新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月26日 その2 エンジェルス球団の 右肘靱帯損傷した大谷翔平の扱いに思う

2023-08-26 15:24:02 | コラム
故障した大谷翔平を休ませないとは残酷ではないか:

本稿では我が国とアメリカとの文化と思考体系の相違を論じていこうと思う。

この度の「右肘靱帯損傷」という野球生命の危機を抱えている大谷翔平を非常に心配しておられる方は多いと思うし、休養させもせずにダブルヘッダーで使うとか、ニューヨークにまで帯同させるとは非常識で苛酷ではないかと怒っておられる方もまた数多くおられるだろうと思っている。当方もあの球団のオゥナーも、GMも、ネヴィン・ヘッドコーチも怪しからんとは思って怒っている「大谷を潰す気か」と。

そこで、今回は何故彼らが平然と大谷を出場させ続けるのかを、得手とする「我が国とアメリカの間に厳然として存在する文化と思考体系の相違」の観点から考えてみようと思う。結論めいたことを先に言ってしまえば、彼らには何ら「宜しくないことをショーヘイに強いている」とは思っていないかも知れないのだ。

報道では、エンジェルスのGMが「大谷が出たいと言うからから試合に出した」と言ったそうだが、それは詭弁であると思う。経験から言えることで、彼らは与えている年俸に見合う働きが出来ないか、出来なくなった者は容赦なく解雇するのだ。ましてや、大谷のように真面目な者は「出るか」と問われれば「Yes, sir!」と答える以外の選択肢はないとすら思う。また、彼の契約条項には「1年を通してtwo-wayで成績を残せばXXX万ドルのインセンティブが」というのがあるのかも知れないではないか。

大谷の年俸は確か円換算で40億円だったかだが、その高額はtwo-way(これがアメリカで使われている表現。私は「二刀流」などという実態を表していない珍妙な表現は認めていない。「両面」なのである)で1年を通して働くことが前提だろうかと推察している。であれば、球団側は大谷の自己管理が不十分で片面しか出来ないのであれば、怪我人であってもNY遠征に参加するのは当然だと認識しているだろう。

私が危惧していることはと言えば、「エンジェルス球団が契約の内容通りに働かせているたけならば、無情でも苛酷でもないことになる」のである。この辺りにアメリカという契約社会の国の在り方が見えている気がする。故に、この様子を感情的にならずに見ている方が無難かも知れないのだ。

アメリカの企業社会では物事をどのように見ているかを、私の1985年10月にシアトルで不運にも経験した仕事中の自動車事故の貰い事故を例に挙げて、どのように違うかを解説してみようと思う。

その事故では、横から私が座っているところに50km程の速度でFordのMustangが突っ込んできてドアごとぶつかられ肋骨が2本折れ、頸椎が2本ズレ、ドアが顔面を直撃するという怪我を負わされたのだった。勿論、救急車で病院に搬送されて、おざなりの治療はされた。当時は運悪苦難と無理に帰国した直後に、日本では事業部の存続が危うくなるような大品質問題が発生していた。

その解決のために、故志沢医師には2ヶ月は自宅療養と診断されたにも拘わらず、無理を承知で出勤し、副社長、本部のマネージャーと工場の責任者らと共に寝食の間もなく動き回り、神経がすり切れるような厳しい交渉の通訳を続けて、解決に奔走せざるを得なかった。結果として自律神経失調症と神経性下痢(nervous stomachと言う)を発症し、入退院を繰り返す羽目に。この病状は簡単には治らないという診断だった。

すると、私を何者にも代えがたいと信頼するとしていたGMが「早期に復帰して来ないならば、辞めさせて後任を探す事も考えるかと検討し始めた。一日も早く復帰せよ」と本部のマネージャーが知らせてくれた。そこで、ある特殊な手段で立て直して何とかして復帰し、全員で協力して問題を解決した。要するに「仮令、公務中に受けた災害でも、故障して使えなくなった者を置いておけない」と考えるのが、アメリカの「雇用主」の考え方なのである。「使い続けるか、切るかの簡単な二択」が彼らの思考体系なのである。

であるから、もしかすると私の認識が違うか、あるいは考え違いをしているかも知れないのだが、大谷が当面している問題は次のようなことだろう。即ち、エンジェルスのGMは大谷の高額な年俸のこともあるので、平然として「大谷が出たいと言った」とほざいたのだと推察するのだ。彼らは大谷に無理を強いているとは微塵も思っていないのかも知れない。この辺りの文化と思考体系の違いは、我が国の方には想像も出来ない事ではないかと懸念する次第だ。

私は「こういう世界だとは知らずに、家族を養う手段である」とだけ考えて、1972年8月にMeadに転進した。だが、22年もアメリカの企業で過ごした後になって言い出したことは「事前にこういう世界だと承知していたら、転進しなかったかも知れない」なのだった。大谷も他のMLBに転進した選手たちも、このような文化と思考体系の違いが存在するとは、未だ認識できていないのではないのか。マスコミの連中に読めるはずなどないのではないかとも言いたい。

アメリカ人たちの世界では、我々の通念から見れば「残酷であり、無慈悲な」としか見えない人事(馘首)があると思う。だが、そういう二者択一的な判断基準で実行してしまうことを、切られた方は「社会通念であるから仕方ない」と至極アッサリと去って行くと聞いているし、実際に先ほどまで会っていた者がその晩には「君の仕事は本日までで終了」とされたのも見てきた。だが、大谷翔平を故障したからと言って、社会通念で解雇することがあるとは思えない。


2023年7月の新宿区の人口

2023-08-26 08:00:05 | コラム
23年7月の新宿区の人口は348,610人と対前月比571人の増加になっていた:

始めに、この度の大谷翔平の再度の右肘靱帯損傷とのニュースは、中国の水産物やその関連の製品の輸入拒否や日本大学フェニックスの不祥事よりも、我々を不安に陥れた問題ではないか。

繰り返して言うが、あのエンジェルスという球団のオゥナーとGMとヘッドコーチの不見識振りを、声を大にして非難したい「君らは君らの球団の誇りであり宝であり、杖とも柱とも頼ってきた大谷翔平を使い捨てにする気か」と。

そこで、23年7月の新宿区の人口である。348,610人に増加して、「都内の住みたいところ」の5番目の評価を、何とか実証できていた様子だった。その内訳を分析してみれば、外国人42,214人と前月比で784人の増加となり、区全体の人口に占める比率は12.1%に達し、6月の11.9%を僅かに高くなっていた。一方では日本人は213人も減少して306,396人だった。

何も新宿区内に限られた現象ではなく、つい先日隣接する港区内を広く移動してみた結果では、マスクをしていない人はインバウンド様たちに限られた現象ではなく、圧倒的多数の我らが同胞にも急拡大している状態だと解った。この様子では5類に下げられたCOVIDの感染者がじわじわと増えている訳だと痛感させられた。

その観光客であるが、我が新宿区百人町/大久保界隈にも、たいした観光名所があるとも思えない高田馬場駅周辺にも明らかに増えてきている。同時に、何処からどう見ても「観光」とは思えない低層と思わせるアジア系の若者も急増している。特に日本語学校に通う者たちも往年の活況を呈しており、12時を過ぎると通称「文化通り」を埋め尽くして新大久保駅に向かっている。彼らにはイスラーム教の諸国と東南アジア系の者たちの増加も目立つのが実感。
何時も「何故かな」と不可思議に感じることがある。それは「彼らアジア系の若者たちが日本語学校で日本語を習い覚えれば、その技能が母国で何か良い就職が保証されるのか」という点である。そうでなければ「彼らは週28時間の就労を目指して、就学ヴィザを取ってやって来るのか」との疑いである。乃至は、我が国の労働力不足が彼らの入国に期待しているのかと考えてしまう。

私は長年の外国での経験から、アメリカやヨーロッパも含めて、外国人が我が国民よりも裕福であるとか、知的水準が高い存在だとは認識していないのだ。だから、テレビが報道する観光客の出で立ちや、ここ新宿区を訪れている人たちの風体を見ると、彼らの財力では我が国の経済にとって多くを期待できるのかと疑いたくなる。

換言すれば、私がアメリカで「支配階層」と認識しているような人たちが、我が国に観光旅行に来ているとは、考え難いのだ。ハッキリ言えば「景気を良くする材料に彼ら外国人が使っていく外貨に期待しているかのような政府の経済政策を見れば、それしか景気回復の手段がないのか」などと言いたくなってしまう。景気振興も重要だろうが、観光地等での「人手不足」を解消する策を講じるのも、焦眉の急ではないだろうか。
兎に角、この新大久保駅前から我が家との間を結ぶ文化通りは、望ましいとは思えない低次元の国際化が一層進んでしまった。近頃は「親ガチャ」だの「上司ガチャ」などと言われているが、インバウンド(観光客)なども選べるようにする手段がないのかと、何時も考えている。このように言う根拠は、ここ新宿区百人町/大久保界隈の現在のように、見るも無惨に彼らに食い荒らされた街になってしまったことにある。

何度でも言うが、是非一度山手線の駅に降り立って、改札口唐湊の付近の「ここはどこの外国か」と当惑させられる程の、身動きならないほどの雑踏を経験して欲しい。外国人を野放図に受け入れるとこうなってしまうのかが、良く分かるはずだ「これが低次元の国際化か」だと。

参考資料:新宿区広報8月25日号