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日中の衝突がはらむ危険とは(1)

2012-10-05 | ラジオ
日中間の緊張は、今のところ和らぐ気配も見せていない。専門家たちは、この対立、緊張の今後の行方に付いて考えを巡らしている。現在、両国政府は危険すれすれの境界線上で平衡を保ちながら、ともかくも際限をわきまえ、一つの道はデモおよび強硬な声明、他方の道は限度を踏み越え悲劇的な事態に至ることだと自覚している。
ゆえに専門家の大多数が軍事衝突の危険は認めておらず、むしろ日本とアメリカが新たに接近すること、そして日中関係の相当程度の悪化と、日中間文化経済交流の冷え込みを予測している。
日本にとって、これはむしろ悪いことだ。というのも、この10年間、日本政府は対外政策を多角化し、アジア諸国と関係を深めることで、アメリカの影響下から逃れてることから努めていたからだ。

歴史学博士で元駐日ロシア大使のパノフ氏は、現状について次のようにコメントしている。
「アジアでは現在、国際関係の再構築が進められている。このことは何よりも、中国の急激な成長と関係が深いことだ。
だが中国だけではない。韓国もまた、影響力をいや増しに高めつつある。このために、ナショナリスティックな空気感が中国、韓国その他の一連の成長著しい国々で醸成されている。
つまり一方には中国や韓国の台頭ということがあり、他方には日本の弱体化ということがある。中国は日本に、アジアで支配的優位に立つのは中国であると理解させようと企んでいる。日本がアジアのリーダーと目され模範にとられた、ひとつの時代が終わったのだ。こうして見ると、領土問題というのは進行中のアジアの勢力変動の表面的な現われに過ぎないことが分かる」
歴史学博士は、こうコメントしている。

日中の領土紛争は、世界経済の復興を阻害する危険がある。そう考えるのは、領土紛争を考慮して今年、および来年の世界全体のGDP成長率予測を下方修正した

日中の衝突がはらむ危険とは(2)へ続く

9月25日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル