「偽ブランド品」ではない!:
昨22日は雨も上がって気分良くジムに出かけた。運動を終えシャワーを浴びてロッカールームで着替えているところに、顔馴染みの気っぷの良い仲間が「良いシャツを着ている。お洒落だ」と褒めてくれた。そこで「実は、このシャツはそんじょそこらのシャツとは違っていて、何と北京製のバーバリーなのだ」と説明した。彼ともう一人の居合わせた人も怪訝な顔をしているので「それでは」と故事来歴を説明した。
それは1990年代末に初めて北京をパック旅行で訪れた時のことだった。目的はただただ万里の長城を見たかっただけだったが、その後でガイドがお定まりの土産物店にご一行様を案内したのだった。ご案内の方も多いとは思うが、その目的は売上げから彼(または彼女)にいくらかの戻しがあるのだ。だが、誰も何も買わずに終わりそうだった。その時に私が偶々目に止まった邦貨で¥8,000にもなるバーバリーのシャツを手に取ってしまった。そこに店員が食いついてきたので、「¥8,000は高すぎる。どうせ偽ブランド品だろうに」と冷やかしてしまった。それが切掛けだった。
すると、彼は「何を仰いますか。歴とした本物です。何しろバーバリーの下請けをしている工場から生地とボタンを貰ってきて作ったものですから。チャンとロゴマークだって入っているじゃありませんか」と反論してきた。何れにせよ、買う気はないので店を出ようとすると彼が追いかけてきて「それでは20%引くからお買い上げを」と迫るので「高い。精々5,000円程度の代物」と言い返すところにガイドがやってきて「何とかそこで折り合って下さい」と半ば懇願され、押し問答の末に買ってしまうことになった。
「何ともはや」という事だったが、この時にはもう一つ面白い出来事があった。それは恭しくガラスのケースの中にあったまがい物と覚しき”Rolex”の時計を一行中の青年二人が「ナンチャッテだろう」冷やかしていたのだった。ところが売り場にいた若き女性も然る者で怯むところなく「いいえ、チャンとした香港製のローレックスという本物です」と切り返した。流石の二人も返す言葉もなく大笑いして戻ってきたのだった。現在の中国がこのような面でどう変わっているだろうか。
次はアメリカでのこと。私は仕事柄何度も日本からお見えになる団体のお世話をしたことがあった。その時は恐らく生涯で初めてで最後のアメリカ旅行になるかも知れない方が多い団体をシカゴで”Magnificent mile”と呼ばれるかの有名なる”North Michigan Ave.”にお買い物にご案内した。先ずは”Brooks Brothers”に入店し、紳士物用品のネクタイ、シャツ、ベルト等々をお土産用も含めて大勢で買いまくられた。店員たちも応対に大童だった。ところが一向に仕事が捗らないのだった。
そこで「時間が限られた団体だ。何をやっているんだ」と質すと、困ったような表情で「これほど一度にギフト用の箱が必要になったことがないので、地下の倉庫に係の者を取りに走らせたところで暫時お待ちを」と答えた。それで何とか包装が始まった。ところがその後直ぐにまた停滞した。「今度は何だ」と詰問すると「これほど大勢のお客様の全員が現金で支払われたことがないので、釣り銭用の現金が不足して、ただ今銀行に会計係が飛んでいったところです」という答えだった。これは理解出来る話である。何しろアメリカではクレデイットカードか小切手払いが普通で、現金での買い物客は希であるから。
何とかそこでの買い物を終えて次は両手にBrooks Brothersの大きなショッピングバッグを抱えた無慮20数名の方の先頭に立って化粧品ということで「壮麗なる」ノースミシガン通りを些か恥ずかしかったが、威風堂々と行進してデパートに向かった。そこでは何故かご一行様はシャネルには見向きもせずにクリスチャン・ディオールの口紅に殺到された。ここでも売り場の要員が不足して本来あるべき事ではないのだが、他のブランドの担当者まで応援に駆けつけた。そこで、中学と高校の同期生で去る旅行社の常務だった友人から聞いていた「ガイドへの心付けがある」というのを思い出して、軽い気持ちで売り場の責任者らしき青年に「何か忘れていませんか」と声をかけてみた。
すると、彼は慌てふためいた顔付きで「大変失礼いたしました」と何処かに走って行き息せき切って戻ってくるや、私に高価な香水のセットを差し出すのだった。なるほどそういうものだったかと納得したが「私はガイドではない。ご一行様のアテンドをしているアメリカの会社の社員である」と言って、英語にすれば”respectfully declined”で、謹んで固辞したのだった。
海外では色々なことがあるもので、文化というか言語・風俗・習慣の違いから予期せざる出来事に出会うものなのだ。他にも未だ数多くの興味深い上記のような経験をしていたが、それはまた何時か別の機会にでも。それよりも今日辺りではトランプ氏の「就任と同時にTPP離脱声明」でも論じていなければなるまいかと危惧するものだ。
昨22日は雨も上がって気分良くジムに出かけた。運動を終えシャワーを浴びてロッカールームで着替えているところに、顔馴染みの気っぷの良い仲間が「良いシャツを着ている。お洒落だ」と褒めてくれた。そこで「実は、このシャツはそんじょそこらのシャツとは違っていて、何と北京製のバーバリーなのだ」と説明した。彼ともう一人の居合わせた人も怪訝な顔をしているので「それでは」と故事来歴を説明した。
それは1990年代末に初めて北京をパック旅行で訪れた時のことだった。目的はただただ万里の長城を見たかっただけだったが、その後でガイドがお定まりの土産物店にご一行様を案内したのだった。ご案内の方も多いとは思うが、その目的は売上げから彼(または彼女)にいくらかの戻しがあるのだ。だが、誰も何も買わずに終わりそうだった。その時に私が偶々目に止まった邦貨で¥8,000にもなるバーバリーのシャツを手に取ってしまった。そこに店員が食いついてきたので、「¥8,000は高すぎる。どうせ偽ブランド品だろうに」と冷やかしてしまった。それが切掛けだった。
すると、彼は「何を仰いますか。歴とした本物です。何しろバーバリーの下請けをしている工場から生地とボタンを貰ってきて作ったものですから。チャンとロゴマークだって入っているじゃありませんか」と反論してきた。何れにせよ、買う気はないので店を出ようとすると彼が追いかけてきて「それでは20%引くからお買い上げを」と迫るので「高い。精々5,000円程度の代物」と言い返すところにガイドがやってきて「何とかそこで折り合って下さい」と半ば懇願され、押し問答の末に買ってしまうことになった。
「何ともはや」という事だったが、この時にはもう一つ面白い出来事があった。それは恭しくガラスのケースの中にあったまがい物と覚しき”Rolex”の時計を一行中の青年二人が「ナンチャッテだろう」冷やかしていたのだった。ところが売り場にいた若き女性も然る者で怯むところなく「いいえ、チャンとした香港製のローレックスという本物です」と切り返した。流石の二人も返す言葉もなく大笑いして戻ってきたのだった。現在の中国がこのような面でどう変わっているだろうか。
次はアメリカでのこと。私は仕事柄何度も日本からお見えになる団体のお世話をしたことがあった。その時は恐らく生涯で初めてで最後のアメリカ旅行になるかも知れない方が多い団体をシカゴで”Magnificent mile”と呼ばれるかの有名なる”North Michigan Ave.”にお買い物にご案内した。先ずは”Brooks Brothers”に入店し、紳士物用品のネクタイ、シャツ、ベルト等々をお土産用も含めて大勢で買いまくられた。店員たちも応対に大童だった。ところが一向に仕事が捗らないのだった。
そこで「時間が限られた団体だ。何をやっているんだ」と質すと、困ったような表情で「これほど一度にギフト用の箱が必要になったことがないので、地下の倉庫に係の者を取りに走らせたところで暫時お待ちを」と答えた。それで何とか包装が始まった。ところがその後直ぐにまた停滞した。「今度は何だ」と詰問すると「これほど大勢のお客様の全員が現金で支払われたことがないので、釣り銭用の現金が不足して、ただ今銀行に会計係が飛んでいったところです」という答えだった。これは理解出来る話である。何しろアメリカではクレデイットカードか小切手払いが普通で、現金での買い物客は希であるから。
何とかそこでの買い物を終えて次は両手にBrooks Brothersの大きなショッピングバッグを抱えた無慮20数名の方の先頭に立って化粧品ということで「壮麗なる」ノースミシガン通りを些か恥ずかしかったが、威風堂々と行進してデパートに向かった。そこでは何故かご一行様はシャネルには見向きもせずにクリスチャン・ディオールの口紅に殺到された。ここでも売り場の要員が不足して本来あるべき事ではないのだが、他のブランドの担当者まで応援に駆けつけた。そこで、中学と高校の同期生で去る旅行社の常務だった友人から聞いていた「ガイドへの心付けがある」というのを思い出して、軽い気持ちで売り場の責任者らしき青年に「何か忘れていませんか」と声をかけてみた。
すると、彼は慌てふためいた顔付きで「大変失礼いたしました」と何処かに走って行き息せき切って戻ってくるや、私に高価な香水のセットを差し出すのだった。なるほどそういうものだったかと納得したが「私はガイドではない。ご一行様のアテンドをしているアメリカの会社の社員である」と言って、英語にすれば”respectfully declined”で、謹んで固辞したのだった。
海外では色々なことがあるもので、文化というか言語・風俗・習慣の違いから予期せざる出来事に出会うものなのだ。他にも未だ数多くの興味深い上記のような経験をしていたが、それはまた何時か別の機会にでも。それよりも今日辺りではトランプ氏の「就任と同時にTPP離脱声明」でも論じていなければなるまいかと危惧するものだ。
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