林芳正官房長官殿、それじゃ駄目なのですよ:
遅まきながら、林官房長官のゴンカルヴェス氏の暴言に対する発言を聞いて、大いに落胆したと言おう。失礼を顧みずに言うと「ハーバード大学の大学院で修士号を取られたのにも拘わらず、『外国の民間企業の方の発言に対して政府は一々言及しない』などと言われたのでは、アメリカと如何に交渉すべきかを学んでこられなかったのですか」と問いかけたい思いなのだ。
察するに、クリーブランドクリフス社(CC社)は既に一度USSの買収に失敗していたし、今回もまた買収をかけたが日本製鉄が$55/株の価格を提示したのに対して、CC社は$30台で買い負けの状態なので、感情的にもなったのかと見える。
当方は15日と16日に「ゴンカルヴェスCEOは何かを誤解しているか、アメリカの製鉄業界の地位が世界市場でどれほど低下したかをご存じではない様子だ」と真っ向から批判した。その際に当方が手抜かりだったかもしれない点もあった。
それは、アメリカの企業と折衝する場合には「彼等の提案乃至は抗議する発言に対して、何らの反論も異議も唱えずに沈黙していれば、「その提案は受け入れます」または「異議は認めました」となってしまうのだという事を付記しなかった点だ。これは、彼等と交渉するか何事か話し合う場合に忘れてはならない大原則で常識なのである。
ゴンカルヴェス氏に好き勝手な誤った発言を許し、言われっぱなしでは駄目なのだ。林官房長官が礼儀正しく、あのような緩い事を言えばゴンカルヴェス氏に「そら見ろ。宝山鉄鋼にアメリカ向けに安売りしろと唆していたじゃないか」と勝ち誇らせてしまうのではなかろうか。
再度林官房長官に申し上げたい事は「このような初歩の交渉術乃至は駆け引きをご存じでなかったでは済まない事態になりませんか」という点なのだ。我が政府は何とも歯がゆい事態にしてしまったようだと嘆くのは当方だけか。
今からでも遅くはないから、武藤経産大臣か事務次官をオハイオ州に派遣して、ゴンカルヴェスCEOに厳重抗議させたら如何か。我が国を悪し様に罵り、嘗てはわが国を代表する企業だった日本製鉄の名誉を傷つけられたままに放置して良いとは思えないのだから。
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