単に9点も取れていなかったし、大谷翔平とダルビッシュ有という数多いるMLBの中でも一級品の両名が登板しても3点も取られてしまったのだから、勝ち抜いた選手たちも傍目で見るよりも遙かに全力で集中して勝ちに行っていたのだと思って見ていた。

MLBにどれ程多くのイタリア系アメリカ人の選手たちがいるのかなどには全く知識がなかったが、昨夜見ていた限りでは「なるほど。これだけいれば8強に勝ち上がってきたわけだ」と納得させられた強さがあった。要するに、予選リーグで全勝した相手国とは一味も二味も違う強い選手団だったのだ。

それが証拠に、大谷翔平という超一流の投手が、5回を投げきれずに抑えが効かなくなってきていたし、切り抜けてくれると期待していた満塁のピンチに当たり損ないでもヒット打たれてしまったのを見れば、イタリアの実力も正当に評価すべきだと感じていた。大谷ほどの投手が苦労していたし、攻撃面では好機にバントまでして勝とうという執念を見せた姿勢が非常に印象的だった。あれだけ見事なバントをしたのは、矢張りどこかで練習をしてあったのかとすら感心していた。

第2先発とやら言う称号を奉られていた今永昇太は、MLBのスカウトたちが高く評価したと報じられている回転数が多い真っ直ぐでイタリア抑えきったのも素晴らしかったし、MLBではリリーフなどに立つことがないダルビッシュ有が「ティームの勝利の為」に出てきた姿勢も評価すべきだろう。この両投手の姿勢を見ていると、MLBの選手たちの「個人の力量を見せよう」という利己的な姿勢とは違って「ティームの為」を優先しという精神が発揮されていたのが清々しかった。

村上宗隆だが、栗山英樹監督が彼を5番に下げた決断も評価すべきだと思う。村上の表情に多少明るさが見えたかと思った途端に「もう少し上がっていればホームランだったのに」という当たりが出たのは良かった。彼があのまま沈んでいれば、そこで打線が途切れてしまう状態が続くので、何とかすべきだったのだから。岡本和真も何時かは立ち上がるだろうとは期待していたが、漸く国際試合の雰囲気に慣れたのか、あのホームランでティーム全体を活気づけたのが良かった。

考えて見れば、この代表ティームには攻守両面でMLBの本当のレギュラーメンバーが出ているのは大谷翔平だけだ。吉田正尚はこれからそのポジションを取りに行く段階の選手だ。その点から見れば、非常に良くできたというか、粒が揃った選手が集まった立派なティーム作りが出てきていると思う。決勝戦まで当たらないことになってしまったアメリカでも、日本の選手たちのスカウテイングが充分に整っていないのではないのではとすら考えている。即ち、そういう優位さがあるということ。

昨夜は大谷とダルビッシュというMLBの投手たちが3点を与え、NPBの投手たち伊藤大海、今永昇太、翁田大勢がゼロに抑えきった勝ち方だった。これ即ち、優れた投手力で勝ち上がってきたと評価できると思っている。打つ方では村上と岡本の状態が良くなってきたところで、マイアミでの準決勝戦まで間が開くのが一寸気になるが、ここから先は山本由伸と佐々木朗希の和製の投手たちの素晴らしさに期待したいのだ。彼らの実力で優勝してくれと願うだけだ。