新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

3月18日 その2 「時差ボケ」などという表現を使うな

2023-03-18 10:23:41 | コラム
メデイアは何故今になっても「時差ボケ」などと言うのか:

メデイアは常日頃からあれほどカタカナ語を乱れ打ちしているのにも拘わらず、何故彼らは使い古した時代遅れ感に満ちた「時差ボケ」などという汚らしい表現を使うのだろう。他人様に対して「ボケ」などと言うのは失礼ではないのか。英語は”jet lag“だから、素直にそのまま「ジェットラグ」のようにカタカナ語にしておけば格好が良かったのではないのか。

今回も日本時間の今朝ほどか、マイアミに到着した我らのWBC代表ティームにも、21日に準決勝戦では「時差ボケ」の心配があると気遣う声も報じられていた。確かに、13時間もの時差を繰り返し経験したことがない一部の選手たちには、中4日でもキツいかもしれない。ダルビッシュや大谷にしたところで、アメリカ国内の最大限3時間の時差には慣れているだろうが、ダルビッシュはもう登板しないだろう。

初めて経験する人たちにとって最も重要なことは「昨日到着したときに感じただろう猛烈な眠さがあっても絶対に寝てはならず、現地時間のままで過ごすよう努力すること」だ。もしも寝てしまえば、体というか(体内時計?)がそのまま日本時間で動いていくので、ジェットラグを克服できなくなってしまうのだ。経験から言えば「そんなことがあると意識せずに過ごせば」必ず何とかなる事なのだ。

1972年8月に初めて東海岸時間帯のジョージア州・アトランタのホテルに一泊して朝だと思う頃に起きたら、体に何とも言い様がない寒さで震えが来て「これは到着早々病気か」と恐ろしくなった。だが、朝食に出かけたところに迎えの人が来て一気に目が覚めた。だが、午後になってから会議中にもの凄い眠気に襲われて四苦八苦した。それでも、初めて来たアメリカでアメリカの会社の幹部に会うのでは眠いなどと言っている暇もなく、翌日からは何とも感じなくなってきた。

それ以後はアメリカに何度出張しようと、一切時差などを感じていられなくなったのか、ごく当たり前のように体が現地時間に対応し、帰ってくれば当たり前のように16~17時間のジェットラグを自然に克服するようになっていた。これなどは「習うよりは慣れよ」であって、時差があるなどと意識さえしなければ、何とかなるということだと思っている。

自慢話めくが、極端な経験を振り返ってみよう。その時は日曜日に帰国して月曜日に出勤すると、ある得意先から「ヨーロッパに出張していた幹部がこの機会に何とアメリカに回って御社の本社を明日訪問したいと連絡してきた。副社長と打ち合わせの上、アテンドに行って欲しい」と依頼された。将に「待ったなし」なので打ち合わせの上で、翌日再度アメリカに向かった。

シアトルにはアメリカ時間で同じ日の朝8時に到着するので、10時からの副社長との会談に充分間に合うのだ。会談後には昼食会があり、200km南の工場に車でご案内して(私は運転の仕方を知らないが)工場長と懇談と見学。そしてまた3時間のドライブでKing Domeのボックス席にご案内して野球見物と夕食だった。終わって11時半。ホテルにご案内して翌日は午前中に出社してから、13時だったかのノースウエスト便でのご帰国にも同行。帰ってきた時にはどっちの時間帯にいるかなど解らなくなっていた。

それでも、翌日に出勤しないことには「ワンオペ」であるのだから、業務が回っていかないのだ。要するに、アメリカ人たちは「時差」などはあって無きがごときに対応しているし、彼らの体の大きさと体力の強靱さで充分にこなしているのだ。おそらく、WBCの運営当局はこうした考え方に基づいて予定を立てているのだろうと思ってみている。即ち、事務局は日本代表に十分な”lead time“を与えてあるとでも思っているのだろう。代表ティームには「ボケている暇」はないのだ。頑張れ。


岸田総理が尹錫悦大統領を接待した店

2023-03-18 08:00:20 | コラム
「エッ」と思うような店ですき焼きを:

昨17日夜のテレビのニュース画面から、何処の料理屋に尹錫悦大統領を案内されたかが解って、思わず一寸驚かされた。何回か入ったことがあった店だった。嘗て、故安倍晋三元総理がオバマ大統領を数寄屋橋次郎に招待されたのとは格が違いすぎる店だったからだ。敢えて評価すれば、高級店と大衆店の中間よりは少し上かなと思う程度の店。在職中に個人で行ったか何方かを接待したかの記憶は定かではないが、近所に来たからと昼食で気楽に入ったような店だ。

検索してみれば、最高でも1人当たり¥20,000くらいだった。すき焼きであそこを使われるのだったら、人形町今半の方の格が高いのではないかと思った。だが、「二次会で煉瓦亭に行かれるのであれば、同じ銀座地区の店を選ぶのが警備体制を十分に整えるという点から考えれば順当だったかもしれない」という意見があった。

だが、一国の総理大臣が他国の大統領の接待に使うのに相応しいかという疑問は残る。冗談半分で言えば、いっそのことヘリコプターを飛ばして、伊勢松坂のかの和田金にでもご案内すれば、あの松阪牛と従業員の行き届いた客扱いを堪能していただけだと思うのだが。

今後、尹錫悦大統領が韓国国内での野党勢力というか、進歩派の抵抗と反対をどのように抑えて行かれるのかと、懸案の「求償権の放棄」が確約されなかった事態を、岸田総理がどのように裁いて行かれるかを見守っていかねばなるまい。岸田総理と錫悦大統領の手腕に期待するところ誠に大である。


WBC野球の準々決勝戦から勝ち上がった

2023-03-17 07:54:14 | コラム
国際試合で勝ち抜くことがどれ程大変なのか:

今回は良かったと評価した点だけを、冷静なる評論家独自の見方から取り上げていこうと思う。昨夜のイタリア戦を勝ち抜いた実力は、正当に高く評価しなければならないとあらためて認識している。9対3と点差は開いたが、必ずしも簡単に9点も取れていなかったし、大谷翔平とダルビッシュ有という数多いるMLBの中でも一級品の両名が登板しても3点も取られてしまったのだから、勝ち抜いた選手たちも傍目で見るよりも遙かに全力で集中して勝ちに行っていたのだと思って見ていた。

MLBにどれ程多くのイタリア系アメリカ人の選手たちがいるのかなどには全く知識がなかったが、昨夜見ていた限りでは「なるほど。これだけいれば8強に勝ち上がってきたわけだ」と納得させられた強さがあった。要するに、予選リーグで全勝した相手国とは一味も二味も違う強い選手団だったのだ。

それが証拠に、大谷翔平という超一流の投手が、5回を投げきれずに抑えが効かなくなってきていたし、切り抜けてくれると期待していた満塁のピンチに当たり損ないでもヒット打たれてしまったのを見れば、イタリアの実力も正当に評価すべきだと感じていた。大谷ほどの投手が苦労していたし、攻撃面では好機にバントまでして勝とうという執念を見せた姿勢が非常に印象的だった。あれだけ見事なバントをしたのは、矢張りどこかで練習をしてあったのかとすら感心していた。

第2先発とやら言う称号を奉られていた今永昇太は、MLBのスカウトたちが高く評価したと報じられている回転数が多い真っ直ぐでイタリア抑えきったのも素晴らしかったし、MLBではリリーフなどに立つことがないダルビッシュ有が「ティームの勝利の為」に出てきた姿勢も評価すべきだろう。この両投手の姿勢を見ていると、MLBの選手たちの「個人の力量を見せよう」という利己的な姿勢とは違って「ティームの為」を優先しという精神が発揮されていたのが清々しかった。

村上宗隆だが、栗山英樹監督が彼を5番に下げた決断も評価すべきだと思う。村上の表情に多少明るさが見えたかと思った途端に「もう少し上がっていればホームランだったのに」という当たりが出たのは良かった。彼があのまま沈んでいれば、そこで打線が途切れてしまう状態が続くので、何とかすべきだったのだから。岡本和真も何時かは立ち上がるだろうとは期待していたが、漸く国際試合の雰囲気に慣れたのか、あのホームランでティーム全体を活気づけたのが良かった。

考えて見れば、この代表ティームには攻守両面でMLBの本当のレギュラーメンバーが出ているのは大谷翔平だけだ。吉田正尚はこれからそのポジションを取りに行く段階の選手だ。その点から見れば、非常に良くできたというか、粒が揃った選手が集まった立派なティーム作りが出てきていると思う。決勝戦まで当たらないことになってしまったアメリカでも、日本の選手たちのスカウテイングが充分に整っていないのではないのではとすら考えている。即ち、そういう優位さがあるということ。

昨夜は大谷とダルビッシュというMLBの投手たちが3点を与え、NPBの投手たち伊藤大海、今永昇太、翁田大勢がゼロに抑えきった勝ち方だった。これ即ち、優れた投手力で勝ち上がってきたと評価できると思っている。打つ方では村上と岡本の状態が良くなってきたところで、マイアミでの準決勝戦まで間が開くのが一寸気になるが、ここから先は山本由伸と佐々木朗希の和製の投手たちの素晴らしさに期待したいのだ。彼らの実力で優勝してくれと願うだけだ。


3月16日 その2 WBC野球の準々決勝戦の前に

2023-03-16 08:08:39 | コラム
やはりこの話題にも触れておこう:

勿論、順当に野球国ではないイタリアに勝って、アメリカに行ってもらいたいのだが、例によって例のごときマスコミの騒ぎすぎが気になって仕方がない。気にする理由は再三述べてきたことで、彼らの騒ぎすぎと持ち上げすぎが、ろくな結果にならないとの先例が度々あったからだ。大谷翔平君は多少持ち上げられても舞い上がってしまうこともないだろうが、若き三冠王と持て囃されすぎた村上宗隆を見ろということ。大谷の後の4番とは途轍もない重圧で自滅(潰れる)寸前ではないか。

それらにも増して気にしていることがある。それは「指揮官・栗山英樹監督の憔悴しきった、急に20歳も老けたのか」とでも形容したくなる表情である。それでなくとも、前任者でNPBの監督経験がない稲葉篤紀がオリンピックで優勝との輝かしき実績を残したので、栗山監督は大谷を始めとする最強の布陣が整ったWBCで優勝しないことには、鼎の軽重を問われることになりかねないだろう。

しかも順調に予選リーグは全勝だった。ヌートバーは期待以上の大活躍だし、MLBの大スター大谷君もその抜きん出た実力を発揮してくれている。優勝への期待はいやが上にも盛り上がっただろう。これ即ち、栗山監督の上には連日連夜重圧がのしかかってきていると察している。今夜のイタリアにはMLBのバリバリの一本目が8名もいるし、勝ち上がってぶつかるキューバの主力にはNPBでの強力なスターがぞろぞろいるのだ。監督さんが緊張に押しつぶされそうになるのも解る気がする。

私は野球でもサッカーでも何でも国際試合の観戦では、何も期待することなく、ただひたすら日頃の練習の成果が発揮できるように平常心で臨み、持てる力と磨いてきた技術を遺憾なく発揮してくれることだけに期待している。言い換えれば「過剰な期待は禁物」なのである。今夜は黙って大谷翔平が80球でイタリアを抑え、ヌートバー、近藤健介、吉田正尚が打ってくれることに望みを託したい。村上には好機に単打でも打ってくれれば十分だという程度の期待しかできまい。

代表選手よ、最善の力を発揮して栗山英樹監督を少しでも重圧から解放してあげて欲しい。


日韓首脳会談の問題点を探る

2023-03-16 07:21:39 | コラム
会談が成功すれば良いと思う:

今朝4時の我が家の室内の気温は20度+と、昨日の暖かさの余韻が残っておらず、昨日の夕方でも21度に過ぎなかった。これは「未だ朝夕は冷え込んでくる状態を脱し切れていない」ということ。その冷え込みが残っている我が国に、韓国の尹錫悦大統領が本日にやってこられて、岸田総理と初の公式首脳会談を開催されるのだそうだ。尹大統領の対日関係改善に向けての姿勢は認識しているので、会談が成功(「上手くいく」という程度の意味だが)すれば良いと願っている。

尹大統領は前任者の進歩派の代表者だった文在寅大統領とは異なって「関係改善」の方向を目指しておられるので、今回も旧朝鮮半島労務者問題の解決策を提示されるなどの好意的(なのだろう)な政策を打ち出されている。だが、今回の韓国側が設立する財団が原告団に支払う(昨夜のPrime Newsでは時事通信の室谷氏は「肩代わりという表現は誤り」と真っ向から否定されたが)との解決策を岸田政権が諒とされたという話は寡聞にして未だ知らない。

気がかりなことは「尹大統領は自身が提示した解決策を『日本政府が承認した』という前提で首脳会談に臨む意向か」という点だ。この解決案は我が国が了承するかしないかの問題ではなくて、65年の条約がある以上、韓国内部の案件であって我が国とは無関係のことではないのか。故に「こうするのだからまた謝罪せよ」だの「ホワイト国に戻せ」という話は全く別次元の案件であろう。勿論、GSOMIAの再確認や現下の不安定な国際情勢では両首脳が安全保障を語り合うのは当然だろう。

既に、日経新聞の元論説委員・鈴置高史氏が「韓国の罠にはまるな」と警告されたことは取り上げてあった。後4年しか残されていない尹政権からまたまた進歩派政権に交代すれば、今回の解決案が反古にされないという保証もないという気がしてならないのだ。15年の「不可逆的解決案」の外相としての当事者だった岸田総理はあの苦い経験をお忘れではなく、断固とした姿勢で会談に臨まれるものと信じている。

他にもこの会談には重要な点がある。それは「韓国側の解決案は既にバイデン大統領の下にも上がっており、大統領が宜しいとされていた点」である。我が国がひっくり返すことはできない立場に立たされているのではないか。一部にはチャンとした見通しでこの会談に触れているメデイアもあるが、すき焼きで会食の後に、二次会にオムライスを食べに行かれるというような、問題を矮小化した報道姿勢は好ましくないと思う。